紙垂の作り方と、しめ縄へのつけ方

お客様よりしめ縄の紙垂(しで)の作り方と、つけ方をわかるようにしてほしいとご要望をいただきました。

さまざまな形式、流派がありますが、一般的なものをご説明いたします。しめ縄には普通2枚重ね四垂の紙垂を4つ挟み垂らします。

1.紙垂の作り方(例)

(1)半紙(もしくは適宜の和紙)を半分に折ります。

※下記の牛蒡型太さ1寸(約3センチ)×長さ2.5尺(約75センチ)のしめ縄では、半分に折った状態で高さ12センチ、幅8.4センチ(大きさ参考)。

紙垂の作り方1

(2)下図のように四等分の位置に切り込みを3つ入れます。(切り込む長さは高さの3分の2)紙垂の作り方2

(3)左端の一辺を指で押さえて残りの三辺を順に手前に折り返して完成です。紙垂の作り方3

2.紙垂のしめ縄へのつけ方(例)

(1)紙垂を付けたい箇所のしめ縄の撚りを平たいヘラ状のものを用いて戻し(逆にねじるとすき間ができる)、そこに紙垂を差し込みます。

※撚りが固く紙垂が差し込みづらい場合は、紙垂の上辺にキリ状のもので小さい穴を開け、適量の精麻を用いて(短冊のように)しめ縄に結びつける方法もあります。

紙垂に穴をあけ、精麻を用いて取り付ける例
紙垂に穴をあけ、精麻を用いて取り付けた例(写真は神居 和かざり紙垂付きAタイプ)

(2)位置が均等になるように紙垂をそれぞれ垂らします。(位置は寸法を測るより見た目であわせた方がいいです)

(3)完成

牛蒡型しめ縄(紙垂付き)

※写真は牛蒡型太さ1寸×長さ2.5尺、つけやすくするため紙垂の上辺(長手方向)を半分に折っています。(上辺を適宜折って長さを調節)

参考になりましたら幸いです。(うまくできない場合は職人にお任せください。紙垂付きのしめ縄もご注文いただけるようになりました)

 

紙垂は、古事記の天岩屋戸の条で、「天香山の五百津真賢木(いおつまさかき)を根こじにこじて、上枝に八尺勾玉之五百津之御須麻流之玉(やさかのまがたまのいおつのみすまるのたま)を取り繋け、中枝に八咫鏡(やたのかがみ)を取り繋け、下枝に白丹寸手〔しらにぎて、木綿(ゆう)のこと〕、青丹寸手(あおにぎて、大麻布のこと)を取り垂でて、」(木綿と大麻はケガレを祓う用途は同じ)とある記述に由来します。

古くは木綿垂(ゆうしで)などといい、木綿〔穀(かぢ)または楮の皮をはいでその繊維を蒸し、水に浸して細かく裂いて糸としたもの〕が使用されました。

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀(まつり)事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

「日本の建国と阿波忌部」林博章著(林博章)

神様にピントを合わせる。家庭における月次祭の一例

2年半前から家で月1回、月次祭(つきなみさい)をおこなっています。

新型コロナウイルスに関する報道の裏で、自然を大事にし、日々をより丁寧に生きることが重要になってきている気がします。

参考までに、我が家の月次祭のことを書いてみます。

月次祭のときは、日々のお供え(日供)の米、塩、水のほか、お酒、お餅、乾物、野菜、果物、お菓子などをお供えしています。

そして、祝詞を奏上し礼拝、仏壇へもお茶、御霊供膳、お酒などお供えしお祈りします。終わったあとに食事(直会にあたる)をし終了。

あと、月次祭の前に掃除をします。地元の神社の秋祭りではその前に地区の一斉清掃が毎年おこなわれますがそれと同じできれいにしてから月次祭をさせていただきます。

日は、神社のように毎月1日とは決めていません。都合でだいたい月末におこなっています。

神様にピントを合わせる、家族、知人などといっしょに祈る、1ヶ月の感謝とともに、世界が平和になっていくように。笑顔をイメージする、、、

神棚のない方は神棚を、神棚をおまつりしている方は日々の神拝、お日供を、お日供をしている方は月次祭をしていくのはいかがでしょう?子どもの信仰心を養うことができたり、家庭内が平和になったり、神様のこととか伝統とか作法ともども義務教育から学べないことを学べたりするのではと思います。

家庭の祭祀(まつり)は、地区地区の共同体の祭祀(まつり)、つまり神社の祭祀(まつり)につながるものです(神社のそれは天皇の祭祀とつながっています)。祭祀(まつり)を通して日本人は文化を守り伝えてきたと私は思います。

