京都・山川製。国産大麻(精麻)より紐、より縄に藍染め、草木染めも追加

この度、極上国産精麻のより紐、より縄(大麻紐、大麻縄)の取扱いを開始いたしました。

職人の手仕事による国産精麻のより紐(縄)。
職人の手仕事による極上国産精麻のより紐。写真は太さ5ミリ。

しめ縄や鈴緒など神社仏閣用麻製品を調製する京都・山川の職人の手仕事による麻ヒモ、麻縄を「リーズナブルにできる限り早く」が狙いです。

神事、祭礼用はもちろん、結界、手芸・アクセサリー作りにお役立てくださればと思います。

太さは2ミリから可能で現在、2ミリ、3ミリ、5ミリ、6ミリ、8ミリ、10ミリ、15ミリのご注文をお請けしておりますが、ミリ単位で製作でき、その他の太さも製作可能です(お問合せいただければお見積させていただきます)。ほつれ止めのための端部の処理もやっこ結び、木工用ボンド止めなどお選びいただけます。

きなり太さ2ミリ(上)と3ミリ。端部の処理はやっこ結び。
きなり太さ2ミリ(上)と3ミリ。端部の処理はやっこ結び。

ちなみに、令和の大嘗祭にむけて麻の織物、麁服を織るための麻糸を紡いだ徳島県の三ツ木八幡神社の拝殿の中には紙垂のついた精麻のしめ縄が四方に張られていました。紡女(巫女)が麻糸を紡ぐ「初紡式(はつつむぎしき)」の様子を新聞記事、ニュースなどでご覧になったかもしれません。こちらのしめ縄は6ミリ径です。

麻縄のしめ縄
(用途例)しめ縄。写真は20ミリ径。(麻の垂れ、紙垂もお付けできます)

藍染めもできます。茜染めなど草木染めのより紐、より縄も承ります。現在、可能な染めは紺色(藍染め)、赤色(茜染め)、緑色(藍+ざくろ染め)、黄色(ざくろ染め)、紫色(藍+茜染め)の五色で、すべて先染めの精麻で製作しております。

藍染めのより紐。太さ5ミリ径。
こちらは藍染めのより紐。太さ5ミリ。

麻ヒモ、麻縄の用途例:紙垂をつけてしめ縄。拍子木同士を結ぶ縄、各種祭礼用、添棒縄、結界、手綱や命綱、凧糸に。ペンダント(ネックレス)のヒモ、バッグの取っ手ヒモ、手芸用、オリジナルアクセサリーの製作に。

草木染め二色の麻ヒモも可能に。(写真は藍・ざくろ染め)4ミリ径以下。
草木染め二色のより紐も可能に。(写真は藍・ざくろ染め太さ2ミリ)4ミリ径以下。

 

草木染め三色と五色のより紐も。(5ミリ径以上から)
草木染め三色と五色のより紐も。(5ミリ径以上から)

しめ縄(紙垂をお付けすることも可能)はもちろん、ネックレス、ブレスレット用、オリジナル作品づくり、ジュエリーなどとしてご活用いただいております。

むすぶ・たばねる・つるす・まく・かける・つなぐ・しばる・いろどる、麻縄職人による極上国産精麻を用いた一級の手仕事のより紐、より縄をさまざまな用途にご活用いただければ幸いです。

※伊勢宮忠も同じ職人、極上国産精麻によるより紐を取り扱っています。

国産大麻(精麻)・祓串のネーミング公募の結果

国産大麻(精麻)・祓串(幣)を取扱いはじめて1年過ぎ、麻の祭祀特集と連動して会員の方よりこのたびネーミング(名前)を募集させていただきました。

名前を公募させていただくのは神居和かざりにはじまりこれで4つ目です。

 

さて、今回応募いただいた中から選考の結果、「たまきよら(TM)」に決定しました。

応募いただいた方いわく、直感ですぐ思い浮かんだそうです。「たま」は魂、御霊(みたま)、地球をも意味し、祓い清める、、

ちなみに日本語の「ら」は語頭にこない場合、垂直形状、現れるといった概念を表します。例:はしら、やぐら、へら

言霊で祓串の用途役割を表していると思い、すばらしい直感だと思いました。(思いませんか?)

