三人寄れば文殊の知恵。四国の麻栽培再生へ向けて、はじめの一歩

さぬきいんべでは、2020年8月から創業120年以上、神社仏閣用の麻製品を手がける京都・山川のご協力を得るなどし、四国の麻栽培再生を願うキャンペーンを開催してまいりました。

三度目の正直と言いますか、昨年10月以降3回目のキャンペーンを開催している最中に、「麻農家になりたい」という方からはじまって、麻栽培を再生させたいと考えている方など情報が寄せられ、1月17日に愛媛県の海沿いの町、瀬戸内海を望む某所にて3人で対談いたしました。

何度もご紹介しておりますように、2007年ごろまで愛媛県大洲市で麻が栽培されていました。それは隣の八幡浜市の五反田柱祭り(県の無形民俗文化財)でつかわれるオガラ(麻の茎)のためと聞いております。そして、これが徳島県の三木家〔代々、践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい※1)に麻織物・麁服(あらたえ)を調進〕をのぞく四国でもっとも新しい麻栽培と思います。

この五反田柱祭りは、同市五反田地区でお盆の行事として開催される火祭りです。

長さ20メートルの柱の先端にジョウゴが取り付けられ、このジョウゴをめがけてオガラ製の松明(たいまつ)を投げ込み点火します。

この祭りの保存会の会長にもお会いし、話を進めております。

時を同じくして、お客様の1人が栃木県にある私設の博物館、大麻博物館を訪れ、館長にご意見をうかがったところ、下記のようなご助言をいただいたとのこと。

ただ、大麻農業をしたいと申請しても免許が降りるのは難しいこと、全国でも復活している例はいくつかあるが、その場合はすべて神事や祭りなどの伝統行事での使用が目的であること。

「祭りの保存会に、使用しているオガラは今はどうしているのか、どこから取り寄せているのかとかそこから始めて、保存会と協力体制でというのが現実的かな?」

すでにこのような話はしておりましたが、全国各地でも同じなんだと思いました。

ご存知のとおり昨年、麻を取り巻く法律、大麻取締法改正案が75年ぶりに可決、12月13日付の官報にて公布され、2025年から施行予定です。産業用、伝統・日本文化の分野で規制が大きく緩和されます。

(※1)践祚大嘗祭=天皇即位に際し、天皇がはじめて新穀を食(め)され、皇祖および天神地祇に供し奉る即位後1回限りの儀式。

※復活よりも軽い響きである「再生」を選んで記事タイトルとしております。

 

 

・参考文献

農業経営者2024年1月号(農業技術通信社)、【時事解説】75年振りに改正案が可決!大麻取締法はどう変わった?(赤星栄志)

さぬきいんべ通信「四国の麻をひらく、麻栽培再生が最初になるのは愛媛か?そう思う理由とは」(2022年4月26日)

「大麻という農作物」大麻博物館著(大麻博物館)

 

国産大麻(精麻)・草木染め叶結びアクセサリーを送付中(しめ縄早期ご予約特典)

ただいま、しめ縄早期ご予約特典の国産大麻(精麻)・草木染め叶結びアクセサリーを順次発送していっております。

年始めにご予約特典をお送りするようになって2年目。(年末、しめ縄といっしょにお送りした方が楽ですが、下記の理由から年始めに)

このアクセサリーは、しめ縄や鈴緒など神社仏閣用の麻製品を手がける創業120年以上、京都・山川の職人によって1つひとつ製作され、それぞれ藍染め、茜染め、ざくろ染めときなりの精麻を用いて3種類(3色)、形はリボン風にし縁起の良い装飾結び、叶結びを施しております。

国産大麻(精麻)草木染め叶結びアクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)草木染め叶結びアクセサリー(京都・山川製)非売品

1月は旧暦ではまだ年末。昨年は1月22日が旧正月でしたが、立春または旧正月どちらか遅い方までに最低届くように配慮しております。(2024年は立春は2月4日、旧正月は2月10日)

こちらに書いておりますように旧暦と日本の文化は密接に関わっており、麻とともに大切にしたい伝統です。

1年の区切りをつけて新たにスタート(仕切り直し)する。そんな思いもこめ、1つひとつお送りさせていただいております。

 

こちら、「旧暦新年2024」(合計10000円以上お求めの方に京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント)も2月9日まで開催中です。

