日本の神様カード著者、大野百合子さんによるYouTube動画「麻(精麻)のお話」をご覧になってのお客様

日本の神様カード著者、大野百合子さんによるYouTube動画「麻(精麻)のお話」をご覧になってのお客様がいらっしゃいました。

麻(精麻)のお話~『古代の叡智』基本その23~

 

この回は、あさとしずく(吉田しずこ)さんと対談されています。あさとしずくさんと言えば、2021年、第1回大麻の麻縄活用コンテスト優秀賞を受賞されました。その後すぐ愛媛県西条市内でお会いしたのですが、後に話がトントン進んで、この対談になったようです。彼女は、日本の神様カード公式インストラクターでもあり、“和の叡智”実践伝達者育成講座第5期を修了されております。

約11分の動画、よければご覧ください。

ちなみに大野百合子さんの著書、「日本の神様 言霊ノート」(永岡書店)をもっています。

あさとしずくさんの国産大麻(精麻)ピアス【装飾結びのアレンジ】、絶賛発売中です。

※もし、さぬきいんべが他に紹介されているものがありましたら、教えていただければうれしいです。YouTube動画でも他にご紹介いただいているものがあります。(知らないものももっとあるかもしれません)

2023年も次々。謡曲仕舞奉納家・一扇様の「みろく涼香舞」今後の奉納予定

何度かご紹介しています、令和の新しい「能」としての「みろく涼香舞(すずかまい)」創始者、謡曲仕舞奉納家・一扇様。

能楽師・井上和幸先生に師事、2009年からお能の仕舞を謡いながら舞う「謡曲仕舞」という新しい舞をはじめ、2022年3月7日の「みろく涼香舞命名披露会」以降、「みろく涼香舞」を京都の神社やお寺などで奉納されていらっしゃいます。

「みろく涼香舞」が多くの人に触れ、大成されてから650年とも700年ともいわれる能楽(世界無形文化遺産)に興味をもっていただく一助になれたら、また、心の平和を感じていただけるよう、本当に平和で幸せな世をみんなが実感できるようにという想いをもって活動されています。

3月に神泉苑、4月には水火天満宮、出雲大神宮、5月に再び神泉苑など、2023年になってからも次々奉納をつづけています。

一扇様の今後の奉納予定は下記のとおりです。(日時などが変更になる場合がございます)

2023年7月7日 九頭竜大社(11時頃より)アクセス 

8月27日 梨木神社

10月21日 出雲大神宮

11月12日 嵐山もみじ祭

11月25日頃 出雲大神宮(紅葉ライトアップ)

詳細は一扇様のブログ「和み文化の風の声」をご覧ください(事前にお知らせがあります)。

なお、一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付き【玉翠】(草木染め版)をご活用いただき、また「日本の伝統文化を継承し、光あふれる世界へ」という理念にも共感いただいております。

「三拍子そろう」は、本来は小鼓、大鼓、太鼓(または笛)の拍子がそろうことを言います。このようにふだん何気なくつかっている言葉で能楽からきたものがあります。他に「檜舞台に立つ」、ノリが良いの「ノリ」などもそう。

和の精神、平和への祈りがさらに広がっていきますように。

 

 

 

・参考文献

「謡曲仕舞奉納家 一扇」宮西ナオ子著(シンシキ出版)

本格派、国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱から勝運を。赤白の組合せで贈り物、また還暦のお祝いに

箱、飾り方を含めサイズ、価格などを見直し一新した国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱の発売から2年たちました。

国技・相撲で横綱が締める土俵入りで締める綱を“横綱”といいますが、これを小型化し再現したのが「ミニチュア横綱」です。横綱メイキングYouTube動画(約10分30秒)

国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱(雲竜型)
国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱(雲竜型)

土俵入りの型によって雲竜型と不知火型の2種類があり、過去多くの横綱に用いられた、いわば「正統派」の型の雲竜型が人気かと思っておりましたが、ここへきて不知火型をお選びになる方もいらっしゃり、どちらが人気と言えない状況に。

また、現役時代の最高位が横綱である元力士が還暦(60歳)を迎えた際に「長寿祝い」として行われる還暦土俵入りの綱を再現した赤色の綿布を巻いた還暦土俵入り版と、白色の綿布を巻いたものをセットで贈り物にする方や、還暦土俵入り版をまさに還暦のお祝いに贈られる方も出てきました。(同じ型、また別の型を2つセットでお求めの場合、セット割引をご用意しております)