また、たまきよら(TM)の説明として、「一個人の祓いはもとより、その祖霊、その方がおられる場、そこにおわします産土神、更には地球のコア(マントル)、そういう全てに繋がって、広く世の中を祓い清める意」でもって、お使いいただくのが相応しいお品のように感じます。

とのことです。

そうですね!時は令和の時代、この祓串はミロクの世を予感させます。

ここで公表はしませんが今回採用となった名前を応募いただいた方が応募に至った逸話がシンクロニシティを感じさせ、思っている以上に大事な神具であると強く思わせていただきました。必要な方々に届き、よい言霊とともに世の中が祓い清められますように切に願います。

今後とも国産大麻(精麻)・祓串「たまきよら(TM)」をよろしくお願い申し上げます。

京都の装束店の女将から感じた3つの私との共通点

先日、京都へ行ったみぎり、玉造りをされてる青舟さんが「黒田装束店」へ行きたいとのことでついていきました。

黒田装束店は京都御苑の堺町御門前に立地しています。

黒田装束店(京都市)の入口
黒田装束店の入口(しめ縄がはってあったのでパチリ)

中へ入り出てきた男性に青舟さんが用件を告げると、1人の女性が出てこられました。私は目を疑いました。「ん、若い!」

建物内の雰囲気からするとお婆さんが出てくる感じで、私は何度も目を疑いました。(さすが京都)

あとで調べてわかったことですが、この方は女将で黒田知子さんといい、宮廷装束に使われる「有職(ゆうそく)織物」の美しさを多くの人に知ってもらおうと、装束に使う布を使った袋や名刺入れなどの小物作りをプロデュース、「堺町御門前 平七」というブランドで展開していらっしゃいます。

青舟さんは製作した「勾玉を入れる袋」にとこの平七の小物をwebで探しだし購入、それで店にも行きたいと思われたようです。

黒田さんが奥から出してきた小物を何点か見せていただきましたが、女性の感性ですね。巾着袋、ペンケースも。伝統的な文様、生地、そして繊細で細やかさを感じました。現代風に仕上げられています。

そして、価格が安い。「もっと値段を上げたらいいのに」とよく言われますと黒田さん。

日本文化系の雑誌「和樂」にも平七の小物が紹介されています。(店頭で2冊見せていただきました)

黒田装束店を出て、何か黒田さんと共通点を感じる思いがわき上がってきました。というのは、1.私は国産精麻でできた現代に合う小物を展開する役回りになっていること、2.価格のつけ方が平七と同じではないかということ(多くの人に手に取っていただきたい)、3.日本の伝統文化を伝えたいと思っていることです。

店にいたのは30分くらいでしたが、プロの世界を垣間見ることができ、同じような気持ちでがんばっている人がいるんだと刺激を受けた出来事でした。

ある日突然訪れた糸魚川ヒスイ勾玉との出会い

2011年9月3日でした(9月3日は私の誕生日)。

「相互リンクお願いできませんか?」と玉造り工房「フルタマのヤシロ」というwebページの運営者からメールが届いたのは。

そのときwebページを拝見し、はじめて糸魚川ヒスイの勾玉を見ました。その美しさに感動し涙が出てきたことを思い出します。

勾玉の作り手は青舟(せいしゅう)さん。京都府の北部、京丹後にお住まいで、電話で話をして、さぬきいんべでペンダントにし販売させていただく運びになりました。たしかちょうど肥松の勾玉のペンダントを製作した後で、提案させていただいたところ快諾を得たしだい。

第1号モデルは「天座(あまざ)」。透明度の高い小ぶりの勾玉で国産精麻をなったヒモがついています。公開後ほどなくしてそのペンダントをお求めになったのは、なんとジュエリーデザイナーで、こんな感想をいただきました。

