令和の新しい「能」としての「みろく涼香舞」が誕生、謡曲仕舞奉納家・一扇様

先日、うれしいご感想とお便りをお客様からいただきました。

この方は、観世流シテ方(梅若実玄祥家)緑幸会主宰 能楽師 井上和幸先生に師事、お能の曲を謡いながら舞う「みろく涼香舞(すずかまい)」を京都の神社やお寺などで奉納されていらっしゃいます。

みろく涼香舞」を検索しますと、謡曲仕舞奉納家・一扇(いちせん)様のブログに行きつき、その誕生の経緯を知ることになりました。それは“天からの授かりもの”とのこと。

なんと、2022年3月7日の「みろく涼香舞命名披露会」から前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きをお使いいただいている由。この前天冠は一昨年、こちらの記事に書いたように自分で作ろうとしたわけでなく、できあがってきたものですので、「みろく涼香舞」の誕生とシンクロしています。

誕生おめでとうございます。

また同年11月7日にプロフィール本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」宮西ナオ子著(シンシキ出版)が出版されていることを知り、その表紙にもこの前天冠をつけた写真が。

2022年11月に出版の本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」
2022年11月に出版の本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」

著者の宮西ナオ子氏は女流能の研究家で能楽博士です。(2013年に東久邇宮文化褒章受章)

現代を躍進する謡曲仕舞奉納家 一扇

2009年より、能の仕舞を謡いながら舞う

「謡曲仕舞」という新しい舞を始めた一扇。

 

彼女が生み出した

令和の新しい『能』としての「みろく涼香舞」

伝統常識を超えた先に目指す未来とは・・・

 

祝福、人類の幸福、世界平和、

和の精神の継承を祈る想いが

今ここに綴られる。

 

もともと能は、神を招き、神にみていただく素朴な舞がその源流の1つになっています。

直近のイベントで「みろく涼香舞」の奉納前に神楽鈴・国産精麻五色緒付き【玉翠】を振る写真を送ってくださいました。前天冠の五色房と五色緒(どちらも草木染め)が合い、美しいです。

イベントで神楽鈴・国産精麻五色緒付き【玉翠】を振る一扇様
イベントで神楽鈴・国産精麻五色緒付き【玉翠】を振る一扇様

なお、一扇(いちせん)という名前はご本名だそうです。

ご縁をありがとうございます。今後のご活躍をお祈りいたします。一扇様の舞を見たり本を読んだりして、世界無形文化遺産である能楽という世界を垣間見る方も増えるといいなと思います。

※2023年1月15日更新の謡曲仕舞奉納家・一扇様のブログ「和み文化の風の声」で当記事をご紹介いただきました。

職人による国産精麻の撚り紐でどこにもない作品づくり(リース飾り編)

お客様が、職人による国産精麻撚り紐をつかった3つの作品(リース飾り)の写真を送ってくださいました。

サツマスギのリース(国産精麻草木染め撚り紐を使用)
サツマスギのリース(国産精麻草木染め撚り紐を使用)

草木染め(きなり・茜染め・藍+茜染め)5ミリ径三本撚りの撚り紐で二重叶結びと、ご自身がつくった神楽鈴をモチーフにした小さいオブジェの下に8分径の本坪鈴を3つあしらっています。作品名は「神楽」。

 

クジャクヒバとブルーアイスのリース(国産精麻撚り紐を使用)
クジャクヒバとブルーアイスのリース(国産精麻撚り紐を使用)

2ミリ径のきなりの撚り紐で飾り結びをあしらい、その下にご自身がつくった小さいオブジェを。作品名は「聖なる樹と水の精霊」。

 

濃い紫のスターチスとサツマスギのリース(国産精麻撚り紐を使用)
濃い紫のスターチスとサツマスギのリース(国産精麻撚り紐を使用)

2ミリ径のきなりの撚り紐で二重叶結び、その下にご自身がつくった小さいオブジェ。作品名は、「光と闇~闇は光を知るための扉~/闇を知ると光は自ずと大きくなる。陰と陽でひとつ。すべてはひとつ」。

 

このお客様はドライフラワーでリースなどを作り、ガラスなどのパーツを組み合わせてご自身が作った小さなオブジェをコラボさせて作品を作っておられます。

リースをつくるにあたり、一般的なものはグルーガンでとめたり、ワイヤーでくくったりするようですが、自然由来のもので固定したり、リースをつるすための紐を使いたいと思われ、精麻の撚り紐に行きついたそうです。

麻は「神の宿る繊維」「神の依り代」、これらの作品を“聖なるリース”と呼んでもいいでしょうか?

