年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2022-2023年)

2022年もラストを飾る月になりました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方は12月10日までにお問合せ、ご注文いただければ年内お届けが可能です。(ただし、やむをえない理由によりご希望に添えない場合もございます)

※毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設していました。(現在、ご予約受付は終了しておりますが、次の年もしめ縄をと思う方は毎年秋に超早期ご予約ページを開設しますのでそちらをご検討ください。特別の特典付きです)

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきている気がします〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

それから先日、香川・誉田八幡宮の創始者、忌部正國がご先祖様という松坂ミキさんのご著書、「ROOTS」(文芸社)を読み、先祖供養の大切さ(どんな人にも必ず”ルーツ”がある)を思いました。今日自分が生きていられるのは、ご先祖様が生き抜いて命をつなげてくれてのことです。ご先祖様への感謝、思いも忘れないようにしましょう。(神職から「先祖供養の元は神道」とうかがいました)

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈りいたします。

松井久子著「巫女体質」の再度ご紹介と、知里幸恵著「アイヌ神謡集」から感じること

瓊奈川神社宮司 松井久子先生のご著書、「巫女体質」の出版から1年過ぎました。

ご紹介した記事をこちらのブログで再度ご紹介いただき恐縮です。その後も多くの方がお読みになっているようです。

 

10月、こちらの記事を投稿したことでお客様より、「アイヌ神謡集」(知里幸恵著)をご紹介いただきました。また、別のお客様から、時を同じくして、「私は北海道が好きで、何度か旅するうち、アイヌの古謡を知った」とのメールをいただきました。

今年は著者、知里幸恵さんが亡くなって100年で、そんな節目の年に“知る”とは不思議なめぐり合わせを感じます。(9月には、Eテレの100分de名著でTV放送、紹介されたことをあとで知りました)

神謡は、基本的には女性が語ると考えられている物語です。

おそらく、この神謡に携わるのは、繊細な感受性を持つ方ではないでしょうか。

多文化共生の時代。多様性の時代。

現代人に大切なものを教えてくれているように感じます。そして、おお麻(ヘンプ)の発展にはそれが不可欠のように思います。

上のお客様は、この「アイヌ神謡集」を「アイヌの神々を祀る神聖さが瑞々しくほとばしるようで、なんとも言えない美しさに心を打たれます。」と紹介してくださいました。

知里幸恵さんがこの神謡集に託した思いは今になってようやく花開こうとしているのではないでしょうか。上記のTV番組のNHKテキストも出ていますので、多くの方に手に取っていただきたいです。

 

讃岐忌部氏、忌部正國(香川・誉田八幡宮の創始者)がご先祖のお客様

「麻を検索しておりましてさぬきいんべさんに行き着いたのですが、なぜ目に止まったかと言うと私の先祖が誉田八幡宮(香川県東かがわ市引田)創始者の忌部(いんべ)正國なのです。

