2025年のはじめに思うこと。四国の麻栽培再生の具現化を愛媛から

あらためまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年も地元、西條神社の歳旦祭に参列し、心を新たにしてスタートしました。

1月4日に創業15周年を迎えました。そして、おお麻(ヘンプ)専門神具店として5年目です。

神様(仏様)を大切にする人が増えていくよう本年も励みます。また、昨年1月から三人寄れば文殊の知恵でスタートした四国の麻栽培再生への取り組み、2025年さらに具現化させてまいります。

 

「旧暦新年2025」(合計1万円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをプレゼント)を2月2日まで開催中。(本年は旧正月は1月29日、立春は2月3日)

国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品
国産大麻(精麻)アクセサリー(京都・山川製)非売品

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。きなりと濃紺のツートンが特徴です。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

 

旧暦については拙記事「旧暦と行事、日本は二本立てでできている」が参考になると思います。旧暦の新年に本当の2025年、“令和7乙巳(きのとみ)年”がスタートします。年頭は往々にして前の年からの流れが残るもの、1年のいいスタートが切れますように。

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2024-2025年)

12月を迎え、2024年もあとわずかになりました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型のしめ縄、各種和かざりをお求めの方はwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)

在庫のあるものはもちろん、年内お届けが可能です。

※今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設しておりましたが、どうしてもという方に向け現在ご予約を継続しております。

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきております〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いをしております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

 

大年神(おおとしのかみ)は、民間信仰から歳徳神(正月に家に迎えまつる神)と考えられています。

家のしめ縄を新しく掛け替えたり、年神様の依り代(神様の憑依物)としての門松を作ったり、穀物神である年神様に穀物の代表として鏡餅などを供えたりして、新年を迎えます。

年々、神様をお祀りすることの重要さが増しているように思います。

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈り申し上げます。

陰陽師・安倍晴明が讃岐で出生した説と京都・晴明神社の五色の鈴緒

はるか1000年の昔、怨霊や物怪(もののけ)が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する京の都に、傑出者と称された稀代の陰陽師がいました。

式神(陰陽道などで使われる鬼神・使役神、目に見えない存在)をあやつり、瀕死の者を蘇生させ、貴人にかけられた呪いを祓ったのが陰陽師・安倍晴明(921~1005)です。

 

香川県高松市の南方、高松空港に近い香南町由佐地区に冠纓(かんえい)神社が鎮座します。(何度かお参りしたことがあります)

同社には安倍晴明が神主をしていたという伝承があり、境内には晴明を祀る安倍晴明神社があります。また、丸亀京極家編纂の「西讃府誌」によると、讃岐国香川郡由佐に晴明が生まれたとされています。

一方、京都市上京区晴明町に鎮座する晴明神社は寛弘4(1007)年、晴明の偉業をたたえた一条天皇の命により、その御霊を鎮めるため、晴明の屋敷跡に創建されました。応仁の乱で荒廃したことをきっかけに現在の場所(京都市上京区晴明町)にご遷座されました。

京都・晴明神社の鳥居(晴明桔梗紋)
京都・晴明神社の鳥居(晴明桔梗紋)

同神社の鈴緒は緑・黄・赤・白・黒と陰陽五行の五色の麻が撚られたもので、しかも撚り房です。(前の代の鈴緒のときにお参りしました)

 
 
 
 
 
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中国から移入された陰陽五行説を基礎とした占いによって吉凶を判断することを得意とした「陰陽師」、同社の鈴緒が五色であるのは必然のように思われます。

なお、紫式部を主人公にしたNHK大河ドラマ「光る君へ」では、安倍晴明をモデルにした人物が登場しています。

 

 

・参考文献

「呪術の世界」(平凡社)

 

11月17日開催、日本「麻」文化フォーラム展示用の国産大麻(精麻)製鈴緒が完成

取扱い製品を皆さまに見ていただく自宅の展示ギャラリー国産大麻(精麻)製の鈴緒(すずお)をと思っていました。

鈴緒とは神社の拝殿前に吊されている綱で、参拝者が振り動かして鈴を鳴らすための神具です。

このほど、11月17日開催の日本「麻」文化フォーラムでの展示用にその鈴緒を製作、完成しました。

太さは1寸(約3センチ)、長さは3尺(約90センチ)の貴重な国産精麻でできたもの。六角桐枠付きの本格派で、一般の神社向けなどとしてよく出るサイズでもあります。

当日はこの鈴緒を振って、本物の「鈴祓え」を体験していただきたいと思っております。

鈴はその音色で神霊をまねくとされ、鈴緒を振ることでその人を祓い清めることから「鈴祓え」と呼ばれています。精麻でなわれた鈴緒は神霊と人をつなぐ架け橋です。

日本麻文化フォーラム2024(愛媛県伊予市)

