京丹後の地にて糸魚川翡翠で玉造り、「布留玉の社(ふるたまのやしろ)」

10月1日、京都最北端、京丹後の地にて糸魚川翡翠を用いて勾玉や大珠(たいしゅ)をつくっている「布留玉の社(ふるたまのやしろ)」のwebサイトが再公開されました。(しばらくお休みしておりました)

作り手は青舟(せいしゅう)さんで、2011年からご縁をいただき、さぬきいんべで勾玉や大珠のペンダントをプロデュースし、お分けさせていただいております。ただいま、勾玉「磯砂」、「宇良」、「奈具」、大珠「熊振(よしふる)」がございます。

下記の写真は長さ9センチ弱の大珠「熊振」を草木染めヘンプ糸でマクラメ編みした紐にて現代風に首から下げられるよう仕上げたものです。その他、上記の勾玉も取扱い中。

個人的にはwebサイトで紹介されている勾玉「出雲三作」(八雲・神魂・佐太)がいいと思います。

さて、2016年に日本鉱物科学会により国石に選定されたヒスイ。その後、雑誌「目の眼」で特集が組まれたり、NHK「美の壺」で放送されたり、最近では東京の大田区立郷土博物館で「大勾玉展」が8月2日から10月16日まで開催されていて、じりじり、ジリジリ、脚光を浴びているように思います。

糸魚川産ヒスイ製大珠ペンダント「熊振(よしふる)」
糸魚川産ヒスイ製大珠ペンダント「熊振(よしふる)」

青舟さんのその製作工程は原則、非公開とのことですが、こちらのYouTube動画が公開されていますので、ご興味のある方はご覧ください。

 

 

※2022年10月23日、日本舞踏家の花柳凛、第一回京丹後舞踏公演にて青舟さんの出雲三作の1つ、勾玉「神魂」が公演を通じて主役が首に下げる形で使用されました。(もちろん首に下げる紐は、京都・山川製の国産精麻ヒモです)

公演は2部構成で、第1部が新作舞踊「有涯~丹後七姫より 覚悟の三姫」。静御前、細川ガラシャ、羽衣天女を題材に、2部は太古の祈りを復活させる新作舞踊「祈日月物語」。1部と2部の間には、谷崎テトラさん(構成作家)のトークショーがあった由。

 
 
 
 
 
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3年ぶり通常通り斎行。地元「西条まつり」における祈りと祭りの継承を思う

3年ぶりに地元、西条まつりが通常通り開催されることに。

「西条まつり」とは、五穀豊穣を神に感謝する神事で、愛媛県西条市内に鎮座する伊曽乃神社、嘉母神社、石岡(いわおか)神社、飯積(いいづみ)神社の4つの神社の例祭(秋祭り)の総称です。

祭りの期間中は、学校が休みになり、学校も参加を奨励していましたので、だんじりや太鼓台についてロープを引っ張ったり、太鼓をたたいたり、楽しい思い出しか残っていません。

そのためだと思います。地域に根付いて、会社やお店が休みになったり、お盆や正月に帰省しない人でも祭りには帰ってくるといわれています。

私は2010年まで香川県に住んでいました。(やはり、祭り期間には)毎年帰りたいと思ったものです。

2007(平成19)年に香川県立ミュージアムで「讃岐の祭り展」を開催の折、中四国の自治体を対象に祭りのポスターを募集したところ、1番に届いたのは西条市(西条まつり)で、2番目は新居浜市(新居浜太鼓祭り)だったそうです。新居浜市はポスターを持参してきたと聞きました。

それぐらい祭りにかける思いが熱いのが西条市と新居浜市だと思います。

この話は以前、前職が同ミュージアムの学芸員だった愛媛大学法文学部の胡(えべす)光先生の講演で聞き覚えています。

お祭りの高揚感、躍動感は何とも言えません。日本人のDNAに組み込まれているかのような祭囃子のメロディや掛け声は切っても切れないものだと思います。

西条まつりで麻(精麻)がつかわれているか調べたところ、神社や各神楽所での神事の際の大幣でつかわれています。(巫女による浦安の舞の奉納もあります)

伊曽乃神社の堀川修巧宮司は今年6月発行の社報のなかで、下記のように述べておられます。

ご先祖様たちが千年二千年と護り伝えてきた大切な「祈り」と「祭り」を後世へつなげていかなければなりません。1日も早く日常が戻り、いつも通りの祭りが斎行できることを切に祈っています。