数年前に先祖供養を学び、母方祖母の実家(中山家)が奈良時代から続く忌部氏だったと知りました。」

11月初旬、松坂ミキさんという方からこんなメッセージが届きました。

そして、いただいたのが忌部正國以降の下記の系譜です。〔忌部正國は讃岐忌部氏の祖神、手置帆負命(たおきほおいのみこと)の末裔〕

奈良時代 初代 大内領 忌部正國

     二代 縣主 忌部正佐

平安時代 三代 忌部正宣

     四代 忌部正照

     五代 忌部正種

     六代 忌部正眞

     七代 忌部正竒

     八代 領 忌部正道

     九代 領中山總願 忌部正久

     十代 領帳中山總願 忌部正忠

鎌倉時代 十一代 中山總願 忌部正員

     十二代 中山總願 忌部正遠

     十三代 中山總願 忌部正時

     十四代 中山總願 忌部正徳

     十五代 中山總願 忌部正丕

南北朝時代 十六代 中山總願 忌部正頼

      十七代 中山總願 忌部正等

室町時代 十八代 中山總願 忌部正保

     十九代 中山總願 忌部正氏

     二十代 中山總願 忌部正猶

     二十一代 中山總願 忌部正弘

戦国時代 二十二代 中山總願 忌部正元

     二十三代 中山總願 忌部正友

     二十四代 中山總願 忌部正教

     二十五代 中山總願 忌部正敬

安土桃山時代 二十六代 中山總願 忌部正盛

江戸時代 二十七代 中山總願 忌部正之

     二十八代 中山總願久太夫 忌部正基

     二十九代 中山久太夫總願 忌部正行

     三十代 中山久太夫總願 藤原正武

     三十一代 總官 中山數馬 藤原正信

     三十二代 總官 中山豊前 藤原政啓

     三十三代 總官 中山伊賀 藤原當通

     三十四代 總官 中山長門 藤原正住

     三十五代 總官 中山長門 藤原當基

     三十六代 總官 中山菅雄 斎部正純

さらにその後も下記のようにつづきます。

讃岐忌部氏36代以降の家系図
讃岐忌部氏36代以降の家系図(左上が36代中山菅雄)

 

松坂さんは先祖供養で不思議な体験をして2022年7月に文芸社から「ROOTS」というノンフィクション小説を出版したそうです。(子育ての苦悩から解決策を探していた時に、先祖供養不足が子供の教育や発達に問題の原因になっていることを知り、取り組んで実証したことを出版)

それで思い出しましたことは私は、山梨・身曾岐神社で祓い修行とそこで教わった九族鎮魂法(先祖供養)をしていて、通常の学校では学べない、神様事はもちろん、ご先祖様や親があって自分があることを学んでいるうちにそれまでに知っていた、おお麻(ヘンプ)に引き寄せられ、「さぬきいんべ」を創業する流れになっていきました。

「ROOTS」に下記の文章があります。

家系を木に例えると、さしずめ地中の根が先祖で幹が自分たち、枝葉が子どもや孫たちというところだろう。先祖供養とはその根に栄養を送ることだという。生かされている自分たちの見えない根源を疎かにして、将来枝葉の発展はないのだ。そのルーツの鎖を錆びつかせておきながら下ばかり向いて、孫はまだか、受験はどうだと言う前に、自分はつなぐべき幹の役目を果たしているのかと問うてもらいたい。

 

家のご先祖のこともそうですが、1500年以上前、讃岐国(現在の香川県)を開拓した讃岐忌部氏のことは現在知らない方が多いと思います。

讃岐忌部氏の祖神は、平安時代の歴史書である古語拾遺(807年)で太玉命(ふとたまのみこと)が率いた神の1柱として挙げられている手置帆負命です。

善通寺市大麻町の式内社「大麻(おおさ)神社」の社伝に、「神武天皇の時代に、当国忌部と阿波忌部が協力して麻を植え、讃岐平野を開いた。」という旨の記述があると知り、そこで、当時香川県に住んでいた私は、おお麻のことを広めようと誰でも読め親しみやすいように「さぬきいんべ」の屋号で2010年に創業しました。

※讃岐忌部氏についてはWikipediaにまとめています。

敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟(福井県)で京都・山川さんが自社製のしめ縄を発見

こちらの京都・山川(創業明治19年、神社仏閣用麻製品の調製)のInstagram投稿で国産精麻のしめ縄が紹介されていました。

 
 
 
 
 
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福井県にある三国サンセットビーチにて毎年8月11日に開催される三国花火大会に3年ぶりに訪れた山川さん。

ランチにと敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟に入って海鮮丼を。お店の雰囲気、見映え、お味、ボリューム。どれも最高だったとのこと。

そこで偶然、自社製のしめ縄を発見したそうです。(Instagram投稿の3枚目、神棚の写真)

ひょっとしてと思い履歴を調べると、ありました。お店がオープンする際にお求めいただいたようで、大根型しめ縄の太さ1寸(約3センチ)×長さ2.5尺(約75センチ)でした。

