10周年を迎えて新たなスタートを

2020年1月4日で、さぬきいんべは10周年を迎えました。

10年か、、1月はその余韻にひたっていたようなところがあります。10年前に思いをはせたり、これまでにあったこと、人との出会いなどを思ったり、その中で新しいことを考えたり、、

いまの思いを書いてみます。

さぬきいんべは10年前の2010年1月4日にこちらに書いていますような経緯で大麻文化の復興にお役に立ちたいと思い、いわゆる“お金なしコネなし経験なし”から香川県商工会の創業塾、下記のH社でのインターンシップを経て香川県高松市で創業いたしました。創業前から注文をいただきいいスタートに見えましたが半年余りで活動中止へ。同年8月に実家のある愛媛県西条市にUターンしそのまま辞めてしまうことも考えました。しかし周りの後押しもあって翌年6月に活動再開、現在に至っております。

最初は今は製造中止になっていますがH社が開発した工房織座(今治市)製のヘンプ衣料をOEM供給を受け、さぬきいんべ(TM)ブランドでの販売を中心にしておりました。

H社は2014年に事業停止、それと前後して京都の麻縄職人(株式会社山川)を紹介いただき、神社の鈴緒をミニチュア化したミニ鈴緒を皮切りに今までさまざまな製品を取扱い好評を得てまいりました。

一番うれしかったのは、2016年に山川の製品を結婚式の引き出物等に選んでいただいたことです。引き出物の1つとして叶結びアクセサリーが贈られたり、披露宴にてプリザーブドフラワーでおめかししたしめ縄(神居和かざり《朱》)が飾られたりご両家に記念品として神居和かざり《朱》が贈られたとのことでとても感動しました。(お客様より式の模様の写真をあとで見せていただき、和にこだわられている様子にとても感激いたしました)

結婚式で使われた神居和かざり《朱》
結婚式で使われた神居和かざり《朱》
(同)結婚式で使われた神居和かざり《朱》、ご両親に記念品として
(同)結婚式で使われた神居和かざり《朱》、ご両親に記念品として

最初は意識していませんでしたが年々手仕事、職人と縁が増えていき、株式会社山川との出会いで自分のルーツが職人なんだと思いました。それがはっきりわかった後、建具職人だった父が2015年春に亡くなったのも不思議なめぐり合わせだったと思います。

今後もより一層研鑽を積み世に無い製品、特に手仕事のものを出していきたい、さらなるサービス向上に努めたいと思っております。そして、ある時気づくと「初心」が叶っていたが理想です。〔目標としては1939(昭和14)年の栽培面積、特に四国。「大麻という農作物」(大麻博物館著)によると四国は愛媛7.5ha、高知7.1ha、香川0.1ha(徳島はデータなし)、他の地域では例えば、栃木4158.2ha、長野1013.3ha、広島688.5ha、北海道112.9haなど〕

よろしくお願いいたします。

PS 2020年庚子(かのえね)の年は、アップデート、更新といった意味があるのをあとで知りました。

 

 

・参考文献

「大麻という農作物」大麻博物館著(大麻博物館)

四国霊場22番札所・平等寺で初会式(麻レポート)

1月19日、徳島県阿南市の四国霊場22番札所・平等寺の初会式に行ってきました。

山門にかけられた国産精麻のしめ縄を見に行ったのが2016年3月(こちらの記事)。以来、4年ぶり。

本堂での晋山式法会
本堂での晋山式法会〔左に新品の鰐(わに)口紐、住職の左肩には修多羅〕

この日は本堂で晋山式(新住職就任)法会も行われ、それに参列させていただきました。仏教は詳しくないのであれですが椅子席には「先達」の方がずらっと並ばれているようでした。

初会式に合わせて本堂の鰐口紐2本、鐘楼の鐘突き紐(いずれも国産精麻製)が新しく付けられていて文字通り新品でした。

この初会式は、谷口真梁(しんりょう)住職が副住職だった頃に大勢の稚児や参拝客であふれかえった昭和初期の初会式の写真を見て感動し、2016年に再興。今回が再興5回目。門前や境内では仮装マルシェ、太師堂横のステージで太鼓、阿波踊り、ヴァイオリンコンサート、そして餅投げ(3回!)もあり多くの人でにぎわっていました。