私の日頃の宝飾品デザイン・制作に際しても、さらっとした良い風が吹いてくる、そんな感じを受ける仕上がりを目指していますが、玉は更にしみじみとした良さを感じますね!宝飾品に於ける翡翠の品物とは別の世界が広がっています。

 

糸魚川ヒスイ勾玉ペンダント「天座(あまざ)」(第1作)
糸魚川ヒスイ勾玉ペンダント「天座(あまざ)」

その後、次々と勾玉、あるいは大珠のペンダントを必要な人の元へ届くように製作してます。(お求めになる人の声を聞いていると、この玉は本物であることがわかります)必要な人、必要な時期があるんでしょう。

縁とは不思議です。私は探していません。勾玉も向こうからやってくるのです。

あとで、「さぬきいんべ」という名前に起因(名は体を表す)していることが薄々わかっていきましたが、そのときはわからずご縁を大切に流れに乗っていったのが現在につながっています。

青舟さんとは2016年はじめに京都市内ではじめてお会いしました。電話の声のイメージと実物はぜんぜん違っていました。

青舟さんのお話はおもしろいです。

勾玉についてはいわゆる三種の神器の1つで、最後に来るのが勾玉と青舟さんがよく言っています。私もそんな気がします。

値段が高騰する前にどうぞ。(2016年、国石にヒスイが選定されてから、原石の価格は上がっていると聞いています)

さぬきいんべプロデュース、青舟さんの勾玉ペンダントはこちらへ。

今後も新作を作り続けたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>

純国産の大麻と絹の織物が教えてくれたもの

杼と織り途中の布

2012年の夏から2013年の末まで大麻と絹の織物を販売させていただいていました。

糸づくりもその方ご自身がされ、経糸の絹は愛媛県産の晩秋繭「あけぼの」を手びき。

緯糸の大麻は栃木県産の大麻(野州麻)を手績み。

丹念に心を込めて織り上げられていて、清らかで繊細なハリとツヤのある布だったことを思い出します。

高野さんによる手績み大麻糸
手績み大麻糸(緯糸)

この方は多摩美術大学芸術学科映像学部卒業後、23歳のとき、写真を撮るために移住した沖縄県与那国島で機織りの仕事に出会いました。

そこで、島の伝統工芸品に指定されている「与那国花織り」の技法を学び、織り子(※)になったそうです。

その後、愛媛県西予市野村町で国産繭(まゆ)からの「座繰り糸ひき」の技術を習得。

さらに、大麻の歴史に興味をもち、大麻の布を自らの手にとって感じてみたくなり、麻績みの技術を習得されました。

(※)織り子=機織りをする人。沖縄県与那国島の織物の歴史は古く、おおよそ500年。与那国町伝統工芸館では、織り子の養成により与那国織の伝統を継承するための養成活動が行われている。

 

さらにお聞きすると、麻績みは与那国島のお婆さんから習ったそう。

そして、今の「よりひめ(R)」(麻糸産み後継者養成講座)の活動が始まる前に大麻博物館(栃木県)の高安淳一さんからも麻績みを教わったそうですが、それは与那国島で教わったのとは少し違うとのこと。

大麻と絹の織物
大麻と絹の織物(左側は緯糸に藍染め大麻糸がランダムに入ったもの)

日本各地には地域によって育まれた方法、昔から代々受け継がれてきたものがあるのだと思います。

それを後世に受け継げるようにしたいですね!(間に合ううちに)

手間をかけた時間と、作り手の想いが感じられる命のかたまりのような上品で美しい布でした。

手仕事、職人文化が栄えていくように

父は建具職人でした。

小学校の高学年くらいだったと思います。あるとき母が「建具は細かい割りに儲からないから跡は継ぐな」というようなことをぼそっと言いました。

跡を継ぎたいという強い思いがなかったのと、父は仕事に関しては何も言いませんでしたので、ときどき忙しい時に手伝ったりするくらいで、結局私はサラリーマンになりました。

