モノより心の時代へ、お金より芸術の時代へ進んでいくこの世の行く末

いつの間にか、心の時代、芸術の時代になってきていると思います。(もちろんモノ、お金は大事です)

心の時代とは、わかりやすく言うと、どんな想いでそれをしているか?それが大事になってきているということでしょうか。

さぬきいんべで言えば、初心は四国の麻文化の復興、産業用大麻の栽培と流通を目標に、工房織座製のヘンプ衣料をOEMで展開、その後2015年の年頭より神社仏閣用の麻製品を手がける職人集団、京都・山川の製品を扱うようになり、しだいに、麻を通じて目に見えないものを大切にする人が増えていったらと思い活動しています。なぜなら、目に見えないものを大切にする人は“いい人”が多いからです。それにより世の中が平和になっていっていったらということが願いです。昨年2021年6月より、京都・山川さんのご協力で、おお麻(ヘンプ)専門神具店へとシフトさせていただきました。令和の大嘗祭の年、2019年、徳島・三木家(阿波忌部氏直系、三木信夫28代当主)にて麻織物、麁服(あらたえ)のための麻栽培や初紡式などがニュース等で報道されたのは記憶に新しいです。ずっと麻栽培がつづいていると思われるかもしれませんが現状は四国の麻農家はゼロ。将来、四国の麻栽培が再生できますようにそれに貢献できたらという思いです。

一方、芸術の時代とは、あらゆるものがきれいになっていくということでしょうか。また、個人や集団において美が大切になってきていると思います。

さぬきいんべで言えば、創業当初から美は大切にしていますが、昨年からはじめた「大麻の麻縄活用コンテスト」もそうですし、精麻飾りワークショップや精麻作品づくり講座をおすすめしているのもそうです。(個人では2017年より公益財団法人愛媛民芸館の評議員を務めさせていただいております)

きれいなものは心がやすまります。美しいものは大切と思います。

 

このまま行くと世の中はどうなるか?地上天国という言葉が適切かわかりませんが、争いや病気などのない世界、ミロクの世というのか、そういう社会になっていく、それを目指し活動しております。プライベートでは自然農法を家庭菜園に取り入れたりしていて、一歩一歩理想に近づくようコツコツと励ませていただきたいと思います。

精麻における草木染めと化学染料染め、いずれ草木染め精麻を主体へ

草木染めとは植物染料で染める方法、化学染料染めは石油由来の合成染料で染める方法です。

志村ふくみさんの「色を奏でる」(ちくま文庫)の一節「色をいただく」のなかにこんなことが書いてあります。

ある人が、こういう色を染めたいと思って、この草木とこの草木をかけ合わせてみたが、その色にはならなかった、本のとおりにしたのに、という。

私は順序が逆だと思う。草木がすでに抱いている色を私たちはいただくのであるから。どんな色が出るか、それは草木まかせである。ただ、私たちは草木のもっている色をできるだけ損なわずにこちら側に宿すのである。

草木染めは、化学染料とちがい、光の反射がやわらかいため色が目にやさしいです。また、色の深み、素朴さ、渋さ、質感があります。バイブレーションがそれぞれの染めによりちがうと思います。

一方、化学染料染めの場合は、色と色を交ぜ合わせることによって新しい自分の色をつくります。単一の色では色に底がありません。また、化学染料は脱色ができますが、植物染料は脱色することができません。自然が主か、人間が主かのちがいだと思われます。

 

何度もお伝えしていますが現在、神社仏閣用の麻製品の染色は99%が化学染料です。

なぜなら、安価に早く染めることができるからです。さぬきいんべの製品の化学染料染めは麻縄職人が、草木染めは染め職人がおこなっております。

化学染料染めの五色緒。
化学染料染めの五色緒。

 

しかし、神社仏閣用に化学染料染めは主体なのはどうかと(それまで草木染めのヘンプ衣料を扱っていたこともあり)違和感を覚え、2015年から徐々に藍染めからはじまって草木染めした精麻の普及に取り組んでおります。

先の記事でご紹介したように、先人が藍染めの薬効に着目したと思われる京都・祇園祭での精麻使用の事例を最初に知ったことで俄然やっていこうと思いました。

2017年には四国霊場22番札所・平等寺の山門に草木染め5色(緑・黄・赤・きなり・紫色)の前垂れのついた国産精麻のしめ縄がかけられました。

このことを知ってなんとかと、さらに精麻の草木染めをと思い取り組み、2020年にようやく、国産精麻・五色緒付きの神楽鈴のネーミング募集を実施、公募で選ばれたお客様が賞品の神楽鈴の五色緒を化学染料か草木染めかで、草木染めを選ばれたことで、国産精麻・草木染め五色緒付きのいわゆる神楽鈴【玉翠】が誕生しました。