神事の作法、屋台の組み立て、囃子、提灯の制作など祭りにかかわる伝統文化は幅広いです。ここに精麻をふくむ、麻の文化も入ります。祭りの中断はこの伝統文化継承に非常に大きな影響を及ぼすことがこの2年でおわかりになった人も多いのではないでしょうか。

無事に祭りが実施され、町に祭り囃子が戻りますように。

 

 

・参考文献

「礒野」伊曽乃神社社報(2022年6月発行)

 

 

国産大麻(精麻)のしめ縄で清々しい2023年を!超早期ご予約のご案内

本年も、2023年用しめ縄の超早期ご予約の受付を開始いたしました。

※超早期ご予約の受付を終了いたしました。多数ご予約ありがとうございます。2022年11月22日追記

好評の美しいしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》のいずれも紙垂付き(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)は、しめ縄は1つひとつ縄目がちがいますが、職人がバランスをみて紙垂を取り付けさせていただきます。また、本年は世界の安寧を願って神居 和かざりのざくろ版が加わりました。(さらに神社の拝殿用の鈴緒寺社仏閣用の鰐口紐もできるようになっております。神社やお寺の用途はもちろん、ディスプレイ用等にいかがでしょうか?)

超早期ご予約の特典として、本体価格5%OFF、ならびに1886(明治19)年創業、神社仏閣用麻製品を調整しつづけている京都・山川製のオリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》藍染め、茜染め&ざくろ染め版のいずれかお1つをプレゼントさせていただきます。(精麻は極上国産、藍染め、草木染めは徳島でおこなっております)※染め(色)のご希望を承ります。ご予約注文時に「備考欄」へご記入する等お申し出ください。本特典は2023年年頭、立春までにお届け予定。(特典のプレゼントを何らかの理由で辞退される方も遠慮なくおっしゃってください)本特典は、2022年11月18日ご予約分まで。

京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》
京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》

 

お届けは2022年12月15日頃から順次発送予定です。日時指定も承ります。(自然のリズムを意識し冬至、旧暦の新年に合わせるのもおすすめです)

また、こんなしめ縄または鈴緒ができませんか?というご要望も歓迎です。

《現在のご予約状況》

しめ縄太さ6ミリ×長さ19センチ(紙垂付き)、太さ15ミリ×長さ145センチ(紙垂付き)、太さ5ミリ×長さ5メートル(紙垂付き)、大根型太さ1寸×2.5尺(紙垂付き)、同太さ8分×長さ2尺(紙垂付き)、同太さ6分×長さ1.5尺(紙垂付き)、牛蒡型8分×2尺(紙垂付き)、同太さ6分×1.5尺、神居 和かざり(紙垂付き)など。2022年10月19日現在。

ご予約誠にありがとうございます。

しめ縄の超早期ご予約専用ページ

神社の拝殿用の鈴緒ご注文ページ

寺社仏閣用の鰐口紐(鐘緒)ご注文ページ

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。これだけのしめ縄、鈴緒(数量)をこのくらいの時期にという「仮予約」も受付させていただいております。

日本の文化として昔から大切につかわれてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄、鈴緒で清々しい新年を迎えませんか。

神社やお寺で麻は「神聖なもの」、「穢れを祓う」、「神の依り代となる」などとされています。例えば、お供物を麻で結んだり、神職の方々の冠に麻を巻いたり、お祓いの際の道具(祓串)に麻が使われていたりと、現在でも様々なところで大変重用されています。

そういった理由から神社仏閣の鈴緒・鰐口紐や注連縄には麻が使われており、別の素材ではその意義や効果が失われてしまうのです。(明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整 株式会社山川パンフレットより)

 

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

第2回大麻の麻縄活用コンテスト【優秀賞】【特別賞】の結果発表

2年連続の開催、第2回大麻の麻縄活用コンテストにご応募いただいた皆さま誠にありがとうございます。年々、精麻でもの作りされる方が増えていると思いますが、昨年より多く、予想以上のご応募をいただき、うれしく思いました。

さて結果の発表です。

【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様、ランジェリーチャーム

【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品
【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品
【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品
【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品