太師堂横のステージで太鼓演奏中
太師堂横のステージで太鼓演奏中

そう、このステージで五色の綱引き大会もあって、この綱がまた麻製なんです。

住職の左肩にかかっていた立派な修多羅(国産精麻製)も遠目に見させていただきました。

さぬきいんべに至る前、私は弘法大師・空海の足跡を追いかけていたことを思い出します。御厨人窟、出釈迦寺(我拝師山)、焼山寺(焼山寺山)、太龍寺、大滝山、高越山、高野山、、

平等寺は空海が開いたお寺で、「弘法の霊水」(井戸)もあり、ご本尊の薬師如来は空海の御作(秘仏)です。さぬきいんべは1月4日に10周年を迎えましたが、再び訪れて今までのことを思いかえし、ご縁をあらためて感じました。

麻というと神社ばかりでなくお寺でも麻が使われています。鰐口(下から見て鰐が口を開けたように見えることからこう呼ばれる)は参拝者が綱を振って打ち鳴らすことで神仏に来意を伝えます。お寺にお参りした際、見てみてください。

 

 

・参考文献

徳島新聞「徳島・阿南市の22番札所・平等寺 50年ぶり初会式」

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと

ホームセンターで「新しい神棚で新年を」というポップとともに神棚関係の棚を見かけました。最近は今風の神棚(壁掛け式)があるんですね。

古い家だと伝統的な神棚が合うでしょうけど、洋間の多い現代の家なら今風に作られたものが合うと思います。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えしておきます。

まず第一に、毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年はご希望の方に年内にきちんと届くようにということで、国産大麻(精麻)しめ縄&鈴緒年内お届けご予約ページを開設しております。

例年ですと12月初旬までにご予約いただければ年内のお届けが可能です。(諸般の都合その他の事情によりご予約締め切りの時期が早まる場合があります。その際はご容赦ください)上記のご予約は終了しました。年内お届けできるのは在庫の数量だけです。ご了承ください。(12月11日追記)

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人の手仕事でできたしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数〕。

ちなみにしめ縄、鈴緒を民芸とみるなら、使っていく中での素材の変化にも目を向けて楽しんで、あるいは使用後はお焚き上げせずに大切にしまっておくのもありかもしれません。濱田庄司氏(1894~1978年)はよく「作ったところで半分だ。そこから先は使い手が作る。だから、使うことも創作だ。」と話しておられたようです。例えば新しい青い竹かごが使っているうちにアメ色になるとかありますが、そのへんの判断は各自にお任せいたします。

もし、迷うようなことがありましたら、心の声を聞いてみるといいと思います。心がイエスと言った方、心が明るくなった方、心が軽くなった方を選ぶのをおすすめします。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう!

そう、年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。いい年末年始を迎えるために気をつけたらと思うことを書いてみました。

今年も1年間ありがとうございました~年末感謝祭2019

年末感謝祭2019

来年のエネルギーが世の中に入ってきて予兆を感じる頃になってきた感があります。

今年も年末感謝祭を1年間の感謝を込めてさせていただきます。

お買い上げいただいたお客様全員に、日本各地をひらいた阿波忌部についてのカラーパンフレットをプレゼント中です(お一人様1部限り、2019年12月31日まで)。

今年は元号が令和となり、ご存じの通り、新天皇即位にともなう大嘗祭(11月14~15日)に大麻の織物、麁服(あらたえ)が阿波忌部の直系である三木家(当主・三木信夫さん)より調進、愛知県豊田市で作られた絹織物「繪服(にぎたえ)」とともに供えられました。

阿波忌部のことがわかりやすくまとめられたA4全10ページのカラーパンフレットです。日本の原点を見つめ未来を創る、そういう時期にふさわしい内容と思います。(個人的にはP8の忌部の精神がおすすめ、これは2013年に今治市であった三木さんの講演の際にも拝聴した覚え)

ぜひ楽しみにお待ちください。(^^)/

京都・山川製。国産大麻(精麻)より紐、より縄に藍染め、草木染めも追加

この度、極上国産精麻のより紐、より縄(大麻紐、大麻縄)の取扱いを開始いたしました。

職人の手仕事による国産精麻のより紐(縄)。
職人の手仕事による極上国産精麻のより紐。写真は太さ5ミリ。

しめ縄や鈴緒など神社仏閣用麻製品を調製する京都・山川の職人の手仕事による麻ヒモ、麻縄を「リーズナブルにできる限り早く」が狙いです。

神事、祭礼用はもちろん、結界、手芸・アクセサリー作りにお役立てくださればと思います。

太さは2ミリから可能で現在、2ミリ、3ミリ、5ミリ、6ミリ、8ミリ、10ミリ、15ミリのご注文をお請けしておりますが、ミリ単位で製作でき、その他の太さも製作可能です(お問合せいただければお見積させていただきます)。ほつれ止めのための端部の処理もやっこ結び、木工用ボンド止めなどお選びいただけます。

