国産大麻(精麻)の撚り紐をお求めになったお客様が1枚の写真を送ってくださいました。
人や荷をのせるため馬の背に置く鞍の部分です。撚り紐は、いずれご自分で撚ったものを使いたいそうですが、その前に完成品をということでご縁をいただきました。(※写真の掲載許可を得ております)
その他、馬具で国産精麻が使われている例として、京都・葵祭でつかわれる馬の腹帯(鞍を固定するための帯)があります。
精麻が使われるのは馬は古来、神の乗り物とされていたからでしょうか。精麻は「神の宿る神聖な繊維」です。邪気、悪霊、災厄をはらうとされました。
ちなみに、牛の追い縄も国産精麻でできたものがあります。牛は天神信仰において神様の使い(神使)とされるからだと思われます。
ねずみや鹿、狐なども神様の使いとされていますので、神社やお寺などでそれらに関係した精麻でできたものを見ることがあるかもしれません。
・参考文献
「図説 日本合戦武具辞典」笹間良彦著(柏書房)
古代の人々の祈願と馬の奉納(三重県ホームページ)
「日本の建国と阿波忌部」林博章著