日本一質の良い精麻、群馬県東吾妻町(旧吾妻町岩島)の「岩島麻」について

群馬県では東吾妻町(旧吾妻町岩島)を中心とした榛名山の北麓一帯や群馬県西部の甘楽郡などで麻が作られていました。

現在は岩島麻保存会が麻の生産を行っており、「岩島麻」として出荷されています。同保存会がおこなう「岩島の麻栽培と精麻生産」は、1992(平成4)年に群馬県選定保存技術となりました。

11月17日に愛媛県伊予市にて開催された日本「麻」文化フォーラムにゲストの1人としてこられ現在、三重県で大麻栽培者免許を取得し栽培している岡沼隆志さん(ヘンプイノベーション株式会社 取締役CTO)は、2000年に奈良県で免許を取得し、製作した精麻を3年間、同県の月ヶ瀬奈良晒し保存会に納品していたそうです。

岡沼さんが精麻加工を教わったのは岩島で、専用の台に載せた麻の皮からオカキ(麻掻き)と呼ばれる用具でカスを取り除く伝統工法(手びき)です。(岡沼さん、オカキとそれをつかってできた精麻を持ってきて見せてくれました)

毎年5月と10月の14日に伊勢神宮でおこなわれる「神御衣祭(かんみそさい)」で、天照大御神に捧げられる神御衣(神様がお召しになる衣)の1種、「荒妙(あらたえ)」の麻糸は、現在は奈良県月ヶ瀬で産するものが用いられており、岩島麻が使用されています。

また、平成天皇の大嘗祭に調進した麁服は、岩島産の種から栽培したものと徳島県木屋平の阿波忌部直系、三木家を2015年に訪れた際、第28代当主・三木信夫さんがおっしゃっていました。(栃木県産の品種、トチギシロも栽培したが繊維が硬かったそう)

記念誌「令和の大嘗祭 麁服」(発行:特定非営利法人あらたえ、阿波忌部麁服調進協議会)に掲載の写真によれば、今上(令和)天皇の大嘗祭のときに用いられた精麻は群馬県でしか見られないオカキをつかって製作しているため、平成天皇のときと同じ岩島産の種からと思われます。

このように、岩島麻は日本一質の良い麻(精麻)と言われています。

 

 

・参考文献

「皇室」令和6年夏103号(公益財団法人 日本文化興隆財団)

「令和の大嘗祭 麁服」(特定非営利法人あらたえ、阿波忌部麁服調進協議会発行)

地域資源を活かす 生活工芸双書「大麻(あさ)」(農山漁村文化協会)

11月17日開催、日本「麻」文化フォーラム展示用の国産大麻(精麻)製鈴緒が完成

取扱い製品を皆さまに見ていただく自宅の展示ギャラリー国産大麻(精麻)製の鈴緒(すずお)をと思っていました。

鈴緒とは神社の拝殿前に吊されている綱で、参拝者が振り動かして鈴を鳴らすための神具です。

このほど、11月17日開催の日本「麻」文化フォーラムでの展示用にその鈴緒を製作、完成しました。

太さは1寸(約3センチ)、長さは3尺(約90センチ)の貴重な国産精麻でできたもの。六角桐枠付きの本格派で、一般の神社向けなどとしてよく出るサイズでもあります。

当日はこの鈴緒を振って、本物の「鈴祓え」を体験していただきたいと思っております。

鈴はその音色で神霊をまねくとされ、鈴緒を振ることでその人を祓い清めることから「鈴祓え」と呼ばれています。精麻でなわれた鈴緒は神霊と人をつなぐ架け橋です。

日本麻文化フォーラム2024(愛媛県伊予市)

 

日本麻文化フォーラム2024(愛媛県伊予市)

当日はご覧の4名のゲストと、出店で東京ほか、四国4県から同志が集まります(麻心、あわたま、こころ商店、caravan SHANTI SHANTI、牧工房、本藍染めTonbiii、お麻守り屋青游庵、infinity harmony、お昼寝ぴーちゃん、精麻セラピーNOAH、よろぷふ堂、あさとしずく、大麻飾り工房、Mi-Co Lodge、その他、飲食の出店もあり)

ゲストの吉岡敏朗監督は2017年、徳島・大麻比古神社への麻のしめ縄奉納の際にお会いしました。

また、岡沼隆志さんは2016年、京都での麻のイベントの際、お会いしましたが、当時こうおっしゃっていたことを思い出します。「個人的に毎年、(香川県)善通寺市の大麻神社と、奥の院にあたるのでしょうか?大麻山の龍王社(実際は金刀比羅宮の末社)にお参りさせていただいておりご縁を感じます。」

