麻を説かずに麻を説く

さぬきいんべとして麻(ヘンプ)に関わりはじめたちょうど10年前の2009年。

その頃はまだ社会的な機運はなかったと思います。一部の人、限られた人が意識を向けていた状況。

そんな時、こう思いました。直感的に。

「麻を説かずに麻を説く」

これができれば社会に浸透していくだろう。

麻(ヘンプ)ばかりとらわれていると宗教みたいでしょう?当時取り組んでいる人たちをみてそう感じることが多かった。。

三ツ木八幡神社神麻しめ縄奉納(2019年3月31日)オフショット
三ツ木八幡神社神麻しめ縄奉納(2019年3月31日)オフショット

 

10年経ってみてその状況もしだいに、ホントしだいにですけど変わってきたように思います。

まず第一に社会的な流れ、より本質的なもの、ことに人の意識が移っていっているのもあるし、また人から何か言われようと伝えることをコツコツ取り組んできた人たちがいるのもあるでしょうし、海外の動きもある。

販売したり、イベントや講演会に参加したり、関心のある方と話をしたり等、いろいろ取り組んできて、いま思う「麻を説かずに麻を説く」とは、生活に麻(ヘンプ)を何か取り入れること、自然体でそれが自然にある状況を作ることだと思います。

そういう意味で、創業当時にキャッチコピーとしていた「おお麻(ヘンプ)を暮らしの中へ」(この「さぬきいんべ通信」のキャッチコピーにもさせていただいております)は意図とピッタリ合っていたと思います。

例えば母などはどちらかというと興味はない方ですが、テレビで徳島の藍染めのことやってたとか、三木家の麁服(あらたえ)用の麻の種まき式(2019年4月)のことやってたとか教えてもらえました(知らず知らず浸透しているでしょう?)。(^^)

 

「麻を説かずに麻を説く」

これは麻のことに限らずですが、より平和的に進めたい方、あくせくせずに周囲に浸透させたい方にこれをおすすめします。

なぜ手仕事、手作業にこだわるか?

ほとんど語ったことはありませんが、祖母の名前はアサコと言います。カタカナなのであまり意識していませんでしたが、麻、朝に通じる名前なのは一目瞭然。

一方、母の名前はアヤコで、あやとりとか綾織りを思い、糸、織物に関する名前かと感じます。

これに気づいたのは創業して6~7年経ってからです。

 

さて、webショップを通じてお買い上げのお客様にはいつも手書きのメッセージを同封してお届けしています。

今までご利用されたお客様はご存じですね!

なぜ手書きメッセージかと言うと、、

創業前にあるメーカーに勉強のためインターンシップで2週間行ったのですが、その会社がwebショップで買われたお客様に一筆せんに手書きのメッセージを書いていていいと思ったからです。そこではこだわって阿波和紙の一筆せんを使用していました。

さぬきいんべは大企業でもなく知名度もないので一筆せんを添えて心を届けていこうと思い、はじめました。

つまり、同封している手書きメッセージは猿まねからはじまっています。

最初は上記に習って同じように阿波和紙の一筆せんを使っていましたが一時ヘンプペーパーの一筆せんに変えた後、2012年の末から地元、愛媛県西条市の石鎚神社の一筆せんに変え今日に至っています。

石鎚神社の一筆せんを使用

同神社は日本七霊山の一つで西日本最高峰の石鎚山をご神体山としています。

この石鎚神社の一筆せんはある方が西条市へ旅行の際、見つけ教えていただいたもので、こんなのがあるとは知りませんでした(灯台もと暗しです)。

写真のように春・夏・秋・冬のデザインがあり、せっかくなので季節感を大切に使用しています。

 

手書きというと、最近は宅配便の送り状も手書きです。お気づきでしたか?

