日本の麻文化発祥の地、「麻植」で開催された第10回 日本麻フェスティバルin吉野川

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10月29日、徳島県吉野川市(旧麻植郡)で開催された第10回 日本麻フェスティバルin吉野川~麻植と麁服~へ行ってまいりました。

会場の吉野川市アメニティセンター入り口
会場の吉野川市アメニティセンター入り口

同フェスティバルは、2012年から日本麻振興会(当時は会長、大森由久氏、現在、代表理事)の主催で麻産業関係者や栽培者らが約300名集まってはじまり、今回10回目は、(一社)同振興会と(一社)阿波忌部麁服(あらたえ)保存会(代表理事 木村雅彦氏)との共催。

大森さんは言わずと知れた江戸時代からつづく栃木県の麻農家7代目です。

会場となった吉野川市アメニティセンターを私が訪れるのは、同市が麻栽培復活に向けて動いていた2016年、9月にあった麻シンポジウム以来。

会場に入るなり、来場者や出店者たちの熱気を感じ、知っている人はいるかなと探しながら10時からはじまる「伝統芸能の祭典」がある大ホールへ足を運びました。

フェスティバルのパンフレット
フェスティバルのパンフレット

初日の大森さんと木村さんの講演は拝聴できず、残念でしたが、その動画(2時間弱)をYouTubeにをアップいただきありがとうございます。貴重な講演です。(能楽師・大倉正之助さんによる茜染め調べ緒の大鼓の実演や、木村さんが今後の同保存会の事業として1.織殿の再興、2.新しい時代のコミュニティー、たまり場づくり、3.麻植と麻文化の復興について話され、最後に興味深い質疑応答もあります)ぜひご覧ください。

 

「伝統芸能の祭典」の後、初日の講演後にも発表があったようですがサプライズで来年の開催地の発表が大森さんよりありました。第10回の漢字の「十」の字は縦と横の棒の結んだ形で(いままでいろいろ取り組まれてきた)完成を意味するのではと思っていましたが、2024年の開催は今まで開催されていなかったところになります(ここでは書きませんがそのうちわかると思います)。「十一」は文字どおり、結んではじまる。新しい一歩になりそうです。

また、大ホールで会った知り合いがホールを出たところにいらっしゃった阿波忌部麁服保存会の代表理事、木村さんを見つけ「昨日はありがとうございました」とあいさつされ、木村さんは「(保存会ができて)最初のところなのでよろしくお願いします」とおっしゃっていました。

今度は昼食のためアメニティセンター西側の数あるキッチンカーの列に並んでいた藍染めの永原レキさんと再会。(前回お会いしたのは2019年3月、阿波忌部直系・三木家の氏神様、三ツ木八幡神社のしめ縄奉納のときでした)

その後、お客様とその友達に出会い、香川・琴平の麻心さんの薬膳カレーをいっしょにいただくことに。

麁服の展示、全国から集まった麻製品の展示、販売。(特に印象に残ったのは、さぬきいんべが取り組んでいることと共通した横綱、鈴緒など「麻に関する伝統文化と生活文化の展示」の部屋でした)

阿波忌部の祖神、天日鷲命をお祀りする忌部神社(イベント2日間は開扉)
阿波忌部の祖神、天日鷲命をお祀りする忌部神社(イベント2日間は開扉)

最後に、忌部神社へ行き、四国の麻栽培再生をお祈り。しめ縄は令和の麁服調進前に奉納された麻製です。そして、そこにいらっしゃった地元の方々よりあたたかい甘酒のサービス、麻や藍についてお話をうかがい、帰路につきました。

日本の麻文化に心を寄せる人たちに大いに刺激を受けた日となりました。関係者の皆さま、ありがとうございました。