なお、仏教が伝来するまでの日本は、古くからの簡潔清明の心、飾らない心を持ち、飾り気のない清らかなものをよろこんでいたようです。(金色に光る仏像や複雑な建て方の寺院や、飾り立てる祭礼の道具や衣装はその後に広まった)

こんなwebページを見つけました。神棚の祀り方(あなたのお家やオフィスに「マイ神社」を持とう!)(クボデラ株式会社)

いまは現代の暮らしにフィットした神棚もあります。しめ縄は精麻のしめ縄を。(^_-)

私の場合は行きついた先が神道でしたが仏教、キリスト教等々、ご自分の信じるものでいいと思います。無理のない範囲で感謝、祈りの場を持ち清々しい毎日を送りませんか?

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀(まつり)事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

「少年民藝館」外村吉之介著(筑摩書房)

四国霊場22番札所・平等寺で初会式(麻レポート)

1月19日、徳島県阿南市の四国霊場22番札所・平等寺の初会式に行ってきました。

山門にかけられた国産精麻のしめ縄を見に行ったのが2016年3月(こちらの記事)。以来、4年ぶり。

本堂での晋山式法会
本堂での晋山式法会〔左に新品の鰐(わに)口紐、住職の左肩には修多羅〕

この日は本堂で晋山式(新住職就任)法会も行われ、それに参列させていただきました。仏教は詳しくないのであれですが椅子席には「先達」の方がずらっと並ばれているようでした。

初会式に合わせて本堂の鰐口紐2本、鐘楼の鐘突き紐(いずれも国産精麻製)が新しく付けられていて文字通り新品でした。

この初会式は、谷口真梁(しんりょう)住職が副住職だった頃に大勢の稚児や参拝客であふれかえった昭和初期の初会式の写真を見て感動し、2016年に再興。今回が再興5回目。門前や境内では仮装マルシェ、太師堂横のステージで太鼓、阿波踊り、ヴァイオリンコンサート、そして餅投げ(3回!)もあり多くの人でにぎわっていました。

太師堂横のステージで太鼓演奏中
太師堂横のステージで太鼓演奏中

そう、このステージで五色の綱引き大会もあって、この綱がまた麻製なんです。

住職の左肩にかかっていた立派な修多羅(国産精麻製)も遠目に見させていただきました。

さぬきいんべに至る前、私は弘法大師・空海の足跡を追いかけていたことを思い出します。御厨人窟、出釈迦寺(我拝師山)、焼山寺(焼山寺山)、太龍寺、大滝山、高越山、高野山、、

平等寺は空海が開いたお寺で、「弘法の霊水」(井戸)もあり、ご本尊の薬師如来は空海の御作(秘仏)です。さぬきいんべは1月4日に10周年を迎えましたが、再び訪れて今までのことを思いかえし、ご縁をあらためて感じました。

麻というと神社ばかりでなくお寺でも麻が使われています。鰐口(下から見て鰐が口を開けたように見えることからこう呼ばれる)は参拝者が綱を振って打ち鳴らすことで神仏に来意を伝えます。お寺にお参りした際、見てみてください。

 

 

・参考文献

徳島新聞「徳島・阿南市の22番札所・平等寺 50年ぶり初会式」

【復習】神棚のまつり方

愛媛民芸館で開催中の「子の干支展と正月飾り展」を見てきました。2020年の干支、ねずみの郷土玩具のほか、しめ飾り、紙垂、お神楽に使われる切り絵、ミキノクチ(神酒口)など新年らしい神様を感じる展示でした(この展示は2020年1月31日まで)。

さて、新しい神棚で新しい年を迎える方もいらっしゃるのではないかと思います。暮れまでには新しいお神礼を受けて輝かしい新年を迎えましょう。

復習がてら下記に書きました。

○神棚の場所

南または東向きの明るい所で、目線より上の位置に取り付けます。(ただ、単に条件に合った場所に設置すればよいというわけでなく、一番大切なのは神様を大切に思う心、日々の暮らしに感謝する心ではないかと思います)

神棚は、社殿の造りをした伝統的な宮形の他、壁掛け式や洋室向けなど種類がありますので環境に合ったものをお選びください。

○お神札のまつり方

中央に神宮大麻、向かって右側に氏神様、左側に崇敬神社(地元の氏神様以外に信仰する神社)のお神札を、重ねておまつりする場合は、神宮大麻を一番手前に、そのうしろに氏神様、次に崇敬神社のお神札をおまつりします。