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として活用したりいただければと思います。

少しずつ進化part2、国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒に藍染め版

五色の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒につづいて藍染め版のミニ鈴緒がご依頼により完成いたしました。

国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(藍染め版)
国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(藍染め版)

昨年の進化は、手打ち本坪鈴仕様のミニ鈴緒でしたが、今回は藍染め仕様、しめ縄【神居 和かざり】ブレスレット【麻の輪】のように3本撚りのうち2本が藍染め、1本がきなりです。

以前、神社仏閣用の麻製品を手がける京都・山川の工房を訪れた際、香港の方からのご依頼でつくったというものを見せていただいたことがあります。えっ?と驚きました。同じ作り手がつくったものでも依頼者によってぜんぜん雰囲気がちがうんですね。そう感じたのを覚えています。

下記のご感想をお客様からいただいたので、同じように感じる方がいらっしゃるのだと思います。(このお客様はいわゆる巫女体質、巫女体質の方々にとって清浄さは肝だそう)

昨年末、新年の玄関のしめ縄の注文が遅くなってしまい、さぬきいんべ様のサイトを確認したところ在庫がない事を知り、お正月に間に合わせたくて、失礼ながら、別の麻を扱っているお店から
しめ縄を購入いたしました。

しかし、箱を開けた瞬間にさぬきいんべ様のお品とは氣の清浄さが全然違うのを感じて、少し待ってもちゃんと注文させていただけばよかったなと後悔していました。(申し訳ございません!)

同じ麻製品でも作る方、扱う方の意識によって
お品の清浄さが違うのだなと感じています。

この藍染め版のミニ鈴緒も、さぬきいんべらしさが出ているでしょう?

ご活用いただければ幸いです。

 

 

 

京都・山川オリジナル。五色の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が完成

この度、五色の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒がお客様のご依頼により完成いたしました。

国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(五色)
国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(五色)
 

五色は陰陽五行説の緑(青)・黄・赤・白・紫(黒)で、宮中の儀式などに取り入れられ、神社のご神前の真榊(まさかき)や神輿渡御の行列の五色旗などさまざまなものに用いられています。

特に神社の拝殿前に吊されている鈴緒で五色のものは、しめ縄や鈴緒など神社仏閣用の麻製品を手がける京都・山川が製作しており、京都の晴明神社などで見られます。(お寺の堂前に吊されている鰐口紐(鐘緒)を含めると、京都の清水寺や四国霊場23番札所・薬王寺、55番札所・南光坊などで見られます)

この本物の鈴緒を再現した五色のミニ鈴緒は五本撚りで、太さはきなり(6~7ミリ径)よりわずかに太く(8ミリ径)、五色の色とあいまってより立派に見えると思います。

携帯できる神具として、アクセサリーとしてご活用ください。

 

紹介で広がる、還暦のお祝いに国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱の和(輪)

新年早々、還暦土俵入り仕様の国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱のご依頼をいただきました。

還暦の贈り物としてお渡ししたいとのこと。

ミニチュア横綱のことはお知り合いから聞いたそうで、誠にありがとうございます。

 

還暦土俵入りとは、国技・大相撲の現役時代の最高位が横綱である元力士が還暦(60歳)を迎えた際に「長寿祝い」として行われるものです。

直近の還暦土俵入りは、令和5年6月22日に還暦を迎えた元横綱・北勝海(日本相撲協会の八角
理事長)が同年9月2日に東京都墨田区の両国国技館で行いました。〔太刀持ち=君ケ浜親方(元関脇隠岐の海)、露払い=幕内北勝富士〕(YouTube動画約6分55秒)

ミニチュア横綱の本体の中は貴重な国産極上質の精麻(野州麻、栃木県産)と銅線芯からなり、その表面に赤色の綿布を巻いており、実際の横綱を再現しております。

還暦土俵入りの綱(赤色)を再現した「ミニチュア横綱」(雲竜型)
還暦土俵入りの綱(赤色)を再現した「ミニチュア横綱」(雲竜型)

