2024年のはじめに思うこと。日本の伝統文化を継承し、光あふれる世界へ

新年おめでとうございます。昨年は誠にありがとうございました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年も地元、西條神社の歳旦祭に参列し、心を新たにしてスタートしました。

おお麻(ヘンプ)専門神具店として4年目となる2024年。

麻(大麻)だけでなく、それにつながる日本の伝統文化の継承を望みます。「日本の伝統文化を継承し、光あふれる世界へ」は2017年からキャッチコピーとして掲げさせていただいて、賛同もいただいておりますが、そうなっていきますように。

具体的には、四国の麻栽培の再生、取扱品目の拡充などに取り組んでいく方向です。(年末ご注文をいただき品切れが多くなっております。ここにお詫び申し上げます)

国会において年末、大麻取締法改正案が可決・成立、2023年12月13日付の官報より公布され、2025年よりに施行の予定で、栽培者免許は1種(大麻草製品)、2種(医薬品)に分かれたりしますが、麻の栽培、麻農家の減少、高齢化については、日本麻振興会の代表・大森由久さん(栃木県麻農家7代目)が日本麻フェスティバルin吉野川の講演で語っていたとおりになっていくのではないかと思っています。

大森由久さん「(法改正により)産業用大麻は規制がゆるくなる可能性がある。そのゆるくなる権限を握っているのが国じゃなくて各県の知事の裁量にかかってきます。そのご理解がある県は来年(2024年)あたりから栽培可能な県がぼつぼつ出てくるかなと考えています。」

 

さぬきいんべは1月4日に創業14年(いよいよ)を迎えます。本年は辰年、日本の麻文化が守られ、美しく発展しますようにお祈りいたします。

※本年は楽しい企画もしていきたいと思いますので、ご意見ご要望をいただけますか。

 

「旧暦新年2024」(合計10000円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント)を2月9日まで開催中。(本年は立春は2月4日、旧正月は2月10日)

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

 

旧暦については拙記事「旧暦と行事、日本は二本立てでできている」が参考になると思います。旧暦の新年に本当の2024年、“令和6甲辰(きのえたつ)年”がスタートします。年頭は往々にして前の年からの流れが残るもの、1年のいいスタートが切れますように。

極上国産大麻(精麻)を用いた手仕事の品が忌部の里・徳島から届いて

先週、極上国産大麻(精麻)を用いた手仕事の品が忌部の里・徳島から届きました。

極上国産精麻はこちらでご紹介した阿波国一宮・大麻比古神社でご祈祷されたものです。手仕事の品は阿波しじら織りの巾着袋に入っておりました。

極上国産精麻の手仕事の品(阿波しじら織りの巾着袋入り)
阿波しじら織りの巾着袋に入った手仕事の品【2024年公開予定】

先行して知り合いの埼玉・平松天神社の大谷由紀宮司(巫女)にこの手仕事の品を見ていただいたところ、以下のワードが思い浮かんだとのこと。

・安定
・グラウディング
・循環
・親和性
・ガイア
・シフトアップ螺旋
・豊潤
・トキの環の連なり
「勾玉がぐるぐる回って、その残像で円(縁)になる」みたいな感じもしたそうです。

手仕事の品(巾着袋の中に入っているもの)は2024年公開予定です。

 

身内に不幸があったときの神棚(お神札、しめ縄)はどうすればよい?

今年もあと2週間を切りました。

先月の話ですが毎年この時期に、国産大麻(精麻)・しめ縄をお求めになっているお客様からこんな質問をいただきました。

今年の4月に実父が亡くなり喪中期間中になります。
やはりお正月飾りとして変えるのは控えようと思いますが、喪中明けの5月に交換して飾るのは良いでしょうか?