晩年父は、生活様式の変化などで仕事が少なくなって、企業に就職したのは正解だったかもしれません。

しかしこちらの経緯で、おお麻(ヘンプ)に出会い、さぬきいんべを創業し、無私の心で「手仕事革命」へで書いているように、おお麻を追っているうちにだんだん手仕事、職人に縁があることがわかってきました。気がついたらそういうもの、人が目の前にいました。最初は「おお麻文化」を後世にだけしかホント考えていませんでした。

会社勤めしている時は上の人に「細かいことにこだわるな」と注意されたことがあります。(笑)

そしていろいろな作り手にお会いして話をしたり、2017年度から愛媛民芸館の評議員に就任してやっていったりする中で、特に手仕事、職人文化が栄えていくようにしていきたいと思うようになりました。

担い手の高齢化、減少が言われているように思います。伝統工芸では若い人たちもがんばっています。おお麻の農家、職人、神社を守ろうとして取り組んでいる人もいます。

残りの命をそれに傾けたいです。

 

四国唯一の民藝館、愛媛民芸館(愛媛県西条市)において下記のイベントをおこないます。

「民藝館1day meets!」

七Coffee Roaster×にじとまめ×jam room store 3店舗による1日限りのポップアップストア

開催日時:2019年6月23日(日)10~16時

場所:愛媛民芸館内1F

・七Coffee Roaster・・・テイクアウトカップにてドリップコーヒー販売

・にじとまめ・・・地域の食材を使用した天然酵母パン販売

・jam room store・・・久留米絣を使用したMONPEなど展示販売

当日は砥部焼、ひろき窯(多川ひろきさん、平成28年度および30年度日本民藝館展入選)の作品の展示即売会期間中であるのと、周桑手すき和紙の杉野陽子さんによる和紙教室も予定しています。

愛媛民芸館 1day meets!イベント(2019.6.23)フライヤー

精麻を身近に、京都・山川による国産精麻小物

2015年初頭より販売させていただいている京都・山川のミニ鈴緒、叶結びアクセサリーといった国産精麻で作られた小物。

小さいからといって手抜きなどしていない、どれも職人技が駆使された逸品です。

さらに同年、ブレスレットとネックレスをラインナップとして加えました。

 

ミニ鈴緒ミニ鈴緒《朱》

ミニ鈴緒
神社の鈴緒をミニチュア化した「ミニ鈴緒」

山川さんを紹介いただいたときに既に完成していた、神社の鈴緒をミニチュア化した「ミニ鈴緒」。これが皮切りになりました。

付いている鈴は本坪鈴といい、巫女が舞うときに使う神楽鈴と同様の本金メッキ仕上げでこちらも本格派、京都の職人によるものです。(メッキ無しと比べキレイで長持ち、また清々しい音色です)

後に、しめ縄《朱》【神居 和かざり】と同じように巫女の緋袴にヒントを得て朱色版を加えました。

 

叶結びアクセサリー

「叶結びアクセサリー」
装飾結びの1つ、叶結びが施された「叶結びアクセサリー」

「叶結び」とは、装飾結びの1つで、表は四つ目で「口」の字に見え、裏は「十」の字に見えることからそう呼ばれます。

山川さんいわくこの形は「いろいろやっている内にできた」とのことで、まさに湧き出るように生まれてきたと思われます。

アクセサリー感覚でカバンなどに付けられる方が多いかと思っていましたが意外に神棚にという方が多く感じています。

 

ブレスレット【麻の輪】ブレスレット《朱》【麻の輪】

「ブレスレット」
精麻だけでできた「ブレスレット」

提案(イメージを伝える)させていただいたらこの形ができあがってきました。

感心したのは精麻だけでできていること。留め具とかはなく、精麻だけで留める構造です。シンプルかつ美しい、太さをだんだん細くするなど技が施されています。

こちらも後に、朱色版を加えました。

【麻の輪】の名前はお客様から公募させていただきました。“麻(ヘンプ)でつながる輪、みんなの和”を意味しています。

 

