国産精麻の五色緒サンプルができました(貸し出しできます)

このほどお客様のご依頼により、極上国産精麻の五色緒のサンプルができました。

1つは草木染め、もう1つは化学染料によるもの。五色緒に近い形でできております。長さは5尺(約150センチ)です。

国産精麻五色緒の感触、草木染めと化学染料の染色のちがいなどを確認したいということで、上記のサンプルを作らせていただきました。

何度もお伝えしていますように神社仏閣用の麻製品の染色は、現在99%以上が化学染料によります。化学染料の染色と草木染めの染色の比較にもお役に立つと思います。

実物を目で見て確かめたい、触れてみたいという方は仰ってくだされば貸し出しいたします。(ただし、貸し出し中の場合はお待ちいただく場合があります)

お問合せ先メールアドレス:info☆sanuki-imbe.com(☆を@に変えてください)

タイトルを「五色緒サンプル」でお願いいたします。

よろしくお願い申し上げます。

国産大麻(精麻)しめ縄&ミドル鈴緒で清々しい新年を!早期ご予約案内

本年もあと3ヶ月になりました。しめ縄&ミドル鈴緒の早期ご予約の受付を開始いたしました。

今年はしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》に紙垂付きが加わりました。(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)

特典として、極上国産精麻1本、とあわせまして四国の麻栽培復活を願うキャンペーンの「あわむすび」(なくなり次第終了)をプレゼントさせていただきます。※先にご予約いただいている方もプレゼント対象になります。

お届けは2020年12月20日頃から順次発送予定です。日時指定も承ります。

また、こんなのしめ縄または鈴緒ができないかというご要望も歓迎です。※現在のところ、webページでご紹介しているものでは紙垂付きが人気、それ以外では神居和かざり《きなり》の前垂れ無し、大根型しめ縄の長さ3尺等のご予約をいただいております。他にも鼓胴型しめ縄、井戸用のしめ縄のご注文をいただきました。ありがとうございます! (こちらの麻縄に紙垂をつけるのもおすすめです)11月20日追記

しめ縄&ミドル鈴緒の早期ご予約専用ページ 早期ご予約受付を終了いたしました。多数のご予約ありがとうございました!

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

日本の文化、はるか縄文の昔から大切に、また地名や人名にも使用されてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄、ミドル鈴緒で清々しい新年を迎えましょう。

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

国産精麻五色垂れの付いた真榊が完成

このたび、国産精麻五色垂れの付いた真榊(まさかき)が完成いたしました。

真榊とは、ご神前や神棚にお祀りされる一般には青(緑)・黄・赤・白・黒(紫)の五色絹布のついた幟(のぼり)の先端に榊を立て、それに三種の神器を掛けた一対の神具です。

平安時代に編纂された古語拾遺に「天香山(あめのかぐやま)の五百箇(いおつ)の真賢木(まさかき)」の記述があり、淵源とされます。(日本書紀にも記述があります)

5月に国産精麻の草木染め五色緒がついた神楽鈴が完成したことで、それを見られたお客様が草木染め精麻の真榊ができたらとご注文いただきました。

今回は既製の真榊(木曽ヒノキ製の台と幟)の五色絹布を五色の草木染め精麻に付け替えさせていただくことに。

精麻の垂れは、職人が技でうまく調整し自然な形にできあがったと思います。なお、真榊の高さは8寸(約24センチ)でご自宅の神棚用です。

真榊(国産精麻草木染めの五色垂れ付き)
国産精麻五色垂れ(草木染め)の付いた真榊

お客様は以前、神道学部のある大学にて1日単発の講座を受講されたことがあり、そこでじっくり祭壇や真榊、四神旗、神具などを見ることができた由。そのとき真榊の五色の美しさに感動したとのことで、それが真榊との“出会い”だったそうです。

完成した真榊を見られたお客様いわく、「もう、もうこれは感謝としか言いようがございません。(1日に神棚にお祀りし)絹の五色布も華やかでそれはそれで良いと思いますが、自然な色合いに私はホッとしています。」

