2023年も次々。謡曲仕舞奉納家・一扇様の「みろく涼香舞」今後の奉納予定

何度かご紹介しています、令和の新しい「能」としての「みろく涼香舞(すずかまい)」創始者、謡曲仕舞奉納家・一扇様。

能楽師・井上和幸先生に師事、2009年からお能の仕舞を謡いながら舞う「謡曲仕舞」という新しい舞をはじめ、2022年3月7日の「みろく涼香舞命名披露会」以降、「みろく涼香舞」を京都の神社やお寺などで奉納されていらっしゃいます。

「みろく涼香舞」が多くの人に触れ、大成されてから650年とも700年ともいわれる能楽(世界無形文化遺産)に興味をもっていただく一助になれたら、また、心の平和を感じていただけるよう、本当に平和で幸せな世をみんなが実感できるようにという想いをもって活動されています。

3月に神泉苑、4月には水火天満宮、出雲大神宮、5月に再び神泉苑など、2023年になってからも次々奉納をつづけています。

一扇様の今後の奉納予定は下記のとおりです。(日時などが変更になる場合がございます)

2023年7月7日 九頭竜大社(11時頃より)アクセス 

8月27日 梨木神社

10月21日 出雲大神宮

11月12日 嵐山もみじ祭

11月25日頃 出雲大神宮(紅葉ライトアップ)

詳細は一扇様のブログ「和み文化の風の声」をご覧ください(事前にお知らせがあります)。

なお、一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付き(草木染め版)をご活用いただき、また「日本の伝統文化を継承し、光あふれる世界へ」という理念にも共感いただいております。

「三拍子そろう」は、本来は小鼓、大鼓、太鼓(または笛)の拍子がそろうことを言います。このようにふだん何気なくつかっている言葉で能楽からきたものがあります。他に「檜舞台に立つ」、ノリが良いの「ノリ」などもそう。

和の精神、平和への祈りがさらに広がっていきますように。

 

 

 

・参考文献

「謡曲仕舞奉納家 一扇」宮西ナオ子著(シンシキ出版)

6月30日は夏越の大祓

6月30日は夏越の大祓。

夏越の大祓とは、日々の生活の中で枯れてきた気を元に戻し、知らぬ間に犯してしまった過ちや罪を半年に一度、「人形(ひとがた)」に移して祓い清める長い歴史のある神事です。(大祓は年2回、6月と12月の晦日(末日)に行う。元は宮中行事でした)

夏越の大祓では、茅の輪を3度くぐり無病息災・延命長寿とともに心身ともに健やかな日々(健幸)を過ごせるよう祈願します。

※神社等によって日時が異なる場合があります。ちなみに氏神神社は、夏越祭(なごせ)といい、毎年旧暦6月16日(2024年は7月21日)です。

茅の輪くぐり
茅の輪くぐり(氏神神社の夏越祭にて)

「罪・穢れを祓う」について奈良・春日神社の元宮司、葉室頼昭さんによる、こちらがわかりやすいでしょうか。

罪・穢れを祓うというと、外国の対立の考えからすれば除去するということになりますが、先にも述べましたように、日本人は元来対立して争うという考えは持っておりませんので、除去ではなく罪・穢れを消すというのが、祓いの意味です。

しかし、ものを消すというのも、ある意味では対立の考えですから、祓いの原点にあるのは、罪・穢れを再びわれわれを生かす姿に変える、リサイクルするということなのです。(『神道と“うつくしび”』葉室頼昭著(春秋社))

 

「茅の輪」の起源は、京都・八坂神社に下記の伝承があります。

牛頭天王は、長旅に出た途中で日が暮れてしまった。一夜の宿を所望した。大金持ちの巨旦(こたん)には断られるが、貧しい蘇民(そみん)には快諾された。

後年、牛頭天王が眷属を連れて巨旦一族を疫病で滅ぼそうとしたとき、蘇民が「巨旦の家には私の娘がいるので、助けて欲しい」と願いでる。牛頭天王は、「蘇民将来(そみんしょうらい)の子孫と記した札と茅の輪を腰に下げておけば疫病から免れる」と告げて去っていった。そのため蘇民の娘は難を免れたという。

この伝承に基づき、祇園社などで配られるお札には「蘇民将来子孫之門」と書かれ、疫病退散のご利益があるとされている。神事として行われる茅の輪くぐり(夏越の祓えにて、茅で作った輪をくぐることで身のケガレを祓い清めて、無病息災を願う)も、この故事に由来する。(『決定版 知れば知るほど面白い!神道の本』三橋健著(西東社)P.185より引用、一部編集)

