藍染め国産精麻の取扱い開始♪

2015年から国産精麻の藍染めを試していましたが、このたび、きなりと同じように提供できるようになりました。

私自身、いくつか藍畑、染め場を見学させていただきました。(例えば、こちらの記事)

【タデアイ(蓼藍)の効能についての伝承】

○殺菌効果
足袋などにも使用、水虫にならないとされた。

○遠赤外線効果
冬あたたかく、夏涼しい。

○虫よけ
ヒルや虫が寄ってこないとされた。(タンスに入れたり、蚊帳を染めたり)

○消臭効果
オムツや産着、仕事着などに用いられた。

○UVカット効果
野良着などに利用された。

○染色によって繊維がしまり丈夫に
特に藍染めは丈夫であるとされた。

その他、 漢方薬として用いられたり、止血・あせもに効果がある等、、以上のような理由から古来、身を包み守る染色として大切にされてきました。

さらに、京都・祇園祭で運行される山鉾の話。

山鉾の「鉾」と「山」の一部に藍染めされた精麻が使われています。それに疫病神を祓い清める目的があると思われます(精麻+藍染めの相乗効果、函谷鉾保存会 財団法人設立30周年を記念した冊子には、この垂れは「しゃくま垂れ」と記載)。

藍染めされた精麻(赤い幕の上の紺色の垂れ部分)。写真は、北観音山。
藍染めされた精麻(赤い幕の上の紺色の垂れ部分)。写真は、北観音山。

山鉾の「山」は、常緑樹である松を神の依代に見立て、自然の山を象徴する(そこに神様が降りて清める役目をする)。「鉾」は、疫病神を鉾に集めて祓い清める役目をする。

株式会社山川(京都市)によると、すでに大正時代には藍染めされた精麻が使われていたとのこと。また、渡御する神輿の轅(ながえ)と横棒を縛る縄も紺色の麻縄だそうで、こちらも元々は藍染めだったかもしれません。

原点をたどれば、祇園信仰の本質は疫病退散への願い。山鉾の巡行は東御座(櫛稲田姫命)、中御座(素戔嗚尊)、西御座(八柱御子神)の三基の神輿を渡御・還御するための「先祓い」なんです。前祭(左回り)できれいにした後に神社から神様がお出ましに、また後祭(右回り)できれいにした後に神社へ神様がお帰りになる。

そういう目で祇園祭を見ていただくと、れっきとした神事だということがわかるのではないでしょうか。

 

いま、新型コロナウイルス感染症のことが連日報道されています。2020年に入り、藍に抗インフル効果というニュースもありましたし、翌年には藍にコロナ不活化効果が確認というニュースもありました。宗教に科学が追いついた感じです。

藍は洋の東西を問わず色の基本。

疫病退散の願い、新型コロナ拡大の早期終息の祈りをこめて、この藍染めの国産精麻を世に送ります。(藍染めの精麻の発表がこの時期になったのはたまたまです。準備など都合で今になりました)

場の浄化、お守り作りに(みんなに配る等)。祓い清めの神具に。

 

 

・参考文献

「藍Ⅰ 風土が生んだ色」竹内淳子著(法政大学出版局)

神棚のお掃除について

神棚のお掃除していますか?

昨年末、目に留まった記事がこちら。

maco流☆神棚のお掃除☆

基本は抑えていると思います。

神様へのごあいさつ(「おことわけ」という)をしてはじめ、終わったら神様へ再びごあいさつをする、順序は上から下へ、神具、掃除の道具は下に置かない、この方は息がかからないように口に新しい榊の葉っぱを加えていらっしゃいますが、マスク(髪の毛が落ちないように頭巾も)でいいと思います。

何にしても清浄であることが大事ですので、気になるようでしたら年末に限らず都度されたらいいのではないでしょうか。

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

草木染めの精麻を業界標準にという夢

2015年に、神社仏閣用のしめ縄や鈴緒、鰐口紐など麻製品を調製する京都・山川と知り合い、製品を取り扱いはじめて、えっ?と思ったことの1つが、精麻を染色する際に用いるのが化学染料であることでした。