こんなことがあるんですね。

山川さんいわく、「うちのしめ縄をお店に付けていただいてるなんて、とても嬉しいです!」

 

2022年も日に日に残り少なくなってまいります。

他に牛蒡型、わかざりをご用意しております。(年内お届け早期ご予約も11月18日まで延長)

祝・12周年 さぬきいんべ年末感謝祭(本年も誠にありがとうございました)

2017年から毎年開催させていただいております年末感謝祭。

本年は12周年を祝って、開催させていただきます。(2022年12月31日まで。2023年1月4日に13周年を迎えます)

四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart2のプレゼント、京都・山川のオリジナル国産精麻アクセサリー「あわむすび」と、別のアクセサリーをお買い上げの価格帯ごとにプレゼントさせていただくことといたします。(年末のしめ縄ご予約の方は別の特別特典をお付けいたします。こちらは11月18日ご予約注文分まで)

 

本年を振りかえりますと、昨年6月から、おお麻(ヘンプ)専門神具店に舵を切りましたが、その拡充に第一に取り組みました。まず年頭より、国産大麻(精麻)の鈴緒鰐口紐(鐘緒)の取扱いを開始。そして、昨年の11月から東京・戸越八幡神社様の月次祭と、神楽殿での浦安の舞が国産精麻・草木染め五色緒付きの鉾先鈴または神楽鈴を使って奉納されていましたが、春にはその動画をアップでき見ることができるようになりました。

また、巫女の紹介で、6月には同神社様へ国産精麻の大麻(おおぬさ)を納品させていただきました。一方、買う人ばかりではなく作る人を増やしたいと思い、昨年開催した大麻の麻縄活用コンテストの第2回を本年も開催させていただきました。2回目はどうなることかわかりませんでしたが、第1回より多数のご応募が寄せられ、うれしかったのと、1人の方が複数ご応募いただくなど力作が多かったと思います。ご紹介くださった方、ご応募いただいた方々ありがとうございます。

11月には思わぬところから情報が寄せられ、讃岐忌部氏の系譜が現代までつづいていることがわかりました。これまでは文献で調べ江戸時代までぐらいしかわかりませんでしたので、命の連鎖と、神代からのつながりにただただ驚くとともに当初は讃岐忌部氏の復活も思っていましたので、これまでやってきてよかったという思いです。

来年2023年は、いよいよ大麻取締法の大幅改正が通常国会で審議され、法改正があるとみられます。今後、これまでしてきたこと、目に見えないものを大切にする人が増えるように、そして神社仏閣向けに麻製品を普及させていくこと、また個人様においてはますます手仕事が盛んになりますようにと願うとともに国産の精麻製品が発展、後世に麻文化が継承されますように祈念いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

※webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

「竈神(かまどがみ)」「荒神(こうじん)」とはどのような神様か?

年末年始に、神社の社頭や神職・氏子総代により新年に家庭でお祀りするお神札を頒布しますが、この中に竈神(かまどがみ)のお神札が含まれていることがあります。

竈神は、「荒神(こうじん)」「三宝(方)荒神」「釜神(かまがみ)」「火の神」などさまざまな呼称があります。

主に竈を中心とした各家の火を扱う場所にお祀りされる神様です。

一昔前は食物の煮炊きに竈が用いられ、その守りとして祀られる竈神は、単に火伏せ(火災を防ぐ)の神としてのご神格だけではなく、農作の神やその家の富や生命など生活全般をつかさどる神として広く信仰されるようになりました。

屋内の場合、竈の近く(現在では台所など)に神棚を設けて、お神札や幣串(へいぐし)を納めて祀るのが一般的です。(地域によって、例えば宮城県から岩手県南部にかけて竈神の形相を表した面を祀ったり、松や榊などを竈神の依り代とする事例あり)

竈神の具体的なご神名は、古事記に大年神(おおとしのかみ)の子として、「奥津日子神(おきつひこのかみ)、つぎに奥津比売命(おきつひめのみこと)、またの名は大戸比売命(おおべひめのかみ)。此は諸人もち拝(いつ)く竈神なり」とあるように、奥津日子神・奥津比売命の二柱の神、もしくは大年神を合わせた三神が竈神とされています。

各家庭だけでなく、焼き物など手仕事で窯で火を扱われる方、国産精麻のしめ縄を用いて竈神、荒神さままたは手仕事の神様をお祀りしませんか?