茅(ちがや)はイネ科の植物で、利尿消炎作用をもつ薬草です。先人の知恵ではないでしょうか。

午頭天皇=須佐之男命(すさのおのみこと)をご祭神とする八坂神社では、7月に祇園祭がおこなわれます。祇園祭は、疫病退散を願い、その原因と考えられていた恨みをもって死んだ人を祀る祇園御霊会(869年)が起源で、しだいに夏越の大祓と習合し、都市型の夏祭りとして定着しました。

水無月の 夏越しの祓ひ する人は 千歳のいのち 延ぶといふなり

京都など氷室の節句でいただく和菓子の「水無月」もその小豆の赤い色や三角の形に魔よけの意味があるそうです。

讃岐忌部氏の祖をお祀りする香川・忌部神社の宮司とお話。香川のお客様から話が広がる

先日、香川県三豊市豊中町に鎮座する忌部(いんべ)神社(ご祭神:手置帆負命)の宮司と電話でお話させていただきました。

香川のお客様から同神社の宮司を聞かれ、連絡先を調べてお伝えしたのですが、留守とのことで確認のため私が電話した次第(つながりました)。

せっかくですので気になること、ご祭神について、例大祭の日や内容について、他にみている神社があるかなどおたずねしました。

忌部神社(香川県三豊市豊中町)
忌部神社(香川県三豊市豊中町)

現在の宮司は30年ぐらい同神社をみているそうです。

讃岐忌部氏はかつてこの忌部神社の場所を拠点に西讃地方を開発していったとされており、讃岐忌部氏にとって原点です。

ご祭神は、手置帆負命(たおきほおいのみこと)で讃岐忌部氏の祖です。

例大祭は、10月の第2月曜日(スポーツの日、年によって日が変わる)におこなわれ、獅子が出る由。神輿は1基です。(宮司は他に宇賀神社もみておられ、こちらは神輿は豊受姫命と笠縫神の2基、太鼓台3台が氏子により奉納)

特におたずねしませんでしたが、社地の地名、「笠田竹田」は笠縫、また矛竿をつくる材料の竹にゆかりのある讃岐忌部氏を思わせる古い地名と思われます。

香川県高松市に在住し、さぬきいんべを創業した2010年。5月にこの忌部神社を筆頭に、讃岐忌部氏にまつわる史跡をのべ10数人で巡りました(忌部神社→御本祖古墳→宇賀神社→粟井神社→大水上神社→麻部神社→野田院古墳→大麻神社→磨臼山古墳→善通寺市立郷土館)。

当時、おお麻(ヘンプ)に着目していたため大麻山や大麻神社、麻部神社など特に注目していました。讃岐忌部と阿波忌部が協力して麻を植え讃岐平野を開拓(これが、さぬきいんべの名前の由来)しただけでなく、建築や矛竿、笠などをつくること、つまり神様にまつわる手仕事が讃岐忌部氏のお役目ではないでしょうか。

原点に帰る」まさしくそんな思いでこの記事を書かせていただきました。香川県ホームページにも讃岐忌部氏について書かれています。→[伝統文化]むかしむかし・・・春の讃岐路

※次は、善通寺市に鎮座する大麻神社の宮司の連絡先がわかりました。

 

 

全国の神社で奉納されている巫女舞(豊栄舞)体験のお知らせ(埼玉・飯能平松天神社より)

埼玉・飯能平松天神社の巫女舞体験のご案内です。

宮司の大谷由紀様は、東京・戸越八幡神社でも巫女舞の指導をしております(麻製品をご利用いただき、お世話になっております)。遠方のご案内で恐縮ですが、近郊で気になる方はお問合せされてみてはいかがでしょうか。(下記の電話番号に直接お問合せください)

※今回集まったのはすべて初心者とのこと。次回は7月1日(土)だそうです。

巫女舞体験のお知らせ 2023年6月3日(土)
年齢制限はございません。興味のある方、学びたい方、ちょっと気になる方、ぜひご参加くださいませ。
飯能平松天神社では、6/3(土)に月次祭と、お試しの巫女舞体験会を行います。初の試みでございますので、ゆるく行いたいと思います。


■体験内容
・参進
  巫女舞のときの歩き方をお伝えいたします。
・豊栄舞(1番のみ)
  全国の神社で奉奏されている豊栄舞を体験していただきます。
・巫女装束の着装
  サイズが合えば、実際に白衣・緋袴の着付けをいたします。

■参加費用
 1,000円(お試し価格)

■持ち物
 白足袋、または、白い靴下

■スケジュール
 6/3(土)
  13:00~ 月次祭
  13:30~16:00 巫女舞体験
 巫女舞体験のみの参加も歓迎です!!

