葬祭業のお客様に、国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版

葬祭業のお客様からご注文いただいた国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版

仕事柄、何かもらってきている感覚や不調があり、塩風呂などを試していたときに、麻のことを聞いて試し、麻の束でふとんや枕など寝具類を祓い、その束を枕元に置くとすぐ眠れたとのこと。その後、仕事中に浄化のため身につけられるものを探していたそうです。

藍染め版は2015年に誕生した国産精麻・ブレスレット【麻の輪】の文字通り、藍染め版です。先にできていたしめ縄【神居 和かざり】藍染め版と同じ配色でつくっていただきたいと、別のお客様からご要望いただいて2020年にできました。

国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版
国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版

職人のこだわりが凝縮されているのがおわかりになるでしょうか?(藍染めは染め職人による先染め)

葬祭業のお客様へお送り後、制服にしっくり調和しているということで写真を送ってくださいました。好きな色の藍染めときなりのコンビ、つけていないくらい軽いのにしっかりした質感で手首に自然になじみ毎日つけるのが楽しみだそうです。

制服と国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版
お客様の制服にブレスレット【麻の輪】藍染め版を合わせて

先日、別のお客様から本ブレスレットのご注文があり、上の写真をいただいていたことを思い出し、記事にいたしました。(他の草木染めでもできます。お問合せください)

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納。謡曲仕舞奉納家・一扇様

1月にご紹介した謡曲仕舞奉納家・一扇様

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納されていらっしゃいます。

4月2日は、京都市の水火天満宮様の櫻花祭にて、みろく涼香舞「草子洗」を奉納。仕舞と独吟の奉納があり、能楽師・ 井上貴美子先生、井上須美子先生も仕舞を奉納されたそうです。

境内はしだれ桜が見頃を迎えており、桜の花びらが舞うすばらしい舞台で奉納された由。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

 

4月18日は、亀岡市の出雲大神宮様の鎮花祭にて、みろく涼香舞「杜若(かきつばた)」のクセとキリ(※)をつづけて奉納。

※仕舞には大概、クセとキリがあり、クセは能の中で一番見せ所があるところで大体は弱い感じの舞 で、キリは能の最後の部分で強い感じの舞が多い。(南山大学観世会「能楽用語いろいろ」より)

旧暦3月は、花が舞い散るのに合わせて災いも飛散すると言い伝えがあり、疫病や厄災の終息を祈るこの祭りは平安時代の1025年からつづくとされているそうです。地元住民による京都府登録無形民俗文化財「出雲風流花踊り」のほか、巫女2人による浦安の舞も奉納された由。

一扇様はこの日、奉納する曲に合わせて前天冠に桜の花と杜若を飾っていらっしゃいました。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付き【玉翠】(草木染め版)をご活用いただいております。

いつか、みろく涼香舞を生で見たいと思っております。

手打ち本坪鈴付きの国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が完成いたしました

お客様よりご注文いただき、このほど手打ち本坪鈴付き国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が完成いたしました。

ミニ鈴緒は2015年1月から取り扱わせていただいております。

2020年に手打ち本坪鈴8分と1寸に国産精麻を取り付けた製品を取扱い開始させていただき、いつかこの本坪鈴付きのミニ鈴緒、ミドル鈴緒ができたらと思っていました。

手打ち本坪鈴とは錺金具師が工具を用い、文字通り手打ちで手間をかけつくった本坪鈴で、音がいいのが最大の特長です。

機械成型(プレス)のものも音はいいと思いますが、比較すると手打ち本坪鈴に軍配が上がります。価格も上がりますが文章で表現すると、機械成型は体に響く感じ、手打ちのものはハートに響く感じが私はします。

願いは忘れたころに叶うのでしょうか?