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

「現代語古事記」竹田恒泰著(学研)

四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart2を開始いたしました

2022年10月27日(旧暦10月3日、三日月)より四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart2を開始いたしました。

合計5000円以上~15000円未満お求めの方に、京都・山川による下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをお1つプレゼントさせていただきます。

国産精麻アクセサリー「あわむすび」(京都・山川製)
国産精麻小物「あわむすび」(京都・山川製)非売品

神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上である京都・山川さんがこの企画のためにオリジナル精麻小物をつくってくださいました。人と人とを良好な関係で結ぶこと、ひいては縁結びにつながる「あわむすび」(※1)を施しております。(「小さいものほどつくるのは難しい。アラが目立つから」と山川さん)身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

また、合計15000円以上お求めの方には、下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをお1つプレゼントさせていただきます。もう1つ山川さんがつくってくださいました。どこにもない形のものです。

国産精麻小物(京都・山川製)非売品
国産精麻小物(京都・山川製)非売品

2016年に徳島県吉野川市(旧麻植郡)にて吉野川市主催で「麻シンポジウム」が開催されたり(私も参加)、同市の広報よしのがわでは麻栽培に向けて機運を盛り上げようと毎月麻に関する記事が掲載されたりしておりました。

旧麻植郡は、その名の通り、践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい※2)に麁服(あらたえ)を代々調進する木屋平の三木家をはじめ、麻塚神社、御所神社の祭神「大麻綜杵命(おおへつきのみこと)」、岩戸神社の麻筍岩(おごけ)、山崎忌部神社(麻植神を祀る天日鷲社)、麻平など30件を超える特に多くの麻に由来する地名や史跡が残され、日本の麻文化の発祥地、また中心地といえます。(上記の三木家の麻栽培は2019年の令和の大嘗祭に向けて一時的なもので現在は栽培されておりません

また、四国に大麻山が3つも存在し、各地に麻(大麻)にまつわる地名、史跡があります。(香川:大麻神社、愛媛:松山市朝(麻)生田町、高知:四万十市麻生など)

四国各県の旧国名(阿波・讃岐・伊予・土佐)の頭文字を順に並べると、あ・さ・い・と=麻糸となるのは偶然でしょうか?

毎年8月14日夜におこなわれる愛媛県八幡浜市の五反田柱まつり(県指定無形民俗文化財)は、たいまつに麻幹(おがら)が使われます。そのために2007年頃まで隣の大洲市で麻が栽培されていました。これが徳島・三木家をのぞく四国最後の麻栽培だった、、このことを2009年に知ったのが、さぬきいんべ創業の発端で、なんとかしようと思い動きはじめて今年で10年余りになります。

2018年3月9日、四国はじめ、日本各地に麻をもたらした阿波忌部の居住地となる徳島剣山系は「にし阿波の急傾斜地農業システム」として、国連食糧農業機関(FAO)が提唱する世界農業遺産(GIATH)に認定されたことは記憶に新しいです。

2021年1~6月に厚生労働省は「大麻等の薬物対策のあり方検討会」を開き、引きつづいて2022年4月から同省審議会が大麻規制検討小委員会を設置、大麻取締法の改正に向けた具体的な議論を行っておりましたが、同法の改正案を2023年の通常国会にも同省は提出する考えで、神事など伝統的な利用や大麻成分の医薬品への活用を目指す方向です。

