国産精麻を用いた前天冠(花冠)と釵子は、京都の錺金具師の一言から

2月頃だったと思います。

「前天冠(花冠)の正絹の部分を麻(精麻)にしては?」と京都で神楽鈴などをつくる錺金具師(かざりかなぐし、錺師とも)から麻縄職人を通じて提案がありました。

前天冠とは巫女の頭飾りのこと。舞を舞う際などに着用するもので、西洋でいうティアラ状の天冠のことをいい、しばしば両耳の上には花飾りがつきます。

知り合いの女子神職(2名)に正絹の部分を精麻にする旨を伝えると、一人は「6月にはじめての大祭を予定しており花冠と、女子神職は正装となるため釵子(さいし)の使用を検討中」、もう一人のお方は「たいへんすばらしいと思います」「巫女さんが着装するなら草木染めがよいと思います」とのご意見。そうして試作を兼ね完成したのがこちらです。

前天冠(花冠)・国産大麻(精麻)五色房付き
前天冠(花冠)・国産大麻(精麻)五色房付き

すでに神楽鈴、鉾先鈴とも草木染め精麻の五色緒(緑・黄・赤・きなり・紫色)のものはできていますので、その五色緒と前天冠の五色房がリンクします。(さらに前天冠の朱色の正絹紐も草木染め精麻にすることもできます)

女子神職に完成写真を見ていただきました。「素晴らしいお品をご紹介ありがとうございます」

そして、この前天冠の話から、釵子の飾り紐を精麻(きなり)でということになり、こちらができていったのです。(すでに釵子をお持ちの場合、紐部分のみの製作もお請けさせていただきます)

釵子・国産大麻(精麻)紐付き
釵子・国産大麻(精麻)紐付き

 

 

・参考文献

「有職装束大全」八條忠基著(平凡社)

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)

あわむすび国産精麻アクセサリーの活用例(1年を通して福が集まりますように)

先日、お客様から1枚写真が送られてきました。

あわむすび国産精麻アクセサリーと立春大吉のお札
あわむすび国産精麻アクセサリーと立春大吉のお札

あわむすび国産精麻アクセサリーの紅白によりおめでたい感じがしこのお札と合っていませんか?

このお札は出雲大社相模分祀の授与品だそうで、「あわむすび」とともに立春の日に貼られたとのこと。お札は新春の光を受けてつぼみが花開くように、中央から次第に膨らんでいくようになっていて、写真は少し開きかけていますね。

この立春大吉のお札は「1年を通して福が集まりますように」という縁起物で、写真をみて寒い中にも明るい気持ちになりました。(お札は来年の立春まで貼るそう)

皆さまにも「1年を通して福が集まりますように」。

大麻の麻縄活用コンテスト開催!ご応募受付中

きょう2月3日は立春。

大麻の麻縄活用コンテストを開催させていただきます。※本募集は終了しました。ご応募ありがとうございました。

麻縄(麻ヒモ)は神社のしめ縄、鈴緒(鈴縄)、お寺の鰐口紐(わにぐちひも)、山車の曳き綱、また製造工程は独特ですが締め太鼓や大鼓(おおかわ)、小鼓に掛けられた調べ緒などとして使われています。さらに、芸術分野においてこんな作品も過去にございます。

今回の麻縄活用コンテストは、日常にある大麻(精麻)の麻縄、麻ヒモをテーマに、現代に合った使い方を募集しその可能性を問うのが狙いです。(そしてますます活性化しますように)

麻縄、麻ヒモの持つ可能性は?
麻縄、麻ヒモの持つ可能性は?

 

調べ緒(麻ヒモ)の例
調べ緒(麻ヒモ)の例

<募集要項>
・募集する活用法
日常にある大麻(精麻)の麻縄、麻ヒモをテーマに、現代に合った活用例を募集します。神具仏具はじめ、伝統工芸、アート、手芸・アクセサリーなど問いません。いろいろな活用法をご応募ください。

※もともと買う人を増やすのではなく、クリエイティブな人を育てたいという思いがございます。

ヒモ、縄でできること→むすぶ・たばねる・つるす・まく・かける・つなぐ・しばる・いろどる

<応募のルール>
・応募はお一人様何口でも結構です。
・どこにポイントがあるか、その魅力などアピールポイントを明記してください。
・このコンテストはメールでご応募できます。メールアドレス info☆sanuki-imbe.comへ活用例の写真と、上記のアピールポイントを添え、件名「麻縄活用コンテスト」にてお送りください。※☆は@に変えてください。
・未発表のものに限りません。ただし他のコンテスト等での受賞作品はNGです。(麻縄、麻ヒモは自作、他作問いません)