還暦土俵入りの綱(赤色)を再現した「ミニチュア横綱」。
還暦土俵入りの綱(赤色)を再現した「ミニチュア横綱」も

サイズは外径15センチ、背面の輪の部分高さ約13センチで、だいたい両手のひらに載る大きさですが、さらにこれより大きなものもできます。(お問合せください)

本体の中は、貴重な国産極上質の精麻(野州麻、栃木県産)と銅線芯からなり、その表面に白色または赤色の綿布を巻き紙垂を垂らした、実際の横綱をミニチュア化したつくりの本格派です。

ベテランの麻縄職人がつくるクオリティと存在感。コレクション、お守りや贈り物やお祝いとして、このミニチュア横綱から勝運をいただいていただければ幸いです。

化粧箱(和紙貼り箱)入りが標準ですが、桐箱入りもご用意できますのでご相談ください。

6月30日は夏越の大祓

6月30日は夏越の大祓。

夏越の大祓とは、日々の生活の中で枯れてきた気を元に戻し、知らぬ間に犯してしまった過ちや罪を半年に一度、「人形(ひとがた)」に移して祓い清める長い歴史のある神事です。(大祓は年2回、6月と12月の晦日(末日)に行う。元は宮中行事でした)

夏越の大祓では、茅の輪を3度くぐり無病息災・延命長寿とともに心身ともに健やかな日々(健幸)を過ごせるよう祈願します。

※神社等によって日時が異なる場合があります。ちなみに氏神神社は、夏越祭(なごせ)といい、毎年旧暦6月16日です。

茅の輪くぐり
茅の輪くぐり(氏神神社の夏越祭にて)

「罪・穢れを祓う」について奈良・春日神社の元宮司、葉室頼昭さんによる、こちらがわかりやすいでしょうか。

罪・穢れを祓うというと、外国の対立の考えからすれば除去するということになりますが、先にも述べましたように、日本人は元来対立して争うという考えは持っておりませんので、除去ではなく罪・穢れを消すというのが、祓いの意味です。

しかし、ものを消すというのも、ある意味では対立の考えですから、祓いの原点にあるのは、罪・穢れを再びわれわれを生かす姿に変える、リサイクルするということなのです。(『神道と“うつくしび”』葉室頼昭著(春秋社))

 

「茅の輪」の起源は、京都・八坂神社に下記の伝承があります。

牛頭天王は、長旅に出た途中で日が暮れてしまった。一夜の宿を所望した。大金持ちの巨旦(こたん)には断られるが、貧しい蘇民(そみん)には快諾された。

後年、牛頭天王が眷属を連れて巨旦一族を疫病で滅ぼそうとしたとき、蘇民が「巨旦の家には私の娘がいるので、助けて欲しい」と願いでる。牛頭天王は、「蘇民将来(そみんしょうらい)の子孫と記した札と茅の輪を腰に下げておけば疫病から免れる」と告げて去っていった。そのため蘇民の娘は難を免れたという。

この伝承に基づき、祇園社などで配られるお札には「蘇民将来子孫之門」と書かれ、疫病退散のご利益があるとされている。神事として行われる茅の輪くぐり(夏越の祓えにて、茅で作った輪をくぐることで身のケガレを祓い清めて、無病息災を願う)も、この故事に由来する。(『決定版 知れば知るほど面白い!神道の本』三橋健著(西東社)P.185より引用、一部編集)

茅(ちがや)はイネ科の植物で、利尿消炎作用をもつ薬草です。先人の知恵ではないでしょうか。

午頭天皇=須佐之男命(すさのおのみこと)をご祭神とする八坂神社では、7月に祇園祭がおこなわれます。祇園祭は、疫病退散を願い、その原因と考えられていた恨みをもって死んだ人を祀る祇園御霊会(869年)が起源で、しだいに夏越の大祓と習合し、都市型の夏祭りとして定着しました。

水無月の 夏越しの祓ひ する人は 千歳のいのち 延ぶといふなり

京都など氷室の節句でいただく和菓子の「水無月」もその小豆の赤い色や三角の形に魔よけの意味があるそうです。

 