こちらは某会社の送り状印字ソフトが使いにくくて、ならば手書きにしようというそれだけの理由です。

手間はかかりますが考えてみて、書くことそのものは好きです。手紙で文通した経験もあります。

さぬきいんべが伝えたいこととも手書き(手作業)は合致していると思いますし。

なぜ手書きにこだわるのか?(正確にはデジタルとアナログを共用)の答えは以上のごとくシンプルです。^^

なぜ手仕事、手作業、職人にこだわるのか?もその根本にあるのは、さぬきいんべだから。私だからという単純なもの、単純なことだと言えると思います。

純国産の大麻と絹の織物が教えてくれたもの

杼と織り途中の布

2012年の夏から2013年の末まで大麻と絹の織物を販売させていただいていました。

糸づくりもその方ご自身がされ、経糸の絹は愛媛県産の晩秋繭「あけぼの」を手びき。

緯糸の大麻は栃木県産の大麻(野州麻)を手績み。

丹念に心を込めて織り上げられていて、清らかで繊細なハリとツヤのある布だったことを思い出します。

高野さんによる手績み大麻糸
手績み大麻糸(緯糸)

この方は多摩美術大学芸術学科映像学部卒業後、23歳のとき、写真を撮るために移住した沖縄県与那国島で機織りの仕事に出会いました。

そこで、島の伝統工芸品に指定されている「与那国花織り」の技法を学び、織り子(※)になったそうです。

その後、愛媛県西予市野村町で国産繭(まゆ)からの「座繰り糸ひき」の技術を習得。

さらに、大麻の歴史に興味をもち、大麻の布を自らの手にとって感じてみたくなり、麻績みの技術を習得されました。

(※)織り子=機織りをする人。沖縄県与那国島の織物の歴史は古く、おおよそ500年。与那国町伝統工芸館では、織り子の養成により与那国織の伝統を継承するための養成活動が行われている。

 

さらにお聞きすると、麻績みは与那国島のお婆さんから習ったそう。

そして、今の「よりひめ(R)」(麻糸産み後継者養成講座)の活動が始まる前に大麻博物館(栃木県)の高安淳一さんからも麻績みを教わったそうですが、それは与那国島で教わったのとは少し違うとのこと。

大麻と絹の織物
大麻と絹の織物(左側は緯糸に藍染め大麻糸がランダムに入ったもの)

日本各地には地域によって育まれた方法、昔から代々受け継がれてきたものがあるのだと思います。

それを後世に受け継げるようにしたいですね!(間に合ううちに)

手間をかけた時間と、作り手の想いが感じられる命のかたまりのような上品で美しい布でした。

出雲の台頭。忌部と共に注目!

2017年2月、徳島・大麻比古神社の正式参拝(日本麻振興会主催)へ行ったときのこと(この時のレポートはこちら)。

上記レポートでは触れていないことですが、映画「つ・む・ぐ 〜織り人は風の道をゆく〜」、「麻てらす」の吉岡敏朗監督も来られていたので、名刺交換させていただきました。私の名刺(さぬきいんべ)を見るなり、「俺は出雲忌部だ」と。

吉岡監督は出雲出身だったんですね(知らなかった)。

出雲にご縁を感じることはこの時に限りません。

創業を目指していた2009年秋に神縁の皆様とたまたまタイミングが合い、出雲大社と物部神社へ正式参拝した他、神魂神社、八重垣神社、日御碕神社など11ヶ所ほど巡りました。

またその後にご縁をいただいた玉造りをされている青舟さんは、しょっちゅう出雲と新潟・糸魚川を行ったり来たりされていて状況報告をよくいただきます。

それから備前と讃岐忌部の関係は?でご紹介した備前市伊部・天津神社の神職に電話した際、たまたまそういう話になったのでお聞きすると「(忌部は)出雲と関係があると思う」とのことでした。

讃岐忌部氏の祖神、手置帆負命(たおきほおひのみこと)は文献によると後年、大国主命の笠縫として仕えたとされていて、出雲と関係があるのか程度に思っていましたが、次々ご縁のある方がそういうことを言われるのでやはり忌部と出雲は関係あるんだろうなと思っています。

伊勢神宮の式年遷宮、出雲大社の平成の大遷宮が重なった2013年以降、徐々に光が当たっていなかったところに光が当たっていき、時代が令和となって、いま国つ神(土着の神)に光が当たっていっているように感じます。

松山・道後温泉の大国主命と少彦名命が登場する「玉の石伝説」が道後REBORNプロジェクトのアニメ「火の鳥”道後温泉編”」で紹介されているのも1つ。

声優が火の鳥役・水樹奈々、大国主命役・つるの剛士、少彦名命役・三森すずことなっています。

そして、ここまで記事を書いてきて2020年に東京国立博物館平成館(上野公園)にて下記の特別展が開催されることがわかりました。

日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」

2020年は古事記編纂1300年を迎えた2012年から8年。さぬきいんべにとっても大事な年になりそうです。2020年1月で10周年ですし。

さらに、ここまで書いて「出雲の國」というチョコクッキーをおみやげでおすそ分けいただきました。きてますね!出雲。

出雲は見えない世界を司っているといわれます。いよいよ、ワクワクします。

私たちにとっては、見えるものより見えないものの方が重要です、見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。(新約聖書:コリントの信徒への手紙)