左から機械成型8分、手打ち8分、同1寸の本坪鈴。
左から機械成型8分、手打ち8分、同1寸の本坪鈴。

なお、機械成型と手打ちのものは、音の他に見た目、重さがちがいます。上の写真で、手打ちの方にツチ目の跡があるのと上部に菊花紋があるのがおわかりいただけるでしょうか。また、手打ちは地金が厚いため、その分重いです。

完成した手打ち本坪鈴付き国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒。
完成した手打ち本坪鈴付き国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒。

「本物の音」で鈴祓え。新しいものができるのはうれしいです。機械成型、手打ちの本坪鈴付きミニ鈴緒もどちらもすばらしい製品です。自分に合うものをお選びいただき、どうぞご活用くださいませ。

千葉・館山市に鎮座する安房神社のお守りを東京・瓊奈川神社宮司からいただく

4月はじめ、安房神社(千葉県館山市)のお守りを東京・瓊奈川(ぬなかわ)神社宮司・松井久子先生から封書でいただきました。

一筆せんに先日、ご縁があり安房神社を参拝し、同神社は阿波地方(四国)から渡ってきた忌部氏による創建で、ご神縁を感じたため、お守りを同封させていただいたことが書かれていました。

忌部氏とは、ケガレを忌み嫌い神聖な仕事に従事する集団で、上代から宮廷祭祀具の製造や神殿・宮殿造営に従事してきました。

安房神社(千葉県館山市)の拝殿(写真も後ほど松井先生からいただきました)
安房神社(千葉県館山市)の拝殿(写真も後ほど松井先生からいただきました)

また、つづけて「精麻にかかわる方が絶えず霊的に守られ、喜びと幸せに包まれながらますますご発展されますように」との文言をいただき、お心遣いに恐縮いたしました。(私がいただいたのは紺色のお守りで、もう一方へは色違いのお守りを贈ったそうです。神紋の菊花紋入りです)

すぐお礼のメッセージと電話をさせていただき、お礼をお伝えいたしました。松井先生、お心遣い誠にありがとうございます。

昔は、麻を「総(ふさ)」と呼びました。よって、千葉県は総国(ふさのくに)、上総(かずさ)、下総(しもふさ)と呼ばれ、阿波忌部がいるところは故郷の阿波をしのんで安房国(あわのくに)と名付け、館山市に安房神社が建てられたのです。

なお、瓊奈川神社のご祭神は瓊奈川姫大神様で、国つ神です。同神社とはこちらの記事にある経緯で2020年にご縁をいただきました。さぬきいんべの名前は讃岐国(現在の香川県)を開拓した讃岐忌部氏に由来しますが、創業後、出会う人や場所のご縁は出雲、国つ神系が多いと思って今日にいたっております。

 

先月、同じ忌部氏創建の安房神社(栃木県小山市)にお客様が拙記事をきっかけに「生家のすぐ近くで氏神様では?」と思い参拝されたことを報告いただいたばかりです。

同神社のご祭神は千葉・館山市の安房神社と同じ忌部氏の祖神(日本産業の総祖神)、天太玉命。ちなみに天つ神です。こちらの安房神社は千葉県館山市の安房神社を守る人たちの一部が良い土地をもとめてこの地に永住し、神を祀り、粟の栽培をしたようです。

麻を扱う阿波忌部はじめ、諸忌部が活躍、各地でいま天太玉命、諸神がお働きになっているのを感じませんか?

※2023年4月12日更新の瓊奈川神社宮司、松井先生のブログ巫女体質™️のためのお清め教室 ~にほんの暮らしを愉しむ~で「おお麻が繋ぐご神縁」のタイトルにて当記事をご紹介いただきました。

 

 

・参考文献

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「徳島と日本各地を拓いた阿波忌部」(一般社団法人忌部文化研究所)

巫女が舞や祭祀の際、手に持つ「採り物」とは。神楽鈴や鉾先鈴、檜扇など

お客様がある霊的な方から「何か道具を使って各地を祈る活動をされるだろう。鈴と出会うのでは?」と言われ、鈴を探しているとメッセージをくださいました。

そこで、採(と)り物についてまとめます。

巫女が舞や祭祀の際に持つものを採り物といいます。鈴もその1つです。

採り物は神楽における依り代としての役割があり、しばしば神の分身そのものとして扱われます。

宮廷での御神楽では、榊・幣(みてぐら)・杖・篠(ささ)・弓・剣・鉾・杓(ひさご)・葛の9種類を指します。

民間の神楽でもこれに準じ、鈴、扇、盆などを持つ場合もあります。

採り物は神楽の題材でもあり、採り物をはやすことで神霊の力を盛り立てます。

採り物として用いられるは柄のついた鈴で、形により神楽鈴、鉾先鈴などにわかれます。

神楽鈴はその名の通り、神楽を行う場合に楽器として用いつつ、五色の布(緒)が踊って視覚的にも鮮やかなものとなります。鉾先鈴は剣先舞鈴ともいわれ、神楽鈴に似たもので使い方も似ていますが、剣の先のような部分があります。