(評)女性のブラジャーやキャミソールにつけるランジェリーチャームです。取りはずし可能で、毎日お守りのように身につけることができます。形は、立体的な仕上がりになるような編み目に、その星形を囲むように周りは鎖編みになっております。「丸くなるな、星になれ」そんな想いも込め、身に付けた人が、元気に夢に向かって進んでいく姿を想像しながら作ったとのこと。そのとおりに、身につけるだけで特別な一着(見えないところに、おしゃれ)になるとともに、子どもの伝統的な背守りのように精麻でできたチャームが魔よけ、お守りになり、元気に夢に向かって進んでいけるのではないでしょうか。

LuckyCharms yoriyori(AKO)様は2022年秋からランジェリースタイリスト(つくるのでも販売するのでもない下着の専門家)として活動(活動名:湘南ランジェリー)していくためご準備をされておられる最中で、ランジェリーは身体だけではなく、心にも作用することをご自身が実感、ランジェリーから毎日パワーをもらってきたことを後で知りました。

ランジェリーについて、いろいろな声を耳にする中で、これまでの下着を変えることに少なからず抵抗がある方もいることから、それならば、まずはランジェリーチャームをプラスしてみませんか?という発想から、この作品は生まれたとおっしゃっています。

 

【特別賞】はぐくみの木様、精麻のモビール

【特別賞】はぐくみの木様の作品
【特別賞】はぐくみの木様の作品
【特別賞】はぐくみの木様の作品。
【特別賞】はぐくみの木様の作品。

(評)この精麻のモビール、宇宙を感じませんか?モチーフとして上から太陽(日)、月、星、トーラス体(芯はしめ縄結びの縄)、御魂(モンキーフィストノット、水晶)だそうで、つないでいる紐も精麻の撚り紐です。

モビールにしようと思った理由は、「目に見えない空気の動きを目で感じられる」からだそうで、このモビールは風が吹くとゆらぎます。静けさと動き、影などを同時に感じられ、精麻の美しさと清浄さをもっとさりげなく、現代の日常空間で感じることができるもの、見ていて心地よいものをということでこの形になったそうです。(麻縄の太さを使い分けながら、それぞれ印象が異なるモチーフに統一感)

1つひとつの形も丁寧につくられております。

 

【特別賞】earth venus様、精麻敷

【特別賞】earth venus様の作品
【特別賞】earth venus様の作品
【特別賞】earth venus様の作品
【特別賞】earth venus様の作品

(評)精麻の敷布(布ではない)です。美しい精麻の輝きをそのまま「見せる、味わう」ために考え、つくったそうです。(大きさは19センチ×21センチで、接着剤などは不使用)

天然石やブレスレットを休ませる場所として、ご自分で日常使われているとのこと。

ありそうでないものではないでしょうか。これを見ると精麻の編みカゴなどもできるのではないかと想像がふくらみます。(いぐさかごの作り手に精麻でカゴが編めるか以前たずねたことがあります)

 

麻縄活用コンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございます。

お1人で複数のご応募をいただいた方、また力作が多かったように思います。皆さまの作品を公に見ていただけるよう展示したいくらいです。日本古来の大切な文化である麻縄(精麻)に触れていく人がますます増えていきますように。本コンテスト開催にあたりご協力いただいた方々、ご応募いただきました皆さまに感謝申し上げます。

国産大麻(精麻)が日本の馬具に用いられているのはご存じですか

国産大麻(精麻)の撚り紐をお求めになったお客様が1枚の写真を送ってくださいました。

馬具(鞍)の結束用に用いられた国産大麻(精麻)撚り紐(鞍の裏側から)
馬具の結束用に用いられた国産大麻(精麻)撚り紐(鞍の裏側から)

人や荷をのせるため馬の背に置く鞍の部分です。撚り紐は、いずれご自分で撚ったものを使いたいそうですが、その前に完成品をということでご縁をいただきました。(※写真の掲載許可を得ております)

その他、馬具で国産精麻が使われている例として、京都・葵祭でつかわれる馬の腹帯(鞍を固定するための帯)があります。

精麻が使われるのは馬は古来、神の乗り物とされていたからでしょうか。精麻は「神の宿る神聖な繊維」です。邪気、悪霊、災厄をはらうとされました。

 

ちなみに、牛の追い縄も国産精麻でできたものがあります。牛は天神信仰において神様の使い(神使)とされるからだと思われます。

ねずみや鹿、狐なども神様の使いとされていますので、神社やお寺などでそれらに関係した精麻でできたものを見ることがあるかもしれません。

 

 

・参考文献

「図説 日本合戦武具辞典」笹間良彦著(柏書房)