創業以来、さぬきいんべではヘンプ衣料を主に、草木染めの製品を取り扱ってきていたからです。それ以前に古神道がベースにあるので自然順応的な考えはごく普通にあります。

なぜ化学染料が使われるかというと価格が理由とのことです。白い精麻が尊ばれる、精麻の漂白とは理由は異なります。

そんな中、山川の製品を扱いはじめてまず藍染めの製品を2016年に投入、それが神居 和かざりの藍染め版です〔京都・祇園祭の山鉾に藍染めされた精麻が用いられる、それにヒントを得ました。先人の知恵と思います。(参考)京都に夏を告げる祭り「祇園祭」〕。

このたび、待望の草木染めの製品、神楽鈴・国産精麻五色緒付きを取り扱い可能になりました。2尺5寸(約75センチ)の五色の精麻の緒を草木染めの五色で対応いたしました。

草木染めとは現代のように化学染料がなかった時代の染色方法です。

「草木は人間と同じく自然より創り出された生物である。染料となる草木は自分の命を人間のために捧げ、色彩となって、人間を悪霊より守ってくれるのであるから、愛(なさけ)をもって取扱い、感謝と木霊(こだま)への祈りをもって染の業に専心すること」-古代の染師の間に語り伝えられた「染色の口伝」の一節である(前田雨城著『日本古代の色彩と染』)。

古代の人々は強い木霊の宿る草木を薬草として用い、その薬草で染めた衣服をまとって、悪霊から身を守りました。まず火に誠を尽くし、よい土、よい金気、素直な水をもって、命ある美しい色を染めました。

いずれも天地の根源より色の命をいただいたというわけです。

化学染料による染色にはない、素朴さ、色の深み、質感、、

化学染料は色と色を混ぜ合わせることによって新しい色を作ります。単一の色では色に底がありません。また化学染料は脱色することができますが、植物染料は脱色することができません。

人間が主か、自然が主か、、

神様(仏様)に自然の循環型のものを捧げさせていただく、またサステナブル、持続可能な社会にという流れの中、神社仏閣の麻製品でも草木染めが標準になっていったらいいと思わずにはいられません。(^^)/

山門にかけられた国産精麻しめ縄と草木染め垂れ(四国霊場22番札所・平等寺)
山門にかけられた国産精麻しめ縄と草木染め垂れ(四国霊場22番札所・平等寺、2017年)

 

・参考文献

「色を奏でる」志村ふくみ・文、井上隆雄・写真(ちくま文庫)

「函谷鉾(財団法人設立三十周年記念)」財団法人函谷鉾保存会編

10周年を迎えて新たなスタートを

2020年1月4日で、さぬきいんべは10周年を迎えました。

10年か、、1月はその余韻にひたっていたようなところがあります。10年前に思いをはせたり、これまでにあったこと、人との出会いなどを思ったり、その中で新しいことを考えたり、、

いまの思いを書いてみます。

さぬきいんべは10年前の2010年1月4日にこちらに書いていますような経緯で大麻文化の復興にお役に立ちたいと思い、いわゆる“お金なしコネなし経験なし”から香川県商工会の創業塾、下記のH社でのインターンシップを経て香川県高松市で創業いたしました。創業前から注文をいただきいいスタートに見えましたが半年余りで活動中止へ。同年8月に実家のある愛媛県西条市にUターンしそのまま辞めてしまうことも考えました。しかし周りの後押しもあって翌年6月に活動再開、現在に至っております。

最初は今は製造中止になっていますがH社が開発した工房織座(今治市)製のヘンプ衣料をOEM供給を受け、さぬきいんべ(TM)ブランドでの販売を中心にしておりました。

H社は2014年に事業停止、それと前後して京都の麻縄職人(株式会社山川)を紹介いただき、神社の鈴緒をミニチュア化したミニ鈴緒を皮切りに今までさまざまな製品を取扱い好評を得てまいりました。

一番うれしかったのは、2016年に山川の製品を結婚式の引き出物等に選んでいただいたことです。引き出物の1つとして叶結びアクセサリーが贈られたり、披露宴にてプリザーブドフラワーでおめかししたしめ縄(神居和かざり《朱》)が飾られたりご両家に記念品として神居和かざり《朱》が贈られたとのことでとても感動しました。(お客様より式の模様の写真をあとで見せていただき、和にこだわられている様子にとても感激いたしました)