国産大麻(精麻)五色緒付きの神楽鈴【玉翠】(TM)
国産大麻(精麻)五色緒付きの神楽鈴【玉翠】(TM)

ちなみに今回のお客様いわく「これまでは心理士として心の浄化に意識がありましたが、楽器などを使い音からも整えることができるので、まずは自分自身を清め、場や周りの人たちを浄化することに使えたらいいかなぁと思います。」とのこと。

幣は「へい」「ぬさ」ともいわれ、神の依り代として多くの神社でお祓いの際に用いられます。

扇は、風を送って涼を得る道具ですが、ひらひらとした動きの美しさから「浦安の舞」など、舞の採り物として多用されます。公家風の檜扇が用いられます。

篠は、葉のついた笹や竹で、幣のように神霊を宿らせる他に、湯立神楽で熱湯を振りまくのにも用いられます。

 

 

・参考文献

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)

政府が掲げるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進にも寄与する産業用大麻の活用

本年度中にも国会に提出が検討されている大麻取締法改正案。

2月21日、国会の衆院予算委員会 第七分科会での質疑で、自民党・杉田水脈議員が次のように述べました。

つまり、産業用大麻はすでに存在するCO2を最も吸収する作物ということ。

 

3月16日には産業用大麻についての勉強会が東京都内で開かれ、産業用大麻の活用が、脱炭素化やエネルギーの安定供給に向けて政府が掲げるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進にも寄与することなどが報告されました。

※GX(グリーントランスフォーメーション)=化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと。

 

 

そして、4月15日に三重県明和町において神事用と産業用大麻の種蒔き神事と記念講演がおこなわれます。

詳しくは、 こちら。試験栽培の目的で、栽培予定面積は約60アール。神事での活用や麻布などの製品活用を目指す方向です。

 

個人的には明和町に鎮座する竹神社のご祭神が古語拾遺の天岩戸に登場する長白羽神(ながしらはのかみ)であることに注目します。

竹といえば、讃岐忌部であることもそうです(かつて竹の矛竿を朝廷に貢進していました)が、麻を植えて青和幣(あおにぎて)の祭具を調達した長白羽神は、伊勢国麻績(おみ)族の祖神です。麻績氏は麻をつむぎ伊勢神宮に神衣たる荒妙を奉る氏族でした。関係する神社に上記の竹神社のほか、式内社「麻績神社」(神麻績機殿神社)もあります。

この長白羽神は、麻をあつかう阿波忌部族の分派であり、四国・徳島県の旧麻植郡(吉野川市、美馬市の一部)に数多く祀られています。吉野川市山川町の忌部神社の摂社、若宮神社、種穂忌部神社の相殿等にもお祀りされており、「川田名跡志」には麻植郡の創始は、長白羽神が麻を植えさせたことにあると伝えられています。

 

 

・参考文献

産業用大麻、GXにも活用を 大学・企業関係者200人が勉強会(産経新聞)2023年3月16日

脱炭素社会の実現に向け産業用大麻を考える 都内で200人参加し勉強会(三重テレビ放送)2023年3月18日

神事用と産業用大麻の栽培へ 伊勢神宮ゆかりの国史跡 斎宮跡で来月種まき 三重・明和町(三重テレビ放送)2023年3月23日

「大麻栽培で町を活性化」産学連携で研究へ 神事や製品活用目指す(毎日新聞)2023年3月28日

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「本物の音」で鈴祓え。癒しに。手打ち本坪鈴に麻縄職人が国産精麻を取り付け

鈴緒や神楽鈴などでつかわれる本坪鈴は機械成型(プレス)のものと、手打ちのものがあるのはご存じでしょうか?