ネックレス【麻統~あさすまる~】

「ネックレス」
精麻だけでできた「ネックレス」

こちらネックレスも、提案(イメージを伝える)させていただきました。ブレスレットと同じで精麻だけでできています。

使う人の立場に立って、首元に直接触れることを想定し、肌にやさしくなるように三本撚りして配慮、さらに特殊加工をしています。(敏感な方は服の上から着けられるなど工夫することをオススメいたします)

シンプルな構造で長さ調節ができ、チョーカー、アンクレットにもなります(そういう使い方されるお客様あり)。

【麻統(あさすまる)】の名前は、これもお客様から公募させていただきました。その方いわく、古語で首飾りを表す言葉を調べると「御統(みすまる)」という言葉に当たったそう。集まって1つとなる意の「すまる」と麻を合わせた造語が「麻統」です。

 

三本撚り叶結びアクセサリー【神結 和むすび】

「叶結びアクセサリー」
三本撚りの「叶結びアクセサリー」

上の赤色の叶結びアクセサリーは二本撚り、こちらは三本撚りです。だいぶん印象が違うでしょう?大きさも5割ほど大きいです。

こちらは生成りのみです。

【神結 和むすび】の名前もお客様から公募したものを採用、「かみゅう わむすび」と読み、“神様といつも繋がっています”という意味が込められています。

 

しめ縄【神居 和かざり】

しめ縄【神居 和かざり】
国産精麻の輪飾りの先駆者

上記の叶結びアクセサリーの販売開始後、山川さんと話しているうちに誕生した輪飾り(誕生ストーリーはこちら)。

お客様から公募させていただいた【神居 和かざり】の名前は、「かむい わかざり」 と読み、“神さまのやどる輪飾り”という想いが込められています。奇しくも後に新元号は令和となり、令和の和かざりと呼んでいただきたいです。

 

しめ縄《朱》【神居 和かざり】

しめ縄《朱》【神居 和かざり】
巫女の緋袴をイメージした朱色版

生成りの【神居 和かざり】に色を入れてみたらということで、工房を訪れ職人の意見を参考にしつつ何色にするか検討し、朱色をチョイス。また、色とのバランスを考え、前垂れはなしにしました。さらに現代風のしめ縄に。

 

しめ縄《藍》【神居 和かざり】

しめ縄《藍》【神居 和かざり】
2020東京オリンピックのエンブレムの色を意識した藍色版

山川さんと初対面した際、精麻の藍染めについて問われそれについて研究、試し染めなどする中、藍染めの製品をと思っていて【神居 和かざり】誕生より1年以上経って作っていただきました。ジャパンブルーで落ち着いた雰囲気に。この藍色版で、2020東京オリンピックの公式エンブレムのコンセプトと同様、「多様性と調和」、「つながる世界」をイメージしていただけたら幸いです。

 

ミドル鈴緒

ミドル鈴緒(朱)と(生成り)
小さなお社、祠用に、ミドル鈴緒(朱)と(生成り)

神社の鈴緒と上のミニ鈴緒との中間で「ミドル鈴緒」と職人が命名、そのままの名前を採用しております。ご家庭や会社の神殿(神棚)、小さなお社用の鈴緒です。付属の綿ロープ(白色)でくくりつけて使う仕様で、振るとミニ鈴緒よりも大きな本坪鈴からより深みのある涼やかな音が。日々の祈り、手を合わせる際にご活用いただきたい神具です。

 

京都府指定「京の伝統工芸品」
京都府指定「京の伝統工芸品」

 