■お申込み、お問い合わせ
 070-8409-3578
 ※お電話かショートメールにてご連絡ください。折り返しご連絡いたします。

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納。謡曲仕舞奉納家・一扇様

1月にご紹介した謡曲仕舞奉納家・一扇様

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納されていらっしゃいます。

4月2日は、京都市の水火天満宮様の櫻花祭にて、みろく涼香舞「草子洗」を奉納。仕舞と独吟の奉納があり、能楽師・ 井上貴美子先生、井上須美子先生も仕舞を奉納されたそうです。

境内はしだれ桜が見頃を迎えており、桜の花びらが舞うすばらしい舞台で奉納された由。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

 

4月18日は、亀岡市の出雲大神宮様の鎮花祭にて、みろく涼香舞「杜若(かきつばた)」のクセとキリ(※)をつづけて奉納。

※仕舞には大概、クセとキリがあり、クセは能の中で一番見せ所があるところで大体は弱い感じの舞 で、キリは能の最後の部分で強い感じの舞が多い。(南山大学観世会「能楽用語いろいろ」より)

旧暦3月は、花が舞い散るのに合わせて災いも飛散すると言い伝えがあり、疫病や厄災の終息を祈るこの祭りは平安時代の1025年からつづくとされているそうです。地元住民による京都府登録無形民俗文化財「出雲風流花踊り」のほか、巫女2人による浦安の舞も奉納された由。

一扇様はこの日、奉納する曲に合わせて前天冠に桜の花と杜若を飾っていらっしゃいました。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付き(草木染め版)をご活用いただいております。

いつか、みろく涼香舞を生で見たいと思っております。

巫女が舞や祭祀の際、手に持つ「採り物」とは。神楽鈴や鉾先鈴、檜扇など

お客様がある霊的な方から「何か道具を使って各地を祈る活動をされるだろう。鈴と出会うのでは?」と言われ、鈴を探しているとメッセージをくださいました。

そこで、採(と)り物についてまとめます。

巫女が舞や祭祀の際に持つものを採り物といいます。鈴もその1つです。

採り物は神楽における依り代としての役割があり、しばしば神の分身そのものとして扱われます。

宮廷での御神楽では、榊・幣(みてぐら)・杖・篠(ささ)・弓・剣・鉾・杓(ひさご)・葛の9種類を指します。

民間の神楽でもこれに準じ、鈴、扇、盆などを持つ場合もあります。

採り物は神楽の題材でもあり、採り物をはやすことで神霊の力を盛り立てます。

採り物として用いられるは柄のついた鈴で、形により神楽鈴、鉾先鈴などにわかれます。

神楽鈴はその名の通り、神楽を行う場合に楽器として用いつつ、五色の布(緒)が踊って視覚的にも鮮やかなものとなります。鉾先鈴は剣先舞鈴ともいわれ、神楽鈴に似たもので使い方も似ていますが、剣の先のような部分があります。

国産大麻(精麻)五色緒付きの神楽鈴
国産大麻(精麻)五色緒付きの神楽鈴

ちなみに今回のお客様いわく「これまでは心理士として心の浄化に意識がありましたが、楽器などを使い音からも整えることができるので、まずは自分自身を清め、場や周りの人たちを浄化することに使えたらいいかなぁと思います。」とのこと。

幣は「へい」「ぬさ」ともいわれ、神の依り代として多くの神社でお祓いの際に用いられます。

扇は、風を送って涼を得る道具ですが、ひらひらとした動きの美しさから「浦安の舞」など、舞の採り物として多用されます。公家風の檜扇が用いられます。

篠は、葉のついた笹や竹で、幣のように神霊を宿らせる他に、湯立神楽で熱湯を振りまくのにも用いられます。

 

 

・参考文献

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)

政府が掲げるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進にも寄与する産業用大麻の活用

本年度中にも国会に提出が検討されている大麻取締法改正案。

2月21日、国会の衆院予算委員会 第七分科会での質疑で、自民党・杉田水脈議員が次のように述べました。

つまり、産業用大麻はすでに存在するCO2を最も吸収する作物ということ。

 

3月16日には産業用大麻についての勉強会が東京都内で開かれ、産業用大麻の活用が、脱炭素化やエネルギーの安定供給に向けて政府が掲げるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進にも寄与することなどが報告されました。

※GX(グリーントランスフォーメーション)=化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと。

 