草木染めの五色緒。(2020年以降)
草木染めの五色緒。(2020年以降)

もともと神社仏閣用の麻製品に草木染めの精麻をと思っておりましたので、幸先よく瓊奈川神社(翡翠の巫女)様へ神楽鈴【玉翠】が同年6月に奉納されたことはとても喜ばしいことでした。

 

写真ではなく、実物を見て確認したいというお客様へ、極上国産精麻(野州麻)の化学染料染めのものと、草木染め5色のサンプルもございます。五色緒のように長さ5尺(約150センチ)に麻縄職人が加工したものです。ちがいを見比べてみたい方はお気軽にお問合せください。きていただいてもいいですし、宅配便で貸し出しもさせていただきます(送料のみご負担ください)。

藍染めされた精麻を用いる、京都・祇園祭の山鉾にみる先人の知恵

3年ぶりに京都・祇園祭の「神輿渡御」と「山鉾巡行」がおこなわれるとニュースで知り、ああよかったと思いました。

といいますのは、この祭りは、もとは疫病退散が目的で869(貞観11)年に行われた「祇園御霊会」が起源なのに、この2年はおこなわれず、一部の京都市民から「コロナに負けた」と聞いていたからです。

さらに山鉾には、2015年にこちらの記事にまとめたとおり、藍染めされた精麻がつかわれていることがあり、陰ながら応援しておりました。

山鉾には山と鉾があり、鉾は、そこに疫病神を集める役目をし、山は依代でそこに神様が降りて、清める役目をします。その後、祇園の神を乗せた神輿が渡御・還御していく、つまり山鉾巡行は神輿渡御・還御のための「先祓い」になっているということで、大切に守り伝えられてきたには(きっと)理にかなっているからと思っておりました。

藍染めされた精麻(赤い幕の上の紺色の垂れ部分)。写真は、北観音山。
藍染めされた精麻(赤い幕の上の紺色の垂れ部分)。写真は、北観音山。

精麻については、神聖なもの、けがれを祓う、神の依代となるといわれており、ヘンプ繊維のデータになりますが、消臭性、抗菌性などがあることがわかっています。

一方、藍は虫よけや殺菌消臭効果があるといわれていますが、紫外線遮断、抗菌消臭、水虫やアトピーにいいとデータがあると聞いていました。さらに2021年に藍にコロナ不活化効果があることが奈良県立医科大学と寿スピリッツ株式会社との共同研究で実証されたそうです。

その前年には、藍に抗インフル効果があることもわかっていました。

藍染めされた精麻を含む山鉾の話、さらに3基の神輿(東御座・中御座・西御座)を組んでいる縄も麻縄と知り、先人の知恵はすごいと思っていましたが、想像以上にすごいのではないでしょうか。宗教で言われていることが科学と一致してきている点で。なお、神社仏閣用麻製品を調製する株式会社山川によると、山鉾に藍染めされた精麻が大正時代にはすでにつかわれていたということです。そして、その垂れの名前は、「しゃくま垂れ」「しゃぐま垂れ」(函谷鉾の場合)といいます。神輿を組んでいる麻縄も紺色なのですが、藍染めではないとのことでいつの間にか変わってしまったかもしれません。

 

 

・参考文献

『決定版 知れば知るほど面白い!神道の本』三橋健著(西東社)

「函谷鉾(財団法人設立三十周年記念)」冊子(財団法人函谷鉾保存会発行)

毎月3日は「アサの日」、お客様感謝デーを開催!(2022年8月3日より)

かつての日本において「麻」とは大麻を指していました。

古い文献のなかで麻と書かれているものは、もちろん大麻を意味しています。(栃木県の麻農家7代目・大森由久氏によると、大麻の名は明治以降、外来種と区別するためだそうです)

 

麻は言霊で、ア「感じる生命」、サ「差」で生命力が強い(約110日間という短期間で2~4メートルにまで成長)ということを表し、数霊でみますと、アサ18+28=46 充電(充たす)。(エネルギーを充たして)まさにケガレ=気枯れを祓うことを意味していると思います。麻も朝も同じ「アサ」ですが、“すがすがしい”理由がここにあるのではないでしょうか。

語呂合わせで、アサ(3)ということで、毎月3日をアサの日、お客様感謝デーとさせていただきます。3は、さぬきいんべの3でもあります。

この日はポイント2倍。(CLUBさぬきいんべ会員様)