「日本の伝統でもあります精麻(麻の撚り紐)にふれることができ、日本人としてとてもうれしく思います。職人さん達が丁寧に丁寧に仕上げてくださった撚紐は、こちらでも大切に仕上げたくて、飾り結び練習しました!」とお客様はおっしゃっています。なお、つくったリース飾りの販売もされているそうです。

 

祝・12周年 さぬきいんべ年末感謝祭(本年も誠にありがとうございました)

2017年から毎年開催させていただいております年末感謝祭。

本年は12周年を祝って、開催させていただきます。(2022年12月31日まで。2023年1月4日に13周年を迎えます)

四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart2のプレゼント、京都・山川のオリジナル国産精麻アクセサリー「あわむすび」と、別のアクセサリーをお買い上げの価格帯ごとにプレゼントさせていただくことといたします。(年末のしめ縄ご予約の方は別の特別特典をお付けいたします。こちらは11月18日ご予約注文分まで)

 

本年を振りかえりますと、昨年6月から、おお麻(ヘンプ)専門神具店に舵を切りましたが、その拡充に第一に取り組みました。まず年頭より、国産大麻(精麻)の鈴緒鰐口紐(鐘緒)の取扱いを開始。そして、昨年の11月から東京・戸越八幡神社様の月次祭と、神楽殿での浦安の舞が国産精麻・草木染め五色緒付きの鉾先鈴または神楽鈴を使って奉納されていましたが、春にはその動画をアップでき見ることができるようになりました。

また、巫女の紹介で、6月には同神社様へ国産精麻の大麻(おおぬさ)を納品させていただきました。一方、買う人ばかりではなく作る人を増やしたいと思い、昨年開催した大麻の麻縄活用コンテストの第2回を本年も開催させていただきました。2回目はどうなることかわかりませんでしたが、第1回より多数のご応募が寄せられ、うれしかったのと、1人の方が複数ご応募いただくなど力作が多かったと思います。ご紹介くださった方、ご応募いただいた方々ありがとうございます。

11月には思わぬところから情報が寄せられ、讃岐忌部氏の系譜が現代までつづいていることがわかりました。これまでは文献で調べ江戸時代までぐらいしかわかりませんでしたので、命の連鎖と、神代からのつながりにただただ驚くとともに当初は讃岐忌部氏の復活も思っていましたので、これまでやってきてよかったという思いです。

来年2023年は、いよいよ大麻取締法の大幅改正が通常国会で審議され、法改正があるとみられます。今後、これまでしてきたこと、目に見えないものを大切にする人が増えるように、そして神社仏閣向けに麻製品を普及させていくこと、また個人様においてはますます手仕事が盛んになりますようにと願うとともに国産の精麻製品が発展、後世に麻文化が継承されますように祈念いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

※webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

国産大麻(精麻)のしめ縄で清々しい2023年を!超早期ご予約のご案内

本年も、2023年用しめ縄の超早期ご予約の受付を開始いたしました。

※超早期ご予約の受付を終了いたしました。多数ご予約ありがとうございます。2022年11月22日追記

好評の美しいしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》のいずれも紙垂付き(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)は、しめ縄は1つひとつ縄目がちがいますが、職人がバランスをみて紙垂を取り付けさせていただきます。また、本年は世界の安寧を願って神居 和かざりのざくろ版が加わりました。(さらに神社の拝殿用の鈴緒寺社仏閣用の鰐口紐もできるようになっております。神社やお寺の用途はもちろん、ディスプレイ用等にいかがでしょうか?)