当日は麻に詳しい地元神社の宮司、徳島で麻栽培を目指している人もこられると聞いております。

11月17日、会場でお待ちしております。(別の日でもお問合せいただければこの鈴緒を見ていただけます)

四国の麻栽培再生キャンペーンpart3(再)も延長して開催中です。

第4回自然マルシェは10月27日に開催。いよいよ11月に日本「麻」文化フォーラム

第3回自然マルシェ(自然マルシェ実行委員会主催、後援:伊予市)が9月22日に伊予市のこよみスペースにて開催されました。

7月からはじまったこのマルシェも3回目。

今回も、無農薬、無化学肥料で育てた自然栽培、自然農法の野菜や果物、それらを原料とした添加物なしの加工品、飲料などのマルシェが会場のこよみスペース館内にならびました(計12店舗)。

また午後から、11月17日開催の日本「麻」文化フォーラム プレ上映会として吉岡敏朗監督の麻てらす2が上映された由。

この日は「中山栗まつり」と同じ日とのことで、第2回と同じくらいの人出であったようですが、香川・琴平から「麻心」が初出店し、麻の実薬膳カレー、麻炭コーヒー、麻の実チャイなどを販売されたと聞きました。

当日は所用があり行けませんでしたが、翌日、その「麻心」でヘンプのバッグを買ったとたまたま会った方が見せてくれました。

次回、第4回自然マルシェは10月27日(日)10~15時です。

第4回自然マルシェ(2024年10月27日)

日本「麻」文化フォーラム(11月17日)プレ上映会 「つ・む・ぐ 織人は風の道をゆく」(吉岡敏朗監督ドキュメンタリー映画作品)が13時から上映されます。(鑑賞料2000円、予約可)

11月開催、同フォーラム(後援:伊予市)も同時進行で準備を進めております。内容が決まりしだい、ご案内させていただきます。

四国の麻栽培再生キャンペーンpart3(再)もがんばって延長いたします。

 

『無肥料の米を食っていると、肥毒が人間に入らないから、曇りが少ないから毒血が少なくなるから、病気も起こらなくなる。けれども毒を飲んでは何にもならないがね。そうすると、人間が非常に平和的になる。そうすると、戦争を好まなくなるから、戦争が無くなる。』
(御垂示録 第四号 昭和二十六年十一月五日発行)

肥毒もて 穢(けが)れに穢れし日の本の 国土浄むる業(わざ)ぞ尊き

 

第3回自然マルシェ(愛媛・伊予市)は9月22日開催、11月には日本「麻」文化フォーラム

7月の第1回につづき、第2回自然マルシェ(自然マルシェ実行委員会主催、後援:伊予市)が8月25日に愛媛県伊予市で開催されました。

前回同様、無農薬、無化学肥料で育てた自然栽培、自然農法の野菜や果物、それらを原料とした添加物なしの加工品、飲料などのマルシェが会場のこよみスペース館内にならびました(計13店舗)。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

こよみスペース|親子で自然体験学習(@koyomi_space)がシェアした投稿

おにぎり、お米、野菜、ジュース、薪などの販売と第1回より出店数は少なかったですが、まずまずの人がこられたようです。今回は屋外で藍染め体験もありました。

午後からお邪魔したところ、約10年ぶりに思わぬ再会がありました。マコモ茶、マコモの葉っぱを出店者として販売され、麻の関係で知っていたご夫妻でしたので11月17日開催の日本「麻」文化フォーラムをご案内しました。

意図せず、麻に関心がある方々も集まってきている印象です。

最後に出店者一同集まり、主催者から一言と、「(ここを)自然栽培、自然農法の聖地にしたいので皆さまよろしくお願いいたします。」と若宮自然農(じねんのう)の若宮様からお言葉がありました。

そうなることを祈ります。

ちなみに今回、自然マルシェ終了後、前回こられていた方と再びお会いし、こよみスペースの近くに第七代孝霊天皇をお祀りしている神社があることを知りました。〔孝霊天皇といえば、ずいぶん前、香川(讃岐)の桃太郎伝説について調べたことがあり、それを思い出すとともにさらに香川県高松市一宮町に鎮座する讃岐国一宮・田村神社のご祭神、倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)ともつながると思いました〕

『自然農法の根本は、土そのものを生かす事である。土を生かすという事は、土壌に人為肥料の如き不純物を用いずどこ迄も清浄を保つのである。そうすれば土壌は邪魔物がないから、本来の性能を充分発揮し得る。』(栄光 第七十九号 昭和二十五年十一月二十二日発行)

次回第3回は、9月22日(日)10~15時です。こよみスペースはとてもいい空間が広がっていると思いますのでぜひ一度お越しください。

日本「麻」文化フォーラム(11月17日)プレ上映会 麻てらす2(吉岡敏朗監督ドキュメンタリー映画作品)が13時から上映もございます。(鑑賞料2000円)