もし神棚がなければ、タンスや戸棚の上をきれいにしてまつってもいいです。

○お供えするもの

毎日お供えするものは米、塩、水が一般的です。氏神様のお祭りなどの時にはお酒や尾頭付きの魚、野菜、果物、また四季の初物やいただきものなどをお供えします。

ちなみに、神棚と外を隔てるためにしめ縄を一番手前の上方に設置するのがおすすめです。

○神拝のしかた

神社の参拝と同じように、二拝二拍手一拝(神前で二度拝礼して二度拍手を打ち、さらに一度拝礼)をおこないます。

 

絶対にこうでなければならないというものではありません。例えば、ある家ではお神札が氏神様だけとか、お供えは水だけの場合もあると思います。人によっては鈴緒を設置したり、祓串でお祓いする方もいらっしゃると思います。ただ、神棚は家の中でもっとも神聖な場所ですから、清潔にし心をこめておまつりします。

ご家庭によっては恵比須様、大黒様、荒神様、田の神様、歳徳神様などもおまつりする方もいらっしゃると思いますが上述に準じます。

自分んちの神棚が普通と思っているかもしれませんが、他の家の神棚を見るとこんなおまつりのしかた方が!という風になるかと思います(今までいろいろみてきた中での想像)。あるお客様にたずねてみると、小さな鳥居に国産精麻のしめ縄をつけて神棚風に祭壇をおまつりしているとのことです。奉斎の際に神社の神主さんをお呼びするからと、それに間に合うようにしめ縄をと注文いただいたこともあります。

出向いていろいろな神棚を見てみてみたいです。(^^)

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

「氏神さまと神宮大麻」(神社本庁発行)

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと

ホームセンターで「新しい神棚で新年を」というポップとともに神棚関係の棚を見かけました。最近は今風の神棚(壁掛け式)があるんですね。

古い家だと伝統的な神棚が合うでしょうけど、洋間の多い現代の家なら今風に作られたものが合うと思います。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えしておきます。

まず第一に、毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年はご希望の方に年内にきちんと届くようにということで、国産大麻(精麻)しめ縄&鈴緒年内お届けご予約ページを開設しております。

例年ですと12月初旬までにご予約いただければ年内のお届けが可能です。(諸般の都合その他の事情によりご予約締め切りの時期が早まる場合があります。その際はご容赦ください)上記のご予約は終了しました。年内お届けできるのは在庫の数量だけです。ご了承ください。(12月11日追記)

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人の手仕事でできたしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数〕。

ちなみにしめ縄、鈴緒を民芸とみるなら、使っていく中での素材の変化にも目を向けて楽しんで、あるいは使用後はお焚き上げせずに大切にしまっておくのもありかもしれません。濱田庄司氏(1894~1978年)はよく「作ったところで半分だ。そこから先は使い手が作る。だから、使うことも創作だ。」と話しておられたようです。例えば新しい青い竹かごが使っているうちにアメ色になるとかありますが、そのへんの判断は各自にお任せいたします。

もし、迷うようなことがありましたら、心の声を聞いてみるといいと思います。心がイエスと言った方、心が明るくなった方、心が軽くなった方を選ぶのをおすすめします。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう!

そう、年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。いい年末年始を迎えるために気をつけたらと思うことを書いてみました。

三ツ木八幡神社神麻しめ縄奉納レポート

天皇即位にともない2019年11月14~15日に予定されている践祚大嘗祭では、新穀とともに阿波の麻織物・麁服(あらたえ)と三河の絹織物・繪服(にぎたえ)が神座にまつられ、五穀豊穣を祈ります。

3月31日、徳島県木屋平の三ツ木八幡神社にてNPO法人神麻注連縄奉納有志の会(安間信裕代表)による神麻しめ縄奉納が行われました。

阿波忌部氏の直系、御殿人(みあらかんど)である三木家において麁服の調進準備があるのでこの日が選ばれた由。

安間さんによると、平成の大嘗祭に際し抜麻を安置して糸績みの初紡ぎ式までをこちらの神社で行ったそう。

今回奉納したのは神麻しめ縄4本と鈴緒1本。しめ縄は本殿1本、拝殿に3本です。

地元徳島県はじめ全国各地から集まった約15名で、忌部神社宮司や三木家当主、三木信夫さん、また氏子の皆さんのご協力を得て奉納させていただきました。

紙垂を取り付け中
奉納前にしめ縄に紙垂を取り付け中

私自身は安間さんの主催する神麻しめ縄奉納神事に参加するのは今回で3回目。(NPO法人になってから剣山本宮宝蔵石神社、忌部神社、富岡八幡宮につづきこれで4回目の奉納)

