三たび、三人寄れば文殊の知恵。愛媛・八幡浜で「五反田柱祭り」

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8月14日、愛媛・八幡浜の王子の森公園で五反田柱祭り(愛媛県指定無形民俗文化財)がおこなわれました。1月から麻栽培について話をしている3人で行ってまいりました。

19時半から神事。

厳かな神事の様子
厳かな神事の様子

その後、市長はじめ来賓の方のごあいさつ、選手約30人の入場があり、20時ごろより祭りがはじまりました。

約1メートルの縄を結びつけたたいまつのオガラ(大麻の表面の皮を剥いた茎部分)を選手が高さ約20メートルの柱の頂上のカゴめがけて放り投げていきます。

たき火でたいまつ(オガラ)に点火
たき火で縄を結んだたいまつ(オガラ)に点火

囃子の太鼓が鳴り響くなか何度も何度も投げますが、20メートルの高さまで届くものは数えるぐらいでなかなか入りません。ときどき「おしい!」とアナウンス、観客の歓声、子どもたちの「がんばれ、がんばれ」という声援がつづきます。

5分間の休憩を2回挟んだのち、開始から約1時間後に地元高校のレスリング部顧問の先生が見事、投げ入れに成功。頂上のカゴが燃えはじめ、花火が上がりました。

カゴに火がつき、祭りが終了
カゴに火がつき、祭りが終了

今から約400年前、戦国時代に八幡浜市内の元城主(現・五反田)と萩森城主(現・大平)の合戦が起こりました。
その際、元城主の客分で修験者の金剛院円海は、たいまつを持って元城に助けに入ろうとしましたが、味方に敵と間違えられ射られてしまったそうです。
 その後、五反田地域に疫病がまん延した際に、「これは悲惨な最期を迎えた円海の祟りである」とされ、金剛院の鎮魂供養のためはじめられたとされるのが柱祭りです。(※由来などは諸説あり)(広報やわたはま2022年9月号より)

 

2007年ごろまで隣の大洲市でこの祭り(オガラ)のために大麻が栽培されていたと聞き、保存会の会長を仲間とともにたずねたのが15年前。

当時の光景が脳裏に浮かびました。

この祭りがおこなわれている八幡浜(やわたはま)は、愛媛県史によると、『愛媛面影』には「八はた浜なる小高き岡上に立せり、此神社あるによりて浜の名におほせたるなるべし」とあり、717(養老元)年の鎮座と伝えられる八幡宮が地名の起源です。八幡大神(応神天皇、誉田別尊)のお働きでしょうか?

こうした火祭りは、岐阜県安八郡神戸町(ごうどちょう)の「神戸の火祭り」(岐阜県指定重要無形民俗文化財)、長野県野沢温泉村の「野沢温泉の道祖神祭り」(国指定無形民俗文化財)、奈良県生駒市の「往馬坐伊古麻都比古神社(いこまにいますいこまつひこじんじゃ)の火祭り」(奈良県指定無形民俗文化財)などがよく知られています。

 

お盆の心地よい夜風のなか、地元の方を主とする観客、参加者、支援者、いい祭りだなと思いながら、帰路につきました。

引きつづき、四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart3(再)を継続中です(9月15日まで)。

また、11月17日、日本「麻」文化フォーラムが開催予定、出店者も募集中です。