土俵入りの型によって横綱の背面の輪が1つの雲竜型、輪が2つの不知火型があります。

同じ型、また別の型を2つセットでお求めの場合、セット割引もご用意しております。化粧箱(和紙貼り箱)入りが標準です。桐箱入りもご用意できますのでお問合せください。

極上国産大麻(精麻)を用いた新しい神具、「麻玉ブレスレット」

年末ご紹介した徳島から届いた手仕事の品。

国産大麻(精麻)・麻玉ブレスレットです。

国産大麻(精麻)・麻玉ブレスレット
国産大麻(精麻)・麻玉ブレスレット

1つひとつの「麻玉」を含めすべて精麻でできており、麻玉の径はそれぞれ12ミリです。

製作者は、しろの麻玉工房(徳島県)。
ある方から「麻を作りなさい」と言われ、最初はその意味がわからなかったそうですが、しばらくしてイメージが湧きそれを形にしていったのが麻玉のはじまりだそう。

精麻の神々しい風格と氣を大切に考え1つひとつ時間をかけて丹念に作っていらっしゃいます。

麻玉を用い、念珠型のブレスレットに仕上げたのがこの麻玉ブレスレットです。

用途は、

1.神事に関わる方のメンテナンスや護り

2.神社関係者ではない、民間の巫女舞をしている方

3.沖縄のユタなど巫女の仕事をしている方(清祓い、陰の気が強い場所での仕事、祈り、御守り、封印等)

なお、着けはずしは上部の精麻の留め具をスライドさせ麻玉を移動させると容易にはずせます。片手でできます。

いま、有料モニタ様ー1名募集中です。

麻玉ブレスレットを使用したご感想、ご意見等を随時いただくことが条件です。(適応手首周囲サイズ16~17センチ)※詳細はこちらをご覧ください。

 

 

2024年のはじめに思うこと。日本の伝統文化を継承し、光あふれる世界へ

新年おめでとうございます。昨年は誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年も地元、西條神社の歳旦祭に参列し、心を新たにしてスタートしました。

おお麻(ヘンプ)専門神具店として4年目となる2024年。

麻(大麻)だけでなく、それにつながる日本の伝統文化の継承を望みます。「日本の伝統文化を継承し、光あふれる世界へ」は2017年からキャッチコピーとして掲げさせていただいて、賛同もいただいておりますが、そうなっていきますように。

具体的には、四国の麻栽培の再生、取扱品目の拡充などに取り組んでいく方向です。(年末ご注文をいただき品切れが多くなっております。ここにお詫び申し上げます)

国会において年末、大麻取締法改正案が可決・成立、2023年12月13日付の官報より公布され、2025年よりに施行の予定で、栽培者免許は1種(大麻草製品)、2種(医薬品)に分かれたりしますが、麻の栽培、麻農家の減少、高齢化については、日本麻振興会の代表・大森由久さん(栃木県麻農家7代目)が日本麻フェスティバルin吉野川の講演で語っていたとおりになっていくのではないかと思っています。

大森由久さん「(法改正により)産業用大麻は規制がゆるくなる可能性がある。そのゆるくなる権限を握っているのが国じゃなくて各県の知事の裁量にかかってきます。そのご理解がある県は来年(2024年)あたりから栽培可能な県がぼつぼつ出てくるかなと考えています。」

 

さぬきいんべは1月4日に創業14年(いよいよ)を迎えます。本年は辰年、日本の麻文化が守られ、美しく発展しますようにお祈りいたします。

※本年は楽しい企画もしていきたいと思いますので、ご意見ご要望をいただけますか。

 

「旧暦新年2024」(合計10000円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント)を2月9日まで開催中。(本年は立春は2月4日、旧正月は2月10日)

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

 

旧暦については拙記事「旧暦と行事、日本は二本立てでできている」が参考になると思います。旧暦の新年に本当の2024年、“令和6甲辰(きのえたつ)年”がスタートします。年頭は往々にして前の年からの流れが残るもの、1年のいいスタートが切れますように。

極上国産大麻(精麻)を用いた手仕事の品が忌部の里・徳島から届いて

先週、極上国産大麻(精麻)を用いた手仕事の品が忌部の里・徳島から届きました。

極上国産精麻はこちらでご紹介した阿波国一宮・大麻比古神社でご祈祷されたものです。手仕事の品は阿波しじら織りの巾着袋に入っておりました。

極上国産精麻の手仕事の品(阿波しじら織りの巾着袋入り)
阿波しじら織りの巾着袋に入った手仕事の品【2024年公開予定】

先行して知り合いの埼玉・平松天神社の大谷由紀宮司(巫女)にこの手仕事の品を見ていただいたところ、以下のワードが思い浮かんだとのこと。

・安定
・グラウディング
・循環
・親和性
・ガイア
・シフトアップ螺旋
・豊潤
・トキの環の連なり
「勾玉がぐるぐる回って、その残像で円(縁)になる」みたいな感じもしたそうです。

手仕事の品(巾着袋の中に入っているもの)は2024年公開予定です。

 

身内に不幸があったときの神棚(お神札、しめ縄)はどうすればよい?