私の知る限りこれまでの奉納の時とくらべずいぶん人数が少なく、最初1人当たりのすることが多いと聞いていましたがそんなことはまったく感じず、分担して各自手際よく作業奉仕できたと思います。

奉納報告祭後、三木家住宅へ移動し直会。食事を皆でいっしょにいただきました。私的にはお座敷に上がらせていただくのはこの時以来2回目で前きたときはとても緊張していましたが今回はリラックスしてのぞめました。

三木家住宅で直会
築400年の三木家住宅で直会

三木家住宅、神社西側の貢公園のしだれ桜も見頃。例年、桜の時期に三木家住宅前で催事をしているのは知っていて、ちょっと早いかと思っていましたが、到着するなり“桜の歓迎”を受け心もさらに軽やかになりました。うれしい誤算!でした。

ちなみに前回一緒に来た方は毎年三木家の桜を見に来ています。見ないと春を過ごした気がしないと聞いていましたが、その気持ちがわかった気がします。この地は「空地(そらち)」と呼ばれ聖地ですから。

三木家住宅前の斎畑。
三木家住宅前の斎畑。

 

三ツ木八幡神社のしだれ桜
三ツ木小学校・中学校跡を整備した貢公園のしだれ桜。後方に三ツ木八幡神社

直会の際、代表の安間さんが「大嘗祭が無事執り行われますよう、また麁服が無事調進されますように」とあいさつされていました。

これが今回関わられた人たちの共通の願いと思いますので、そのことをお祈りします。

 

もっと詳しい報告を「精麻の注連縄を探して」のコーナーにてさせていただいてます。

国産精麻・神居(かむい)和かざり(TM)誕生ストーリー

どこにもない、オリジナルの製品が作りたい。

2014年の9月、ちょうどそうするしかないなと考えていた時、神社仏閣用の麻製品を調製する株式会社山川5代目、山川正彦さんを玉造りをしている青舟さんから紹介いただきました。

麻関連のイベントで山川さんに出会った青舟さんが後日手紙を書いて私を紹介してくださったんです。山川さんから電話をいただきお話したのがご縁のはじまり。ここに至るまでに本当に苦難の連続でした。いつかお伝えできる時がくるかもしれません。

様々な話をする中で、同社が製作したミニ鈴緒を翌年はじめから販売させていただくお約束をしました。(後日試作品が送られてきました)

そして2015年。

さぬきいんべでは年頭からミニ鈴緒につづき、叶結びアクセサリーを相次いで販売し、好評を得ていました。

電話で山川さんと話をしている中で、しめ縄の話になり、「丸くしたらいいのではないか」とのご提案。その後、試作品が送られてきました。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】
国産大麻(精麻)・しめ縄「神居 和かざり」

それが神居(かむい)和かざり(TM)(写真は1号モデル)。麻(ヘンプ)を現代風に伝えたいと思っていたので思いにピッタリでした。

あとで知ったのは、伝統的な大根型しめ縄をリース型にしたものとのこと。

山川さんから「名前をつけたらいいと思う」と言われ、それならとお客様から名前を公募、その中から選ばせていただいたのがお客様の1人が「神様が宿る輪飾り」という想いを込め名付けられた神居 和かざりです(2015年6月に命名)。

この名前を山川さんも気に入っていただけて「使っていいですか?」と問われ「どうぞ、いいですよ」とお答えしたため、その後納品書や請求書でも「和かざり」と書いてこられます。^^

 

一般に「輪飾り」は、飾る場所が限定されていなくてしめ縄、しめ飾りの中ではもっとも汎用性が高いといわれています。

水回り(台所、風呂、トイレなど)や勝手口、車、自転車、農機具、倉庫、窓、洗濯機、物干し竿、子どものおもちゃなど、輪飾りは日々の働きに感謝のしるしという役割がありそうです。

輪飾りを見つけたら、そこの住人がふだん何をよく使っているか、何を大切にしているのかがわかるのではないでしょうか。

 

神居 和かざりは国産精麻でできた日本ではじめての輪飾り製品です(さぬきいんべ調べ)。

その後、山川の工房を訪れ山川さん含む職人からご意見を聞きながら、神社でよく見かける色、巫女の緋袴にヒントを得た朱色版を加えました。その際にたまたま(必然?)藍染めに関しての問い合わせをいただいたので後で日本の伝統色である藍染め版を加えて現在に至っています(朱色版と藍染め版は全体のバランスを見て“前垂れ”を無しに)。また、素材をバージョンアップしました。