夏越の祓 特集」ということで、国産大麻(精麻)のしめ縄、鈴緒などをそろえました。先日、日本の文化を取り戻すと、ある方がメッセージをくださいました。

あさとしずく(吉田しずこ)(第1回大麻の麻縄活用コンテスト優秀賞)の次の作

あさとしずく(吉田しずこ)さん製作の国産大麻(精麻)・ピアス

第1回大麻の麻縄活用コンテストで優秀賞を受賞された2年前から取扱いさせていただいております。

国産大麻(精麻)・ピアス【装飾結びのアレンジ】
国産大麻(精麻)・ピアス【装飾結びのアレンジ】

見た目が精麻っぽくなく、さりげなく洋服姿に合うと思います。それが決め手になりました。(逆に、精麻っぽくないことで、何でできているんですか?などと聞かれることもあり、そこから精麻の話になることもあるようです)これは、あさとしずくさんだからできると思います。松結び、あわじ結びを独自にアレンジしたオリジナルの形も秀逸です。

このほど、金具(ピアスフック)が金属アレルギー対応サージカルステンレス仕様、金属アレルギー対応イヤリング仕様に変更になり価格が改定されました。

色はどちらもゴールド、シルバーをお選びいただけます。

こちらはご注文をいただいてからの製作になりますがよろしくお願いいたします。

讃岐忌部氏の祖をお祀りする香川・忌部神社の宮司とお話。香川のお客様から話が広がる

先日、香川県三豊市豊中町に鎮座する忌部(いんべ)神社(ご祭神:手置帆負命)の宮司と電話でお話させていただきました。

香川のお客様から同神社の宮司を聞かれ、連絡先を調べてお伝えしたのですが、留守とのことで確認のため私が電話した次第(つながりました)。

せっかくですので気になること、ご祭神について、例大祭の日や内容について、他にみている神社があるかなどおたずねしました。

忌部神社(香川県三豊市豊中町)
忌部神社(香川県三豊市豊中町)

現在の宮司は30年ぐらい同神社をみているそうです。

讃岐忌部氏はかつてこの忌部神社の場所を拠点に西讃地方を開発していったとされており、讃岐忌部氏にとって原点です。

ご祭神は、手置帆負命(たおきほおいのみこと)で讃岐忌部氏の祖です。

例大祭は、10月の第2月曜日(スポーツの日、年によって日が変わる)におこなわれ、獅子が出る由。神輿は1基です。(宮司は他に宇賀神社もみておられ、こちらは神輿は豊受姫命と笠縫神の2基、太鼓台3台が氏子により奉納)

特におたずねしませんでしたが、社地の地名、「笠田竹田」は笠縫、また矛竿をつくる材料の竹にゆかりのある讃岐忌部氏を思わせる古い地名と思われます。

香川県高松市に在住し、さぬきいんべを創業した2010年。5月にこの忌部神社を筆頭に、讃岐忌部氏にまつわる史跡をのべ10数人で巡りました(忌部神社→御本祖古墳→宇賀神社→粟井神社→大水上神社→麻部神社→野田院古墳→大麻神社→磨臼山古墳→善通寺市立郷土館)。

当時、おお麻(ヘンプ)に着目していたため大麻山や大麻神社、麻部神社など特に注目していました。讃岐忌部と阿波忌部が協力して麻を植え讃岐平野を開拓(これが、さぬきいんべの名前の由来)しただけでなく、建築や矛竿、笠などをつくること、つまり神様にまつわる手仕事が讃岐忌部氏のお役目ではないでしょうか。

原点に帰る」まさしくそんな思いでこの記事を書かせていただきました。香川県ホームページにも讃岐忌部氏について書かれています。→[伝統文化]むかしむかし・・・春の讃岐路

※次は、善通寺市に鎮座する大麻神社の宮司の連絡先がわかりました。

 

 

高い周波数まで倍音が出るサヌカイト。香川からお客様で思い出す

先日、香川からお客様が3名こられました。

そのうちの1人より5月末に電話をいただき、麻製品を見たいとのこと。さぬきいんべはwebショップのみですが、取扱いの麻製品を展示し見ていただきたいと常々思っているところではあります。

3人ともはじめてとは思えない方々(共通の知人が何人かいらっしゃいます)で神様の話、麻の話、讃岐の話等、楽しかったです。

そのうち、サヌカイトの話になり、坂出市の金山のことが出てきました。

数日たって、雑誌ラピタでの打楽器奏者のツトム・ヤマシタ氏とサヌカイト楽器創作者の前田仁氏のインタビュー記事(2002年5月号)のコピーをもっていたことを思い出し、そこから少し書いてみます。