きなり太さ2ミリ(上)と3ミリ。端部の処理はやっこ結び。
きなり太さ2ミリ(上)と3ミリ。端部の処理はやっこ結び。

ちなみに、令和の大嘗祭にむけて麻の織物、麁服を織るための麻糸を紡いだ徳島県の三ツ木八幡神社の拝殿の中には紙垂のついた精麻のしめ縄が四方に張られていました。紡女(巫女)が麻糸を紡ぐ「初紡式(はつつむぎしき)」の様子を新聞記事、ニュースなどでご覧になったかもしれません。こちらのしめ縄は6ミリ径です。

麻縄のしめ縄
(用途例)しめ縄。写真は20ミリ径。(麻の垂れ、紙垂もお付けできます)

藍染めもできます。茜染めなど草木染めのより紐、より縄も承ります。現在、可能な染めは紺色(藍染め)、赤色(茜染め)、緑色(藍+ざくろ染め)、黄色(ざくろ染め)、紫色(藍+茜染め)の五色で、すべて先染めの精麻で製作しております。

藍染めのより紐。太さ5ミリ径。
こちらは藍染めのより紐。太さ5ミリ。

麻ヒモ、麻縄の用途例:紙垂をつけてしめ縄。拍子木同士を結ぶ縄、各種祭礼用、添棒縄、結界、手綱や命綱、凧糸に。ペンダント(ネックレス)のヒモ、バッグの取っ手ヒモ、手芸用、オリジナルアクセサリーの製作に。

草木染め二色の麻ヒモも可能に。(写真は藍・ざくろ染め)4ミリ径以下。
草木染め二色のより紐も可能に。(写真は藍・ざくろ染め太さ2ミリ)4ミリ径以下。

 

草木染め三色と五色のより紐も。(5ミリ径以上から)
草木染め三色と五色のより紐も。(5ミリ径以上から)

しめ縄(紙垂をお付けすることも可能)はもちろん、ネックレス、ブレスレット用、オリジナル作品づくり、ジュエリーなどとしてご活用いただいております。

むすぶ・たばねる・つるす・まく・かける・つなぐ・しばる・いろどる、麻縄職人による極上国産精麻を用いた一級の手仕事のより紐、より縄をさまざまな用途にご活用いただければ幸いです。

※伊勢宮忠も同じ職人、極上国産精麻によるより紐を取り扱っています。

国産大麻(精麻)・祓串のネーミング公募の結果

国産大麻(精麻)・祓串(幣)を取扱いはじめて1年過ぎ、麻の祭祀特集と連動して会員の方よりこのたびネーミング(名前)を募集させていただきました。

名前を公募させていただくのは神居和かざりにはじまりこれで4つ目です。

 

さて、今回応募いただいた中から選考の結果、「たまきよら(TM)」に決定しました。

応募いただいた方いわく、直感ですぐ思い浮かんだそうです。「たま」は魂、御霊(みたま)、地球をも意味し、祓い清める、、

ちなみに日本語の「ら」は語頭にこない場合、垂直形状、現れるといった概念を表します。例:はしら、やぐら、へら

言霊で祓串の用途役割を表していると思い、すばらしい直感だと思いました。(思いませんか?)

また、たまきよら(TM)の説明として、「一個人の祓いはもとより、その祖霊、その方がおられる場、そこにおわします産土神、更には地球のコア(マントル)、そういう全てに繋がって、広く世の中を祓い清める意」でもって、お使いいただくのが相応しいお品のように感じます。

とのことです。

そうですね!時は令和の時代、この祓串はミロクの世を予感させます。

ここで公表はしませんが今回採用となった名前を応募いただいた方が応募に至った逸話がシンクロニシティを感じさせ、思っている以上に大事な神具であると強く思わせていただきました。必要な方々に届き、よい言霊とともに世の中が祓い清められますように切に願います。