私は生成り版をずっと仕事部屋の入口開き戸(外側)に飾らせていただいております。朱色版を玄関の開き戸に飾るお客様がいらっしゃり今風だなぁと思います。

さらに、神居和かざりに紙垂付きが登場しました。上から精麻でつけた「タイプA」と下部に挟み込んだ「タイプB」です。

これからも神居和かざりをよろしくお願い申し上げます。

※2015年末以降、他社から精麻の輪飾りが登場しています。最初の1つは神居 和かざりと酷似していたので山川さんにお尋ねすると「ぜんぜんちがう。途中で麻芯が無くなっています。ただ価格(仕切り)はそんなに変わらない。(他社向けは)細くなっている分使っている麻の量は変わらないので。」ということでした(麻芯は外からは見えません)。

私は麻に着目するばかりでなく、職人になりたい!という人が増えていく世の中を作りたい。生家が職人の家系、職人の息子だからでしょう。2015年春に亡くなった父の声が聞こえるようです。

 

 

参考文献:

「しめかざり」森須磨子著(工作舎)

国産精麻しめ縄に牛蒡型が仲間入り!しめ縄はなぜ左綯いなのか

このたび、国産大麻(精麻)・しめ縄に牛蒡(ごぼう)型が仲間入りしました。

従来の取扱いは中央部が太くなった「大根型」、縄を丸めたわかざりだけでした。牛蒡型は一方がだんだん細くなる形状です。

しめ縄の種類

しめ縄の種類
種類 形状・用途
大根型 中央部が太くなったしめ縄。両端が細くなっている。
牛蒡型 しめ縄の一方が細くなってだんだん太くなっている。
わかざり 綯った縄を丸めたもの。水回りや勝手口に飾ることが多いが、汎用性が高いため屋内外のさまざまな場所に用いる。

 

国産大麻(精麻)・しめ縄【大根型】
大根型

国産大麻(精麻)・しめ縄【牛蒡型】

牛蒡型

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】
わかざり

どれも国産精麻を材料に、神社仏閣用の麻製品を調製する京都の職人が綯った美しいしめ縄。明治19年創業の老舗、株式会社山川の製品です。

しめ縄の起源

日本におけるしめ縄の古語は「尻久米縄(しりくめなわ)」で、天照大御神が岩屋から出てきたさいに、布刀玉命(ふとだまのみこと)が入口に尻久米縄を張って、天照大御神が再び岩屋に戻ることのないようにしたと『古事記』の神話にみられます。

しめ縄は精麻、稲わら、マコモなど天然素材から作られます。

しめ縄を七五三縄と表記するのは、七五三という言葉が昔から縁起のよい数字とされていたからです。また、しめ縄のことを、ほかに一五三、棒縄、〆縄、締縄、標縄などとも表記します。

しめ縄はなぜ左綯いか

縄を綯(な)う方法には「右綯い」と「左綯い」があります。※繊維をより合わせることを綯うといいます。

昔は一般に、普段の生活で使用する日用品の縄は右綯い、神事に用いるしめ縄は左綯いとされました。しめ縄は神聖なものであるため、日常に使う縄とは区別する意図があったようです。

もともと日本では「左=聖、右=俗」とする考え方があります。伯家神道では右手を神様の手(左手)でしっかり握りおさえて印を組むこと(唯一の印といいます)や、神道祭式において祭祀を行う祭場(斎場)の上位下位が神座を最上位に正中・左(神座から見て)・右の順となること、拍手の作法は両手を合わせた後、右手をやや左手より引いて手を拍つことなど。

牛蒡型(紙垂をつけたもの)
牛蒡型(紙垂をつけたもの)

わがくには神のすゑなり神まつる昔のてぶりわするなよゆめ(明治天皇御製)

また精霊を迎える盆踊りが左回りであること、死者の着物を左前にすることはご存じと思います。能楽にも「左右」という型があり、まず左を祓って、次に右を祓うようです。

飾り方について

一般的に牛蒡型や大根型を飾るときは神棚に向かって右側にモト(太い方)がくるように取り付けます。

それは神様から見たときに向かって左にモトがくるようにするためです。

 

 

参考文献:

「神道祭式の基礎作法」沼部春友著(みそぎ文化会)
「決定版 知れば知るほど面白い!神道の本」三橋健著(西東社)
「しめ飾り」森須磨子著(工作舎)