神様への日々のお供えについて

なぜ神棚をお祀りする?神棚の真の意味の記事に続いて、神様への日々毎朝のお供えについてです。

毎日のお供物(神饌)のことを「日供(にっく)」といいます。お日供とも。最初聞いたとき、「おにく」に聞こえた(お肉?)ので何のことかと思いました。(^^;)

米、塩、水が必要です。米と塩はお皿に盛り、水はその日の初水を水玉という器(水器)に入れお供えします(正式にはふたを取りお供えします)。

これらは、日々いのちを支える食生活のなかで、最も大切なものとして、天地(あめつち)のめぐみに感謝してお供えするものです。

供え方は白木の三方または白木のお膳にお供えします。※正式な三方はヒノキでつくられ、正方形で四方に縁を付けた角盆(折敷)を前と左右の三方をくり抜いた台に取り付けたもの。三方は穴をくり抜いていない面が神棚の方に向くように供えます。また上の折敷と下の台が離れるものは折敷のとじ目がある方が手前になります。

神饌は供えた後に神様のお下がりとしていただくことで神徳にあやかります。

 

毎朝お供えをしてご神前に向かい、感謝して1日をはじめませんか?

はじめはそんな時間ないと思っていましたが、しはじめると何となく心が豊かになった感じがし気持ちがいいのです。

日常生活の中で心を整える時間、、

それは人によって異なると思いますが、散歩だったり裁縫だったり掃除だったりするかもしれません。私にとってはお日供になっています。

 

 

参考文献:

・「みそぎ13号」(伯家神道)

丈夫でやさしいヘンプソックスをお探しの方へ

しばらくヘンプソックスはX社のものを履いてました。

しかしお客様(女性)のご要望でハイソックスの生成りをとのことで探し、行きついたのが杉山ニット工業製のものでした。

香川県在住時代、2002年の夏だったと思います。高松市内のあるブティックでヘンプ製品の個展をしていた京都の方に会い、その方がこのヘンプソックスのパッケージデザインをされたと聞きました。(このときヘンプの衣をはじめて試着させていただきました。さらに紙に絵をササッと描きくれました)

そして、冒頭のお客様が求めるハイソックスがこれでいいか検討していましたら、このお客様がその京都の方に徳島県で会ったというのです、なんと。なかなかないですよね、そのタイミングで。(その方が描いた絵を購入したと聞きました)

こういう経緯があって、杉山ニット工業のヘンプソックスを取り扱うことにいたしました。

杉山ニット工業といえば、2001年頃から知っていてヘンプソックスの草分け的存在と思います(手元にあるNPO法人ヘンプ製品普及協会編「ヘンプ商品カタログVOL.4」2005年夏秋号にも唯一掲載)。

特長は、

・ヘンプの混率が48.5%と他社より多い。

・丈夫でやさしい履き心地。そして長持ちする。

その他、

1.一切の妥協なし、厳選素材のみ使用。
単に高価な糸を採用するだけでなく、健康を考えた最良の品を作ることを目指しています。

2.機能性・履き心地を重視。
独自の製法により、EM-X GOLDを添加することでよい波動効果が得られます。

3.工場内を良い波動環境に。
機械油を含め、製造機器類にもよい波動効果をもたせる工夫を凝らしています。

4.手作業による、心のこもった商品。
まごころを込めて1つ1つ手作業で仕上げます。誠心誠意つくすこころの波動を商品に込め、完成品とします。

ヘンプソックス(生成り)
2019年春から登場、ヘンプソックス(生成り)の新しいパッケージ

ソックスは一度履き始めると同じ銘柄のものを履きませんか?私は何年かぶりに杉山ニット工業製のものを履いて、今まで思い込みがあったことに気づきました。一番と思っていたX社のより履き心地がやさしく気持ちいいんです。

ご自分に合うもの、またはシチュエーションにピッタリのソックスに出会うきっかけになりましたら幸いです。

バリエーションとして、ショート丈のスニーカータイプも仲間入りしました。

杉山ニット工業を訪問したら、秘密がわかるかもしれません。またご報告させていただきます。(^_-)

