平安時代の「延喜式」に見られる食材の1つ、麻の実から見えること

おお麻は有用植物で、茎は繊維製品、製紙材料になり、また麻の実はたんぱく質が豊富、脂肪酸などの含有バランスもよい健康食品として知られます。さらに油も抽出できます。

平安時代中期に編纂された「延喜式(えんぎしき)」は、実際に朝廷を運営するための施行細則、マニュアルの1つです。(延喜式はほぼ完全な形で残っているため、古代の研究で重要視されているそう)

たとえば延喜式(民部)では、「年料別貢進物」として、相模国(いまの神奈川県)から6斗、下総国(いまの千葉県北部と茨城県南西部、東京都東部)から7斗、常陸国〔いまの茨城県(南西部をのぞく)〕から7斗、下野国(現在の栃木県、群馬県一部)から3斗の麻子(麻の実)が貢納されています。

※1斗は、量の単位で10升(約18L)のこと。

「延喜式」(主計)では阿波国(いまの徳島県)からも中男作物(17歳から20歳の男子をつかって貢納する作物)として麻子が納められています。

平安時代にはこれらの地域が、おお麻の生産地として知られていたということです。

ちなみに、この時代は現代とちがい、ほとんど味付けの調理はしなかったようです。それだけに素材のおいしさが最も重要でした。

日本では、単に生きるために食べるのではなく、四季折々の自然からの賜物である豊富な食材をおいしくちょうだいすることこそが、神への感謝につながると考えていたのではないでしょうか?

 

 

・参考文献

「有職食文化図鑑」八條忠基著(平凡社)

「延喜式」虎尾俊哉著(集英社)

 

 

 

自然農法で麻を栽培、精麻をつくる「自然農法・精麻プロジェクト」

2020年より、四国の麻農家が1軒もなくなっている(徳島・木屋平の三木家をのぞく)ことから、四国の麻栽培を願うキャンペーンをつづけてまいりました。

そして昨年、麻栽培を目指すため、愛媛県の伊予市の後援で「自然マルシェ」、11月に「日本麻文化フォーラム」が開催されました。

その過程で、無肥料・無農薬、いわゆる自然栽培、自然農法で麻を栽培し、神事でつかう麻、いわゆる精麻をつくることができるかを考えておりました。(そのとき、国内の精麻の生産者数が10軒を下回ったとの声を聞きました)

オガラ、種等も自然農法で可能性が広がります。

自然農法を長年実施している方や麻農家の方とお話し、道筋が見えましたので、立春より「自然農法・精麻プロジェクト」ということで精麻づくりにチャレンジして参りたいと思います。

キーワードは、自然栽培、自然農法、清浄な土壌、在来種(自家採種)、種の保存(シードバンク)、四国ブランドの麻製品、それから麻農家、職人が増えていくことです。

進捗をここに書いてまいります。応援よろしくお願いいたします。

2/4・5・6「伊予路に春を呼ぶ」椿まつりが伊豫豆比古命神社で開催

先日、愛媛県松山市居相町に鎮座する伊豫豆比古命神社(椿神社)に初詣に行ってまいりました。

同社は第七代孝霊天皇の時代に創建されたと伝えられ、2012年にご鎮座2300年を迎えた古社です。ご祭神は伊豫豆比古命、伊豫豆比売命、伊与主命、そして愛媛県の名前の由来となった愛比売命(えひめのみこと)もお祀りされています。

同社には潮鳴の石という徳島・鳴門の地名のついた石があることなど、麻を日本各地に広めた阿波忌部氏、その研究の第一人者、林博章先生が同社と阿波忌部の関係を講演で話しているのを聞いたことがあります。

近くには、朝生田(あそうだ)、そこから国道33号線伝いに南方へ行くと、麻生という地名が残っています。伊豫豆比古命、伊豫豆比売命とともに同社の舟山に上陸した阿波忌部氏が麻を植え、開拓していった跡ではないかと思われます。

2025年2月4・5・6日に伊予路に春をつげる椿まつりが同社で開催されます(初日午前0時に大太鼓で開始、最終日は24時まで)。全国各地から毎年約50万人の参詣者でにぎわいます。