超早期ご予約の特典として、本体価格5%OFF、ならびに1886(明治19)年創業、神社仏閣用麻製品を調整しつづけている京都・山川製のオリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》藍染め、茜染め&ざくろ染め版のいずれかお1つをプレゼントさせていただきます。(精麻は極上国産、藍染め、草木染めは徳島でおこなっております)※染め(色)のご希望を承ります。ご予約注文時に「備考欄」へご記入する等お申し出ください。本特典は2023年年頭、立春までにお届け予定。(特典のプレゼントを何らかの理由で辞退される方も遠慮なくおっしゃってください)本特典は、2022年11月18日ご予約分まで。

京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》
京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》

 

お届けは2022年12月15日頃から順次発送予定です。日時指定も承ります。(自然のリズムを意識し冬至、旧暦の新年に合わせるのもおすすめです)

また、こんなしめ縄または鈴緒ができませんか?というご要望も歓迎です。

《現在のご予約状況》

しめ縄太さ6ミリ×長さ19センチ(紙垂付き)、太さ15ミリ×長さ145センチ(紙垂付き)、太さ5ミリ×長さ5メートル(紙垂付き)、大根型太さ1寸×2.5尺(紙垂付き)、同太さ8分×長さ2尺(紙垂付き)、同太さ6分×長さ1.5尺(紙垂付き)、牛蒡型8分×2尺(紙垂付き)、同太さ6分×1.5尺、神居 和かざり(紙垂付き)など。2022年10月19日現在。

ご予約誠にありがとうございます。

しめ縄の超早期ご予約専用ページ

神社の拝殿用の鈴緒ご注文ページ

寺社仏閣用の鰐口紐(鐘緒)ご注文ページ

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。これだけのしめ縄、鈴緒(数量)をこのくらいの時期にという「仮予約」も受付させていただいております。

日本の文化として昔から大切につかわれてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄、鈴緒で清々しい新年を迎えませんか。

神社やお寺で麻は「神聖なもの」、「穢れを祓う」、「神の依り代となる」などとされています。例えば、お供物を麻で結んだり、神職の方々の冠に麻を巻いたり、お祓いの際の道具(祓串)に麻が使われていたりと、現在でも様々なところで大変重用されています。

そういった理由から神社仏閣の鈴緒・鰐口紐や注連縄には麻が使われており、別の素材ではその意義や効果が失われてしまうのです。(明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整 株式会社山川パンフレットより)

 

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

精麻における草木染めと化学染料染め、いずれ草木染め精麻を主体へ

草木染めとは植物染料で染める方法、化学染料染めは石油由来の合成染料で染める方法です。

志村ふくみさんの「色を奏でる」(ちくま文庫)の一節「色をいただく」のなかにこんなことが書いてあります。

ある人が、こういう色を染めたいと思って、この草木とこの草木をかけ合わせてみたが、その色にはならなかった、本のとおりにしたのに、という。

私は順序が逆だと思う。草木がすでに抱いている色を私たちはいただくのであるから。どんな色が出るか、それは草木まかせである。ただ、私たちは草木のもっている色をできるだけ損なわずにこちら側に宿すのである。

草木染めは、化学染料とちがい、光の反射がやわらかいため色が目にやさしいです。また、色の深み、素朴さ、渋さ、質感があります。バイブレーションがそれぞれの染めによりちがうと思います。

一方、化学染料染めの場合は、色と色を交ぜ合わせることによって新しい自分の色をつくります。単一の色では色に底がありません。また、化学染料は脱色ができますが、植物染料は脱色することができません。自然が主か、人間が主かのちがいだと思われます。

 

何度もお伝えしていますが現在、神社仏閣用の麻製品の染色は99%が化学染料です。

なぜなら、安価に早く染めることができるからです。さぬきいんべの製品の化学染料染めは麻縄職人が、草木染めは染め職人がおこなっております。

化学染料染めの五色緒。
化学染料染めの五色緒。

 

しかし、神社仏閣用に化学染料染めは主体なのはどうかと(それまで草木染めのヘンプ衣料を扱っていたこともあり)違和感を覚え、2015年から徐々に藍染めからはじまって草木染めした精麻の普及に取り組んでおります。