結婚式で使われた神居和かざり《朱》
結婚式で使われた神居和かざり《朱》
(同)結婚式で使われた神居和かざり《朱》、ご両親に記念品として
(同)結婚式で使われた神居和かざり《朱》、両親に記念品として

最初は意識していませんでしたが年々手仕事、職人と縁が増えていき、株式会社山川との出会いで自分のルーツが職人なんだと思いました。それがはっきりわかった後、建具職人だった父が2015年春に亡くなったのも不思議なめぐり合わせだったと思います。

今後もより一層研鑽を積み世に無い製品、特に手仕事のものを出していきたい、さらなるサービス向上に努めたいと思っております。そして、ある時気づくと「初心」が叶っていたが理想です。〔目標としては1939(昭和14)年の栽培面積、特に四国。「大麻という農作物」(大麻博物館著)によると四国は愛媛7.5ha、高知7.1ha、香川0.1ha(徳島はデータなし)、他の地域では例えば、栃木4158.2ha、長野1013.3ha、広島688.5ha、北海道112.9haなど〕

よろしくお願いいたします。

PS 2020年庚子(かのえね)の年は、アップデート、更新といった意味があるのをあとで知りました。

 

 

・参考文献

「大麻という農作物」大麻博物館著(大麻博物館)

四国霊場22番札所・平等寺で初会式(麻レポート)

1月19日、徳島県阿南市の四国霊場22番札所・平等寺の初会式に行ってきました。

山門にかけられた国産精麻のしめ縄を見に行ったのが2016年3月(こちらの記事)。以来、4年ぶり。

本堂での晋山式法会
本堂での晋山式法会〔左に新品の鰐(わに)口紐、住職の左肩には修多羅〕

この日は本堂で晋山式(新住職就任)法会も行われ、それに参列させていただきました。仏教は詳しくないのであれですが椅子席には「先達」の方がずらっと並ばれているようでした。

初会式に合わせて本堂の鰐口紐2本、鐘楼の鐘突き紐(いずれも国産精麻製)が新しく付けられていて文字通り新品でした。

この初会式は、谷口真梁(しんりょう)住職が副住職だった頃に大勢の稚児や参拝客であふれかえった昭和初期の初会式の写真を見て感動し、2016年に再興。今回が再興5回目。門前や境内では仮装マルシェ、太師堂横のステージで太鼓、阿波踊り、ヴァイオリンコンサート、そして餅投げ(3回!)もあり多くの人でにぎわっていました。

太師堂横のステージで太鼓演奏中
太師堂横のステージで太鼓演奏中

そう、このステージで五色の綱引き大会もあって、この綱がまた麻製なんです。

住職の左肩にかかっていた立派な修多羅(国産精麻製)も遠目に見させていただきました。

さぬきいんべに至る前、私は弘法大師・空海の足跡を追いかけていたことを思い出します。御厨人窟、出釈迦寺(我拝師山)、焼山寺(焼山寺山)、太龍寺、大滝山、高越山、高野山、、

平等寺は空海が開いたお寺で、「弘法の霊水」(井戸)もあり、ご本尊の薬師如来は空海の御作(秘仏)です。さぬきいんべは1月4日に10周年を迎えましたが、再び訪れて今までのことを思いかえし、ご縁をあらためて感じました。

麻というと神社ばかりでなくお寺でも麻が使われています。鰐口(下から見て鰐が口を開けたように見えることからこう呼ばれる)は参拝者が綱を振って打ち鳴らすことで神仏に来意を伝えます。お寺にお参りした際、見てみてください。

 

 

・参考文献

徳島新聞「徳島・阿南市の22番札所・平等寺 50年ぶり初会式」

旧暦と行事、日本は二本立てでできている

東京オリンピック・パラリンピックの観戦チケットに日本の「伝統色をあしらう」という新聞記事がありました。

(参考)五輪チケット、デザイン公表 藍や紅…大会カラー彩る(日本経済新聞)