あとで真榊が飾られた神棚の写真を送ってくださいました。神棚とバランスよく彩りも加わりより神聖な感じになっていると思いました(写真は公開NGとのこと)。

私は今回この真榊(神具)をつくるにあたりましてさまざまな神様がご活躍されていることにあらためて思いを向けることになりました。〔たとえば、石凝姥神(いしこりどめのかみ)は鏡を、長白羽神(ながしらはのかみ)は麻から青和幣を。※和幣(にぎて、神の心をなごませる材料)〕

 

 

・参考文献

「古語拾遺」斎部広成撰、西宮一民校注(岩波書店)

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

神社・お寺へ物品を奉納するには

神社、お寺に奉納したいけど、どうしたらいいのかわからない方へ、一般的な方法を下記にまとめます。

1.まず社務所(寺務所)へ行く

社務所とは神社の事務を取り扱う場所です(お寺の場合は寺務所でお寺の事務をおこなっている場所)。境内にあり、神社の場合は巫女さん等、お寺の場合はお寺の関係者が待機しています。

2.奉納したい旨を伝える

そこで「○○を奉納したいのですが」と伝えると、上の方が出てこられると思います。打合せ、その方の指示にしたがいましょう。

3.奉納するもの(何を奉納するか?)

お金

しめ縄、鈴緒、鰐口紐、鐘つき紐、精麻などの神具・仏具。

お酒など

ただし奉納を断られる場合もあります。(たとえば、鈴緒を奉納したい場合に前に奉納された鈴緒がまだ新しい場合など)

4.奉納

神社の場合は御初穂料をお供えし、昇段参拝させていただくのも神様へのご報告となりいいと思います。

 

神具・仏具は高価なものになりますので、思いますのは麻(精麻)そのものを奉納してはいかがでしょうか(1キロと言わず数百グラムでも)。またはできる範囲のお金の寄付など、要は奉納とは「その方の気持ち」だと思います。

鈴緒、鰐口紐(鐘緒)の取扱いも開始いたしました。こちらもご検討ください。2022.2.9追記

個人で、ご夫婦で、またご家族、グループ、団体などでいいご奉納となり、見守ってくださっている神様・仏様にお喜びいただけますように。(願わくば、個人もよし、麻農家もよし、職人もよしというような「三方よし」のご奉納になれば幸いです)

紙垂の作り方と、しめ縄へのつけ方

お客様よりしめ縄の紙垂(しで)の作り方と、つけ方をわかるようにしてほしいとご要望をいただきました。

さまざまな形式、流派がありますが、一般的なものをご説明いたします。しめ縄には普通2枚重ね四垂の紙垂を4つ挟み垂らします。

1.紙垂の作り方(例)

(1)半紙(もしくは適宜の和紙)を半分に折ります。

※下記の牛蒡型太さ1寸(約3センチ)×長さ2.5尺(約75センチ)のしめ縄では、半分に折った状態で高さ12センチ、幅8.4センチ(大きさ参考)。

紙垂の作り方1

(2)下図のように四等分の位置に切り込みを3つ入れます。(切り込む長さは高さの3分の2)紙垂の作り方2

(3)左端の一辺を指で押さえて残りの三辺を順に手前に折り返して完成です。紙垂の作り方3

2.紙垂のしめ縄へのつけ方(例)

(1)紙垂を付けたい箇所のしめ縄の撚りを平たいヘラ状のものを用いて戻し(逆にねじるとすき間ができる)、そこに紙垂を差し込みます。

※撚りが固く紙垂が差し込みづらい場合は、紙垂の上辺にキリ状のもので小さい穴を開け、適量の精麻を用いて(短冊のように)しめ縄に結びつける方法もあります。

紙垂に穴をあけ、精麻を用いて取り付ける例
紙垂に穴をあけ、精麻を用いて取り付けた例(写真は神居 和かざり紙垂付きAタイプ)

(2)位置が均等になるように紙垂をそれぞれ垂らします。(位置は寸法を測るより見た目であわせた方がいいです)

(3)完成

牛蒡型しめ縄(紙垂付き)

※写真は国産大麻(精麻)・牛蒡型太さ1寸×長さ2.5尺、つけやすくするため紙垂の上辺(長手方向)を半分に折っています。(上辺を適宜折って長さを調節)

参考になりましたら幸いです。(うまくできない場合は職人にお任せください。紙垂付きのしめ縄もご注文いただけるようになりました)

 