「このカンカン石は、今から約1300万年前、瀬戸内地方の極めて大きな火山活動の際、噴き出した溶岩が急激に冷却されてできた硬質な火山岩の一種です。ドロドロに溶けた溶岩が急激に冷却されると、ガラス質で非常に硬質な岩石ができるのです」(前田氏)

ツトムヤマシタ氏は、京都の真言宗総本山・東寺の食堂(じきどう)にて仏教音楽の研究に没頭していたとき、1986年、徳禅寺の住職・橘和尚から前田氏を紹介され、そこでサヌカイトの楽器を知ることになりました。

その後、前田氏から請われて坂出市金山に出向き、というような出会いだったようです。金山の山頂近くに金山彦金山姫が祀ってあり、そこに登る路の途中にサヌカイト楽器の展示・演奏施設がある「けい(磬)の里」があります。

私も香川在住時にサヌカイトに惹かれた1人で、屋島のお店店頭やその他の場所で見ていました。ツトムヤマシタ氏が作曲し、サヌカイトで演奏された「懐かしき未来」という同氏のアルバムももっています(この「懐かしき未来」の初演が2001年12月、四国遍路文化委員会主催で香川県民ホールだった由)。

楽器としてサヌカイトの特徴のひとつは、その高い周波数まで倍音が出ることで、これもサヌカイトの音の魅力であると考えられています。(サヌカイトの音を測定してみると、たしかに人間の可聴帯域をはるかに超えた100キロヘルツまでも伸びていることがわかるそう)

こられていた1人が「それって、周波数を上げることができるということよね?」と。いま思うと、神様からのプレゼント、香川県でもっとも多く産出されるサヌカイトは神具なのかもしれません。

サヌカイトと麻。なにかできるのではないでしょうか。

 

 

・参考文献

「1300万年の時空を超えた宇宙の音に魅せられた男たち」雑誌ラピタ2002年5月号

全国の神社で奉納されている巫女舞(豊栄舞)体験のお知らせ(埼玉・飯能平松天神社より)

埼玉・飯能平松天神社の巫女舞体験のご案内です。

宮司の大谷由紀様は、東京・戸越八幡神社でも巫女舞の指導をしております(麻製品をご利用いただき、お世話になっております)。遠方のご案内で恐縮ですが、近郊で気になる方はお問合せされてみてはいかがでしょうか。(下記の電話番号に直接お問合せください)

※今回集まったのはすべて初心者とのこと。次回は7月1日(土)だそうです。

巫女舞体験のお知らせ 2023年6月3日(土)
年齢制限はございません。興味のある方、学びたい方、ちょっと気になる方、ぜひご参加くださいませ。
飯能平松天神社では、6/3(土)に月次祭と、お試しの巫女舞体験会を行います。初の試みでございますので、ゆるく行いたいと思います。


■体験内容
・参進
  巫女舞のときの歩き方をお伝えいたします。
・豊栄舞(1番のみ)
  全国の神社で奉奏されている豊栄舞を体験していただきます。
・巫女装束の着装
  サイズが合えば、実際に白衣・緋袴の着付けをいたします。

■参加費用
 1,000円(お試し価格)

■持ち物
 白足袋、または、白い靴下

■スケジュール
 6/3(土)
  13:00~ 月次祭
  13:30~16:00 巫女舞体験
 巫女舞体験のみの参加も歓迎です!!

■お申込み、お問い合わせ
 070-8409-3578
 ※お電話かショートメールにてご連絡ください。折り返しご連絡いたします。

前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きをつけ、みろく涼香舞「杜若(かきつばた)」キリを舞う

シテ方観世流の能楽師・井上和幸先生が主宰する「緑幸会」が、5月14日、京都のホテルロイヤルヒル福知山にて春の謡曲・仕舞大会を開きました。

稽古を重ねてきた小学生から99歳までの会員約40人が出演し、素謡(すうたい)や仕舞などを33演目を披露されたそうです。

謡曲仕舞奉納家・一扇様が素謡「西王母」のシテ(能における主役)と、みろく涼香舞「杜若」キリ(※)で出演されました。みろく涼香舞ご存じない方はこちらを。

※仕舞には大概、クセとキリがあり、クセは能の中で一番見せ所があるところで大体は弱い感じの舞 で、キリは能の最後の部分で強い感じの舞が多い。(南山大学観世会「能楽用語いろいろ」より)