さて、日本の行事は本来は旧暦(太陰太陽暦)でおこなわれていました。旧暦とは明治6年まで使われていた太陰太陽暦のことで、月を基準にした暦で太陽暦の春夏秋冬とのズレを調整しているため、早い話、自然のリズムに合っています。農業をされている方などは現在も参考にしているのではないかと思います。

毎月1日は新月で、三日月は3日の月、十五夜は15日の夜の月を表し、そのままです。旧暦を知っていたらその日の月の形がだいたいわかりますね。また、五節句、例えば桃の節句(3月3日)は桃の花、端午の節句(5月5日)は菖蒲の花が咲いているころですし(新暦だとちょっと時期が早い)、七夕(7月7日)は南の空に天の川がきれいに見られる可能性が高いです(新暦では梅雨にあたる)。1~3月は春、4~6月は夏、7~9月は秋、10~12月は冬と、なぜ年賀状に「新春」とか、梅の花が描かれているかというと旧暦では1月1日は文字通り春のはじまりだからです。疑問に思ったことありませんか?冬なのに春とは、、

さらに、私の氏神さまの夏越祭(なごせ)は毎年旧暦6月16日におこなわれます。「水無月の 夏越しの祓ひ する人は 千歳のいのち 延ぶといふなり」という歌がありますが水無月は6月のこと。愛媛県の伊豫豆比古命神社(椿神社)では毎年旧暦の1月7・8・9日に伊予路に春を呼ぶ、椿まつりがおこなわれにぎわいます(2020年は1月31~2月3日)。

例はまだまだありますがこのように旧暦は日本の四季、日本人の暮らしと密接に結びついてまいりました。そんな生活から、和の伝統色、もちろんそれだけではないでしょう日本の文化が生まれています。色だけをみても種類、呼び名が何種類もあることに驚かれるでしょう。

(参考)日本の伝統色 和色大辞典

現代は四季の変化がわかりづらくなっていませんか?

香川県には昔の人が大切にしたと思われる巨石祭祀遺跡が多くあります。それ(方角)をみると冬至、春分、夏至、秋分(四至二分)を大事にしていたことがわかります。農耕祭祀、すなわち生きることと密接に関わっていたのだと思います。

自然とともに生きていく、共存していく。そのために暦は大事なものです。

日本は“二本”、新暦(太陽暦)と旧暦、神道と仏教、元号と西暦などが共に存在しています。西洋のように1つだとわかりやすいですが、片寄りやすい(極端になる)。この二本立てのおかげで「あいまい」になり、色彩豊かな文化が継承されているのではないかと思います。その以前に日本神話(多神教)があってのことだと思いますが。。

美しい日本とその文化を後の世代に継承していきたいです。

 

 

・参考文献

「旧暦カレンダー」(南太平洋協会)

数霊で解く大麻(ヘンプ)

2020(令和2)年、今年もよろしくお願いいたします。年始に自治会の“お日待ち”という集まりの用で各家を回りましたら、皆さん新年らしいいいお顔をされててうれしく思いました。

さて、数霊とは、日本の神道において言霊と表裏一体とされているもので、数に宿る霊のこと、数にも言葉と同じように魂があるのです。

言霊は上古代の頃から必ず数霊という数に裏打ちされたものだったようです。(父のことを「カゾ」、母のことを「イロハ」と言うんです。父親は縦の系統の数霊、母親は横の系統の言葉、つまり経糸が数霊、横糸が言葉)

古くから神道に受け継がれてきた数霊のことは、熱田神宮や大神神社などで奉職された小林美元さん(1927~2005年)の『古神道入門』にも記述があります。

ここでは吉野信子さんによるカタカムナ48声音の思念(言霊)表を用いて大麻(ヘンプ)を解いてみたいと思います。(神道の数霊とカタカムナ数霊の関係は吉野さんの著書で解かれていますので興味のある方はそちらをお読みいただければと思います)

それでははじめましょう。

おおあさ=40+40+18+28=126 根源から出て分かれ放射する。

ヘンプ=22+48+2=72 調和の振動が放射する。

言霊ではどちらも成長が早い、生命力が強いことを表していると思いますが、日本語(おおあさ)は、内面(見えないもの)に着目した感じ、英語(ヘンプ)は、外面(見えるもの)に着目した感じがします。文化のちがいを感じます。

一方、大麻(たいま)だと、

大麻=26+5+6=37 湧き出る光の調和が根源から出る。

成長が早い様子が表されているようです。また、「神の草」と言うのもうなずける気がしませんか?