<審査と発表>
・厳正な審査のうえ、受賞者を決定いたします。(審査基準「現代」「日常」「美」)
・締め切りは、初回の開催で十分周知されていないことを考慮し1ヶ月延長、2021年6月30日(水)とさせていただきます(5月19日付けで変更)。発表は当ページ、さぬきいんべ通信上にて行います。
・賞金は2021年7月末、ご指定の口座にお振り込みする予定です。

<賞品内容>
・優秀賞 5万円(1名)
・特別賞 5000円(1~2名)

鼓胴型しめ縄が完成しました。井戸用のしめ縄も

2020年もあと半月あまり。

このほど、鼓胴型のしめ縄が完成しました。もちろん極上の国産大麻(精麻)製です。

国産大麻(精麻)・鼓胴型しめ縄(紙垂付き)
鼓胴型しめ縄(紙垂付き)

こちらはすでに納品済みで、お客様から神棚に仮設置された写真付きでメールが届きました。(しめ縄をまっすぐではなく、2つの柱の間に垂らした状態で設置したいとのことで、しめ縄の長さを事前にお手持ちのヒモで吟味していただきました)

いわく、「神聖なお品をありがとうございました。」

よかったです。

 

その他、神棚用に15ミリ×5尺のしめ縄、井戸用に5ミリ×5メートルのしめ縄(いずれも国産精麻、紙垂付き)なども本年はじめて製作し、納品させていただきました。井戸には井戸の神様(龍神)がいらっしゃいます。しめ縄を張って撮影した写真を送っていただきましたのでご紹介します(許可を得ております)。

井戸用に(5ミリ×5メートル)
井戸用に(5ミリ×5メートル)

もう1つ同じ敷地に井戸があるそうでそちらも同じ感じにしめ縄を張られています。この方、荒神様用にしめ縄もご注文いただきました。

さらにそんな中お客様からお手紙が届きありがたい限りです。(お客様からお礼が届くのはほとんどメールでお手紙は珍しいです。お忙しい中ありがとうございます。「あわむすび」好評のようです)

お客様から届いたお手紙
お客様から届いたお手紙

「ご縁を頂けたことを嬉しく思います。」うれしいお言葉です。(こちらも許可を得てご紹介しております)

大根型、牛蒡型、和かざり各種ございます(今年からできるようになった紙垂付きが人気。これから早期ご予約分を順次発送していまいります)。

国産精麻のしめ縄で清々しい新年を迎えましょう!

10周年記念!年末感謝祭2020

2017年から毎年開催させていただいております年末感謝祭。

本年は10周年を記念して、開催させていただきます。(2020年12月31日まで。2021年1月4日に11周年を迎えます)

四国の麻栽培を願うキャンペーンのプレゼント、京都・山川のオリジナル国産精麻アクセサリー「あわむすび」は通常、お1人様お1つ限りとさせていただいておりますが、CLUBさぬきいんべ会員様には特に感謝をこめまして、お買い上げ毎にお2つプレゼントさせていただきます。(追加で作っていただいております。なくなり次第終了) 12月2日変更

国産精麻アクセサリー「あわむすび」(数量限定)
国産精麻アクセサリー「あわむすび」(数量限定)非売品

 

ひとくちに10年と言いましても、いろいろございました。これまでの歩みをザッと書いてみます。

2010年1月に、香川県高松市にて創業。(公益財団法人かがわ産業支援財団発行の「創業事例集」に掲載)同年8月に活動を中止し、実家のある愛媛県西条市にUターン。翌年6月より再始動。

2015年1月より、京都・山川のミニ鈴緒を取扱い開始。同年3月、日本初となる国産精麻の輪飾りを販売開始(のちにお客様より「神居 和かざり」と命名)。同年5月、徳島県木屋平にある三木家住宅(国指定重要文化財)を京都・山川5代目、山川正彦さんらと3人で訪問、ご当主・三木信夫さんと面談。

2016年9月、徳島県吉野川市主催の麻シンポジウムに参加。

2017年2月、徳島県の大麻比古神社に正式参拝。同年秋、同神社の神麻しめ縄奉納に参加。同年6月、公益財団法人愛媛民芸館の評議員に就任。同年夏、国産精麻五色緒付きの神楽鈴を取扱い開始。