前者は機械成型でつくられる汎用品ですが、後者は錺(※)金具師(職人)が工具をつかって文字通り手打ちでつくられます。※錺(かざり)とは、金属をたたき、曲げ、彫刻し、鍍金(メッキ)を施して仕上げる伝統技法です。

手打ちのものは、表面に手打ちした跡(ツチ目の跡)があったり、菊花紋があったり、地金(原材料)が機械成型のものより厚く、一般に音がいいのが特徴です。機械成型のものも最初は音がいいと思いましたが、手打ちのものの音を聞くとやはり手打ちに軍配が上がります。

表面に手打ち(ツチ)の跡(凹凸が肉眼ではよくわかります)、菊花紋が。
表面に手打ち(ツチ目)の跡(凹凸が肉眼ではよくわかります)と、菊花紋。

私の感覚では、本坪鈴の音は機械成型のものは体に響く感じ、手打ちのものは心に響く感じがします。

先人は、神霊に呼びかける鈴の音色を「さやさや」と表現したようですが、これは手打ち本坪鈴のことを言ったのではないでしょうか。

手打ち本坪鈴8分と1寸に麻縄職人が極上国産精麻(きなり、藍染め、草木染め含む全6色)を取り付け使いやすくした形で2020年より取扱いさせていただいております。細かいところですが緒(国産精麻)の長さは本坪鈴の径により変え、長すぎず短すぎず結び目等も美しいです。

いわゆる神道の五色の国産精麻を取り付けた手打ち本坪鈴(いずれも1寸径)
いわゆる神道の五色の国産精麻を取り付けた手打ち本坪鈴(いずれも1寸径)

京都の伝統技術を受け継ぐ「本物の音」で鈴祓え。癒しに。

2023年4月20日まで価格5%OFFでご提供中です。期間延長です。本物の音を感じていただきたいと思っていたところお客様よりご注文いただき、国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒の手打ち本坪鈴付きができました。ただいまミニ鈴緒の手打ち本坪鈴仕様も5%OFFとさせていただいております。

なお、機械成型の本坪鈴も“いい音”と思いますので用途などに応じて使い分けていただければと思います。本坪鈴1寸の機械成型で、麻縄職人が極上国産精麻(きなり)を取り付けたものもございます。手打ち、機械成型とも本金メッキ仕上げで長持ちします。

神事、月次祭のお供え(伊勢エビとアワビ、鯛)をしばる麻紐づくりから気づくこと

公の神事、主に月次祭の伊勢エビとアワビ、鯛のお供えをしばる麻紐をつくってまもなく1年になります。(ちなみに他のお供え、乾物や野菜などは精麻でしばります)

お供えをしばる麻紐(練習)
お供えをしばる麻紐(練習)

2022年5月から麻紐でしばるお供えに伊勢エビとアワビが加わり(それまでは鯛のみを麻紐でしばっていた)、それを期に麻紐をつくらせていただいております。

精麻を裂いて2本撚りの撚り紐をつくりますが、つくりはじめる前年にたまたま愛媛・西條神社でのはぐくみの木様ワークショップでつくり方を教わり、つくった麻紐を何回か試作、その道10年以上の先輩方から指導をいただいて使っていただけることになりました。(それまで先輩がつくっていたつくり方は撚るということはいっしょですが撚り方が異なります)

長さが伊勢エビとアワビは1メートル、鯛は60センチぐらい要します。

とにかく神様へのお供えですので、誠をこめできるだけ美しくとか、床下に置かないとかつくる際の意識がちがいます。月次祭は月に1度の大きなお祭りで、毎月作りつづけることと使っていただくことができているのは感謝しかありません。

麻紐をつくりはじめて自分のルーツが職人(父は建具職人)であることと、さぬきいんべで取り扱わせていただいている麻製品、京都・山川の職人の手仕事のすばらしさがさらにさらにわかるようになりました。

麻紐をつくる貴重な時間。誠をこめ作りつづけたいと思っています。

 

 

京都・神泉苑にて3月4日奉納(予定)、謡曲仕舞奉納家・一扇様〔国産大麻(精麻)製品とともに〕

一月にご紹介させていただいた謡曲仕舞奉納家・一扇様が3月4日、京都・神泉苑にて奉納されます。

弘法大師のご請雨千二百年を記念して増運弁財天様、宇賀弁財天様(秘仏)のご開帳があり、その法要後に舞楽の奉納が予定されており、一扇様にもお声がかかった由。

今回はお能の曲以外も予定され、稽古に励んでいるそうです。

詳しくは、神泉苑の弁財天様特別ご開帳(3月3~5日)についてこちらをご覧ください。

なお、どちらの弁財天様もはじめてのご開帳となるとのこと。この機会に弁財天様にご参詣しませんか?