精麻(せいま)=36+5+6=47 引き離したものに引き寄る振動。

神の依り代、神が宿る繊維と言われますが、それが伝わってくるようです。

オガラ=40-25+31=46 充たした陽の受容が根源から出る。

茎の芯(木質部)そのものを言っているようです。

麻の実=18+28+20+3=69 受容(入れ物)が転がり入る。

まさしく種のことですね。

麻の葉=18+28+20+42=108 指向が飽和して放射する。

そのままを言っているようです。

いかがでしょう。

読み解き方はこれがぜったいではありません。例えば自分の名前の数霊をみてみるのもおもしろいのではないでしょうか?

もう少し挙げると、

神棚=25+3-26+14=16 転がり入る調和。

何が「転がり入り」ます?神棚には。クイズみたいですね。

しめ縄=23+10+14+7=54 陰と陽が転がり入る。

らせん形状ですから左回りと右回りがあります。

磐座=5+7+11+31=54 陰と陽が転がり入る。

しめ縄と同じ数霊、言霊では「伝わる調和が引き寄る場」ですので、天の気と地の気が交流することを言っているようです。

本坪鈴=47+48+44-47+21-21=92 発信放射する振動。

本坪鈴とは神社の鈴緒や祭事祭礼で用いられるもの。鈴だと数霊は21-21=0(外向きの渦と内向きの渦が反転する場を意味)ですが、本坪鈴は文字通り“ただの鈴”ではないようです。

さらには、

正月=23+4+19-25+44=65 広がりが伝わる。

希望に満ちた新しい年のはじめの心を言っているのでしょうか。

旧正月=29+37+19+23+4+19-25+44=150 飽和するそのもの。

飽和するのは暦(カレンダー)です。1年全体のはじめのことを言っているようです。

立春=8+44+23+37+48=160 転がり入るそのもの。

立春の前日、節分ですと126(根源から出て分かれる)なので、さらに進む感じです。陰が陽に変わることを言っているかと思います。

左=1-26+8=-17(統合させられる)

右が-26(分かれさせられる)ですので、日本で「左が聖とされる」のはまとまることが大事だからではないでしょうか。〔左回りが4(陽)、右回りは-5(陰にさせられる)になります〕

数霊ってスゴイ、日本語ってスゴイと感じていただくきっかけになれば幸いです。(^^)/

・参考文献

「古神道入門」小林美元著(評言社)

「カタカムナ 数霊の超叡智」吉野信子著(徳間書店)

「数霊」深田剛史著(たま出版)

【復習】神棚のまつり方

愛媛民芸館で開催中の「子の干支展と正月飾り展」を見てきました。2020年の干支、ねずみの郷土玩具のほか、しめ飾り、紙垂、お神楽に使われる切り絵、ミキノクチ(神酒口)など新年らしい神様を感じる展示でした(この展示は2020年1月31日まで)。

さて、新しい神棚で新しい年を迎える方もいらっしゃるのではないかと思います。暮れまでには新しいお神礼を受けて輝かしい新年を迎えましょう。

復習がてら下記に書きました。

○神棚の場所

南または東向きの明るい所で、目線より上の位置に取り付けます。(ただ、単に条件に合った場所に設置すればよいというわけでなく、一番大切なのは神様を大切に思う心、日々の暮らしに感謝する心ではないかと思います)

神棚は、社殿の造りをした伝統的な宮形の他、壁掛け式や洋室向けなど種類がありますので環境に合ったものをお選びください。

○お神札のまつり方

中央に神宮大麻、向かって右側に氏神様、左側に崇敬神社(地元の氏神様以外に信仰する神社)のお神札を、重ねておまつりする場合は、神宮大麻を一番手前に、そのうしろに氏神様、次に崇敬神社のお神札をおまつりします。