2018年夏、国産精麻の祓串の取扱い開始。同年秋、剣山本宮宝蔵石神社の神麻しめ縄奉納に参加。

2019年3月、徳島県の三ツ木八幡神社神麻しめ縄奉納に参加。

そして本年は神様を大切にする人が増えたらいいなというのと、国産精麻の草木染めの製品をと年頭に思い取り組み、5月に国産精麻五色緒付き(草木染め)の神楽鈴、8月に真榊が完成、さらに埼玉県の神社様より注文いただいた鉾先鈴(国産精麻草木染めの五色緒付き)を11月に納品させていただきました。

創業の動機となった今治市の工房織座製の素敵なヘンプ衣料は2014年9月に販売中止になった後、京都・山川の製品を中心に取り扱わせていただき現在に至っております。

10周年記念!年末感謝祭2020

今後の飛躍と、日本の文化の継承、発展を祈念し、皆様と縁結び(=「あわむすび」)できれば幸いでございます。

※webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

国産精麻の五色緒サンプルができました(貸し出しできます)

このほどお客様のご依頼により、極上国産精麻の五色緒のサンプルができました。

1つは草木染め、もう1つは化学染料によるもの。五色緒に近い形でできております。長さは5尺(約150センチ)です。

国産精麻五色緒の感触、草木染めと化学染料の染色のちがいなどを確認したいということで、上記のサンプルを作らせていただきました。

何度もお伝えしていますように神社仏閣用の麻製品の染色は、現在99%以上が化学染料によります。化学染料の染色と草木染めの染色の比較にもお役に立つと思います。

実物を目で見て確かめたい、触れてみたいという方は仰ってくだされば貸し出しいたします。(ただし、貸し出し中の場合はお待ちいただく場合があります)

お問合せ先メールアドレス:info☆sanuki-imbe.com(☆を@に変えてください)

タイトルを「五色緒サンプル」でお願いいたします。

よろしくお願い申し上げます。

国産大麻(精麻)しめ縄&ミドル鈴緒で清々しい新年を!早期ご予約案内

本年もあと3ヶ月になりました。しめ縄&ミドル鈴緒の早期ご予約の受付を開始いたしました。

今年はしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》に紙垂付きが加わりました。(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)

特典として、極上国産精麻1本、とあわせまして四国の麻栽培復活を願うキャンペーンの「あわむすび」(なくなり次第終了)をプレゼントさせていただきます。※先にご予約いただいている方もプレゼント対象になります。

お届けは2020年12月20日頃から順次発送予定です。日時指定も承ります。

また、こんなのしめ縄または鈴緒ができないかというご要望も歓迎です。※現在のところ、webページでご紹介しているものでは紙垂付きが人気、それ以外では神居和かざり《きなり》の前垂れ無し、大根型しめ縄の長さ3尺等のご予約をいただいております。他にも鼓胴型しめ縄、井戸用のしめ縄のご注文をいただきました。ありがとうございます! (こちらの麻縄に紙垂をつけるのもおすすめです)11月20日追記

しめ縄&ミドル鈴緒の早期ご予約専用ページ 早期ご予約受付を終了いたしました。多数のご予約ありがとうございました!

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

日本の文化、はるか縄文の昔から大切に、また地名や人名にも使用されてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄、ミドル鈴緒で清々しい新年を迎えましょう。

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

京都・山川のミニ鈴緒をお祝いの品に

このたび、京都・山川による国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒をお祝いの品にとご注文をいただきました。ミニ鈴緒は2015年はじめから販売させていただいている一般の方に縁遠い精麻を身近にというコンセプトでつくられた製品です。

国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(京の伝統工芸品)
国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(京の伝統工芸品)

山川さんにお話したところお祝い用の包装ということで、箱と精麻をご提供いただくことに。箱は画用紙に和紙を貼ったり京都らしい手仕事の品。精麻はもちろん国産です。

水引の起源は麻であり、今回は神事のお祝いであることから、精麻で結ぶことをご提案させていただきました(神式の場合、玉串料等は白の奉書紙に包み水引ではなく神事でもちいる精麻で結びますが、この場合は慶弔どちらにでも用いることができます)。

以前、製品の箱詰めを山川さんにお願いしたこともありますが、この度は心をこめる意味でお客様がご自身で箱詰めされ、予定されていた方々に先日お渡しされたとのご報告をいただきました。

箱詰めされた写真を見て驚き、こんな風にできあがるとは思っておりませんでした。古いもの(伝統)と現代の組合せ、和紙は土佐和紙とのこと、紅白でおめでたさ、また巫女をも表しているのではないでしょうか?