値上げが相次いでいますが、できうる限り安価に、1人でも多くの方に麻製品をお使いいただき、お客様もよし、世間(麻農家、職人)もよし、日本もよし、世界もよし、というようになっていきましたら幸いです。※つくり手、手仕事の品の価値を下げないようもちろん配慮してまいります。

8月3日より開催予定です。よろしくお願い申し上げます。

 

 

・参考文献

「大麻という農作物」大麻博物館著

「麻の文化を育てる」パンフレット(野州麻栽培農家七代目 大森由久)

「古神道入門」小林美元著(評言社)

「カタカムナ 数霊の超叡智」吉野信子著(徳間書店)

 

高さ約60センチの国産精麻の大麻(おおぬさ)が完成、神社様へ納品

夏越の祓は済まされたでしょうか?

4年前から取り扱っております国産精麻の祓串(大麻)【たまきよら】は、標準の高さが約75センチです。(高さ約30センチのものもございます)

外祭用に使いたい、高さ約60~65センチでできないかと神社様よりお問合せ。

また、製作にあたり高さだけを低くするのか、置き台(筒)の寸法などを高さに合わせて縮小するか、神社様に確認させていただき、後者の方でご依頼いただきました。

高さ約60センチの白木の棒と置き台は木曽桧(樹齢150年以上)の柾目材を京都の木工職人が加工、そしてそれに極上の国産精麻を京都の麻縄職人が取り付けた祓串(大麻、おおぬさ)がここに完成いたしました。すべて精麻の祓串です。また、木目の細かさ、美しさ、香りなどにも目を向けていただければ幸いです。

すべて極上国産精麻の大麻(おおぬさ)の先端
すべて極上国産精麻の大麻(おおぬさ)の先端

先日、納品させていただきましたが、この神社様は戸越八幡神社様で、別の神社の女性宮司がご縁を取り次いでくださいました。神事にお使いいただき、多くの方が幸せになりますように。

この精麻の部分を製作した麻縄職人は、神社仏閣用の麻製品を調製する明治19年創業の京都・山川ですが、現在5代目の山川正彦さんは今年できた会社パンフレットの中で次のように申しております。「このような重要な神仏具を製造する仕事を担えておりますことを、私たちは大変光栄に思うとともに、責任も感じております。」

1年前、さぬきいんべは、おお麻(ヘンプ)専門神具店へと舵を切りました。今回のようなご紹介がとてもありがたいです。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付き【玉翠】に合う鈴掛け台は?

神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付き【玉翠】(草木染め版)を先にお求めいただいたお客様から専用の置き台(鈴掛け台)の取扱いはありませんか?とお問合せいただきました。

日々神事でお使いになっているご様子で、専用の台が必要と思われた由。

下記の写真の朱塗り仕上げのものと他店で取扱いの白木のものをご案内させていただきました。朱塗りは神楽鈴の持ち手と同じです。

朱塗り仕上げの鈴掛け台
朱塗り仕上げの鈴掛け台

お客様はご検討の結果、上のものをお選びになりました。

京都の木工職人による作で、飽きの来なさそうなシンプルな形。丸みを帯び洗練されていると思います。価格はそれなりにしますが、鉾先鈴、また地金が厚く機械打ち製よりも重い手打ちの神楽鈴も掛けて置くことができ、朱塗りも美しく何より長くお使いいただけるものです。

現在、お取り寄せにはなりますが、日数でいいますと10~15日ぐらい、早めにご用意できると思います。よければご検討ください。

巫女体質(TM)の守護神とお清め士一同の霊的絆を結ぶ、国産精麻のミニ鈴緒とご紹介

瓊奈川(ぬなかわ)神社(松井久子宮司)では、家庭祭祀を学ぶ巫女体質のための「お清め士講座」を開講しており、2年前から先輩から後輩へ当店の国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が伝統としてプレゼントされるようになりました。

国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒
国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒

ミニ鈴緒を製作する京都・山川のお心で、ミニ鈴緒がピッタリ収まる和紙の貼り箱も頒けていただき、ご依頼毎にミニ鈴緒とともに納めさせていただいております。

箱は贈られる方がそれぞれ熨斗と精麻と水引をかけて、きれいに仕上げられています。

最初、お清め士の2期生から4期生へ贈られたことからはじまったため、1期生から3期生までは授かってない状態だった由。

それがこの6月1日、同神社の例祭にあわせて、これらの方たち全員にミニ鈴緒が贈られました。

おお麻専門神具店 さぬきいんべ『ミニ鈴緒』が結ぶ お清め士一同の絆

巫女体質™の家庭の神域を守る神具|瓊奈川神社 例祭のご報告

これでお清め士全員に当店のミニ鈴緒が渡ったことになり、松井宮司からは巫女体質の守護神とお清め士一同の霊的絆を結ぶミニ鈴緒と言っていただいており、たいへんありがたい限りです。