もし神棚がなければ、タンスや戸棚の上をきれいにしてまつってもいいです。

○お供えするもの

毎日お供えするものは米、塩、水が一般的です。氏神様のお祭りなどの時にはお酒や尾頭付きの魚、野菜、果物、また四季の初物やいただきものなどをお供えします。

ちなみに、神棚と外を隔てるためにしめ縄を一番手前の上方に設置するのがおすすめです。

○神拝のしかた

神社の参拝と同じように、二拝二拍手一拝(神前で二度拝礼して二度拍手を打ち、さらに一度拝礼)をおこないます。

 

絶対にこうでなければならないというものではありません。例えば、ある家ではお神札が氏神様だけとか、お供えは水だけの場合もあると思います。人によっては鈴緒を設置したり、祓串でお祓いする方もいらっしゃると思います。ただ、神棚は家の中でもっとも神聖な場所ですから、清潔にし心をこめておまつりします。

ご家庭によっては恵比須様、大黒様、荒神様、田の神様、歳徳神様などもおまつりする方もいらっしゃると思いますが上述に準じます。

自分んちの神棚が普通と思っているかもしれませんが、他の家の神棚を見るとこんなおまつりのしかた方が!という風になるかと思います(今までいろいろみてきた中での想像)。あるお客様にたずねてみると、小さな鳥居に国産精麻のしめ縄をつけて神棚風に祭壇をおまつりしているとのことです。奉斎の際に神社の神主さんをお呼びするからと、それに間に合うようにしめ縄をと注文いただいたこともあります。

出向いていろいろな神棚を見てみてみたいです。(^^)

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

「氏神さまと神宮大麻」(神社本庁発行)

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと

ホームセンターで「新しい神棚で新年を」というポップとともに神棚関係の棚を見かけました。最近は今風の神棚(壁掛け式)があるんですね。

古い家だと伝統的な神棚が合うでしょうけど、洋間の多い現代の家なら今風に作られたものが合うと思います。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えしておきます。

まず第一に、毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年はご希望の方に年内にきちんと届くようにということで、国産大麻(精麻)しめ縄&鈴緒年内お届けご予約ページを開設しております。

例年ですと12月初旬までにご予約いただければ年内のお届けが可能です。(諸般の都合その他の事情によりご予約締め切りの時期が早まる場合があります。その際はご容赦ください)上記のご予約は終了しました。年内お届けできるのは在庫の数量だけです。ご了承ください。(12月11日追記)

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人の手仕事でできたしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数〕。

ちなみにしめ縄、鈴緒を民芸とみるなら、使っていく中での素材の変化にも目を向けて楽しんで、あるいは使用後はお焚き上げせずに大切にしまっておくのもありかもしれません。濱田庄司氏(1894~1978年)はよく「作ったところで半分だ。そこから先は使い手が作る。だから、使うことも創作だ。」と話しておられたようです。例えば新しい青い竹かごが使っているうちにアメ色になるとかありますが、そのへんの判断は各自にお任せいたします。

もし、迷うようなことがありましたら、心の声を聞いてみるといいと思います。心がイエスと言った方、心が明るくなった方、心が軽くなった方を選ぶのをおすすめします。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう!

そう、年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。いい年末年始を迎えるために気をつけたらと思うことを書いてみました。

今年も1年間ありがとうございました~年末感謝祭2019

年末感謝祭2019

来年のエネルギーが世の中に入ってきて予兆を感じる頃になってきた感があります。

今年も年末感謝祭を1年間の感謝を込めてさせていただきます。

お買い上げいただいたお客様全員に、日本各地をひらいた阿波忌部についてのカラーパンフレットをプレゼント中です(お一人様1部限り、2019年12月31日まで)。

今年は元号が令和となり、ご存じの通り、新天皇即位にともなう大嘗祭(11月14~15日)に大麻の織物、麁服(あらたえ)が阿波忌部の直系である三木家(当主・三木信夫さん)より調進、愛知県豊田市で作られた絹織物「繪服(にぎたえ)」とともに供えられました。

阿波忌部のことがわかりやすくまとめられたA4全10ページのカラーパンフレットです。日本の原点を見つめ未来を創る、そういう時期にふさわしい内容と思います。(個人的にはP8の忌部の精神がおすすめ、これは2013年に今治市であった三木さんの講演の際にも拝聴した覚え)

ぜひ楽しみにお待ちください。(^^)/