古代の人々の祈願と馬の奉納(三重県ホームページ)

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

四国はじめ、日本各地に麻(大麻)をもたらした阿波忌部についておさらい

今後、昔の麻の産地や麻の地名が残っている箇所がクローズアップされるのではないかと思い、日本各地に麻を植え拓いていった阿波忌部(いんべ)について以下にまとめました。

忌部氏は、祖神を天太玉命(あめのふとだまのみこと)とし、古代において大和朝廷の宮廷祭祀(豊穣・平和の実現・災害・疫病防止・子孫繁栄などを祈る=マツリゴト)とあわせ、祭具(神様にお祈りするための道具)や神殿をつくる職務をつかさどった氏族でした。

そのうちの阿波忌部は、天日鷲命(あめのひわしのみこと)を祖神とし、麻や穀(かじ、楮)を植え粟国(阿波国=現在の徳島県)を開きました。阿波勢力(後の阿波忌部族)は、ヤマト王権の成立に大きな影響を与え、日本各地へ進出して産業の基盤となる麻や穀を植え、農業・養蚕・織物・製紙・建築・漁業などの技術を伝えました。阿波忌部が麻を植えた地は「麻植(おえ)郡」(現在の徳島県吉野川市、美馬市の一部)と呼ばれました。

807年の「古語拾遺」にあるように、天日鷲命の孫は、天富命(あめのとみのみこと)に率いられ海路黒潮で房総半島に到達、麻・穀を植え産業を広めました。昔は、麻を「総(ふさ)」と呼びました。よって、千葉県は総国(ふさのくに)、上総(かずさ)・下総(しもふさ)と呼ばれ、阿波忌部がいるところは故郷の阿波を偲び安房国(あわのくに)と名付け、「安房神社」が建てられました。以後、常陸国(ひたちのくに)・武蔵国(むさしのくに)・下野国(しもつけのくに)などの関東地方を拓いていきました。栃木県小山市粟宮(あわのみや)にも「安房神社」があります。東京都の浅草には酉の市で有名な「鷲神社」(おとりさま)が祀られていますが、阿波忌部の関東開拓の故事が「酉の市」の起源ともなりました。その他、伊勢・遠江・伊豆などの太平洋岸や石見・出雲などの日本海側にも進出していきました。

また、阿波忌部は天皇が即位する一世一代の儀式となる大嘗祭に大嘗宮内の悠紀殿(ゆきでん)・主基殿(すできん)の「第一の神座」に大王霊が宿る神衣(かんみそ)として奉られる「麁服(あらたえ)」と呼ぶ麻の反物(麻織物)を調進する重責を担ってきました。2019(令和元)年、今上天皇の大嘗祭がおこなわれましたが、阿波忌部直系の三木家第28代当主・三木信夫氏より調進されたのは記憶に新しいところです。

その他に阿波忌部に関わりがあり、現在もつづいている産業に、阿波藍、阿波和紙、すだち、太布があります。

なお、同じ忌部氏の一族である讃岐忌部は、手置帆負命(たおきほおいのみこと)を祖神とし、讃岐国(現在の香川県)を一番はじめに開拓しました。香川県善通寺市に鎮座する式内社、「大麻(おおさ)神社」の社伝に「神武天皇の時代、当国の忌部氏、阿波忌部と協力して讃岐を開拓し、此の地に麻を植え、殖産興業の途を開かれ、国利民福の基を進め、その祖神天太玉命を祀り、大麻天神(おおあさのあまつかみ)と奉称し、村の名を大麻と云う。」とあります。

麻の名を冠した日本の地名マップもあわせてご覧ください。

 

※阿波忌部研究の第一人者である林博章先生が、日本や世界の聖地旅行を専門とするクラブワールド株式会社(代表取締役 大村真吾氏)の主宰するYouTube動画(約59分)に出演し、「忌部」について対談形式で語られています。(今後、クラブワールド社では、剣山例大祭とあわせ、忌部山ツアーを主催する予定だそうです)

※「大麻」の名は、明治以降の外来種と区別するため。

 

 

・参考文献

「徳島と日本各地を拓いた阿波忌部」(発行:一般社団法人忌部文化研究所)

一般社団法人 忌部文化研究所ホームページ

「麻の文化を守り育てる」(野州麻栽培農家七代目 大森由久)パンフレット

 

 

