11/1~2、第11回 日本麻フェスティバルin中能登町~能登半島復興祈願~のご案内

イベントのご案内がつづきます。

徳島での開催から2年ぶり、「第11回 日本麻フェスティバルin中能登町」〔主催:(社)日本麻振興会〕が11月1日(土)、2日(日)、石川県鹿島郡中能登町にて開催されます。

第11回 日本麻フェスティバルin中能登町

 

2024年に開催予定だった今回の第11回 日本麻フェスティバルは、元日の能登半島地震の影響により、開催が延期された由。まだ復興がつづく中、北陸3県(石川県・富山県・新潟県)の方々のご尽力により、本年開催できることになったそうです。

※詳しくは、見開き4ページのチラシがございます。さぬきいんべでご注文いただいた方に同封、または差し上げています。

能登半島の復興祈願を込めて、麻炭の花火の打ち上げもあるとのことです。

10/16香川・観音寺で、自然栽培、自然農法のイベントが開催

10月16日、観音寺ハイスタッフホール小ホール(香川県観音寺市)で下記の自然栽培、自然農法のイベントが開催されます。

当日は、自然農法歴23年の農業系YouTuber・今橋伸也さんのラーニングプログラム(講演)と、種のアクセサリー、カイロプラクティック、無添加ホットドッグ、ビーガンキーマカレー(限定50食)、自然農法加工品の販売、菌ちゃん薬膳師による食育の話などを含む「こころリセットマルシェ」が同時開催されるそうです。(対象は、食に関心のある人、自然農法・自然栽培に興味ある人、これから自然農法を始めてみようという人、農業初心者の人でも大歓迎とのこと)

10/16自然農法ラーニングプログラム(香川県観音寺市)

10/16自然農法ラーニングプログラム、同時開催こころリセットマルシェ

 

今橋さんは20年以上、自然農法で各種野菜を栽培され、多くの新聞や雑誌で取り上げられるなどイギリスで活躍、昨年日本へ帰って活動されている方です。YouTuberとしても活躍中です。(2025年9月現在チャンネル登録者数54,100人、投稿動画516本)

このイベントは麻に直接関係したものではありませんが、伊予市中山町での自然マルシェや昨秋に日本麻文化フォーラムに参加した方々も参加されるようですのでご紹介させていただきます。(香川・琴平のカフェ、「麻心」にチラシを置いております)

次は、年越しの大祓までに授与。神職が1つひとつ手作りした「大麻(おおぬさ)御守」

6月15日、香川県高松市宮脇町に鎮座する岩清尾八幡宮において、国産精麻を用いて神職が1つひとつ手作りした「大麻(おおぬさ)御守」が授与されました。

同宮は、西暦918年に現在の岩清尾山の山上に八幡大神様が現れたため、当時の国司が祠を建ててお祀りしたのが起源とされ、その後、社殿が山裾に建立、高松総鎮守・高松の護り神として現在に至ります。

 

「大麻御守」の大きさは通常のお守りより少し大きい程度で、複数の神職が手作りしているため、大きさや形がそれぞれ異なるとのこと。

予想に反し、用意していたものが授与当日、午前中ですべてなくなった由。

1体が1500円。次回は、年越しの大祓までに12月に授与されるそうです。

 

第4回大麻の麻縄活用コンテストの結果発表(一次審査通過&【優秀賞】【みろく賞】【特別賞】)

第4回大麻の麻縄活用コンテストにご応募いただいた皆さま誠にありがとうございます。

まず、一次審査通過した応募作の発表です。(順番は受付順)

【001】イメージクリエーター-*☆ cosmos様、「精麻ペン 菊」(ボールペン本体の色:黄色)

神様の宿る神聖な繊維、精麻を今の時代に合うように、安全に使えて、そして飾るだけではなく、お守りにもなりそうな、そして、日々使えるアイテムを作り出したい!と常々思っていたところ、イメージが浮かんで、形になったのが、下記の「精麻ペン」3種類だそうです。

精麻ペン(”菊”、”金鵄”、”鳳凰”)

精麻ペン(”菊”、”金鵄”、”鳳凰”)