椿まつり(お椿さん)2025年は2月4・5・6日
椿まつり(お椿さん)2025(令和7)年は2月4・5・6日

椿まつりは毎年「立春に近い上弦の月の初期」とされ、日にちで言うと旧暦1月7・8・9日です。

昨年から愛媛で日本麻文化フォーラム(後援:伊予市)を開催など麻栽培再生の動きがはじまりました。今年も引きつづいてその動きを継続、拡大していけたらと思います。

 

1年のいいスタートを!と、合計1万円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント中です。(春分、3月20日まで)

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

2025年のはじめに思うこと。四国の麻栽培再生の具現化を愛媛から

あらためまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年も地元、西條神社の歳旦祭に参列し、心を新たにしてスタートしました。

1月4日に創業15周年を迎えました。そして、おお麻(ヘンプ)専門神具店として5年目です。

神様(仏様)を大切にする人が増えていくよう本年も励みます。また、昨年1月から三人寄れば文殊の知恵でスタートした四国の麻栽培再生への取り組み、2025年さらに具現化させてまいります。

 

「旧暦新年2025」(合計1万円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント)を2月2日まで開催中。(本年は旧正月は1月29日、立春は2月3日)

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

 

旧暦については拙記事「旧暦と行事、日本は二本立てでできている」が参考になると思います。旧暦の新年に本当の2025年、“令和7乙巳(きのとみ)年”がスタートします。年頭は往々にして前の年からの流れが残るもの、1年のいいスタートが切れますように。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】にひき撫でバージョン

新年おめでとうございます。昨年は誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年末に新しいしめ縄が誕生いたしました。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】ひき撫でバージョンです。

こちらは3本ある精麻の前垂れの中央が長くしてあります。お客様のご要望により、長さを1.2尺(約36センチ)にしており、この部分を毎朝出かけるときにひき撫でて祓い清めているそうです。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】ひき撫でバージョン(写真:お客様提供)
国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】ひき撫でバージョン(写真:お客様提供)

丁寧にお客様よりお礼状をいただきいわく、「とてもしっかりとしていてホントに清々しいですね!思っていたとおりで大変うれしく思います。」(2年前にご要望いただいておりましたが、ようやく完成に至りました)

基本がしっかりしているため、これもいいと思います。

 

さぬきいんべは1月4日に創業15周年の節目を迎えます。四国の麻栽培再生の具現化がさらに進められますよう励みます。(年末ご注文をいただき在庫のないものが多くなっております。ここにお詫び申し上げます)

「旧暦新年2025」(合計1万円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント)を2月2日まで開催中。(本年は旧正月は1月29日、立春は2月3日)

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

 

旧暦については拙記事「旧暦と行事、日本は二本立てでできている」が参考になると思います。旧暦の新年に本当の2025年、“令和7乙巳(きのとみ)年”がスタートします。年頭は往々にして前の年からの流れが残るもの、1年のいいスタートが切れますように。

日常に根づいている神祀る日本人のこころ(家庭内に鎮座する神社、神棚)

皇祖・天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りし、日本国民の総氏神として崇敬される伊勢の神宮。

神宮では、年間に1500回に及ぶ恒例祭典が斎行されています。

日本の津々浦々に祀られる神社は、その土地の人々によってそれぞれ手厚く祀られてきました。

毎年、ここで祭りが行われ、豊作を祈願し、感謝してきました。長い間、稲の豊作が社会発展の基礎であったからです。

日本人と米との関係は、日本書紀では天孫降臨に際して天照大神(あまてらすおおみかみ)が仰せられた「三大神勅(しんちょく)」の1つ、「斎庭(ゆにわ)の穂(いなほ)の神勅」に象徴されています。「わたしが高天原で食している斎庭の稲穂をわが御子(みこ)に与えよう」との内容で、天照大神から皇孫に授けられた稲穂が日本人の米食の契機となったことが示されています。