以下のように回答させていただきました。

喪中明けにお神札を交換する方もいらっしゃいますので大丈夫だと思います。お神札は喪中明けに受けるのが一般的のようです。(毎年新たなお神札に交換するのが本義のため)

そういうことですので、いま注文して喪中明けに交換か、喪中明けに注文して交換かということになるでしょうか。
○○様はどちらの方が心が軽くなります?それがお答えと思います。

この結果、神棚のしめ縄は喪中明けに改めて注文させていただくことにします、ということになりました。

 

ちなみに、お客様はどうしようか思いネット検索していたら私から今年のしめ縄はどうされますか?とメールが入りタイミングにびっくりしたそうです。

お問合せ誠にありがとうございます。

ご参考になりましたら幸いです。

 

 

国産大麻(精麻)の神仏具と、観阿弥とともに能楽を大成した世阿弥の名言「秘すれば花なり」

さぬきいんべが、おお麻(ヘンプ)専門神具店と称するようになり2年半が過ぎようとしています。

職人が製作する国産大麻(精麻)の神仏具と、父の観阿弥とともに能楽を大成した世阿弥の名言「秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず」に共通点があるように思い、ご紹介させていただきます。

秘すれば花なり 秘せずば花なるべからず「風姿花伝」

秘密にすることといえば、芸道には秘伝というものがあります。師匠から受ける特別な伝授ですが、中には口外しませんと誓いを立てなければ教えてもらえぬこともありました。ところが秘伝の中身というと、意外に単純なことで、当たり前のことのように思えるケースも少なくありません。ですから世阿弥に言わせますと、秘伝というのは秘密にしているからこそ皆が知りたいと思う花(珍しさ)があるので、公開してしまったら花ではなくなってしまうと言います。しかし、秘伝を受ける側に力量があれば、当たり前と思えることの中に、本当の秘伝があることに気づきます。

千利休がある人から茶の湯の秘伝を教えてくださいと頼まれました。利休は、茶の秘伝は夏は涼しく冬は暖かく、炭は湯の沸くように、茶はおいしくたつようにと言いました。しかしそれを聞いた人はそんな当たり前のことを、と憤慨しました。すると利休は、それがおできになるのなら、私はあなたの弟子になりましょう、と言いました。秘伝と言われても、当たり前のこととしか受け取れないのは、その人が当たり前のことの大切さを分かっていないからです。そういう人が多いものですから世阿弥は秘すことの大切さを強調したのではないでしょうか。〔「楽苑87号」熊倉功夫、日本文化をつくった人々第三話世阿弥(SHUMEI PRESS)〕

職人が製作する国産大麻(精麻)の神仏具は、縄が基本です(例:しめ縄、鈴緒)。麻縄自体がつくり方をふくめ秘伝ではないでしょうか?

日ごろ職人からその製品についてさまざまなことをうかがいますが、軽々しく口外できないことが多いように感じます。

これと同様に、神道は言挙げしないと言われます。言挙げしないとは言葉にして言い立てしないということ。「秘すれば花なり」と似ています。たとえば、所作の「型」のなかに秘伝があるように思います。「型」のなかにすべてが織り込まれているということです。

当たり前のようでいて当たり前でない。ずっと携わってきて、一見地味かもしれないそこが日本文化のキモなのかなと思うのです。

大麻(あさ)だけでなく、日本にある様々なものの本来の良さが、本質から大切にされていくといいなぁと思います。

 

極上国産大麻(精麻)が阿波国一宮・大麻比古神社でご祈祷を受ける

阿波国一宮・大麻比古神社は徳島県鳴門市大麻町に鎮座する古社です。

12月8日、徳島在住のお客様により極上国産大麻(精麻)が同社社殿でご祈祷を受けられた由。

極上国産精麻は、さぬきいんべ取扱いのより紐、より縄大根型および牛蒡型しめ縄しめ縄【神居 和かざり】(草木染め版)神楽鈴の草木染め五色緒などの素材として用いられており、お客様いわく、「色艶ともに大変美しく、繊維が繊細で非常に良い精麻」とのこと。

大麻比古神社へはさぬきいんべ創業以前から幾度となく足を運び、背部の大麻山(標高538メートル)へ登ったこともあり、たいへん思い入れがある神社です。

大麻比古神社境内の大楠(樹齢約1000年余り)
大麻比古神社境内の大楠(樹齢約1000年余り)