このうち、「菊」(黄色)のペンは、自作の三本撚りの太めのより紐と、細いより紐を巻き止めにつかって仕上げています。

最初は、三本撚りの太めの紐だけの予定でしたが、製作中に「名は菊」という響きと、三本撚りの細い紐が、らせん状になっているイメージを感じたため、これらを組み合わせたペンになっています。(このペンからご自身が感じたのは、花弁のたくさんついている黄色の大輪の菊で、発光していてクルクル回って光を放っているイメージとのこと)

精麻ペン(菊)
精麻ペン(菊)

 

【002】イメージクリエーター-*☆ cosmos様、「精麻ペン 金鵄(きんし)」(ボールペン本体の色:金色)

本体が金色のペンを手に取った瞬間、京都・山川製の草木染め五色のより紐とペンがイメージの中で重なって、「名は金鵄」という響きとともに、金鵄がとってもキレイな粒子の細かいゴールドのまばゆい光を放ちながら飛んでいるイメージが浮かびました。そんなステキな光景を感じさせていただきながら作り上げたというのがこちらのペンです。(細いより紐の巻き止め部分は自作)

精麻ペン(金鵄)
精麻ペン(金鵄)

 

【003】イメージクリエーター-*☆ cosmos様、「精麻ペン 鳳凰」(ボールペン本体の色:赤色)

精麻で三本撚りの紐を作っていると、「名は鳳凰』と響きとともに、とても凛としたたたずまいで、優雅に羽ばたいている鳳凰のイメージが浮かんだそうです。羽ばたくたびにゴールドの粒子が星がまたたいていて、とても綺麗だった由。(この鳳凰のまとっている雰囲氣は赤色、細いより紐の巻き止め部分は自作とのこと)

これが3本目、赤色のペンです。

精麻ペン(鳳凰)
精麻ペン(鳳凰)

 

【004】麻鈴〜Marine様、「洋服に合わせてアレンジを楽しむ麻縄ベルト」

二重叶結びと、叶結びのベルトです。麻縄の径はどちらも4ミリ。

金具などを使えば簡単に使えるようになるかと思った後、一本の麻縄があれば結び方はアレンジがいくらでもできる、というようにしたかったため、最終的にこのかたちにしたそう。

ご自分用にベルトの長さを合わせているので、体型によって麻縄の長さを調節すれば誰でも使えるとのことです。

麻縄ベルト(二重叶結び)着こなし例
麻縄ベルト(二重叶結び)着こなし例
麻縄ベルト(叶結び)着こなし例
麻縄ベルト(叶結び)着こなし例

 

【005】えみりん様、「灯り~和みのひとときに彩されて‥」

和テイストのものをと、浮かんだものが”灯り”だったそうで、麻ひも、織り糸をつかってボール状にしたものに、ライトを入れたのがこの灯りです。
台座は 精麻のオガラを切って繋いで、飾りとして藍染め精麻をほうきにして付けてあります。

なお、ライトはLED乾電池式で オンオフできます。

灯り(和みのひとときに彩されて‥)

灯り(和みのひとときに彩されて‥)

【006】福永敬子様、「精麻チャーム」

精麻を持ち歩くなら、持っていて、見ているだけで気持ちが上がり、癒されるものでなくてはならないと思っているという福永様。

浄化のため、お守りとして、毎日持ち歩くものに違和感なく付けられる、アクセサリーとしておしゃれ、必要な時にすぐに使える、ということで、バッグやポーチ、スマートフォンに付けられるように作成したのがこの精麻チャームです。

可愛らしいピンクの精麻(草木染め)のより紐をポイントに、幸運をもたらすと言われる、奇跡のメダイを一緒に付けたとのこと。(ペンダントにもなっていることが多いメダイは、アクセサリー感が強くなり、精麻に抵抗のある人にも受け入れられやすいかと思ったそうです)

精麻チャーム

バッグに取り付けた例
バッグに取り付けた例

 

【007】麻遊(まゆう)様、「精麻華のれん」

お花が大好きという麻遊様。

生花と精麻を合わせて飾りたかったそうですが、バランスを考え、精麻と類系の資材(アートフラワー、プリザーブドフラワー)で装飾したのが、この「精麻華のれん」です。

上部の吊り棒(オガラ)に添って、桑の葉染めときなりの精麻からつくったより紐を端から端へと風に吹かれるように渡したとのこと。この2色のより紐は「彩る」意味合いがあります。(両端部分は、これら2色の精麻を香煙とイメージして配置しています)

精麻華のれん

 

精麻華のれん

 