紙垂は、古事記の天岩屋戸の条で、「天香山の五百津真賢木(いおつまさかき)を根こじにこじて、上枝に八尺勾玉之五百津之御須麻流之玉(やさかのまがたまのいおつのみすまるのたま)を取り繋け、中枝に八咫鏡(やたのかがみ)を取り繋け、下枝に白丹寸手〔しらにぎて、木綿(ゆう)のこと〕、青丹寸手(あおにぎて、大麻布のこと)を取り垂でて、」(木綿と大麻はケガレを祓う用途は同じ)とある記述に由来します。

古くは木綿垂(ゆうしで)などといい、木綿〔穀(かぢ)または楮の皮をはいでその繊維を蒸し、水に浸して細かく裂いて糸としたもの〕が使用されました。

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀(まつり)事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

「日本の建国と阿波忌部」林博章著(林博章)

サステナブルへ。草木染め標準化プロジェクト

2月に書いた記事。ここから一歩踏み出し、「草木染め標準化プロジェクト」を開始いたしました。

世の中のさまざまなサステナブル(持続可能)な社会へ向けた取り組みのように、神様仏様へお捧げするものを自然の循環型へ、化学染料から草木染めに。

私は京都の麻縄職人、山川さんから最初、国産精麻を化学染料で染色するとお聞きし違和感を持っておりました。(貴重な自然素材を循環型でない染料で染める、、早く安くということでこれは長いこと神社仏閣用の慣習になっていたようです。神社仏閣用がそうであるならと正直、それにならっているところがございました)

たとえば神社の拝殿に吊されている鈴緒とか、お寺の場合は鰐口(わにぐち)という鐘のようなものをカンカンと鳴らす鰐口紐といいますが色のつけられたものがございます。

神様(仏様)に捧げるものですので自然素材で循環型のものが本来ではと思います。

2015年春に山川さんを訪問、京都・祇園祭における国産精麻の藍染めの話をうかがってから試し染めしはじめその後、神居 和かざりの藍染め版を製品化。

次に2017年初頭に四国霊場22番札所・平等寺の山門にしめ縄を設置、国産精麻を草木染めした五色の下垂れをつけた話をうかがいこのとき製品化の話はしたものの答えは「No」、しかし昨年8月に京都へおもむき山川さんと話をしたことで藍染めおよび草木染めの話が進んで、本年より国産精麻を草木染めで染色した製品が可能になりました。

待望の草木染め(五色)ができるようになった記念としての先般の神楽鈴(巫女鈴)・国産精麻五色緒付きの名前募集でした。(考案者の方への賞品の神楽鈴、その方が五色緒が草木染め版を選ばれましたのでこのほど草木染め版が誕生いたしました)

できることからはじめませんか?

天然染料を使うことで排水された染料は生分解されるので河川を汚染することはなく、石油系の染料や顔料の場合、身体によくないものがほとんどです。

 

《化学染料の特長》

安定している、安価である、長期保存できる、色が強い。

《天然染料の特長》

・安全性が高い、環境にやさしい、中間色や微妙なニュアンスの色の堅牢度が高い、薬効がある。

上記の特長はこちらの記事から抜粋しまとめたものですが、化学染料は人間目線なんですね。地球とともに生きていく、環境のことを考えると天然染料に軍配があがります。天然染料から得られるものは色だけでなく、薬効もございます。

業界の標準化は時間がかかると思いますが、少しずつ賛同する人が増え私たちの生活と地球環境が守られ後世に受け継がれますように。

きょう4月22日は地球環境について考える日、アースデイです。(香川県の標高422mの山、讃岐富士の日でもあります)

よろしくお願いいたします。

梅、桜、藤、桔梗、菊、紅葉。日本人は四季それぞれに移り変わる山野の植物の姿を鑑賞して楽しみ、詩や歌に詠んでその心を表わすとともに、自らの衣裳にもこうした美しい色彩を染めて楽しんできた。これが日本の伝統色である。花や樹の色を美しく染め上げるため、植物の花、葉、樹、根などのどこかに潜んでいる色素を採り出して染めてきたのである。

今からおよそ150年前、19世紀の中葉、ヨーロッパを中心に吹き荒れた産業革命の嵐は、それまでの職人衆が自らの肉体とわずかな道具を使って行なっていた仕事を、機械へと変えてしまった。染色では、それまでは植物から色を採っていたのに、石炭のコールタールから、化学的に合成する染料を発明したのである。