以上の製品は、いずれも京都府指定「京の伝統工芸品」です。

※製作にあたって、職人にイメージを伝えるのみにしています(作る人の個性、良さがあるのでできるだけそれを生かすために)。

一般の人がほとんど馴染みのない精麻を身近に感じていただきたいという心、職人の思いで、神社仏閣用の麻製品調製、作業の合間で作ってくださってます。

古神道(伯家神道)の作法により潔斎してお送りさせていただきます。

無私の心で「手仕事革命」へ

今までいろいろなもの作りに携わっている方、職人、作家に会い、できることなら作業場へ足を運んで見せていただきました。

布(織物)、麻縄、勾玉、木工(建具)、染色、藍染め、陶磁器、吹きガラス、張り子、、

どの方もそれが好きというのが伝わってきます。夢中になれるものがあるというのはいいといつも思います。^^

工房織座(愛媛県今治市)
工房織座(愛媛県今治市)武田正利さん(布)

倉敷ガラスの小谷眞三さんはお会いしたことはありませんが、倉敷民藝館の初代館長であった外村吉之助さんが説いた「健康で、無駄がなく、真面目で、いばらない」、この言葉に忠実にと思いをはせ(それでも叱られたそう)、いまもそれは息子の栄次さんへ受け継がれています。

 

前に書いた美の基準にも共通しますが、ものを見ればそれがどういう風な心で作っているかわかる気がします。

個性を表現することばかり意識して作られたもの、利益ばかりを優先して作られたもの、大量生産を優先して作られたもの、、(そこには使い手の立場に立つという誠実さは感じられません)

伊予木工(愛媛県西条市)
伊予木工(愛媛県西条市)伊藤信之さん(建具、木工芸)

「無になると上から降りてくる」って言いますよね(言いませんか?)。それと同じことが手仕事におけるもの作りでも言えると思います。

(無になって)湧き出るように生まれたものは必然的に「無私の美」が宿るように思うのです。

「ほんとうの瞑想は、手を使って働くことです」という人もいらっしゃいます。

株式会社山川(京都府京都市)
株式会社山川(京都府京都市)山川正彦さん(麻縄)

また、神は細部に宿るとも言います。これもそうだと思います。見えるところだけでなく見えないところも大切にする心を感じることもありました。

そして、値段が安くても高くても同じグレードのものを作る。(安いからといって手を抜いたりしていない)

天の川工房(高知県高岡郡)
天の川工房(高知県高岡郡)宮崎朝子さん(布)

さぬきいんべでは無私の心でできたもの、使って喜ばれるもの、そういったものを扱いたいと思っています。平成はもう終わりですから、令和の「手仕事革命」を起こしたいですね!

(前略)物作り達は幸いなことに自然の材料という精霊が宿る世界を友として駆使し作業しているわけです。日夜精霊たちと会話ができるではないですか、彼らが悲しまないように仕事しなきゃならないと思いますよね。そういうことが満ちているから作るのがたのしいのでしょう。(後略)(「民藝2019年2月号」特集 平成三十年度日本民藝館展 審査委員 佐藤仟朗講評より)

 

四国唯一の民藝館、愛媛民芸館(愛媛県西条市)1階において下記のイベントをおこないます。

「民藝館1day meets!」

七Coffee Roaster×にじとまめ×jam room store 3店舗による1日限りのポップアップストア

開催日時:2019年6月23日(日)10~16時

場所:愛媛民芸館内1F

・七Coffee Roaster・・・テイクアウトカップにてドリップコーヒー販売

・にじとまめ・・・地域の食材を使用した天然酵母パン販売

・jam room store・・・久留米絣を使用したMONPEなど展示販売

当日は砥部焼、ひろき窯(多川ひろきさん、平成28年度および30年度日本民藝館展入選)の作品の展示即売会期間中であるのと、周桑和紙の杉野陽子さんによる和紙教室も予定しています。

愛媛民芸館 1day meets!イベント(2019.6.23)フライヤー

 

 

参考文献:

「SILTA38号」(手仕事フォーラム)

「山陽民藝275号」(岡山県民藝協会)

「NHK趣味どきっ!私の好きな民藝」(NHK出版)