2017年の同社への神麻しめ縄奉納の関係で昇殿参拝も2度(奉納されるしめ縄用の神麻のご祈祷と、奉納時)させていただきました。

ご祭神の大麻比古大神(おおあさひこのおおかみ)は天太玉命(あめのふとだまのみこと)と同一とされ、阿波国(徳島県)を拓いた忌部(いんべ)氏の祖です。

このたびのことは、サヌキ、アワのつながりを感じ、とても不思議な感じがします。どうしてか、それが今なんです。大麻取締法改正案が成立(12月6日)してすぐです。(何の打合せもしていません)

今後のこの精麻の行く手が楽しみとしか言いようがないです。

 

 

・参考文献

「週間 日本の神社No.67忌部神社・大麻比古神社」(デアゴスティーニ・ジャパン)

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

美しい国産大麻(精麻)のしめ縄で清々しい2024年を迎えませんか

取扱い中の神社仏閣用麻製品を調製する創業120年超の京都・山川製のしめ縄(きなり)をご紹介させていただきます。

まず、国産精麻の大根型しめ縄。大根型は中央部が太くなっております。紙垂付き、紙垂なしがお選びいただけ、下記の牛蒡型とともに神棚はじめ荒神様、玄関などに飾る方が多いです。

国産精麻・しめ縄(大根型)
国産精麻・しめ縄(大根型)

職人が手仕事により製作する美しいしめ縄は「とても立派です。お値段以上の大変素晴らしいしめ縄でした。」とお声をいただくなどたいへん好評で、毎年お求めになる方も徐々に増えていっております。

極上国産精麻に素材をバージョンアップ、サイズを太さ6分(約1.8センチ)×長さ1.5尺(約45センチ)、太さ8分(約2.4センチ)×長さ2尺(約60センチ)、太さ1寸(約3センチ)×長さ2.5尺(約75センチ)の3種類を主にそれ以外の寸法は受注生産とさせていただいております。

そして、しめ縄の一方が細くなっている牛蒡型

国産精麻・しめ縄(牛蒡型)
国産精麻・しめ縄(牛蒡型)

こちらも紙垂付き、紙垂なしをお選びいただけます。(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)

 

国産精麻・しめ縄(牛蒡型)紙垂付き
国産精麻・しめ縄(牛蒡型)紙垂付き

しめ縄は1つひとつ縄目がちがいますが、職人がバランスをみて紙垂を取り付けさせていただいております。

牛蒡型の紙垂付きのしめ縄についてお客様いわく、

つやが有りとても美しいです。
国産の麻で丁寧に作られているのが一目で判ります。
職人さんの正直な仕事ぶりが窺えるしめ縄です。
神事により日本文化が伝承されている事を実感しました。
伝統を守る麻栽培農家さんはじめ、職人さん、さぬきいんべさんに感謝です。

 

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】は、現代風にした輪飾りで、付属の麻ヒモで吊り下げることができ、飾る場所を選びません。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】
国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】

 

【神居 和かざり】の紙垂付き(上部についたAタイプ、下部についたBタイプ)も後に加わりました。こちらも人気があります。

国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(紙垂付きAタイプ)
国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(紙垂付きAタイプ)

 

国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(紙垂付きBタイプ)
国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(紙垂付きBタイプ)

※しめ縄【神居 和かざり】をさらに現代風にし、前垂れをなくした朱色版、ならびに藍染め版、茜染め版、ざくろ染め版についてはこちらをご覧ください。

 

どのしめ縄をお選びになりますか?

美しい国産精麻のしめ縄で清々しい新年を迎えましょう。

 

今年も、年末にしめ縄をお届けしたお客様の声が届くようになりました。

昨年に続き、二度目の購入をさせていただきました。
神棚に飾らせて頂いております。
日々平穏に暮らせていますので、神様も気に入って頂けているのかなと思いながら神棚に手を合わせています。
この度はありがとうございました。

 

早速飾らせてもらいました。さすが麻のしめ縄はいいですね。家の神棚もらしくなりました。有り難うございました。

 

箱を開けて、真新しいツヤツヤキラキラの精麻(しめ縄)に、来年はどんな年になるのだろうとワクワクしています!