日本には明治時代の中頃、文明開化の名のもとにヨーロッパの産業革命の成果が怒濤のように押し寄せてきた。京の堀川の近くに軒を連ねていた染屋も同じで、またたくまに、スプーン一杯の粉で便利に染まる化学染料に変わってしまった。

日本人が飛鳥・天平の昔から江戸時代の終わりまで育んできた、日本の伝統色は失われたのである。〔『自然の色を染める』吉岡幸雄・福田伝士監修(紫紅社)吉岡氏による“はじめに”冒頭より〕

 

※「草木染め標準化プロジェクト」のリンク先のうち、宮崎朝子氏(天の川工房)の製品は神社仏閣用ではなく、また国産の麻糸(手織りの場合)、生地を用いてはいませんが、自然順応の心で作っていると思われますので本プロジェクトに加えたことをお断りいたします。草木染めの標準化が衣料にも波及していきますように。

神楽鈴(巫女鈴)・国産精麻五色緒付きの名前公募の結果

神楽鈴(巫女鈴)国産精麻五色緒付きの名前募集、ご応募ありがとうございました。考えていただいた方、応募に至らなかった方にも感謝いたします。

選考の結果、「玉翠(ぎょくすい)(TM)」に決定いたしました。

「貴重な国産麻を使い、すべてを清め祓うような格調高い音色、
宝石のように玉なり鈴なりに連なる鈴の高貴さと巫女舞を舞う巫女の美しさ、
それにともない流れる神楽鈴の美しい緒をイメージした造語」とのことです。

たまみどり等ほかの読み方も考えた結果、邪を祓い氣が引き締まるような鈴の音をイメージしこの名前を選んだそうで、高貴な感じと、巫女と緒の美しさが目に浮かんでくるような気がします。

今後、神具名として使わせていただきます。古事記では、天鈿女命(あめのうずめのみこと)の舞で世界が再び陽の光に包まれ、人々が安寧に暮らせるようになったと記されています。

今後とも「玉翠」をよろしくお願い申し上げます。

 

※6月23日追記

玉翠が6月吉日、東京で巫女教室等をされています「翡翠の巫女」様にご奉納されました。経緯、その意味合いなどを丁寧にご紹介くださっております。→神楽鈴「玉翠(ぎょくすい)」をご奉納いただきました。(「翡翠の巫女」様ブログ)

※7月3日追記

神社仏閣用の麻製品の染色は99%以上が化学染料によると聞いております。今回、国産精麻の草木染めによる染色の製品ができ、しかもご奉納されたことはとてもうれしいことです。翡翠の巫女様の松井久子神職は“鈴祓い”に使わせていただくと言われていました。

2年前、BS11で放送された「フランス人がときめいた日本の美術館」、第2回MIHO MUSEUM(滋賀県)の回で案内をしていた学芸員が「古代の美術品が繊細で美しいのは神に願いをお聞き届けするにはとそれだけの思い、手間をかけてつくっているから」というようなことを仰っていました。要は、思いがちがうと。

高価なものを、そういうことではなく誠(真心)が神様に通じるのではないでしょうか?

神様にお捧げする神具類(麻製品)がこの方向に行く試金石になりましたら幸いです。

神楽鈴(巫女鈴)・国産精麻五色緒付きの名前募集のお知らせ

先月こんな記事を書きました。

本年よりやっと精麻の藍染め以外の草木染めによる製品ができるようになり
ました。第1弾は神楽鈴(巫女鈴)・国産精麻五色緒付き、五色の緒が草木染め版です。

これを記念して、下記の神楽鈴のネーミング(名前)を皆さまより募集させて
いただきます。(会員以外の方にも告知いたします)

ふさわしいネーミングをお考えいただけませんか?

https://www.sanuki-imbe.com/SHOP/HG1410013.html

京都の錺(かざり)金具師と麻縄職人から生まれた、他にない古くて新しい神具。〔一般に存在しているのは化学繊維か絹製の五色緒です。「古語拾遺」という書物に天の岩屋戸にお隠れになった天照大御神(あまてらすおおみかみ)の心をひくために天鈿女命(あめのうずめのみこと)が鈴をつけた矛を持って舞ったことが記されこれが巫女舞の起源とされていますが、この矛には精麻がついていたかもしれないです〕