これからさらに巫女体質の方が活躍する時代になっていくと思っております。ご活躍をお祈り申し上げます。

麻の葉模様ブーム到来?!麻の葉模様入りの神具、折敷(おしき)が登場

さぬきいんべでは神社仏閣用の麻製品を調製する京都・山川の神具を取扱いはじめた7年前から、麻の葉模様のマスキングテープを包装につかっております。

製品や季節、人に合わせたりして使用するテープの色を細かくかえようと、見つけるたびに色の種類を増やしていっていましたが、先月気がついたら、8つの色がそろっていました。

8つの色がそろいました。(8は聖数)
8つの色がそろいました。(8は聖数)

 

八は末広がりとされ、八咫鏡、八百万の神、八咫烏、八岐大蛇、八柱御子神、八幡神社、八足など、8という数字をこよなく大切にする日本人です。山梨・身曾岐神社の火祥殿の中央の壇は八角形、秘仏・救世観音様がお祀りされている奈良・法隆寺の夢殿が八角形ですね。

 

一方、日本人は古来、目にふれるものをみて図案化する能力にたけていました。その根底にあるのは自然から与えられるエネルギーに感謝するという心です。一例を挙げれば、きものの稲妻柄は豊作の象徴。「稲と雷が結ばれ、実を結ぶ」と信じられていたからです。さらに雷は雨を呼びます。

麻の葉模様はご存知のとおり、魔よけの効果があるとされ、麻の神聖さや霊力を熟知し神事につかってきた日本人ならではの伝統的な模様です。建築、ファッションなどさまざまな分野で世界中に浸透しています。

もともと、赤ちゃんの着物である産着に麻の葉模様が用いられるのは、麻のようにまっすぐ育つことを赤ちゃんに願ったものでした。植物の霊気を身にまとうと言うとわかりやすいのではないでしょうか。

最近では、麻の葉模様入りの折敷(おしき)が登場しています。市松模様入りも。ちなみに素材は吉野桧です。

折敷とはヒノキなどの白木に縁をつけ、四角形の角の先を落としたお盆のことです。下に胴がつくと三方になります。

神様にお供えする神饌、神具(水玉、瓶子、平瓮)、鏡餅をのせるために用います。サイズが2.5寸と3寸があり、小物を置く台座としても使えるのではないでしょうか。

縁起のいい、麻の葉模様と市松模様の2種類、どちらを選びます?

 

 

・参考文献

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「神饌」写真・野本暉房、文・倉橋みどり(淡交社)

「きものという農業」中谷比佐子著(三五館)

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】(TM)にざくろ染め版が追加

藍染め版と茜染め版があった国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】にざくろ染め版(黄色)が加わりました。

2016年誕生の藍染め版。
2016年誕生の藍染め版。

 

ざくろ染め版はやさしい感じ。
ざくろ染め版はやさしい感じ。

ざくろ染め版が生まれたことで、子供ができたように感じています。(もとは、世界の安寧を祈って加えました)

さらに、草木染めは色合いの美しさだけでなく、染料=薬草でもあり、植物には独自の薬効があります。それぞれ人の特定の細胞や組織、器官、そして精神と呼応する波動を有しています。

 

 

 

秋葉神社の祠に、とても丁寧なつくりで神々しい国産大麻(精麻)・ミドル鈴緒

2016年に登場した国産大麻(精麻)・ミドル鈴緒

このほど、お客様からとても丁寧なつくりで神々しい、感激ですとご感想をいただきました。

その名は神社の鈴緒とミニ鈴緒の“中間”ということで、職人がミドル鈴緒と命名。太さ約1.5センチ(5分)、長さ約30センチ(1尺)の鈴緒です。

登場から6年。国産精麻のミドル鈴緒。
登場から6年。国産精麻のミドル鈴緒。

本坪鈴は1寸径を採用、麻にややボリュームをもたせた形で、国産の大麻を次世代にという思いは変わりません。

お住まいのちかくに秋葉神社の祠(ほこら)があり、そこで使われる由。

神様もお喜びいただけることと思いますと結んでいました。

神様を大切にされる方が増えていきますように。