四国の麻の真の夜明け。四国霊場第22番札所・平等寺における初会式で目にしたもの

第2回大麻の麻縄活用コンテストの締め切り日(7/31)が過ぎて先日、2020(令和2)年に四国霊場第22番札所・平等寺の初会式中、本堂でおこなわれた晋山式(新住職就任法会)で目にした国産精麻でできた修多羅(しゅたら)をどういうわけか思い出しました。

麻縄職人と組紐職人が製作したそれはそれは立派なもので、新住職(第26世)が晋山記念に左肩、袈裟の上にかけられ法会にのぞんだ由。

 
 
 
 
 
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この初会式にお誘いいただいた麻縄職人の京都・山川5代目、山川正彦さんにこの修多羅の他、新調あるいは奉納された麻製品をご紹介、ご案内いただきました。

本堂の鰐口紐2本、そして鐘楼の鐘突き紐も。

 
 
 
 
 
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この日に至るまでに平等寺では、2016年に山門に麻のしめ縄がかけられ、その翌年にしめ縄の前垂れが草木染めで(きなりを含む)五色になったのです。

2019(令和元)年の麁服調進は、麻栽培から抜麻式・初蒸式、初紡式、織り初め式等がおこなわれ、長い間、麻栽培がおこなわれていなかった四国の麻の真の夜明けだったと思いますが、この平等寺の取り組みによりさらに一歩進んだと思います。(この20年ぐらいの間、ヘンプカープロジェクト、各種講演会、麻製品の開発などそれまで麻に関わったさまざまな方々のお働きを思います)

平等寺は814(弘仁5)年、弘法大師・空海が41歳のときに開基したお寺で、大師の御作と伝えられる薬師如来がご本尊です。また、境内には大師が掘ったとされる井戸、「弘法の霊水」があります。

これら多数の麻製品がつくられたことも弘法大師・空海のお働きと思わずにいられません。

そして四国は始国(しこく)ですから、それが確実に日本全国へ、周囲へ波及していくと思っております。

 

 

・参考文献

「令和の大嘗祭 麁服」特定非営利活動法人あらたえ・阿波忌部麁服調進協議会発行

平等寺本尊初会式(令和2年1月19日)チラシ

「お客様の声」、レビュー評価がいい理由は?これからも正直主義で

お客様からいただいた「お客様の声」は、生のお声を届けるよう心がけています。

そしていただいたお声にはきちんとお返事させていただく。これは2010年創業から10年以上つづけていることです。

実はそれぞれのお声、レビューは非表示にすることもできるんです。

 

あるとき、取引先のページで星1つの評価がありました。その理由がコメントとして書かれてありました。それが再度訪れるとなくなっていました。

それ以来、正直主義でいこうと心に誓いました。星1つであろうと、真摯にお答えする姿勢はお客様や他の方に伝わると思います。

 

そのような心構えですので、さぬきいんべで現在、非表示にしているレビューは1つもありません。

また、星1つ、星2つのレビューはまだないまま今日を迎えています。といってミス等でお客様にお詫びしたことがないわけではございません。(低い評価がない1つの理由として、お客様に必ず一筆せんでお礼を書いて同封してきたことがあるのではないかと考えております)

第一に、いい商品、いいお客様に恵まれてきたのだと思います。ありがとうございます。

今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。

モノより心の時代へ、お金より芸術の時代へ進んでいくこの世の行く末

いつの間にか、心の時代、芸術の時代になってきていると思います。(もちろんモノ、お金は大事です)

心の時代とは、わかりやすく言うと、どんな想いでそれをしているか?それが大事になってきているということでしょうか。

さぬきいんべで言えば、初心は四国の麻文化の復興、産業用大麻の栽培と流通を目標に、工房織座製のヘンプ衣料をOEMで展開、その後2015年の年頭より神社仏閣用の麻製品を手がける職人集団、京都・山川の製品を扱うようになり、しだいに、麻を通じて目に見えないものを大切にする人が増えていったらと思い活動しています。なぜなら、目に見えないものを大切にする人は“いい人”が多いからです。それにより世の中が平和になっていっていったらということが願いです。昨年2021年6月より、京都・山川さんのご協力で、おお麻(ヘンプ)専門神具店へとシフトさせていただきました。令和の大嘗祭の年、2019年、徳島・三木家(阿波忌部氏直系、三木信夫28代当主)にて麻織物、麁服(あらたえ)のための麻栽培や初紡式などがニュース等で報道されたのは記憶に新しいです。ずっと麻栽培がつづいていると思われるかもしれませんが現状は四国の麻農家はゼロ。将来、四国の麻栽培が再生できますようにそれに貢献できたらという思いです。