 

そして、4月15日に三重県明和町において神事用と産業用大麻の種蒔き神事と記念講演がおこなわれます。

詳しくは、 こちら。試験栽培の目的で、栽培予定面積は約60アール。神事での活用や麻布などの製品活用を目指す方向です。

 

個人的には明和町に鎮座する竹神社のご祭神が古語拾遺の天岩戸に登場する長白羽神(ながしらはのかみ)であることに注目します。

竹といえば、讃岐忌部であることもそうです(かつて竹の矛竿を朝廷に貢進していました)が、麻を植えて青和幣(あおにぎて)の祭具を調達した長白羽神は、伊勢国麻績(おみ)族の祖神です。麻績氏は麻をつむぎ伊勢神宮に神衣たる荒妙を奉る氏族でした。関係する神社に上記の竹神社のほか、式内社「麻績神社」(神麻績機殿神社)もあります。

この長白羽神は、麻をあつかう阿波忌部族の分派であり、四国・徳島県の旧麻植郡(吉野川市、美馬市の一部)に数多く祀られています。吉野川市山川町の忌部神社の摂社、若宮神社、種穂忌部神社の相殿等にもお祀りされており、「川田名跡志」には麻植郡の創始は、長白羽神が麻を植えさせたことにあると伝えられています。

 

 

・参考文献

産業用大麻、GXにも活用を 大学・企業関係者200人が勉強会(産経新聞)2023年3月16日

脱炭素社会の実現に向け産業用大麻を考える 都内で200人参加し勉強会(三重テレビ放送)2023年3月18日

神事用と産業用大麻の栽培へ 伊勢神宮ゆかりの国史跡 斎宮跡で来月種まき 三重・明和町(三重テレビ放送)2023年3月23日

「大麻栽培で町を活性化」産学連携で研究へ 神事や製品活用目指す(毎日新聞)2023年3月28日

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

国産大麻(精麻)草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴で「浦安の舞」を奉納

一昨年8月に国産大麻(精麻)草木染め五色緒付きの鉾先鈴での浦安の舞奉奏が実現したことをご紹介させていただきました。

その後、鉾先鈴あるいは神楽鈴が東京・戸越八幡神社様の月次祭等にて精麻の草木染め五色緒付きで奉奏されております。

なお、浦安の舞は前半が祝いの象徴である檜扇を持って舞う「扇の舞」。後半が鈴を手に舞う「鈴の舞」です。

事後報告になりますが、檜扇の紐も国産精麻の草木染めでとご提案したところ、2022年5月に完成しました。そして、同年7月同神社の月次祭にて国産精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴で浦安の舞が奉納されました。

 
 
 
 
 
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国産精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴(上の投稿写真)で舞われているのは大谷由紀様で、同神社の巫女舞のご指導もされている由。(本務は書かれているとおり埼玉県飯能市に鎮座する平松天神社様の宮司です)

大谷様は檜扇の紐(精麻の草木染め)について、次のようなご感想をお寄せくださいました。

予想とイメージを遥かに超える出来上がりで感動しました!!
なんだろう、コアとか魂の座からドキドキする高揚感のようなものと
崇高なものを目の前にしたときの有難さと感動、大事なものを大切にしたいという気持ちと、少しの畏怖をMIXしたような、今までに感じたことがない気持になりました。

なぜ、さぬきいんべで精麻の草木染めをと思ったのか、、もう8年前のことになりますが現在、神社仏閣用麻製品の染めは99%が化学染料と聞き、神様にお捧げするものは自然由来が一番と思ったからです。職人とたまたま話が進み最初は藍染めからはじまり、2020年に五行の五色(緑・黄・赤・きなり・紫)ができるようになりました。(いま、きなりを含め六色が可能です)

上の大谷様のご感想がその重要さを物語っているのではないかと思います。

巫女神楽は、シャーマニックな憑依降神のための祈念の舞と、神を喜ばせる祈願奉納の毎に大別できます。前者の憑依降神の舞は、神がかりを得るためにゆったりとした回転の舞からはじまり、回転によって巫女の心身を浄化した後、順回り、逆回りを繰り返し、神を降ろします。

その手に持つ採り物は鈴、扇、笹、竹、紙垂鉾、榊、幣など神の宿る依代です。この舞は託宣巫女の存在が男性支配者に疎まれ、古代神道が国家神道化するにつれて、廃れていきましたが、今でも巫女舞の中にその要素が残っています。

精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴を手にした浦安の舞はこの憑依降神のための祈念の舞をどこか彷彿とさせます。