民俗芸能の神楽、獅子舞なども祭りのなかで継承されてきました。神社は、その意味で日本人の祈りの原点です。

そして、神祀る日本人のこころは、日常に根付いています。

そのうちの1つが家庭内に鎮座する小さな神社といえる神棚です。

伊勢神宮のお札である神宮大麻を納めるための棚がその起源とされ、室町時代以降、庶民の間で室内に神棚を設けることが定着しました。

神棚には、神社をかたどった宮形を置き、正面中央に神鏡、左右に榊をかざる榊立て、神灯を照らす灯明を置いて前面上方にしめ縄を張ります。しめ縄は聖と俗をわける象徴で、一般に太い方が正面右にくるようにします。そして、宮形の内部にお札を祀ります。

会社の神棚の事例(写真は、牛蒡型しめ縄)
会社の神棚の事例(写真は、牛蒡型しめ縄)

 

 

・参考文献

「皇室」令和6年秋104号(公益財団法人 日本文化興隆財団)

「図解 神道としきたり事典」茂木貞純著(PHP研究所)

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2024-2025年)

12月を迎え、2024年もあとわずかになりました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型のしめ縄、各種和かざりをお求めの方はwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)

在庫のあるものはもちろん、年内お届けが可能です。

※今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設しておりましたが、どうしてもという方に向け現在ご予約を継続しております。

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきております〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いをしております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

 

大年神(おおとしのかみ)は、民間信仰から歳徳神(正月に家に迎えまつる神)と考えられています。

家のしめ縄を新しく掛け替えたり、年神様の依り代(神様の憑依物)としての門松を作ったり、穀物神である年神様に穀物の代表として鏡餅などを供えたりして、新年を迎えます。

年々、神様をお祀りすることの重要さが増しているように思います。

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈り申し上げます。

第3回大麻の麻縄活用コンテスト【優秀賞】【みろく賞】【特別賞】の結果発表

2年ぶりの開催、第3回大麻の麻縄活用コンテストにご応募いただいた皆さま誠にありがとうございます。

さて結果の発表です。

【優秀賞】ひかりのたね mie様、「精麻の万能ととのえ縄」

(評)太さ12ミリ(最太部)×長さ約1.55メートルの2本撚り、極上国産精麻をつかった自作の麻縄です。

単なる縄のようで、端末は蝶々結びを施すなどアクセントになっております。

「精麻の万能ととのえ縄」
「精麻の万能ととのえ縄」
端末に蝶々結び
端末に蝶々結び

mie様は、装飾結びも好きでいろいろ精麻で作っておりましたが飾りとしてだけでなく、ご自身がエネルギーに敏感なため、身につけたり持ち歩けたり、いつでも活用できるものが欲しくなり、この縄を作製したそうです。

例えば、首からかけてぼんのくぼのあたりを左右にこすったり背中や腰までをまんべんなく摩ることで瞬時に整うのを体感したり、腰に巻くことで体軸がスッと整い軸が定まったり、また、大ぶりのアクセサリーとして普段着ている洋服にもピッタリ合うので、おしゃれとしても楽しめたり、感情が乱れたときなどに頭に巻くと不思議とすーっと降ろしてもらえるような感覚があり氣持ちが整ったりしているとのこと。

洋服に合わせた活用例の1つ
洋服に合わせた活用例の1つ

この精麻の縄が1本あることで、精麻のもつ美しさ、祓いの強さ、整える力、安心感を瞬時に感じ、精麻の効力を身近に体感できるので、日々の整えにとても重宝していますとmie様。

日本の美は“引き算の美”だと思います。シンプルな自作の麻縄をさまざまな用途に、生活に密着した形で活用されているのはすばらしいと思いました。

なお、mie様は、日本の伝統や文化、精神性を取り戻していけたらと、精麻と真菰を広げていく活動を3年ほど前からされており、オーダーを請けて麻縄をお作りもさせていただいているそうです。

 

【みろく賞】あおのろか様、「私の相生アンブレラマーカー」

(評)ご自分の傘に合わせてつくったアンブレラマーカー(相生結び)です。

傘の取り違えがないように、自分の傘だとわかるように目印として使います。このマーカーがつくことで「聖なる傘」になると思いましたが、気にしながら使うことで愛情が湧いたりするのが楽しいんですとご本人。