産業用大麻の記事(北海道新聞&あさひかわ新聞から)

2014年度から一時、産業用大麻の試験栽培をしていた北海道の状況は今どうなっているかと思い、探っていましたら以下の連載記事を見つけました。2018年7月~8月の記事です。(一部、会員登録すれば無料で読めます。記事の掲載期間は原則1年間、リンクのあるものはまだ読むことができます)

<北見 それでも産業用大麻に懸ける>上 法律の壁 事業化進まず

<北見 それでも産業用大麻に懸ける>中 消えゆく文化に危機感

<北見 それでも産業用大麻に懸ける>下 地域の基幹作物目指す

 

それから、2019年1月と6月のこちらの記事が、あさひかわ新聞にも記事があります。

産業用大麻理解深めて 旭川の有志が協会設立へ

・産業用大麻 産業化の可能性探る 20人が連絡会議

旭川ヘンプ協会 設立総会と記念講演会(あさひかわ新聞)

食品・建材など多用途の原料 産業用大麻・ヘンプの普及目指して 「旭川ヘンプ協会」設立(あさひかわ新聞)

 

また、北海道旭川市で「日本のヘンプ開国」を目指す国際ビジネス会議が開催されました。ヘンプ産業で活躍する海外10カ国以上の講演者から最新情報に触れることができるとのことでした。

日 程:2019年10月11日(金)、12日(土)、13日(日)
場 所:旭川市大雪クリスタルホール・国際会議場
参加費:11日は無料、12~13日は2日間で7万円
主 催:一般社団法人北海道ヘンプ協会(HIHA)
問い合わせ先:https://asa-con.jp

備前と讃岐忌部の関係は?

4年前、玉造りをされている青舟さんから紹介いただいた方で、岡山・備前市伊部に鎮座する天津神社の神職がいます。〔私事、神職の知り合い(すぐ連絡取れる)はこの方含めて4人います〕

青舟さんらしく?封書で紹介いただいたので、すぐ電話をかけその神職と少しお話をさせていただきました。

天津神社の近くに忌部神社があること、自身備前焼をされていることなどをお聞きし、忌部っぽいつながり、ご縁を感じました。

以後一度訪れたいところの1つです。

 

それから、香川県在住時代の職場の後輩で、後に結婚され長船(おさふね)という姓になった人がいます。

年賀状で結婚を知った際、(讃岐にしては)変わった姓と思っていました。

それが、1年半前に岡山へ行った際、備前長船という道路標識を見たので、帰ってからその長船さんに関係あるかとたずねました。

刀剣には詳しくはありませんが(青舟さんは詳しいです)、瀬戸内市に備前長船刀剣博物館というのがあるんですね。

長船さんいわく、先祖が刀を作る人みたいなことを聞いたことがあるのと、旦那さんが小さい頃、祖父と一緒にその刀剣博物館へ行ったことがあるとも。

そして、香川県の観音寺市一角に長船さんが数軒固まっているそうです。

 

前々からSNSで投稿をしていると知らず知らず香川、徳島だけでなく岡山の方々ともつながり、ご縁ができたので何か讃岐忌部と関係があると思っていました。

最近、知人と岡山の話になり、吉備津彦とか、温羅(うら)、備前焼の話になったので、上記のことを思い出しました。岡山には笠岡とか気になる地名もあります。

2005年だったと思いますけど、私は吉備津神社へお参り、その際に鳴釜神事を体験しました。

「温羅」という日本酒を作っている方もSNSで知り合い、その後西条市へ来られた際お会いしたことがあります。他にも縁を感じる方がいます。

手仕事、職人文化が栄えていくように

父は建具職人でした。

小学校の高学年くらいだったと思います。あるとき母が「建具は細かい割りに儲からないから跡は継ぐな」というようなことをぼそっと言いました。

跡を継ぎたいという強い思いがなかったのと、父は仕事に関しては何も言いませんでしたので、ときどき忙しい時に手伝ったりするくらいで、結局私はサラリーマンになりました。

晩年父は、生活様式の変化などで仕事が少なくなって、企業に就職したのは正解だったかもしれません。

しかしこちらの経緯で、おお麻(ヘンプ)に出会い、さぬきいんべを創業し、無私の心で「手仕事革命」へで書いているように、おお麻を追っているうちにだんだん手仕事、職人に縁があることがわかってきました。気がついたらそういうもの、人が目の前にいました。最初は「おお麻文化」を後世にだけしかホント考えていませんでした。