今年もあと2週間を切りました。

先月の話ですが毎年この時期に、国産大麻(精麻)・しめ縄をお求めになっているお客様からこんな質問をいただきました。

今年の4月に実父が亡くなり喪中期間中になります。
やはりお正月飾りとして変えるのは控えようと思いますが、喪中明けの5月に交換して飾るのは良いでしょうか?

以下のように回答させていただきました。

喪中明けにお神札を交換する方もいらっしゃいますので大丈夫だと思います。お神札は喪中明けに受けるのが一般的のようです。(毎年新たなお神札に交換するのが本義のため)

そういうことですので、いま注文して喪中明けに交換か、喪中明けに注文して交換かということになるでしょうか。
○○様はどちらの方が心が軽くなります?それがお答えと思います。

この結果、神棚のしめ縄は喪中明けに改めて注文させていただくことにします、ということになりました。

 

ちなみに、お客様はどうしようか思いネット検索していたら私から今年のしめ縄はどうされますか?とメールが入りタイミングにびっくりしたそうです。

お問合せ誠にありがとうございます。

ご参考になりましたら幸いです。

 

 

国産大麻(精麻)の神仏具と、観阿弥とともに能楽を大成した世阿弥の名言「秘すれば花なり」

さぬきいんべが、おお麻(ヘンプ)専門神具店と称するようになり2年半が過ぎようとしています。

職人が製作する国産大麻(精麻)の神仏具と、父の観阿弥とともに能楽を大成した世阿弥の名言「秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず」に共通点があるように思い、ご紹介させていただきます。

秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず「風姿花伝」

秘密にすることといえば、芸道には秘伝というものがあります。師匠から受ける特別な伝授ですが、中には口外しませんと誓いを立てなければ教えてもらえぬこともありました。ところが秘伝の中身というと、意外に単純なことで、当たり前のことのように思えるケースも少なくありません。ですから世阿弥に言わせますと、秘伝というのは秘密にしているからこそ皆が知りたいと思う花(珍しさ)があるので、公開してしまったら花ではなくなってしまうと言います。しかし、秘伝を受ける側に力量があれば、当たり前と思えることの中に、本当の秘伝があることに気づきます。

千利休がある人から茶の湯の秘伝を教えてくださいと頼まれました。利休は、茶の秘伝は夏は涼しく冬は暖かく、炭は湯の沸くように、茶はおいしくたつようにと言いました。しかしそれを聞いた人はそんな当たり前のことを、と憤慨しました。すると利休は、それがおできになるのなら、私はあなたの弟子になりましょう、と言いました。秘伝と言われても、当たり前のこととしか受け取れないのは、その人が当たり前のことの大切さを分かっていないからです。そういう人が多いものですから世阿弥は秘すことの大切さを強調したのではないでしょうか。〔「楽苑87号」熊倉功夫、日本文化をつくった人々第三話世阿弥(SHUMEI PRESS)〕

職人が製作する国産大麻(精麻)の神仏具は、縄が基本です(例:しめ縄、鈴緒)。麻縄自体がつくり方をふくめ秘伝ではないでしょうか?

日ごろ職人からその製品についてさまざまなことをうかがいますが、軽々しく口外できないことが多いように感じます。

これと同様に、神道は言挙げしないと言われます。言挙げしないとは言葉にして言い立てしないということ。「秘すれば花なり」と似ています。たとえば、所作の「型」のなかに秘伝があるように思います。「型」のなかにすべてが織り込まれているということです。

当たり前のようでいて当たり前でない。ずっと携わってきて、一見地味かもしれないそこが日本文化のキモなのかなと思うのです。

大麻(あさ)だけでなく、日本にある様々なものの本来の良さが、本質から大切にされていくといいなぁと思います。