さらにもう一度、仕切り直し、皆さまのご協力を得ましてまず声を挙げること、、、これを機に四国の麻栽培を再生させ、後世に受け継いでいくきっかけにしたいと存じます。

よろしくお願い申し上げます。

(※1)阿波忌部族は、栃木県小山市粟宮に式内社「安房(粟)神社」(下野国寒川郡条「安房神社」)を創建した。その例祭には、氏子が[粟の穂]を献上するとの日本唯一粟を主体とする「粟柄祭り」が行なわれ、神輿の上に「粟柄」が乗せられる。神輿の四方に取り付けられるのが「粟むすび」と呼ぶ水引で、それは人と人とを良好な関係で結ぶこと、ひいては縁結びにつながるとして信仰されている。(『オオゲツヒメと倭国創生』林博章著P58より)

粟柄神輿につけられる粟むすび
粟柄神輿につけられる粟むすび
天太玉命をお祀りする安房神社(栃木県小山市)
天太玉命をお祀りする安房神社(栃木県小山市)

(※2)践祚大嘗祭=天皇即位に際し、天皇がはじめて新穀を食(め)され、皇祖および天神地祇に供し奉る即位後1回限りの儀式。

 

 

・参考文献

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「オオゲツヒメと倭国創生」林博章著(多田印刷)

「美馬文化 いななき第14号」(美馬市文化協会会報)

厚生労働省(大麻規制検討小委員会

お客様からご紹介の小説「神様の御用人」のワンポイント神様講座が興味深い

昨年5月に、お客様からご紹介いただいた「神様の御用人」のことを書きました。

本の各章末に“ワンポイント神様講座”というのがあり、興味深くかつ読みやすいのでここで少しご紹介させていただきます。

9巻では、ワンポイント神様講座1で、「荒脛巾神(あらはばきのかみ)ってどんな神様?」とあり、

荒脛巾神は古事記などには登場しない民間信仰の神で、縄文時代から続く信仰だという説もあります。作中では蝦夷(えみし)が祀る神として登場しますが、それも一説にすぎず、製鉄の神、塞(さい)の神など、様々な言い伝えがあります。荒脛巾神の名前を世の中に広めた物のひとつに『東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)』がありますが、こちらは現在、偽書であるという見方が強く、荒脛巾神がどのような神であったのか、今となっては知る術はありません。

この下に、狐の姿をした方位神・黄金の言葉として、「客人神としてではあるが、今でも末社などで祀られていることを思うと、当時の人々にとってはとても大事な神だったと考えられるのだぞ。」とあります。

ちなみにワンポイント神様講座2は、「蝦夷とアイヌって関係あるの?」で、

「えみし」という名称は、5世紀以前から存在しました。「毛人」とも書き、その頃は「強く、恐るべき人々」など、やや敬意を払うニュアンスがあったようです。6、7世紀頃になると、そこに朝礼の直接支配の及ばない人々という意味が強調されるようになり、斉明朝頃には「蝦夷」という漢字が使われるようになって、文化の異なる人々、異族、という語義が含まれるようになりました。

平安末期、平泉藤原氏の力が及ぶようになると、「蝦夷=朝廷の直接支配の及ばない人々」は、盛岡市と秋田市を結ぶ線以北の本州および北海道の住民を指すものとなり、この頃「えぞ」という呼び方に変化します。やがて鎌倉時代になると、本州の北端は北条氏が支配し、「えみし・えぞ」と呼ばれる人々は北海道の住民のみとなり、その後のアイヌ民族が形成されていったと考えられています。東北の一部にはアイヌ語の地名があったり、マタギ言葉の中にアイヌ語と共通の単語があったりするため、「蝦夷」と呼ばれた人々がアイヌの祖先であった可能性はありますが、未だ明確な結論は出ていないようです。