 

手元に届きました。しっかりと梱包されており
とても気持ち良く受け取りさせて頂きました。
お手紙も丁寧に頂戴し誠にありがとうございました。
年末27日頃に神棚を綺麗に整えてから注連縄を取替させていただきます。

 

申し遅れましたが無事に届きました。また来年もお願いします。

 

しめ縄は麻で作られたものが良いときき、大掃除を終え、飾らせていただきました。麻そのものの美しさに加え、職人の方の手仕事による美しい形に心が洗われます。

 

たしかにお品を頂戴いたしました。
来年は注連縄の無いお正月になるのか・・・とあきらめておりましたが、
おかげさまで気持ちよく、清々しく、新しい年のスタートを切ることが出来ます。

草木染め「三色」の国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】ができるまで

神社の鈴緒やお寺の鰐口紐、しめ縄など神社仏閣用の麻製品を調製する京都・山川とのご縁から2015年3月にできた国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】。(日本初の国産精麻でできた輪飾り。さぬきいんべ調べ)

伝統的な大根型(中央部が太くなった形状)のしめ縄をベースに生まれた現代風の輪飾りです。「神居 和かざり」の名はお客様より公募、命名いただきました。「神様が宿る輪飾り」の意味が込められています。(【神居 和かざり】は付属の麻ヒモで手軽に吊り下げることができ、飾る場所を選びません)

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】
国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】

これをさらに現代風にとの思いで生まれたのが朱色版で、精麻の前垂れなしにした形状です。朱色は神社、巫女の緋袴をイメージして採用しました。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】(朱色版)
国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】朱色版

 

同じ時期に京都・祇園祭の山鉾に藍染めの精麻がつかわれていることを知り、また神社仏閣用の麻製品の染色は99%が化学染料と聞いたため神具の染色はなんとか自然由来、草木染めと思いまして、その後2016年秋にしめ縄【神居 和かざり】の藍染め版が完成。

国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(藍染め版)
国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】藍染め版

それから少し時間が空きましたが、2020年にまず精麻の陰陽五行の五色(きなりを含む)をと茜染め(赤色)、ざくろ染め(黄色)、本藍+ざくろ染め(緑色)、本藍+茜染め(紫色)の精麻が準備できるようになったため、五色といえばと、化学染料での染色だった神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付きの草木染め版が誕生。翌年に茜染め版、翌々年にざくろ染め版の【神居 和かざり】が完成にいたりました。

国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(茜染め版)
同・しめ縄【神居 和かざり】茜染め版

 

国産精麻・しめ縄【神居 和かざり】(ざくろ染め版)
同・しめ縄【神居 和かざり】ざくろ染め版

 

ところで先日、「本藍+ざくろ染め(緑色)のしめ縄があったらいいと思います」とお客様が言ってこられました。

草木染め「五色」〔藍染め(紺色)、茜染め(赤色)、ざくろ染め(黄色)、本藍+ざくろ染め(緑色)、本藍+茜染め(紫色)〕の【神居 和かざり】はずっと頭にあったため、即座に【神居 和かざり】の本藍+ざくろ染め(緑色)版が思い浮かびました。そして、本藍+茜染め(紫色)版も。

梅、桜、藤、桔梗、菊、紅葉。日本人は四季それぞれに移り変わる山野の植物の姿を鑑賞して楽しみ、詩や歌に詠んでその心を表わすとともに、自らの衣裳にもこうした美しい色彩を染めて楽しんできた。これが日本の伝統色である。花や樹の色を美しく染め上げるため、植物の花、葉、樹、根などのどこかに潜んでいる色素を採り出して染めてきたのである。』(「自然の色を染める」吉岡幸雄・福田伝士監修(紫紅社)はじめに~より)

日本人は古くから「万霊(ばんれい)は万有(ばんゆう)に憑依する」といって、世の中のあらゆるものに「神」が宿っていると考えてきた民族です。

 

どの色、染めがお好みです?

