本年度中にも国会に提出が検討されている大麻取締法改正案。
2月21日、国会の衆院予算委員会 第七分科会での質疑で、自民党・杉田水脈議員が次のように述べました。
【脱炭素の切り札、産業用大麻】自民党・杉田水脈「国連が発表した報告書で、ある植物について紹介。光合成によって茎と根に炭素を貯蔵する。脱炭素の救世主のようなこの植物は実は大麻草(産業用ヘンプ)だ。1ヘクタールあたりのヘンプCO2吸収量は?」
— Mi2 (@mi2_yes) February 21, 2023
経済産業省「9~15㌧、これは幼齢林に匹敵する」 pic.twitter.com/8YZbENUEJc
つまり、産業用大麻はすでに存在するCO2を最も吸収する作物ということ。
3月16日には産業用大麻についての勉強会が東京都内で開かれ、産業用大麻の活用が、脱炭素化やエネルギーの安定供給に向けて政府が掲げるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進にも寄与することなどが報告されました。
※GX(グリーントランスフォーメーション)=化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと。
そして、4月15日に三重県明和町において神事用と産業用大麻の種蒔き神事と記念講演がおこなわれます。
詳しくは、 こちら。試験栽培の目的で、栽培予定面積は約60アール。神事での活用や麻布などの製品活用を目指す方向です。
個人的には明和町に鎮座する竹神社のご祭神が古語拾遺の天岩戸に登場する長白羽神(ながしらはのかみ)であることに注目します。
竹といえば、讃岐忌部であることもそうです(かつて竹の矛竿を朝廷に貢進していました)が、麻を植えて青和幣(あおにぎて)の祭具を調達した長白羽神は、伊勢国麻績(おみ)族の祖神です。麻績氏は麻をつむぎ伊勢神宮に神衣たる荒妙を奉る氏族でした。関係する神社に上記の竹神社のほか、式内社「麻績神社」(神麻績機殿神社)もあります。
この長白羽神は、麻をあつかう阿波忌部族の分派であり、四国・徳島県の旧麻植郡(吉野川市、美馬市の一部)に数多く祀られています。吉野川市山川町の忌部神社の摂社、若宮神社、種穂忌部神社の相殿等にもお祀りされており、「川田名跡志」には麻植郡の創始は、長白羽神が麻を植えさせたことにあると伝えられています。
・参考文献
産業用大麻、GXにも活用を 大学・企業関係者200人が勉強会(産経新聞)2023年3月16日
脱炭素社会の実現に向け産業用大麻を考える 都内で200人参加し勉強会(三重テレビ放送)2023年3月18日
神事用と産業用大麻の栽培へ 伊勢神宮ゆかりの国史跡 斎宮跡で来月種まき 三重・明和町(三重テレビ放送)2023年3月23日
「大麻栽培で町を活性化」産学連携で研究へ 神事や製品活用目指す(毎日新聞)2023年3月28日
「日本の建国と阿波忌部」林博章著