そして、最終の結果発表です。

【優秀賞】イメージクリエーター-*☆ cosmos様、「精麻ペン 菊」

(評)神聖な繊維、精麻を人によって感覚がちがうのだから使い方に合う合わないがあるのではないかと細心の注意を払われているところへイメージ(映像や言葉)が浮かび、形になったというボールペン、「精麻ペン」。

精麻ペン(菊)
精麻ペン(菊)

手書きの機会がどんどん失われている昨今。精麻、麻のより紐の力をすこし借りながら大切な方に手紙を書く、見ていると明るい気持ちに、また持っているだけで”お守り”になる、という思ったとおりの仕上がりになっているのではないかと思います。

精麻を身近に感じられる、精麻を知らない人にも受け入れられやすいと思われることも特筆すべき点です。

なお、ペン先の出し入れはノック式ではなく、ペン先を回転させてペン先を出し入れするタイプで、製作はイメージ、感覚を大切に、作らせていただいているため「この本体の色で精麻ペンをつくってほしい」などという要望にはお答えできないそうです。

 

【みろく賞】えみりん様、「灯り~和みのひとときに彩されて‥」

(評)どうやって作ったのか、と思いませんでしたか?そこが、この灯りのポイントと思います。えみりん様は毎回、本コンテストにご応募いただいております。

灯り(和みのひとときに彩されて‥)

灯り(和みのひとときに彩されて‥)

一次審査後の投票時に、「精麻の清浄なエネルギーが、優しい灯りと共に暗がりに広がりそうで、寝室に飾りたいと思いました。」との声がありました。

【特別賞】麻遊(まゆう)様、「精麻華のれん」

(評)精麻をつかったものは数ありますが、ありそうであまり見ないのが暖簾(のれん)。

精麻華のれん

暖簾の役割は、日よけ、風よけ、目隠し、間仕切り、インテリア、店先にかけるなどがあるでしょうか。

それに、魔よけが加わりました。

好きなお花を取り入れ、のれんに精麻を使う用に整えていくのに時間がかかっていると思われるのと、風に吹かれるように端から端へ渡したという2色(きなり・桑の葉染め)のより紐がいいと思います。

 

 

どの応募作もアイデアがすばらしいと思いました。

今回ははじめて一次審査通過した応募者の方から投票をいただく形を取らせていただきました。他人のつくったものを見ると、自分とのちがいや共感できるところ、さまざまなことを感じることができたのではないかと思います。

麻縄(麻紐)、精麻に触れていく人が今後もますます増えていきますように。

本コンテスト開催にあたりご協力いただいた方々、ご応募いただきました皆さまに感謝申し上げます。

収穫した日のうちに茹でて剥いだ貴重な繊維、アラソ(皮麻)が入荷

今年のアラソ(皮麻)が入荷しました。

アラソとは、収穫後すぐに約30分ほど煮釜で煮てオガラを取り出した後、乾燥させた深い緑色の繊維です。

国産大麻(アラソ)
国産大麻(アラソ)

青々した色で香りが漂ってきそうではないでしょうか?

夏の収穫期のみの貴重な繊維です。タタミ用や重要文化財の修復や修繕につかわれることもあり、昔ながらの方法で取られています。

昔はタタミの縦糸、漁網などにつかわれていました。お飾り、ラッピング、インテリアなどさまざまな用途にお使いいただけると思います。

お客様から「(アラソは)エネルギッシュでパワフル」、「エネルギーすごいです」などとご感想をいただいています。

SEIMA JAPAN、極上国産精麻(きなり、藍染め)がはじめて海外へ

このほど、オーストラリア在住の方から極上国産精麻(きなり、藍染め)のご注文をいただき、クイーンズランド州へ発送させていただきました。

これまで国産精麻を用いた製品は海外へ発送したことがありましたが、極上国産精麻、栃木県産(いわゆる野州麻)そのものが海を渡るのははじめてです。

とても、ツヤがあり、綺麗な精麻で、感謝します。日本古来の伝統にこちらにいながら触れられたご縁に感謝しています。(お客様)

 

オーストラリアの空気の中で触れる精麻はどんな感じでしょう?