 

日本麻文化フォーラム2024(愛媛県伊予市)

当日はご覧の4名のゲストと、出店で東京ほか、四国4県から同志が集まります(麻心、あわたま、こころ商店、caravan SHANTI SHANTI、牧工房、本藍染めTonbiii、お麻守り屋青游庵、infinity harmony、お昼寝ぴーちゃん、精麻セラピーNOAH、よろぷふ堂、あさとしずく、大麻飾り工房、Mi-Co Lodge、その他、飲食の出店もあり)

ゲストの吉岡敏朗監督は2017年、徳島・大麻比古神社への麻のしめ縄奉納の際にお会いしました。

また、岡沼隆志さんは2016年、京都での麻のイベントの際、お会いしましたが、当時こうおっしゃっていたことを思い出します。「個人的に毎年、(香川県)善通寺市の大麻神社と、奥の院にあたるのでしょうか?大麻山の龍王社(実際は金刀比羅宮の末社)にお参りさせていただいておりご縁を感じます。」

当日は麻に詳しい地元神社の宮司、徳島で麻栽培を目指している人もこられると聞いております。

11月17日、会場でお待ちしております。(別の日でもお問合せいただければこの鈴緒を見ていただけます)

四国の麻栽培再生キャンペーンpart3(再)も延長して開催中です。

神社参拝の際に鳴らす鈴の意味とは

多くの神社には、拝殿の中央、ちょうど賽銭箱の真上あたりに、銅や真ちゅう製の大きな鈴が吊られており、この鈴に添えて麻縄や、紅白・五色の布などを垂らして、参拝者はこれを振り動かして鈴を鳴らし、お参りをします。

神聖なる鈴を鳴らす縄であるため、古来神聖な植物とされる麻でもともと作られてきました。(鈴緒といいます)神社によっては神仏習合の影響により、鈴の代わりに鰐口(わにぐち)が設けられている場合もあります。

社頭に設けられた鈴は、その清々しい音色で参拝者を敬虔な気持ちにするとともに参拝者を祓い清め、神霊の発動を願うものと考えられています。(鈴緒の「緒」の文字には「魂をつなぐもの」という意味合いがあります)

国産大麻(精麻)でできた鈴緒(保護網付き)
国産大麻(精麻)でできた鈴緒(保護網付き)

また、巫女が神楽舞を舞う際に用いる神楽鈴も、社頭の鈴と同様の意味によるものです。古くは巫女が神楽を舞うことにより神がかりして人々に神の意志を伝えており、このために必要なものとされていました。

このほか、お守りなどの授与品に鈴が用いられるのは、魔よけや厄よけ開運のためともいわれています。

古事記や日本書紀には記されていない神祇祭祀に関わる古伝承も載せられている「古語拾遺(こごしゅうい)」という平安時代の書物には、天の岩屋にお隠れになられた天照大御神の心をひくために、天鈿女命(あめのうずめのみこと)が鈴をつけた矛を持って舞ったことが記され、宮中では天皇陛下が天照大御神をご親拝なされる際に、女性で祭祀をつかさどる内掌典(ないしょうてん)が御鈴を鳴らして奉仕することがあるように、神事における鈴振りは今日まで重要な意味を持ってきています。

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

「明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整 株式会社山川パンフレット」

なぜ、伝統的な神具(仏具)には取扱い説明書がついていないか?

さぬきいんべでは、しめ縄をはじめ神楽鈴、祓串、釵子等、神具に取扱説明書をつけております。

しめ縄の例でいえば、仕様、取り付け方やこだわりポイント等お伝えしたいことを記載しており、のちに気がついた点があれば改訂していっております。また、裏面には知っておくとタメになる豆知識を記載しております。

お客様に対してあるとわかりやすく便利だろうと作成しましたが、はじめての方でも取り付けられ、いいようです。

大根型しめ縄(はじめての方でも取り付けられます)
大根型しめ縄(はじめての方でも取り付けられます)

 