「私の相生アンブレラマーカー」
「私の相生アンブレラマーカー」

今回最多のご応募点数だったのがあおのろか様でした。チョーカー、ピアス、ネックレス、バッグチャーム、しおり、カーテンのタッセルも製作され、このアンブレラマーカーは子ども用も含めた数種あったうちの1つです。

コンテスト開催の期間中、「毎日何かないかなぁと、あれこれと考えているのはとても楽しい時間です」とおっしゃっていました。作りつづけられたら必ず「幸せ」が周囲に伝播すると思いました(わたしの幸せはあなたの幸せのような感じでです)。

 

【特別賞】おおつかまみ様、「カラフル精麻のコロコロネックレスとブレスレット」

(評)今年7月に精麻のことを知ったという、おおつかまみ様。作った時にどうしても出てしまう切れ端。ほんの少しの切れ端にも精麻のパワーが宿っているのにもったいない。捨てられない。藍染め、茜染め、桑の葉染め、渋柿染め、紫根染め、苺染め、、、カラフルに染められた精麻も捨てられない。

それなら、切れ端の精麻を細かく裂いて、丸めて、コロコロしたものを麻紐でつないで、ということで、ネックレスとブレスレットを作ったのがこちらだそうです。

カラフル精麻のコロコロネックレス
カラフル精麻のコロコロネックレス
同・コロコロブレスレット
同・コロコロブレスレット

麻紐にはアクセントをつけるため、叶結びをしてみたり、ネックレスは後ろから見ても前に垂らしても可愛く見えるようにカラーのまとめ結びを付けてみたり、縄をほどいてフサフサにしたとのこと。

「もったいない」は日本の心だと思います。端切れのカラフルなコロコロの楽しさが伝わるだけでなくきれいで、紐部分に叶結びやまとめ結びなどを入れたり細かいところも配慮され、心がこもっていると思いました。

 

【特別賞】宙舞えみり様、「シアワセにひたる和かんざし」

(評)日本の伝統的な髪飾りである、かんざしに精麻(きなり、苺染め)の叶結び、水晶(素粒水ビーズ)と天然真珠とレース糸かぎ針編みなど思いつくまま、手作り感満載になっています。

「シアワセにひたる和かんざし」
「シアワセにひたる和かんざし」

かんざしが自由な発想で独創的、現代風に仕上がっていると思います。写真を撮るのに娘さんがわざわざ浴衣を羽織ってくれたとのことで、日本人らしさが自然と伝承されているところもすばらしいと思いました。

この娘さんが町内の盆踊りの太鼓打ちをされたことから、孫が民謡を唄うようになり、三味線を習い始めたとのこと。日本の伝統がこのように継承されていくのもうれしいなあと思っているそうです。

 

麻縄活用コンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございます。

お1人で複数のご応募をいただいた方はもちろん、どれも思いのこもったものが集まりました。今回も皆さまの作品を展示して見ていただけるようにしたいと思いました(次回は審査にあたり幅広いご意見をちょうだいしようと一般の皆さまから投票を加味することを考え中です)。
麻縄(麻紐)のもつ可能性は無限大。日本古来の大切な文化である麻縄、精麻に触れていく人がますます増えていきますように。

本コンテスト開催にあたりご協力いただいた方々、ご応募いただきました皆さまに感謝申し上げます。

日本一質の良い精麻、群馬県東吾妻町(旧吾妻町岩島)の「岩島麻」について

群馬県では東吾妻町(旧吾妻町岩島)を中心とした榛名山の北麓一帯や群馬県西部の甘楽郡などで麻が作られていました。

現在は岩島麻保存会が麻の生産を行っており、「岩島麻」として出荷されています。同保存会がおこなう「岩島の麻栽培と精麻生産」は、1992(平成4)年に群馬県選定保存技術となりました。

11月17日に愛媛県伊予市にて開催された日本「麻」文化フォーラムにゲストの1人としてこられ現在、三重県で大麻栽培者免許を取得し栽培している岡沼隆志さん(ヘンプイノベーション株式会社 取締役CTO)は、2000年に奈良県で免許を取得し、製作した精麻を3年間、同県の月ヶ瀬奈良晒し保存会に納品していたそうです。