今回は後者のみろく涼香舞「杜若」キリで前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きをつけ、扇を手に持ち、舞われた由。(こちらの一扇様のブログで前天冠に杜若を飾り舞う姿が紹介されています)

ご活用いただきたいへんうれしく思います。

「西王母」については一扇様いわく、「『西王母』という曲は、お能の曲には珍しく『ありがたや』からはじまります。この世にすばらしい平和の世が実現したので、それを言祝ぐために3000年に1度しか咲かない桃の花の実を『西王母』という天女が捧げにくるというお話です。理想の世の中がすでにできあがっていることを謡っている曲です。」

西王母はイザナミノミコト。当日は祈りを捧げる心で謡わせていただいたそうです。一扇様にぴったりではないでしょうか。

理想の世の中、ミロクの世が1日も早く訪れますように。

脱炭素へ産業用大麻。三重県明和町がプロジェクト。国内で栽培広がるか

現在、世界40ヵ国で栽培されている産業用大麻。今後も市場が拡大されると予想されていることから、厚生労働省は栽培の規制緩和などを目的に、本年度中にも大麻取締法の改正案を国会に提出する方針のようです。

 

5月10日付、北海道新聞夕刊の1面に「脱炭素へ産業用大麻」の見出しとともに4月からはじまった三重県明和町のプロジェクトを紹介する記事が掲載されました。

国が推進する脱炭素(CO2削減)に向けた経済社会の変革「グリーントランスフォーメーション(GX)」の波に乗り、麻薬成分が少なく衣料品や建材などに活用できる産業用大麻(ヘンプ)の栽培を広げようという動きが三重県で始まっている。ヘンプは二酸化炭素(CO2)を多く吸収するとされているためだ。国が栽培規制の緩和に動いていることも動きを後押ししており、北海道内の関係者も注目している。(記事の前文より)

※ヘンプ=大麻草のうち、麻薬成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)の含有率が0.3%以下と低い品種のことで、含有率が高いマリファナとは区別される。現行の大麻取締法では、THCの含有量にかかわらず花や葉などが規制対象になっており、栽培や研究を行う大麻取扱者になるには都道府県知事の許可が必要。(記事の用語解説)

 

三重県明和町では、ヘンプの生産拡大や産業振興への活用を目指す「天津菅麻(あまつすがそ)」プロジェクトという産官学連携の事業が開始され、4月15日種まき神事の後、18日に町内の史跡「斎宮跡」で神事用と産業用大麻の種まきがおこなわれました。

試験栽培の目的で、栽培予定面積は約60アール、神事での活用や麻布などの製品活用を目指す方向です。将来は衣料品、建材、食品など工場を誘致する方針で、他にも栽培農家を募り50ヘクタールまで栽培を広げる計画だそうです。

三重大学の赤星栄志(よしゆき)客員准教授によると、ヘンプは生育過程で1ヘクタールあたり9~15トンのCO2を吸収し「もっともCO2を吸収する作物」とされているとのこと。薬や布、建材、食品などをつくることができ、製造過程でCO2を大量に排出するプラスチックなどの石油製品も、ヘンプを主成分とする製品で代替可能です。(赤星さんといえば、2009年に講演のため松山へこられた際、麻の仕事がないかうかがったところ、「インターンシップ」と返答をいただき、当時ヘンプ衣料などを製造販売していた会社に2週間インターンシップ。それが、さぬきいんべを創業するきっかけになりました)

大麻栽培者は2021年末時点で、全国で27名(精麻の生産者はもっと少ない)、栽培面積は7ヘクタールだけです。1954年のピークには37313人が栽培していました。現在、北海道、中国、四国はゼロです。

栽培農家が増えていくか、いったん途絶えたものを再生していくのは時間がかかると思いますが、引きつづき応援したいと思います。“いい動き”が日本全体、世界へ広がっていきますように。

詳しくは、北海道新聞デジタルのこちらの記事をご覧ください。※無料会員登録で全文読むことができます。

ヘンプイノベーション株式会社が4月26日に三重県より大麻栽培者免許を取得しました。こちらは医療や工業目的での利用を目指し5月下旬~6月上旬に播種の予定です。

 

 

・参考文献

「脱炭素へ産業用大麻」北海道新聞夕刊1面2023年5月10日付

大麻でCO2削減?三重県明和町がプロジェクト 北海道でも栽培広がるか<デジタル発>」(北海道新聞)2023年4月21日付