採用された方には、同じ神楽鈴をお1つプレゼントさせていただきます。
ふるってご応募ください♪

募集期間:2020年3月31日(火)まで。

募集を締め切らせていただきました。ご応募ありがとうございました。

応募方法:メールにて、この神楽鈴にふさわしい名前と、その名前を選んだ理
由をお送りください。メールのタイトルを「神楽鈴のネーミング」でお願いいたします。

送付先メールアドレス:info☆sanuki-imbe.com(☆を@に変えてください)

賞品および発表:採用された方には、上記の神楽鈴(従来版、または草木染め
版のいずれか)を1つプレゼントいたします。
また、今後商品名(神具名)として使わせていただきます。

神棚のお掃除について

神棚のお掃除していますか?

昨年末、目に留まった記事がこちら。

maco流☆神棚のお掃除☆

基本は抑えていると思います。

神様へのごあいさつ(「おことわけ」という)をしてはじめ、終わったら神様へ再びごあいさつをする、順序は上から下へ、神具、掃除の道具は下に置かない、この方は息がかからないように口に新しい榊の葉っぱを加えていらっしゃいますが、マスク(髪の毛が落ちないように頭巾も)でいいと思います。

何にしても清浄であることが大事ですので、気になるようでしたら年末に限らず都度されたらいいのではないでしょうか。

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

【復習】神棚のまつり方

愛媛民芸館で開催中の「子の干支展と正月飾り展」を見てきました。2020年の干支、ねずみの郷土玩具のほか、しめ飾り、紙垂、お神楽に使われる切り絵、ミキノクチ(神酒口)など新年らしい神様を感じる展示でした(この展示は2020年1月31日まで)。

さて、新しい神棚で新しい年を迎える方もいらっしゃるのではないかと思います。暮れまでには新しいお神礼を受けて輝かしい新年を迎えましょう。

復習がてら下記に書きました。

○神棚の場所

南または東向きの明るい所で、目線より上の位置に取り付けます。(ただ、単に条件に合った場所に設置すればよいというわけでなく、一番大切なのは神様を大切に思う心、日々の暮らしに感謝する心ではないかと思います)

神棚は、社殿の造りをした伝統的な宮形の他、壁掛け式や洋室向けなど種類がありますので環境に合ったものをお選びください。

○お神札のまつり方

中央に神宮大麻、向かって右側に氏神様、左側に崇敬神社(地元の氏神様以外に信仰する神社)のお神札を、重ねておまつりする場合は、神宮大麻を一番手前に、そのうしろに氏神様、次に崇敬神社のお神札をおまつりします。

もし神棚がなければ、タンスや戸棚の上をきれいにしてまつってもいいです。

○お供えするもの

毎日お供えするものは米、塩、水が一般的です。氏神様のお祭りなどの時にはお酒や尾頭付きの魚、野菜、果物、また四季の初物やいただきものなどをお供えします。

ちなみに、神棚と外を隔てるためにしめ縄を一番手前の上方に設置するのがおすすめです。

○神拝のしかた

神社の参拝と同じように、二拝二拍手一拝(神前で二度拝礼して二度拍手を打ち、さらに一度拝礼)をおこないます。

 

絶対にこうでなければならないというものではありません。例えば、ある家ではお神札が氏神様だけとか、お供えは水だけの場合もあると思います。人によっては鈴緒を設置したり、祓串でお祓いする方もいらっしゃると思います。ただ、神棚は家の中でもっとも神聖な場所ですから、清潔にし心をこめておまつりします。

ご家庭によっては恵比須様、大黒様、荒神様、田の神様、歳徳神様などもおまつりする方もいらっしゃると思いますが上述に準じます。

自分んちの神棚が普通と思っているかもしれませんが、他の家の神棚を見るとこんなおまつりのしかた方が!という風になるかと思います(今までいろいろみてきた中での想像)。あるお客様にたずねてみると、小さな鳥居に国産精麻のしめ縄をつけて神棚風に祭壇をおまつりしているとのことです。奉斎の際に神社の神主さんをお呼びするからと、それに間に合うようにしめ縄をと注文いただいたこともあります。

出向いていろいろな神棚を見てみてみたいです。(^^)

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

「氏神さまと神宮大麻」(神社本庁発行)