いままで購入した伝統的な神具(仏具)(個人的なものを含む)には取扱い説明書がついていませんでした。

なぜ、取扱い説明書がついていないのでしょうか?見ればわかるからでしょうか。

長くつかっていただきたいのであれば、取扱い上の注意点があればいいと思います。

 

さぬきいんべの麻製品は、職人が貴重な精麻を用いて心をかけてつくったものですから、大切につかっていただきたい、ここがこの神具のポイント、こだわりであるという思いをこめ、今後も取扱い説明書をつけさせていただきます。(例外があり、自由につかっていただきたいもの、たとえば、みろく叶結び飾り、しめ縄【神居 和かざり】、ミドル鈴緒などはつけておりません)

少しずつ進化part2、国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒に藍染め版

五色の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒につづいて藍染め版のミニ鈴緒がご依頼により完成いたしました。

国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(藍染め版)
国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(藍染め版)

昨年の進化は、手打ち本坪鈴仕様のミニ鈴緒でしたが、今回は藍染め仕様、しめ縄【神居 和かざり】ブレスレット【麻の輪】のように3本撚りのうち2本が藍染め、1本がきなりです。

以前、神社仏閣用の麻製品を手がける京都・山川の工房を訪れた際、香港の方からのご依頼でつくったというものを見せていただいたことがあります。えっ?と驚きました。同じ作り手がつくったものでも依頼者によってぜんぜん雰囲気がちがうんですね。そう感じたのを覚えています。

下記のご感想をお客様からいただいたので、同じように感じる方がいらっしゃるのだと思います。(このお客様はいわゆる巫女体質、巫女体質の方々にとって清浄さは肝だそう)

昨年末、新年の玄関のしめ縄の注文が遅くなってしまい、さぬきいんべ様のサイトを確認したところ在庫がない事を知り、お正月に間に合わせたくて、失礼ながら、別の麻を扱っているお店から
しめ縄を購入いたしました。

しかし、箱を開けた瞬間にさぬきいんべ様のお品とは氣の清浄さが全然違うのを感じて、少し待ってもちゃんと注文させていただけばよかったなと後悔していました。(申し訳ございません!)

同じ麻製品でも作る方、扱う方の意識によって
お品の清浄さが違うのだなと感じています。

この藍染め版のミニ鈴緒も、さぬきいんべらしさが出ているでしょう?

ご活用いただければ幸いです。

 

 

 

京都・山川オリジナル。五色の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が完成

この度、五色の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒がお客様のご依頼により完成いたしました。

国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(五色)
国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒(五色)
 

五色は陰陽五行説の緑(青)・黄・赤・白・紫(黒)で、宮中の儀式などに取り入れられ、神社のご神前の真榊(まさかき)や神輿渡御の行列の五色旗などさまざまなものに用いられています。

特に神社の拝殿前に吊されている鈴緒で五色のものは、しめ縄や鈴緒など神社仏閣用の麻製品を手がける京都・山川が製作しており、京都の晴明神社などで見られます。(お寺の堂前に吊されている鰐口紐(鐘緒)を含めると、京都の清水寺や四国霊場23番札所・薬王寺、55番札所・南光坊などで見られます)

この本物の鈴緒を再現した五色のミニ鈴緒は五本撚りで、太さはきなり(6~7ミリ径)よりわずかに太く(8ミリ径)、五色の色とあいまってより立派に見えると思います。

携帯できる神具として、アクセサリーとしてご活用ください。

 

神社の末社クラス用サイズの国産大麻(精麻)・鈴緒が完成しました

この度、太さ8分(約2.4センチ)×長さ2尺(約60センチ)の国産大麻(精麻)・鈴緒が完成、納品させていただきました。

サイズは神社の末社(本社に付属する小さなお社)クラス用のもので、一般的な六角桐枠付きの鈴緒としては一番小さいです。

太さ8分×長さ2尺の国産大麻(精麻)・鈴緒
太さ8分×長さ2尺の国産大麻(精麻)・鈴緒

振ってみると、本坪鈴の音も神社の感覚、本格的で小さなお社(家庭)用のミドル鈴緒とは一線を画します。※ミドル鈴緒はミニ鈴緒と神社の鈴緒の中間で「ミドル鈴緒」と命名。

なお、この鈴緒は麻芯に上等なものをつかっており、長持ちするのが特長です。

お客様は神棚の前に設置したそうで、「歴史伝統をこれからもお守りください。麻はいいですね。たいへん気に入りました」とご感想をいただきました。