11月、同フォーラムの出店者も募集中です。

四国の麻栽培再生キャンペーンpart3(再)も引きつづいて継続しております。

愛媛・伊予市の第2回自然マルシェは8月25日開催(第1回のご報告)

ご案内していた第1回自然マルシェ(自然マルシェ実行委員会主催、後援:伊予市)が7月28日に愛媛県伊予市で開催されました。

無農薬、無化学肥料で育てた自然栽培、自然農法の野菜や果物、それらを原料とした添加物なしの加工品、飲料などのマルシェが会場となったこよみスペース館内にずらり(計17店舗)。

お茶や紅茶の試飲販売コーナーもありましたし、おにぎり、お米、パスタ、そうめん、米ぬかパウダー、ジュース、世界農業遺産の徳島・つるぎ町家賀地区の藍粉、藍粉入り素麺などの販売もありました。化学肥料、有機肥料は不使用、農薬や除草剤といった化学薬品も使用されていない安心、安全なものばかりです。

第1回自然マルシェ(こよみスペース館内)
第1回自然マルシェの様子(こよみスペース館内)

開始とともにお客様が詰めかけて盛況、伊予市の市長もこられました。

午後から、11月17日に開催される日本「麻」文化フォーラム プレ上映会として吉岡敏朗監督のドキュメンタリー映画「麻てらす」が上映。

各地で上映され製作から7年経っている映画で、すでにご覧になった方も多いと思いますが、用意した座席はほぼ埋まっていました。

奈良からきたという方もいらっしゃいました。

『今日迄の農業者は土を蔑視し、肥料を以て作物の食物とさえ思った程であるから、驚くべき錯誤であった。その結果土壌は酸性化し、土本来の活力の衰えた事は、昨年の大凶作がよく物語っている。それに気付かない農民は、長い間多額の肥料代や労力を空費し、凶作の原因を作っていたのであるから、その愚及ぶべからずである。』(栄光 第二百四十五号 昭和二十九年一月二十七日発行)

 

『何故連作がよいかというと、土壌は作物の種類によって、その作物に適応すべき性能が自然に出来る。これも人間に譬えればよく分る。労働すれば筋肉が発達し、常に頭脳を使う作家の如きは頭脳が発達する。又人間が年中職業を変えたり居所を転々すると成功しないのと同様の理で、今日迄如何に間違っていたかが分るであろう。』(栄光 第七十九号 昭和二十五年十一月二十二日発行)

次回、第2回自然マルシェは8月25日(日)開催です。

第2回自然マルシェ(2024年8月25日開催)

日本「麻」文化フォーラム〔11月17日(日)開催〕の出店者もあわせて募集しております。

四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart3(再)を継続中です。

7/28「自然マルシェ」を愛媛・伊予市の後援で開催。吉岡敏朗監督の麻てらす上映も

7月28日(日)、愛媛県伊予市のこよみスペースにて、下記の「自然マルシェ」が開催されます。

「自然マルシェ」2024年7月28日開催、日本「麻」文化フォーラムプレ上映会麻てらす

無農薬、無化学肥料、自然の力で育て上げた安心・安全な野菜や果物たち。さらにそれらを原料とした添加物なしの食産品などを集めた、ここでしかなかなかお目にかかれない、自然栽培生産者と消費者の出会いのマルシェの開催です!

マルシェは10~16時で、13時から11月17日(日)開催、日本「麻」文化フォーラム プレ上映会として吉岡敏朗監督のドキュメンタリー映画、「麻てらす」(2017年製作)が上映されます。

精麻製品の販売もあります。

場所は、四国は古事記の「国生み」条に「伊予の二名島」とあり、“いよ(伊予)”は古語で、ここしかないという会場にふさわしいところが自然と見つかりました。

四国の旧国名(阿波・讃岐・伊予・土佐)の頭文字を順にならべると、「あ・さ・い・と=麻糸」です。また、愛媛の県名は古事記の同じ「国生み」条に登場する愛比売(えひめ)、神様のお名前が由来です。

伊予市の後援で自然栽培、自然農法の品とともに、この「麻てらす」が上映されることになったのも神様のお計らいだと思います。しかも、「自然マルシェ」はその後、毎月第4日曜日に開催予定です。

土は神様が人間の生活のために与えてくださった最上のお恵みです。そこに化学肥料とか人肥などを加えてよりたくさんとろうとしたところに人間の欲望があります。肥料・農薬・家畜糞尿をつかわない清浄な土壌、自家採種の清浄な種子、大麻への愛情に満ちた農家の純粋な心といった自然農法の実践を通して、みろくの世(理想的な地上天国)を築くことができるのではないでしょうか。

引きつづいて、四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart3(再)を継続中です。