なお、上の神棚奉斎(ほうさい)式というのは、東京の翡翠の巫女様(代表:松井久子神職)が主催する、家庭の祭祀者として家庭や家系にまつわる心と環境のお清めを行うことができる方を養成、敬神崇祖(けいしんすうそ、神をうやまい先祖をあがめる)の心を育む「お清め士講座」の修了時におこなわれるものだそうです。

さぬきいんべでは、モノを買うだけでなく、作る方々を増やしたい。そう思います。自ら作り手になることが大切だと。それが今まで育まれた伝統を後世に伝えることにつながればこの上ない喜びです。

満足感というものはあなたの手を使って、何かを作ることによって得られる。(サティシュ・クマール)モノを作ることによって、愛が生まれる。機械が作ったものを消費するただの消費者ではなく、作り手(maker)にならなければならない。

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

日本の麻の産地をよみがえらせる

2017年に刊行された「大麻という農作物」(大麻博物館著)の巻末に1939(昭和14)年と1955(昭和30)年の『全国の大麻栽培面積(ヘクタール)』のデータが収められています。

全国の大麻栽培面積(ヘクタール)
全国の大麻栽培面積データ(1939年、1955年)単位:ヘクタール

産地と思われる千葉、静岡といった県などデータがないところもありますが、これによりますと、70ヘクタール以上栽培されていたところは、北海道、青森、岩手、福島、栃木、群馬、新潟、石川、福井、長野、岐阜、島根、広島、熊本、宮崎がそうです。

ちなみに2018年4月より農業法人が県の許可を得てはじまった大麻を加工して作る「精麻」の生産をおこなっている三重県は0.1ヘクタールで、かつての大規模産地ではなかったことがわかります。

いい麻が取れるのは寒暖の差があるところ、お茶が栽培されているような場所(標高)がいいと聞いたことがあります。2019(令和元)年に新天皇の践祚大嘗祭へ麻織物、麁服(あらたえ)を貢納された徳島県の阿波忌部直系・三木家も標高550メートルのところにあり、ご当主・三木信夫さんもいい麻が取れる場所のお話をされておりました(直接うががいました)。

先人の知恵というのでしょうか。いま(この10年くらいの間)、これまで培われてきた昔の人の営みから得られた知恵が急速に失われているのと、また見直そうとする動きの両方があるように思います。日本の伝統文化の分野が特にそうではないかと思います。

かつての産地には地名として残ったりしなんらかの名残があるのではないでしょうか。また栽培時に使われた古い道具類もある(残っているのでは?)と思いますし、うまくいけば昔栽培に携わった古老のお話をギリギリ聞くことができることがあるかもしれません。

そういう思いをもってこの記事を皆さまへお送りします。

 

 

・参考文献

「大麻という農作物」大麻博物館著

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと

ホームセンターで「新しい神棚で新年を」というポップとともに神棚関係の棚を見かけました。最近は今風の神棚(壁掛け式)があるんですね。

古い家だと伝統的な神棚が合うでしょうけど、洋間の多い現代の家なら今風に作られたものが合うと思います。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えしておきます。

まず第一に、毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年はご希望の方に年内にきちんと届くようにということで、国産大麻(精麻)しめ縄&鈴緒年内お届けご予約ページを開設しております。

例年ですと12月初旬までにご予約いただければ年内のお届けが可能です。(諸般の都合その他の事情によりご予約締め切りの時期が早まる場合があります。その際はご容赦ください)上記のご予約は終了しました。年内お届けできるのは在庫の数量だけです。ご了承ください。(12月11日追記)

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人の手仕事でできたしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数〕。

ちなみにしめ縄、鈴緒を民芸とみるなら、使っていく中での素材の変化にも目を向けて楽しんで、あるいは使用後はお焚き上げせずに大切にしまっておくのもありかもしれません。濱田庄司氏(1894~1978年)はよく「作ったところで半分だ。そこから先は使い手が作る。だから、使うことも創作だ。」と話しておられたようです。例えば新しい青い竹かごが使っているうちにアメ色になるとかありますが、そのへんの判断は各自にお任せいたします。

もし、迷うようなことがありましたら、心の声を聞いてみるといいと思います。心がイエスと言った方、心が明るくなった方、心が軽くなった方を選ぶのをおすすめします。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう!

そう、年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。いい年末年始を迎えるために気をつけたらと思うことを書いてみました。