一方、芸術の時代とは、あらゆるものがきれいになっていくということでしょうか。また、個人や集団において美が大切になってきていると思います。

さぬきいんべで言えば、創業当初から美は大切にしていますが、昨年からはじめた「大麻の麻縄活用コンテスト」もそうですし、精麻飾りワークショップや精麻作品づくり講座をおすすめしているのもそうです。(個人では2017年より公益財団法人愛媛民芸館の評議員を務めさせていただいております)

きれいなものは心がやすまります。美しいものは大切と思います。

 

このまま行くと世の中はどうなるか?地上天国という言葉が適切かわかりませんが、争いや病気などのない世界、ミロクの世というのか、そういう社会になっていく、それを目指し活動しております。プライベートでは自然農法を家庭菜園に取り入れたりしていて、一歩一歩理想に近づくようコツコツと励ませていただきたいと思います。

精麻における草木染めと化学染料染め、いずれ草木染め精麻を主体へ

草木染めとは植物染料で染める方法、化学染料染めは石油由来の合成染料で染める方法です。

志村ふくみさんの「色を奏でる」(ちくま文庫)の一節「色をいただく」のなかにこんなことが書いてあります。

ある人が、こういう色を染めたいと思って、この草木とこの草木をかけ合わせてみたが、その色にはならなかった、本のとおりにしたのに、という。

私は順序が逆だと思う。草木がすでに抱いている色を私たちはいただくのであるから。どんな色が出るか、それは草木まかせである。ただ、私たちは草木のもっている色をできるだけ損なわずにこちら側に宿すのである。

草木染めは、化学染料とちがい、光の反射がやわらかいため色が目にやさしいです。また、色の深み、素朴さ、渋さ、質感があります。バイブレーションがそれぞれの染めによりちがうと思います。

一方、化学染料染めの場合は、色と色を交ぜ合わせることによって新しい自分の色をつくります。単一の色では色に底がありません。また、化学染料は脱色ができますが、植物染料は脱色することができません。自然が主か、人間が主かのちがいだと思われます。

 

何度もお伝えしていますが現在、神社仏閣用の麻製品の染色は99%が化学染料です。

なぜなら、安価に早く染めることができるからです。さぬきいんべの製品の化学染料染めは麻縄職人が、草木染めは染め職人がおこなっております。

化学染料染めの五色緒。
化学染料染めの五色緒。

 

しかし、神社仏閣用に化学染料染めは主体なのはどうかと(それまで草木染めのヘンプ衣料を扱っていたこともあり)違和感を覚え、2015年から徐々に藍染めからはじまって草木染めした精麻の普及に取り組んでおります。

先の記事でご紹介したように、先人が藍染めの薬効に着目したと思われる京都・祇園祭での精麻使用の事例を最初に知ったことで俄然やっていこうと思いました。

2017年には四国霊場22番札所・平等寺の山門に草木染め5色(緑・黄・赤・きなり・紫色)の前垂れのついた国産精麻のしめ縄がかけられました。

このことを知ってなんとかと、さらに精麻の草木染めをと思い取り組み、2020年にようやく、国産精麻・五色緒付きの神楽鈴のネーミング募集を実施、公募で選ばれたお客様が賞品の神楽鈴の五色緒を化学染料か草木染めかで、草木染めを選ばれたことで、国産精麻・草木染め五色緒付きのいわゆる神楽鈴【玉翠】が誕生しました。

草木染めの五色緒。(2020年以降)
草木染めの五色緒。(2020年以降)

もともと神社仏閣用の麻製品に草木染めの精麻をと思っておりましたので、幸先よく瓊奈川神社(翡翠の巫女)様へ神楽鈴【玉翠】が同年6月に奉納されたことはとても喜ばしいことでした。

 

写真ではなく、実物を見て確認したいというお客様へ、極上国産精麻(野州麻)の化学染料染めのものと、草木染め5色のサンプルもございます。五色緒のように長さ5尺(約150センチ)に麻縄職人が加工したものです。ちがいを見比べてみたい方はお気軽にお問合せください。きていただいてもいいですし、宅配便で貸し出しもさせていただきます(送料のみご負担ください)。