国産大麻(精麻)のしめ縄【神居 和かざり】で最高の新年を迎えましょう。

 

神社の末社クラス用サイズの国産大麻(精麻)・鈴緒が完成しました

この度、太さ8分(約2.4センチ)×長さ2尺(約60センチ)の国産大麻(精麻)・鈴緒が完成、納品させていただきました。

サイズは神社の末社(本社に付属する小さなお社)クラス用のもので、一般的な六角桐枠付きの鈴緒としては一番小さいです。

太さ8分×長さ2尺の国産大麻(精麻)・鈴緒
太さ8分×長さ2尺の国産大麻(精麻)・鈴緒

振ってみると、本坪鈴の音も神社の感覚、本格的で小さなお社(家庭)用のミドル鈴緒とは一線を画します。※ミドル鈴緒はミニ鈴緒と神社の鈴緒の中間で「ミドル鈴緒」と命名。

なお、この鈴緒は麻芯に上等なものをつかっており、長持ちするのが特長です。

お客様は神棚の前に設置したそうで、「歴史伝統をこれからもお守りください。麻はいいですね。たいへん気に入りました」とご感想をいただきました。

 

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2023-2024年)

2023年も残り50日を切りました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型のしめ縄、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方はできる限り早い日にお問合せ、ご注文いただければ年内お届けが可能です。(ただし、やむをえない理由によりご希望に添えない場合もございます)

※今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設しておりましたが、現在ご予約受付は終了しております。

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきております〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

 

大年神(おおとしのかみ)は、民間信仰から歳徳神(正月に家に迎えまつる神)と考えられています。

家のしめ縄を新しく掛け替えたり、年神様の依り代(神様の憑依物)としての門松を作ったり、穀物神である年神様に穀物の代表として鏡餅などを供えたりして、新年を迎えます。

・大みそかの来客

ある地方には、「大年(大みそか)の客」という昔話が伝えられています。

昔々あるところに、とても貧しい家がありました。大みそかの夜、その家にたいへんみすぼらしい格好をしたおじいさんが訪ねてきて、一夜の宿を願い出ました。

すると貧しい家の人は、土間にむしろ(ゴザのような敷物)を敷いて、客人をやさしくあたたかく迎え入れ休ませました。翌朝目覚めると、おじいさんの姿は見えず、代わりにむしろの上にはたくさんのお金が置いてありました。

その話は村人に伝わり、神界から年神様が来訪して裕福になったという信仰が広がりました。それ以来、村人たちは毎年、大年神をお迎えするようになったというものです。

毎年お正月を迎えると、ときを司る大年神が来訪することによって人々の命もよみがえり、新たなエネルギーに満ちあふれ清々しく新年をスタートできるのです。『図解 身近にあふれる「神社と神様」が3時間でわかる本』後藤泰弘著(明日香出版社)PP59~60

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈り申し上げます。

そうだったのか。日本の伝統文化としての大麻(あさ)についておさらい

一番古い大麻の痕跡は、縄文草創期(約1万年前)の鳥浜貝塚(福井県)から麻縄が見つかっており、縄文前期(約5500年前)の地層からも麻縄、編み物、種子も発見されています。

大麻の名は明治時代以降、外来種と区別するためで、江戸時代以前はアサ、またはオ(ヲ)と呼ばれていました。

ここで、日本の伝統文化としての大麻(あさ)についてまとめます。

現在では、下記のようなものに使われています。

・神社のしめ縄鈴緒大幣(大麻)

神道では大麻は神様の印、神の依り代であり、ケガレを祓う神聖な植物とされています。しめ縄や鈴緒、お祓い時に使用する大幣などに利用されています。

国産大麻(精麻)の鈴緒
国産大麻(精麻)の鈴緒

・相撲で横綱が締める綱(横綱)

相撲の土俵入りの際に横綱がつける綱(横綱)は、麻で作られています。横綱はしめ縄の一種で、それを締めることを許された横綱は、肉体的に特別な力が宿るものと解釈されます。

横綱をそのまま小型化した「国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱(雲竜型)」
横綱をそのまま小型化した「国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱(雲竜型)」

・七味唐辛子

麻の実として中に入っており、「麻の実」「生唐辛子」「炒り唐辛子」「芥子の実」「粉山椒」「黒胡麻」「陳皮(みかんの皮)」を組み合わせるので「七味」と呼ばれています。

・松明(たいまつ)