イギリスからはじまって、アメリカフランス、そして今回のオーストラリア。少しずつ、精麻を含む精麻製品が世界に広がっていっているのは確かです。

今後、日本の美しい精麻が海を越え、世界中でつかわれることになるかもしれません。(大げさでしょうか?“SEIMA”が世界共通語になることを思います)

日本の麻文化が、えひめ麻とともに世界の麻文化になっていく礎になる一歩となればこの上ない喜びです。

御用材を伐り出す木曽の御杣山。「木曽」の語源は麻が関係している?

皇祖・天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする伊勢神宮では、20年に一度、御社殿と御装束神宝をあらたにして大御神にお遷(うつ)りいただく、「神宮式年遷宮」が斎行されています。

第63回神宮式年遷宮では、大御神を新宮(にいみや)にお遷しする「遷御」を令和15年に控え、令和7年春よりその諸祭が開始されています。

神宮式年遷宮で、皇大神宮(内宮)・豊受大神宮(外宮)のほか、別宮など計65棟が立て替えられます。

必要となるヒノキの御用材は、総材積約8500立方メートル、本数にして約1万3000本にのぼります。

このヒノキを伐り出す御杣山(みそまやま)は、持統天皇4(690)年の第1回遷宮から鎌倉中期に至る約600年間は、ほぼ宮域内で選定されていました。

その後、宮域内で良材が得られなくなると、御杣山は他所に求められるようになり、江戸時代半ば以降はおおむね木曽地方に移り、現在に至っています。

遷宮の御用材となるヒノキは「御神木」として丁重に扱われます。

天皇陛下の御治定(ごじじょう、お定めいただくこと)により、第63回の遷宮の御杣山も、前回と同じく木曽谷国有林(長野県木曽郡上松町)および裏木曽国有林(岐阜県中津川市)に定められました。

さらに、木曽谷での「御杣始祭(みそまはじめさい)」が6月3日、裏木曽での「裏木曽御用材伐採式」は6月5日に執り行われました。


ところで木曽は、続日本紀をはじめとする歴史的な書物上は「岐蘇」「危村」「吉祖」「木曽」などと書きあらわされています。

この語源については、以下の3つの説があります。


1.「き」は生糸・生酒などの「き」で、純粋なものをあらわす。「そ」は麻苧(精麻)をあらわし、麻を植えて、それで布を織ったため。
2.着麻(きそ)または着衣(きそ)による。この地の人がいつも麻の衣を着ていたことによる。
3.急流で川床が小石で一面に敷きつめられた美しい流れをアイヌ語でキソと呼ぶことによる。

“きそ”という言霊から何を感じるでしょうか?「日本は言霊幸わう国」です。

木曽の語源に麻が関係している可能性について、ご紹介させていただきました。

 

素戔嗚尊(すさのおのみこと)がいわれるのに、「韓郷(からくに)の島には金銀がある。もしわが子の治める国に、舟がなかったらよくないだろう」と。そこで髯(ひげ)を抜いて放つと杉の木になった。胸の毛を抜いて放つと檜になった。尻の毛は槙の木になった。眉の毛は樟になった。そしてその用途をきめられて、いわれるに「杉と樟、この2つの木は舟をつくるによい。檜は宮をつくる木によい。樟は現世の国民の寝棺を造るのによい。そのための沢山の木の種子を皆播こう」と。(日本書紀の素戔嗚尊の八岐大蛇の条)

このように、素戔嗚尊はわが国に生育する代表的な4つの樹木の用途を、スギとクスノキとは舟の材料に、ヒノキは宮殿の建築材料に、マキは棺の材料にするのがもっとも適していると言われています。

神具、神籬(ひもろぎ)台、八束案、幣案など上等品はヒノキです。(材色が白いところから、見る人が神聖感または清浄感を抱くことを利用していると思われます)

 

 

・参考文献

「皇室」令和7年春106号(公益財団法人 日本文化興隆財団)

すべてが祓い清められる日本古来の儀礼、宮中の6月30日大祓のお祓い式

6月30日、宮中の大祓(おおはらい)のお祓い式がおこなわれます。

御所でおこなわれる「節折(よおり、竹枝でおこなわれるお祓いの行事)」、また、神嘉殿(しんかでん)前庭で執り行われる「大祓(皇族はじめ、国民のためにおこなわれるお祓いの行事)」の御儀は、掌典長はじめ掌典職のお方がご奉仕にておこなわれ、これは昔ながらの尊いお祓いの御儀だそうです。