京都の木工職人と麻縄職人による国産精麻がついた祓串(大麻)にて祓う術

神主が祓いに用いる道具は「大麻(おおぬさ)」と呼ばれ、神事には必ず用いられます。

「大麻」は「祓(はらえ)の幣(ぬさ)」であり、今日一般的には榊の枝に麻苧(麻の茎の繊維を平らに熨したもの)と紙垂を添えて取り付け(麻苧のみの場合もある)、祭事の際は修祓行事に使用し、あるいは檜の角棒(幣串・幣棒などと称する角棒)や丸棒を串として、これに麻苧と紙垂を添えて取り付けて(麻苧のみの場合もある)筒の中に納め置いて、日常の神拝などの際に、筒から取り出して修祓に使用するものである。『家庭の祭祀事典』西牟田崇生著(国書刊行会)P108より

大麻(たいま)は神道では罪や穢れを祓う神聖な植物とされてきました。

なぜ縄文~弥生期に使用されたか

「ものを縛る」「束ねる」「吊す」「土器に縄文をつける」「釣り糸にする」「弓の弦にする」「袋の口をしめるヒモにする」「鏡や首飾り、腰飾りなどの孔に通すヒモにする」「縄帯」「衣服の腰ヒモ」「縫い糸」「編み物の材料」「舟のもやい綱」「海人の命綱」「はえ縄」「墨縄」「結縄」など、大麻は縄文~弥生期に頻繁に使用されました。なぜか?

1.繊維が強靱であること。

2.種蒔きから約90日の短期間で人間の背以上に高くまっすぐ育ち、栽培しやすいこと。

3.大麻には神々と交信し、自然のメッセージを受けるシャーマンに必要な一定の覚醒作用があると思われていること、など。大麻そのものがもつ縄文時代以来の日本人の体験による不可思議な神聖さとその呪術性ゆえです。

私たちが知るところでは、しめ縄、御札、御幣、鈴緒、狩衣、祭りの山車の引き綱、上棟式などで使用されてきた大麻。現在、神社で大麻が最重要視されているのは「神が宿る神聖な繊維」とみなされているからです。

国産大麻(精麻)の祓串

大麻(おおぬさ)は、白木の棒で作ったものは祓串(はらえぐし)とも言います。

この祓串は、紙垂と精麻がついたもの、紙垂だけのもの、精麻だけのものがありますが、さぬきいんべでは国産極上精麻だけがついた祓串をご用意。

白木の棒と置き台に木曽桧(樹齢150年以上)の柾目材を用いた京都の木工職人と麻縄職人からなる伝統工芸の粋を集めた神具です。※高さ約30センチと約75センチのものがございます。

写真は高さ約30センチのもの。

国産大麻(精麻)・祓串
国産大麻(精麻)・祓串【たまきよら】

 

こちらは紙垂付き。
こちらは紙垂付き。

随所に示された職人の心と技、国産精麻の黄金色、木曽桧の木目の細かさ、美しさ、香りなども併せてご観賞いただければ幸いです。罪穢れや病気、災厄などを祓い清める祓具として、朝夕の神拝など、自己祓いにお使いください。(2022年、東京・戸越八幡神社様より外祭用ということで高さ約60センチの祓串をご注文、納品させていただきました)

 

阿波国一宮・大麻比古神社の祓串

徳島県の阿波国一宮・大麻比古神社には上の祓串、高さ約75センチ(紙垂付き)が2017年に日本麻振興会により大麻比古神社に奉納されました。(奉納時にそこにおり、拝させていただきました)

なお、同神社では拝殿に向かって右側に自己祓い用の祓串があります。(神社によってあるところ、ないところあり)