火祭りの松明としてオガラ(皮をはいだ大麻の木質部)が利用されます。岐阜県の神戸山王まつりなどが有名です。

・お盆の送り火、迎え火

お盆の迎え火と送り火の松明としてオガラを用います。また、ナスやキュウリで作った精霊馬の足にオガラを使用します。

・カイロ用の灰

オガラを蒸し焼きにしたものがカイロ灰の原料となりました。使い捨てカイロの出現により現在ではその生産は皆無に等しいです。

・花火の助燃剤

着火が早い麻の炭を花火用の火薬に混ぜて使用することで爆発力が増し、大きな花火を作れます。

・蚊帳(かや)

繊維がもつ強さと、通気や吸湿性に優れているため、大麻が用いられます。

・畳の表地(畳表)の経糸

麻の畳糸を見る機会は少なくなりましたが、文化財級の建物の畳を復元する際に麻の糸が使われることがあります。(収穫した大麻を熱湯で煮てから皮を剥いで乾燥させた皮麻が畳の経糸の原料となります)

・漁網や釣り糸

今日では麻から漁網や釣り糸を作ることはほとんどありませんが、江戸時代や明治時代には漁場で使用されました。

・下駄の鼻緒

下駄の鼻緒の芯縄は、ナイロンなど化学繊維で代用されていますが、高級下駄の芯縄には、現在も麻が使用されています。栃木県日光市でつくられている日光下駄は、竹皮で編んだ草履表は麻で台に縫いつけています。

・建材

茅葺きの屋根材としてオガラが用いられます。軽くて丈夫なことから重宝されました。

・織物

滋賀県の愛知郡一帯は近江上布の生産地として知られています。精麻から麻糸を作る工程はオウミ(麻績み)と呼ばれ、主に女性の手で行われます。糸は糸車で撚りをかけ、整経した後、機織り機で布に織られます。奈良県で生産されている奈良晒の一部にも麻が使用されています。(福井県、石川県、富山県など北陸各県で作られていた麻織物の一部に麻が使用されました)

伝統や格式を重んじる世界では大麻が用いられることが多く、天皇の践祚大嘗祭の麁服(あらたえ)や神御衣(かんみそ)の荒妙などは大麻で作られています。

手績みされた大麻糸
手績みされた大麻糸

・麻の葉模様

伝統的な和柄として人気のある「麻の葉模様」。赤ちゃんの産着から歌舞伎の衣裳、建具の組子細工や東京スカイツリーの天井まで、日本列島に住む私たちが日々の暮らしに取り入れてきた大麻由来のデザインです。

・麻紙

麻引きの際にできる繊維のカスが麻垢(おあか)で繊維分が多く含まれることから紙の原料となります。大麻繊維の紙づくりは、繊維が硬いため、漉く前にていねいにたたいてやわらかくする叩解という工程が大事だそうです。

・弓弦

麻の中でも強靱力に優れ、最も高い品質のものが用いられます。

・手綱や命綱

馬の手綱に使われる他、命綱の強い繊維を必要とする部分に麻が用いられています。マニラ麻などの硬質繊維に比べ、手ざわりがよく、しなやかです。

綱やロープ

神社の鈴緒、お寺の鰐口紐、太鼓や鼓をしばる紐(調べ緒)、能や神楽面の紐、山車用の引き綱などを職人が製作しています。伝統的な音や形状、感触、精神性を求める上で麻は欠かせません。

・凧糸

浜松市や新潟市、相模原市、春日部市などで行われている大凧上げ用に使用されています。麻の繊維の強さと、硬すぎず柔らかすぎずの感触がほかの繊維で表現できないからと思われます。

・結納の友白髪

結納品の1つ「友白髪」に大麻の繊維が使われています。新郎新婦が白い大麻の繊維のように、共に白髪になるまで仲良くするという込め、新郎側から新婦側へ送られます。

・麻種

麻の種子は油に加工されます。また鳥のエサや食用(郷土料理を含む)として利用されます。

 

 

・参考文献

「地域資源を活かす 生活工芸双書 大麻あさ」倉井耕一・赤星栄志・篠﨑茂雄・平野哲也・大森芳紀・橋本智著(農山漁村文化協会)

「大麻という農作物」大麻博物館著(大麻博物館)

大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案の概要(厚生労働省)