先の記事でご紹介したように、先人が藍染めの薬効に着目したと思われる京都・祇園祭での精麻使用の事例を最初に知ったことで俄然やっていこうと思いました。

2017年には四国霊場22番札所・平等寺の山門に草木染め5色(緑・黄・赤・きなり・紫色)の前垂れのついた国産精麻のしめ縄がかけられました。

このことを知ってなんとかと、さらに精麻の草木染めをと思い取り組み、2020年にようやく、国産精麻・五色緒付きの神楽鈴のネーミング募集を実施、公募で選ばれたお客様が賞品の神楽鈴の五色緒を化学染料か草木染めかで、草木染めを選ばれたことで、国産精麻・草木染め五色緒付きのいわゆる神楽鈴【玉翠】が誕生しました。

草木染めの五色緒。(2020年以降)
草木染めの五色緒。(2020年以降)

もともと神社仏閣用の麻製品に草木染めの精麻をと思っておりましたので、幸先よく瓊奈川神社(翡翠の巫女)様へ神楽鈴【玉翠】が同年6月に奉納されたことはとても喜ばしいことでした。

 

写真ではなく、実物を見て確認したいというお客様へ、極上国産精麻(野州麻)の化学染料染めのものと、草木染め5色のサンプルもございます。五色緒のように長さ5尺(約150センチ)に麻縄職人が加工したものです。ちがいを見比べてみたい方はお気軽にお問合せください。きていただいてもいいですし、宅配便で貸し出しもさせていただきます(送料のみご負担ください)。

神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付き【玉翠】に合う鈴掛け台は?

神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付き【玉翠】(草木染め版)を先にお求めいただいたお客様から専用の置き台(鈴掛け台)の取扱いはありませんか?とお問合せいただきました。

日々神事でお使いになっているご様子で、専用の台が必要と思われた由。

下記の写真の朱塗り仕上げのものと他店で取扱いの白木のものをご案内させていただきました。朱塗りは神楽鈴の持ち手と同じです。

朱塗り仕上げの鈴掛け台
朱塗り仕上げの鈴掛け台

お客様はご検討の結果、上のものをお選びになりました。

京都の木工職人による作で、飽きの来なさそうなシンプルな形。丸みを帯び洗練されていると思います。価格はそれなりにしますが、鉾先鈴、また地金が厚く機械打ち製よりも重い手打ちの神楽鈴も掛けて置くことができ、朱塗りも美しく何より長くお使いいただけるものです。

現在、お取り寄せにはなりますが、日数でいいますと10~15日ぐらい、早めにご用意できると思います。よければご検討ください。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】(TM)にざくろ染め版が追加

藍染め版と茜染め版があった国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】にざくろ染め版(黄色)が加わりました。

2016年誕生の藍染め版。
2016年誕生の藍染め版。

 

ざくろ染め版はやさしい感じ。
ざくろ染め版はやさしい感じ。

ざくろ染め版が生まれたことで、子供ができたように感じています。(もとは、世界の安寧を祈って加えました)

さらに、草木染めは色合いの美しさだけでなく、染料=薬草でもあり、植物には独自の薬効があります。それぞれ人の特定の細胞や組織、器官、そして精神と呼応する波動を有しています。

 

 

 

精麻飾りワークショップを経て、2022年5月より西条市にて講師育成講座を開催(第1期生を募集開始)

昨年、愛媛県下で開催、好評でしたはぐくみの木IKUKO先生による精麻飾りワークショップ。

5月より毎月、講師育成講座が西条市にて開催されます。(少人数開催)

精麻飾りワークショップの講師を目指す方だけでなく、また精麻に触れてみたい、作品を作りたい方もご参加いただけます。

昨年ワークショップで私がつくった精麻飾り(まとめ結びは藍染め精麻)
昨年ワークショップで私がつくった精麻飾り(まとめ結びは藍染め精麻)

 