大麻比古神社の祓串
大麻比古神社の紙垂と精麻からなる祓串

説明書きがあって、「自己祓いの作法」とあります。

1.両手で祓串を持ちます。

2.唱詞を奏上しながら自身の肩の辺りを左・右・左の順序で祓います。

3.祓串を戻し、お賽銭を納めます。

4.二礼二拍手一礼の作法で拝礼します。

唱詞「祓(はら)へ給(たま)へ 清(きよ)め給(たま)へ 守(まも)り給(たま)へ 幸(さきは)へ給(たま)へ」

文字通り、祓い清めてお参りするんですね。

 

 

参考文献:

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「大麻という農作物」大麻博物館著

「檜(ひのき)」有岡利幸著(法政大学出版局)

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

国産大麻(精麻)しめ縄に牛蒡型が仲間入り!しめ縄はなぜ左綯いなのか

このたび、国産大麻(精麻)・しめ縄に牛蒡(ごぼう)型が仲間入りしました。

従来の取扱いは中央部が太くなった「大根型」、縄を丸めたわかざり(神居 和かざり)だけでした。牛蒡型は一方がだんだん細くなる形状です。

しめ縄の種類

しめ縄の種類
種類 形状・用途
大根型 中央部が太くなったしめ縄。両端が細くなっている。
牛蒡型 しめ縄の一方が細くなってだんだん太くなっている。
わかざり 綯った縄を丸めたもの。水回りや勝手口に飾ることが多いが、汎用性が高いため屋内外のさまざまな場所に用いる。

 

国産大麻(精麻)・しめ縄【大根型】
大根型

国産大麻(精麻)・しめ縄【牛蒡型】

牛蒡型

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】
わかざり

どれも国産精麻を材料に、神社仏閣用の麻製品を調製する京都の職人が綯った美しいしめ縄。明治19年創業の老舗、株式会社山川の製品です。

しめ縄の起源

日本におけるしめ縄の古語は「尻久米縄(しりくめなわ)」で、天照大御神が岩屋から出てきたさいに、布刀玉命(ふとだまのみこと)が入口に尻久米縄を張って、天照大御神が再び岩屋に戻ることのないようにしたと『古事記』の神話にみられます。

しめ縄は精麻、稲わら、マコモなど天然素材から作られます。

しめ縄を七五三縄と表記するのは、七五三という言葉が昔から縁起のよい数字とされていたからです。また、しめ縄のことを、ほかに一五三、棒縄、〆縄、締縄、標縄などとも表記します。

しめ縄はなぜ左綯いか

縄を綯(な)う方法には「右綯い」と「左綯い」があります。※繊維をより合わせることを綯うといいます。

昔は一般に、普段の生活で使用する日用品の縄は右綯い、神事に用いるしめ縄は左綯いとされました。しめ縄は神聖なものであるため、日常に使う縄とは区別する意図があったようです。

もともと日本では「左=聖、右=俗」とする考え方があります。伯家神道では右手を神様の手(左手)でしっかり握りおさえて印を組むこと(唯一の印といいます)や、神道祭式において祭祀を行う祭場(斎場)の上位下位が神座を最上位に正中・左(神座から見て)・右の順となること、拍手の作法は両手を合わせた後、右手をやや左手より引いて手を拍つことなど。

国産大麻(精麻)・しめ縄【牛蒡型】紙垂付き
牛蒡型(紙垂付き)
国産大麻(精麻)・しめ縄【鼓胴型】紙垂付き
鼓胴型(紙垂付き)

わがくには神のすゑなり神まつる昔のてぶりわするなよゆめ(明治天皇御製)

また精霊を迎える盆踊りが左回りであること、死者の着物を左前にすることはご存じと思います。能楽にも「左右」という型があり、まず左を祓って、次に右を祓うようです。

飾り方について

一般的に牛蒡型や大根型を飾るときは神棚に向かって右側にモト(太い方)がくるように取り付けます。

それは神様から見たときに向かって左にモトがくるようにするためです。

 

 

参考文献:

「神道祭式の基礎作法」沼部春友著(みそぎ文化会)
「決定版 知れば知るほど面白い!神道の本」三橋健著(西東社)
「しめ飾り」森須磨子著(工作舎)