 

 

・参考文献

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)

 

令和の新しい「能」としての「みろく涼香舞」が誕生、謡曲仕舞奉納家・一扇様

先日、うれしいご感想とお便りをお客様からいただきました。

この方は、観世流シテ方(梅若実玄祥家)緑幸会主宰 能楽師 井上和幸先生に師事、お能の曲を謡いながら舞う「みろく涼香舞(すずかまい)」を京都の神社やお寺などで奉納されていらっしゃいます。

みろく涼香舞」を検索しますと、謡曲仕舞奉納家・一扇(いちせん)様のブログに行きつき、その誕生の経緯を知ることになりました。それは“天からの授かりもの”とのこと。

なんと、2022年3月7日の「みろく涼香舞命名披露会」から前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きをお使いいただいている由。この前天冠は一昨年、こちらの記事に書いたように自分で作ろうとしたわけでなく、できあがってきたものですので、「みろく涼香舞」の誕生とシンクロしています。

誕生おめでとうございます。

また同年11月7日にプロフィール本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」宮西ナオ子著(シンシキ出版)が出版されていることを知り、その表紙にもこの前天冠をつけた写真が。

2022年11月に出版の本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」
2022年11月に出版の本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」

著者の宮西ナオ子氏は女流能の研究家で能楽博士です。(2013年に東久邇宮文化褒章受章)

現代を躍進する謡曲仕舞奉納家 一扇

2009年より、能の仕舞を謡いながら舞う

「謡曲仕舞」という新しい舞を始めた一扇。

 

彼女が生み出した

令和の新しい『能』としての「みろく涼香舞」

伝統常識を超えた先に目指す未来とは・・・

 

祝福、人類の幸福、世界平和、

和の精神の継承を祈る想いが

今ここに綴られる。

 

もともと能は、神を招き、神にみていただく素朴な舞がその源流の1つになっています。

直近のイベントで「みろく涼香舞」の奉納前に神楽鈴・国産精麻五色緒付きを振る写真を送ってくださいました。前天冠の五色房と五色緒(どちらも草木染め)が合い、美しいです。

イベントで神楽鈴・国産精麻五色緒付きを振る一扇様
イベントで神楽鈴・国産精麻五色緒付きを振る一扇様

なお、一扇(いちせん)という名前はご本名だそうです。

ご縁をありがとうございます。今後のご活躍をお祈りいたします。一扇様の舞を見たり本を読んだりして、世界無形文化遺産である能楽という世界を垣間見る方も増えるといいなと思います。

※2023年1月15日更新の謡曲仕舞奉納家・一扇様のブログ「和み文化の風の声」で当記事をご紹介いただきました。

神様を大切にする生活を。神棚に毎日お供えする神饌は米・塩・水

神棚をお祀りし、神々のお守りをいただき明るい健全な生活をしませんか。下記に一般的なことを挙げますので参考にしてください。

神棚には毎朝、米・塩・水をお供えします。米と塩はお皿に盛り、水はその日の初水を水玉という器に入れお供えします。(三方や折敷に載せてお供えする場合は、三方や折敷の縁にとじ目がある方を手前にしてお供えします)

氏神様のお祭りや家庭内のお祝いごとなどの時には、お酒や尾頭付きの魚、野菜、果物、また四季の初ものやいただきものなどをお供えします。神社と同じように毎月、月次祭をするといいでしょう。

 

神前の飾り物の1つが、しめ縄です。しめ縄は一番手前の上方に設置します。しめ縄は太い方が向かって右側になります。(しめ縄は神棚と外を隔てて、不浄に触れさせないために設置)

神拝は朝拝と夕拝があります。朝拝は朝早く起きて、顔を洗い、朝拝、夕拝も口をすすいで心身を清めてから神棚に向かいます。今日までの無事を感謝して、また今日一日の無事をお祈りします。

 

お神札の神座の順位は、横に並べておまつりする場合には神棚の中央を最上位とし、次に向かって右側、その次が左側となります。したがって、中央に神宮大麻をまつり、向かって右側に氏神様、左側にその他の崇敬する神社のお札をおまつりします。

重ねておまつりする場合には、一番手前を最上位としますので、神宮大麻を一番手前におまつりし、そのうしろに氏神様、次にその他の崇敬する神社のお札を重ねておまつりします。

古いお札や神棚は、年が明けておこなわれるどんど焼き(左義長)の神事のときに感謝とともに焼納していただきます。

 

ぜったいにこうでなければならないというものではありません。常に清らかに保ち、おまつりすることが大切と思います。