詳細は下記のリンクをご覧ください。

5月第1期(5月27日~6月1日)講座の申込み募集要項およびフォーム 第1期申込み終了いたしました。

申込み、お問合せもフォームよりできます。

世界の安寧を祈って。国産大麻(精麻)・草木染め叶結びアクセサリーをお頒けいたします

GWも後半。いかがお過ごしでしょうか。

4月30日、愛媛県西条市内のお茶畑にて新茶のお茶摘みをさせていただきました。(前日を予定していましたが、雨の予報のためこの日にスライド)

毎年この時期に、神様へお茶をお供えするためお茶摘みをしており、そのお手伝いです。こちらのお茶畑は自然農法で、どれぐらい続けているかは聞けてないですが、ずっと続けられています。

大勢の協力で目標の100キログラムをお昼までに達成しました。製茶し50グラムを100袋お供えするとおっしゃっていました。

 

さて、昨年しめ縄の超早期ご予約特典(非売品)として頒布させていただきました京都・山川製の国産大麻(精麻)・草木染め叶結びアクセサリーに世界の安寧を祈ってざくろ染め(黄色)を加え、少量お頒けさせていただくことができるようになりました。

染めは藍染めと茜染め、そして今回加わったざくろ染めです。

山川5代目いわく、「小さいものの方が難しい」とおっしゃいます。シャネルの創業者、ココ・シャネルは、「ファッションとは、上級者になるほど引き算である」と言ったそうです。当然、分野はちがいますが両者の間には共通項があるように思います。

国産大麻(精麻)・草木染め叶結びアクセサリー
世界の安寧を祈って。藍染めとざくろ染め(左)。

お守りとして。アクセサリー、飾りとして。シンプルな手仕事の美しさと、染めのエネルギー、変化をもお楽しみいただけましたら幸いです。

Tomoの服展(愛媛民芸館)にてハギレ布をつかった針山づくり(手仕事)

毎年4月に、愛媛民芸館ではTomoの服展(令和4年は4月17日まで)が開催されています。

Tomoの服は、タイ・チェンマイ在住のデザイナー・眞鍋友芳さんが手がけた天然素材のコットン、ヘンプ、シルクを天然染料で染めたナチュラルな洋服です。

同館では2013年ごろから毎年定期開催されており、2014年から私は毎年足を運んでいます(丁寧に毎回手書きで案内状をいただく)。

兄の芳章さんが国内の営業担当で各地で展示会を通して販売しており、愛媛民芸館もその会場の1つなのです。

今回は、展示即売されている衣料を横目に、案内ハガキに掲載されていた針山(ピンクッション)づくりにチャレンジしました。

いろいろな染めのハギレ布(丸く成形済み)の中から、好きなのを選び、周囲を針と糸でなみ縫い。縫った部分を絞って、そこに棉を詰め込み、それをヤシの葉で編んだカゴにいれて完成です。

できた草木染めヘンプコットンの布の針山(ピンクッション)
できた草木染めヘンプコットンの布の針山(ピンクッション)

ずいぶん久しぶりに針と糸をもって縫いました。時間にして全部で20分くらいです。

なお、手を動かすことについては、デザイナー・友芳さんのお師匠にあたる、さとううさぶろうさん(うさとの服デザイナー)がこんなことをおっしゃっています。

手がいっぱい入ると、あったかい
 
仕事も暮らしも、何もかもが自然のリズムのまま。
 
時間の流れがゆっくりだと、目が細部にまで行き届きます。布も、ゆったり織られていきます。そうしてできた布は、身につけた人をもゆったり、やさしい気分にしていくのではないでしょうか。
 
手で育て、手で集め、手でつむぎ、手で染め、手で織る・・・・・・。自然のパワーにたくさんの手間暇がプラスされ、暮らしのなかで大切に「育まれる」布を目のあたりに、ぼくはますます手の力に魅了されていました。〔「あいをよる おもいをつむぐ」さとううさぶろう著(地湧社)より〕
 
手づくりのものはあたたかく、また心がこもっているように感じます。
 
Tomoの服の最近の服づくりについてうかがうと、コロナ禍の影響を見越して、家で着られる藍染めのダブルガーゼの服を増やしているそうです
 
もし機会がありましたら、試着あるいは、上の針山をつくってみてはいかがでしょうか。