今後とも国産大麻(精麻)・祓串「たまきよら(TM)」をよろしくお願い申し上げます。

京都の装束店の女将から感じた3つの私との共通点

先日、京都へ行ったみぎり、玉造りをされてる青舟さんが「黒田装束店」へ行きたいとのことでついていきました。

黒田装束店は京都御苑の堺町御門前に立地しています。

黒田装束店(京都市)の入口
黒田装束店の入口(しめ縄がはってあったのでパチリ)

中へ入り出てきた男性に青舟さんが用件を告げると、1人の女性が出てこられました。私は目を疑いました。「ん、若い!」

建物内の雰囲気からするとお婆さんが出てくる感じで、私は何度も目を疑いました。(さすが京都)

あとで調べてわかったことですが、この方は女将で黒田知子さんといい、宮廷装束に使われる「有職(ゆうそく)織物」の美しさを多くの人に知ってもらおうと、装束に使う布を使った袋や名刺入れなどの小物作りをプロデュース、「堺町御門前 平七」というブランドで展開していらっしゃいます。

青舟さんは製作した「勾玉を入れる袋」にとこの平七の小物をwebで探しだし購入、それで店にも行きたいと思われたようです。

黒田さんが奥から出してきた小物を何点か見せていただきましたが、女性の感性ですね。巾着袋、ペンケースも。伝統的な文様、生地、そして繊細で細やかさを感じました。現代風に仕上げられています。

そして、価格が安い。「もっと値段を上げたらいいのに」とよく言われますと黒田さん。

日本文化系の雑誌「和樂」にも平七の小物が紹介されています。(店頭で2冊見せていただきました)

黒田装束店を出て、何か黒田さんと共通点を感じる思いがわき上がってきました。というのは、1.私は国産精麻でできた現代に合う小物を展開する役回りになっていること、2.価格のつけ方が平七と同じではないかということ(多くの人に手に取っていただきたい)、3.日本の伝統文化を伝えたいと思っていることです。

店にいたのは30分くらいでしたが、プロの世界を垣間見ることができ、同じような気持ちでがんばっている人がいるんだと刺激を受けた出来事でした。

ある日突然訪れた糸魚川ヒスイ勾玉との出会い

2011年9月3日でした(9月3日は私の誕生日)。

「相互リンクお願いできませんか?」と玉造り工房「フルタマのヤシロ」というwebページの運営者からメールが届いたのは。

そのときwebページを拝見し、はじめて糸魚川ヒスイの勾玉を見ました。その美しさに感動し涙が出てきたことを思い出します。

勾玉の作り手は青舟(せいしゅう)さん。京都府の北部、京丹後にお住まいで、電話で話をして、さぬきいんべでペンダントにし販売させていただく運びになりました。たしかちょうど肥松の勾玉のペンダントを製作した後で、提案させていただいたところ快諾を得たしだい。

第1号モデルは「天座(あまざ)」。透明度の高い小ぶりの勾玉で国産精麻をなったヒモがついています。公開後ほどなくしてそのペンダントをお求めになったのは、なんとジュエリーデザイナーで、こんな感想をいただきました。

私の日頃の宝飾品デザイン・制作に際しても、さらっとした良い風が吹いてくる、そんな感じを受ける仕上がりを目指していますが、玉は更にしみじみとした良さを感じますね!宝飾品に於ける翡翠の品物とは別の世界が広がっています。

 

糸魚川ヒスイ勾玉ペンダント「天座(あまざ)」(第1作)
糸魚川ヒスイ勾玉ペンダント「天座(あまざ)」

その後、次々と勾玉、あるいは大珠のペンダントを必要な人の元へ届くように製作してます。(お求めになる人の声を聞いていると、この玉は本物であることがわかります)必要な人、必要な時期があるんでしょう。

縁とは不思議です。私は探していません。勾玉も向こうからやってくるのです。

あとで、「さぬきいんべ」という名前に起因(名は体を表す)していることが薄々わかっていきましたが、そのときはわからずご縁を大切に流れに乗っていったのが現在につながっています。

青舟さんとは2016年はじめに京都市内ではじめてお会いしました。電話の声のイメージと実物はぜんぜん違っていました。

青舟さんのお話はおもしろいです。

勾玉についてはいわゆる三種の神器の1つで、最後に来るのが勾玉と青舟さんがよく言っています。私もそんな気がします。

値段が高騰する前にどうぞ。(2016年、国石にヒスイが選定されてから、原石の価格は上がっていると聞いています)