神泉苑は、平安京造営の際につくられ、千二百年の歴史をもつ史跡です。弘法大師・空海が祈雨の際、ご勧請された善女龍王社をまつり、祇園祭の発祥の地でもあります。

神泉苑の境内の池畔にまつられる水神様、増運弁財天様
境内の池畔にまつられる水神様、増運弁財天様の弁天堂

私事ですが、さぬきいんべ創業前、弘法大師のご足跡をたずねて歩いていたことがあります(高野山、御厨人窟、焼山寺山、出釈迦寺奥の院など)。8年前、神社仏閣用麻製品を調製する京都・山川をはじめて訪問した際、直前に知人から神泉苑の話があり、ご縁を感じまず神泉苑へ足を運んでから、山川さんをたずねたことを思い出します。

一扇様には前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きと、神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付き【玉翠】をご活用いただいております。(※当日は屋外で2名で舞う曲もあり、お借りした前天冠と、上の神楽鈴【玉翠】をご使用されたそうです。当日の詳しい様子は、一扇様のブログをご覧ください。動画もあります)

うれしいご報告、誠にありがとうございます。

 

国産大麻(精麻)草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴で「浦安の舞」を奉納

一昨年8月に国産大麻(精麻)草木染め五色緒付きの鉾先鈴での浦安の舞奉奏が実現したことをご紹介させていただきました。

その後、鉾先鈴あるいは神楽鈴が東京・戸越八幡神社様の月次祭等にて精麻の草木染め五色緒付きで奉奏されております。

なお、浦安の舞は前半が祝いの象徴である檜扇を持って舞う「扇の舞」。後半が鈴を手に舞う「鈴の舞」です。

事後報告になりますが、檜扇の紐も国産精麻の草木染めでとご提案したところ、2022年5月に完成しました。そして、同年7月同神社の月次祭にて国産精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴で浦安の舞が奉納されました。

 
 
 
 
 
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国産精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴(上の投稿写真)で舞われているのは大谷由紀様で、同神社の巫女舞のご指導もされている由。(本務は書かれているとおり埼玉県飯能市に鎮座する平松天神社様の宮司です)

大谷様は檜扇の紐(精麻の草木染め)について、次のようなご感想をお寄せくださいました。

予想とイメージを遥かに超える出来上がりで感動しました!!
なんだろう、コアとか魂の座からドキドキする高揚感のようなものと
崇高なものを目の前にしたときの有難さと感動、大事なものを大切にしたいという気持ちと、少しの畏怖をMIXしたような、今までに感じたことがない気持になりました。

なぜ、さぬきいんべで精麻の草木染めをと思ったのか、、もう8年前のことになりますが現在、神社仏閣用麻製品の染めは99%が化学染料と聞き、神様にお捧げするものは自然由来が一番と思ったからです。職人とたまたま話が進み最初は藍染めからはじまり、2020年に五行の五色(緑・黄・赤・きなり・紫)ができるようになりました。(いま、きなりを含め六色が可能です)

上の大谷様のご感想がその重要さを物語っているのではないかと思います。

巫女神楽は、シャーマニックな憑依降神のための祈念の舞と、神を喜ばせる祈願奉納の毎に大別できます。前者の憑依降神の舞は、神がかりを得るためにゆったりとした回転の舞からはじまり、回転によって巫女の心身を浄化した後、順回り、逆回りを繰り返し、神を降ろします。

その手に持つ採り物は鈴、扇、笹、竹、紙垂鉾、榊、幣など神の宿る依代です。この舞は託宣巫女の存在が男性支配者に疎まれ、古代神道が国家神道化するにつれて、廃れていきましたが、今でも巫女舞の中にその要素が残っています。

精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴を手にした浦安の舞はこの憑依降神のための祈念の舞をどこか彷彿とさせます。

 

 

・参考文献

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)