岡沼さんが精麻加工を教わったのは岩島で、専用の台に載せた麻の皮からオカキ(麻掻き)と呼ばれる用具でカスを取り除く伝統工法(手びき)です。(岡沼さん、オカキとそれをつかってできた精麻を持ってきて見せてくれました)

毎年5月と10月の14日に伊勢神宮でおこなわれる「神御衣祭(かんみそさい)」で、天照大御神に捧げられる神御衣(神様がお召しになる衣)の1種、「荒妙(あらたえ)」の麻糸は、現在は奈良県月ヶ瀬で産するものが用いられており、岩島麻が使用されています。

また、平成天皇の大嘗祭に調進した麁服は、岩島産の種から栽培したものと徳島県木屋平の阿波忌部直系、三木家を2015年に訪れた際、第28代当主・三木信夫さんがおっしゃっていました。(栃木県産の品種、トチギシロも栽培したが繊維が硬かったそう)

記念誌「令和の大嘗祭 麁服」(発行:特定非営利法人あらたえ、阿波忌部麁服調進協議会)に掲載の写真によれば、今上(令和)天皇の大嘗祭のときに用いられた精麻は群馬県でしか見られないオカキをつかって製作しているため、平成天皇のときと同じ岩島産の種からと思われます。

このように、岩島麻は日本一質の良い麻(精麻)と言われています。

 

 

・参考文献

「皇室」令和6年夏103号(公益財団法人 日本文化興隆財団)

「令和の大嘗祭 麁服」(特定非営利法人あらたえ、阿波忌部麁服調進協議会発行)

地域資源を活かす 生活工芸双書「大麻(あさ)」(農山漁村文化協会)

祝・14周年、さぬきいんべ年末感謝祭(本年も1年誠にありがとうございました)

毎年開催させていただいております年末感謝祭。

今年は14周年を祝い、15周年を予祝して、開催させていただきます。(2024年12月31日まで。2025年1月4日に、さぬきいんべは15周年を迎えます)

感謝をこめて、計1万円以上お求めの方に、しめ縄や鈴緒など、神社仏閣用の麻製品を調製している京都・山川製のオリジナル国産精麻アクセサリー《2トーン》をお1つプレゼントさせていただきます。これは、神道関連物の製作の余材が偶然できたそうで、それを生かすべく手仕事によって1つひとつ生まれた他にないものです。(年末のしめ縄ご予約の方には別の特別特典をお付けいたします)

京都・山川製の国産精麻アクセサリー《2トーン》(非売品)
京都・山川製の国産精麻アクセサリー《2トーン》(非売品)

1月に「麻農家になりたい」、四国の麻栽培を再生させたいと考えている方、3人で愛媛・伊予市で対談してから、話がすすみ、7月28日を皮切りに、そこでしか手に入らない自然栽培、自然農法の作物、そ
の加工品がならぶ「自然マルシェ」が同市の後援で毎月1回開催されるようになりました。

11月17日には同じく伊予市の後援で、日本「麻」文化フォーラムが開催されました。4人のゲストと、東京ほか四国4県の出店者が集まり、来場者も多数いらっしゃった由(結果として、残念ですが足を運べませんでした)。愛媛での麻栽培、四国の麻栽培再生(四国産の精麻、オガラ、麻の実など)へ歩みはじめたと思います。

夏から秋にかけて2年ぶりに大麻の麻縄活用コンテスト(第3回)を開催させていただきました。多数ご応募をいただき、どの応募作もよく考えられていると思いました。(今後、広いご意見をいただくために一般投票を採用したいと思っています)

今年も昨年につづき通常通り、地元「西条まつり」〔伊曽乃神社、嘉母神社、石岡神社、飯積神社の4つの神社の例祭(秋祭り)の総称〕が盛大におこなわれました。

一般の方や神社仏閣向けに国産の麻製品(藍染め、草木染め含む)がさらに普及しますように、四国の麻栽培が次々再生、後世にすばらしい麻文化が継承されますように祈念いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。