さぬきいんべプロデュース、青舟さんの勾玉ペンダントはこちらへ。

今後も新作を作り続けたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>

純国産の大麻と絹の織物が教えてくれたもの

杼と織り途中の布

2012年の夏から2013年の末まで大麻と絹の織物を販売させていただいていました。

糸づくりもその方ご自身がされ、経糸の絹は愛媛県産の晩秋繭「あけぼの」を手びき。

緯糸の大麻は栃木県産の大麻(野州麻)を手績み。

丹念に心を込めて織り上げられていて、清らかで繊細なハリとツヤのある布だったことを思い出します。

高野さんによる手績み大麻糸
手績み大麻糸(緯糸)

この方は多摩美術大学芸術学科映像学部卒業後、23歳のとき、写真を撮るために移住した沖縄県与那国島で機織りの仕事に出会いました。

そこで、島の伝統工芸品に指定されている「与那国花織り」の技法を学び、織り子(※)になったそうです。

その後、愛媛県西予市野村町で国産繭(まゆ)からの「座繰り糸ひき」の技術を習得。

さらに、大麻の歴史に興味をもち、大麻の布を自らの手にとって感じてみたくなり、麻績みの技術を習得されました。

(※)織り子=機織りをする人。沖縄県与那国島の織物の歴史は古く、おおよそ500年。与那国町伝統工芸館では、織り子の養成により与那国織の伝統を継承するための養成活動が行われている。

 

さらにお聞きすると、麻績みは与那国島のお婆さんから習ったそう。

そして、今の「よりひめ(R)」(麻糸産み後継者養成講座)の活動が始まる前に大麻博物館(栃木県)の高安淳一さんからも麻績みを教わったそうですが、それは与那国島で教わったのとは少し違うとのこと。

大麻と絹の織物
大麻と絹の織物(左側は緯糸に藍染め大麻糸がランダムに入ったもの)

日本各地には地域によって育まれた方法、昔から代々受け継がれてきたものがあるのだと思います。

それを後世に受け継げるようにしたいですね!(間に合ううちに)

手間をかけた時間と、作り手の想いが感じられる命のかたまりのような上品で美しい布でした。

手仕事、職人文化が栄えていくように

父は建具職人でした。

小学校の高学年くらいだったと思います。あるとき母が「建具は細かい割りに儲からないから跡は継ぐな」というようなことをぼそっと言いました。

跡を継ぎたいという強い思いがなかったのと、父は仕事に関しては何も言いませんでしたので、ときどき忙しい時に手伝ったりするくらいで、結局私はサラリーマンになりました。

晩年父は、生活様式の変化などで仕事が少なくなって、企業に就職したのは正解だったかもしれません。

しかしこちらの経緯で、おお麻(ヘンプ)に出会い、さぬきいんべを創業し、無私の心で「手仕事革命」へで書いているように、おお麻を追っているうちにだんだん手仕事、職人に縁があることがわかってきました。気がついたらそういうもの、人が目の前にいました。最初は「おお麻文化」を後世にだけしかホント考えていませんでした。

会社勤めしている時は上の人に「細かいことにこだわるな」と注意されたことがあります。(笑)

そしていろいろな作り手にお会いして話をしたり、2017年度から愛媛民芸館の評議員に就任してやっていったりする中で、特に手仕事、職人文化が栄えていくようにしていきたいと思うようになりました。

担い手の高齢化、減少が言われているように思います。伝統工芸では若い人たちもがんばっています。おお麻の農家、職人、神社を守ろうとして取り組んでいる人もいます。

残りの命をそれに傾けたいです。

 

四国唯一の民藝館、愛媛民芸館(愛媛県西条市)において下記のイベントをおこないます。

「民藝館1day meets!」

七Coffee Roaster×にじとまめ×jam room store 3店舗による1日限りのポップアップストア

開催日時:2019年6月23日(日)10~16時

場所:愛媛民芸館内1F

・七Coffee Roaster・・・テイクアウトカップにてドリップコーヒー販売

・にじとまめ・・・地域の食材を使用した天然酵母パン販売

・jam room store・・・久留米絣を使用したMONPEなど展示販売

当日は砥部焼、ひろき窯(多川ひろきさん、平成28年度および30年度日本民藝館展入選)の作品の展示即売会期間中であるのと、周桑手すき和紙の杉野陽子さんによる和紙教室も予定しています。

愛媛民芸館 1day meets!イベント(2019.6.23)フライヤー