同じく下に、狐の姿をした方位神・黄金の言葉、「わしにとっては蝦夷もアイヌもヤマトの民も等しく見守るべき人の子よ」とあります。

なお、著者の浅葉なつさんは徳島県ご出身です。想像ですが日本各地に麻(大麻)をもたらした阿波忌部の系統の方かと思いました。姓の浅はアサ=麻が変化したものかもしれず、もしそうであるなら麻ともゆかりの深いお家柄と思われます(麻のつく地名を調べていて別の漢字を当てているところがあるのに気づいた経験があります)。何より、下調べをしてしっかり構築された土台の上に物語が展開されていきます。

「神様の御用人」は、いわゆる巫女体質のこのお客様のご紹介で手に取ったのがはじめです。それゆえ、意味があるように思い、再度ご紹介させていただきます。小説は現在全10巻、ワンポイント神様講座は「天津神と国津神の違いってなに?」とか、各章末にありますので、お時間のない方はそれだけでも見ていただければ参考になるのではと思います。

 

後日、さらにこのお客様から「アイヌ神謡集」をご紹介いただきました。いわく、「アイヌの神々を祀る神聖さが瑞々しくほとばしるようで、なんとも言えない美しさに心を打たれます」と。

神様を大切にする生活を。神棚に毎日お供えする神饌は米・塩・水

神棚をお祀りし、神々のお守りをいただき明るい健全な生活をしませんか。下記に一般的なことを挙げますので参考にしてください。

神棚には毎朝、米・塩・水をお供えします。米と塩はお皿に盛り、水はその日の初水を水玉という器に入れお供えします。(三方や折敷に載せてお供えする場合は、三方や折敷の縁にとじ目がある方を手前にしてお供えします)

氏神様のお祭りや家庭内のお祝いごとなどの時には、お酒や尾頭付きの魚、野菜、果物、また四季の初ものやいただきものなどをお供えします。神社と同じように毎月、月次祭をするといいでしょう。

 

神前の飾り物の1つが、しめ縄です。しめ縄は一番手前の上方に設置します。しめ縄は太い方が向かって右側になります。(しめ縄は神棚と外を隔てて、不浄に触れさせないために設置)

神拝は朝拝と夕拝があります。朝拝は朝早く起きて、顔を洗い、朝拝、夕拝も口をすすいで心身を清めてから神棚に向かいます。今日までの無事を感謝して、また今日一日の無事をお祈りします。

 

お神札の神座の順位は、横に並べておまつりする場合には神棚の中央を最上位とし、次に向かって右側、その次が左側となります。したがって、中央に神宮大麻をまつり、向かって右側に氏神様、左側にその他の崇敬する神社のお札をおまつりします。

重ねておまつりする場合には、一番手前を最上位としますので、神宮大麻を一番手前におまつりし、そのうしろに氏神様、次にその他の崇敬する神社のお札を重ねておまつりします。

古いお札や神棚は、年が明けておこなわれるどんど焼き(左義長)の神事のときに感謝とともに焼納していただきます。

 

ぜったいにこうでなければならないというものではありません。常に清らかに保ち、おまつりすることが大切と思います。

神社の拝殿に吊されている精麻の鈴緒(鈴を鳴らす綱)のいろいろ

たいてい、神社の拝殿正面には「鈴」が取り付けられています。

それは巫女が神楽鈴を振るのと同じように、参拝者自らが鈴の音で祓い清めるためのものです。

その鈴を鳴らす綱を鈴緒(すずお)といいます。

鈴緒は神聖な鈴を鳴らすものであるため、古来神聖な植物とされている麻でつくられてきました。

一口に鈴緒といっても、いろいろなのがあります。少しご紹介させていただきます。

例えば、こんな鈴緒。

 
 
 
 
 
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このタイプは一番よく見るでしょうか。(きなりの精麻でできており、房は「切房」です)

 
 
 
 
 
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こちらは保護編み(七宝編み)付きです。

 
 
 
 
 
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こんな鈴で、五色の縄も。

 
 
 
 
 
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他にも上の写真とはちがう配色のものがあったり、布巻きのものがあったりします。