午後3時から神嘉殿前庭でおこなわれる大祓の儀式の中で、行事が進み、掌典がひたすらに大祓の大祓詞を奏上される様子を、元内掌典・髙谷朝子さんは「(内掌典はこの大祓には関係ございませんが)朗々とされましたお声が御拝廊下まで聞こえうかがいます時、自ずから身の清められます思いがいっぱいになりますほどに心の底に響き渡りましてございます。」と語っておられます。

そして、参列のお方のお祓いを終えて後、神嘉殿の広い前庭の静寂の中で掌典補がそれぞれにお祓いの御物を捧持して、一列に同じ間隔を置いて進み、神嘉門に向けて退出されます。

 

なお、氏神神社の夏越祓(なごせ)は、毎年旧暦6月16日におこなわれ、今年は7月10日です。人形(形代)でもって身体をぬぐい息を三度吹きかけ、茅の輪をくぐって、ご神前の祓箱に納めます。(ご神前では罪けがれを祓う神事をおこない、人形は祓物とともに大祓詞にある川より海へ流しやる習わしです)

※夏越の祓いは、神社によって日時が異なります。

水無月の 夏越しの祓ひ する人は 千歳のいのち 延ぶといふなり

 

・参考文献

「皇室の祭祀と生きて」髙谷朝子著(河出書房新社)

神前奉納の体験が可能。オンライン講座で学ぶ、はじめての巫女舞

「巫女舞にチャレンジしたいが、習うところがない」、「初心者だが、神社で巫女舞を奉納したい」

そういった方々に向け、「やまとおとめ」(伊藤久乃主宰、東京都)が巫女舞オンライン講座をこのほど開始しました。※リンク先より、公式LINEに登録いただくと詳細が届きます。

主宰の伊藤久乃先生は、40代で巫女舞と出会い現在歴10年。東京都内はじめ、全国各地の神社で奉納、助勤、海外でも披露されています。

全国からお問合せをいただくなか、遠方では稽古に通ったり、座学やきめ細やかなサポートをしたりは対面では容易ではないことから、数年かけてやり方やカリキュラムを準備し、この講座が生まれた由。

オンラインですので自宅で習うことができます。

巫女舞の演目は豊栄舞で、初回の体験奉納(2025年8月24日)は、神社様と相談して奉納の場を準備しており、軽井沢に鎮座する熊野皇大神社を予定。

さらに伊藤先生は、国産大麻(精麻)五色緒のついた鉾先鈴をお持ちで、巫女舞だけでなく麻への理解もあります。

なお、ただいま10名様限定でモニター特別価格にて受講生を募集していらっしゃいます。(すでに定員に達していた場合、申し訳ございません)

未成年の方は保護者同伴であれば、受講、奉納が可能です。

打ちもの、和楽器、能の3打楽器(小鼓、大鼓、締太鼓)と日本人

「ポン」と音を出しただけで、聞いているものをうならせることができる楽器が「鼓(つづみ)」ではないでしょうか。

鼓は楽器としてまれに見るほど精巧な設計がされています。

鉄輪に張った吟味された馬の皮2枚を「調べ緒(調べ)」と呼ぶ朱の麻紐(精麻からできていて、この締め加減で音を調整)で、桜材の胴の両端に取り付けています。

 

そして圧倒されるのが掛け声。奏者は鼓を鳴らすだけでなく、「イヨー」「ホー」「イヤー」などと拍の間に声を発します。

能、歌舞伎、その他の民俗芸能で幅広く活躍する鼓は、多くの場合、小鼓と大鼓がセットでつかわれます。小鼓は、その弾力性のある音と掛け声で他の楽器をリードしていき、大鼓は乾いた高く鋭い音で小鼓とからみ合います。

胴に施された、きらびやかで、かつ、いにしえの人々の絆を感じさせる装飾は、その美術的価値も高いです。

もう1つ、忘れてはならない楽器が締太鼓(調べ緒を締めて調子を整えるため、こう呼びます)。

指揮者のいない日本の芸能において、能の3打楽器(小鼓、大鼓、締太鼓)がそれぞれの掛け声を交差させながら、音楽的なニュアンスを表現するさまは、外国人でなくても驚くでしょう。

それは、自然と融和する言語である日本語(母音言語)をつかう日本人だからこそ、できるのだと思います。

 

 

・参考文献

「和楽器の世界」西川浩平著(河出書房新社)

「能から紐解く日本史」大倉源次郞著(扶桑社)