会社勤めしている時は上の人に「細かいことにこだわるな」と注意されたことがあります。(笑)

そしていろいろな作り手にお会いして話をしたり、2017年度から愛媛民芸館の評議員に就任してやっていったりする中で、特に手仕事、職人文化が栄えていくようにしていきたいと思うようになりました。

担い手の高齢化、減少が言われているように思います。伝統工芸では若い人たちもがんばっています。おお麻の農家、職人、神社を守ろうとして取り組んでいる人もいます。

残りの命をそれに傾けたいです。

 

四国唯一の民藝館、愛媛民芸館(愛媛県西条市)において下記のイベントをおこないます。

「民藝館1day meets!」

七Coffee Roaster×にじとまめ×jam room store 3店舗による1日限りのポップアップストア

開催日時:2019年6月23日(日)10~16時

場所:愛媛民芸館内1F

・七Coffee Roaster・・・テイクアウトカップにてドリップコーヒー販売

・にじとまめ・・・地域の食材を使用した天然酵母パン販売

・jam room store・・・久留米絣を使用したMONPEなど展示販売

当日は砥部焼、ひろき窯(多川ひろきさん、平成28年度および30年度日本民藝館展入選)の作品の展示即売会期間中であるのと、周桑手すき和紙の杉野陽子さんによる和紙教室も予定しています。

愛媛民芸館 1day meets!イベント(2019.6.23)フライヤー

見えるものと見えないものをつなぐ

令和2本目。見えないもの、、霊の話をしようとしているのではありません。

伯家神道・十種神宝御法の修行座には食べること、食事も含まれています。

どうやって食べるか。

・食前感謝のことば

たなつもの(食物)百々(もも)の木草も天照らす日の太神(おおかみ)の恵み得てこそ

・食後感謝のことば

天地(あめつち)の神の恵みを見に受けて満ちたる生命(いのち)うけひ励まん

天地の恩、社会の恩、親・先祖の恩。いただく時このことを思いながらご飯をまず三口かみしめるのです。教わってすごくいいことだと思い、それからこの「三口かみしめる」のを毎食事時にしています。このおかげで一粒の米、一滴の汁まで尊いと思えるようになりました。

天地の恩は、天体の運行、太陽、月、雨、風、雪、花、山、川、草、木、大地、海など自然の営み、神々に対する恩。自然の恵みがなければ、ということです。

社会の恩は、あまたの人々の働きに対する恩。米にしても農作業した人、運んだ人、売った人など自分の口に入るまでにさまざまな人の働きがあるわけです。

親・先祖の恩は、自分という存在には親がいて、親にはまたその親がいて、その親にはまた親がいてという命の連鎖に対する恩です。10代さかのぼると、、

食事の前にいただきます、終わったら、ごちそうさまと言う人がいます。

(前略)もう1つ、日本が世界から尊ばれているのは神道が国家精神の背景にあるということです。日本には「八百万の神」という言葉がありますね。山や川にも神さまが宿るという考え方はとても神聖で神秘的です。日本人は世界で一番自然に近い民族だと私は思います。
食べ物に関してもそうですね。「もったいない」「いただきます」の心は、食べ物の命に対する敬いの気持ちです。食堂などで見ていても、日本人の多くは1人で食事をするときでもいただきますと言います。中には胸の前で両手を合わせる人もいます。そして食べ終わると「ごちそうさま」と言う。
日本以外の民族ではそういうことはありません。店員に「サンキュー、グラッチェ」を言う人はいますが、敬虔なクリスチャンでなければ黙って食事を始めて黙って終えていきます。(後略)(「地方再生のレシピ」マンリオ・カデロさんの言葉より)

3.11の震災の後、「絆」という言葉がしきりに言われました。絆は目には見えません。

それと同じように天地の恩、社会の恩、親・先祖の恩は目には見えません。感じるものです。

日本人は昔から目に見えるものはもちろん、目に見えないものを大事にして生きてきたんだろうと思います。

すべてつながっています。

本当に見えないものの話は機会ありましたらまた。(^_-)

 

 

・参考文献

「地方再生のレシピ」奥田政行著(共同通信社)