お客様のSNS投稿を見て、「<神道>のこころ」葉室頼昭著を拝読

葉室頼昭さんの「<神道>のこころ」(春秋社)を拝読中です。

葉室さんは春日大社の元宮司。ずいぶん前から存じておりましたが、お客様は、日本人のルーツそこから知っとかないといけないんだと思い始める、とのことで上記とは別の葉室さんの本を読んでいるとSNSで投稿されていました。

あ、と思いまして、お客様が読まれている本と今回ご紹介している本を図書館で借りてまいりました。

拝読して心に響いたところを3つだけ下記にご紹介します。

---ちなみに、禊ぎや祓いなど神道というのは水と深い関わりがあるようですね。

昔から日本には「うがい手水に身を浄め」というように、水によって体を浄めるという考えがあります。ですから、神社に参拝する時は、手水をして身心を浄めたり、あるいは、神職は春日でのお祭りの時は、朝、潔斎所で禊ぎして身を浄めてお祭りを奉仕します。ここに、水によって罪・穢を祓うという日本伝統の考え方があるわけで、これは大変素晴らしいと思っています。西洋人のお風呂というのは1人ずつ小さな浴槽で、泡を立ててお風呂に入っています。あれは単に垢を落とすという考えですが、日本人は決してそんなことはやらないで、体を洗う時は必ず外に出て洗います。もともと日本人は入浴というのは、水で体を浄めることだという考えを持っているのです。私は日本人の捉え方のほうがより根本的だと思います。 

 

神道というのは珍しいんですね。キリスト教だったらキリストだけでしょう。ほかの神さまを祀らないでしょう。ところが神社は全部神さまが違う。それで統一されている。本当だったらそれぞれがお互い争うはずなんだけれど、神道同士が争ったという歴史はないですね。神さまは全部違う。それでもみんな統一されて、調和しているでしょう。それは大和朝廷がそういうやり方をやったわけですが、これが本当のやり方です。だから絶対もとの宗教を滅ぼしてはいけない。滅ぼしたら自分も滅びてしまう。そういうことを知っていたんです。

 

いろいろ考えていくと雨も風も何もかも、気象状態も人間の心によって、影響を受け変わる可能性があるということなんですね。単なる太陽の光で海の水が蒸発する。そんなものとは違うんです。だから人間の心が乱れると、水の分子が乱れるから、気象状況が変わって旱魃にも、豪雨にもなり、人間の心が調和すれば、ちゃんと適当に雨も降ってくれるということにつながると思うのです。つまり人間の心を調和させるということが原点なんです。これをめちゃくちゃの利己主義なことをやるから、異常気象で雨が降らないで、水が足りなくなったりするでしょう。そのためにダムをつくるわけです。ダムをつくると栄養分が来ないから、プランクトンがいなくなる。そうすると炭酸ガスが減らない。こんな悪循環をやっているんです。

そういうことではなくて、人間の心が整ったら、気象も整うということです。雨も適当に降ってくれる。これなんですね。すべての原点は人間の心なんです。

 

拝読した本は1997年の初版です。インタビュー形式で、神道、日本の文化のすばらしさが他にも、かつわかりやすく書かれていると思います。大麻(おおぬさ)についての記述もあります。

よければお読みください。

 

 

葬祭業のお客様に、国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版

葬祭業のお客様からご注文いただいた国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版

仕事柄、何かもらってきている感覚や不調があり、塩風呂などを試していたときに、麻のことを聞いて試し、麻の束でふとんや枕など寝具類を祓い、その束を枕元に置くとすぐ眠れたとのこと。その後、仕事中に浄化のため身につけられるものを探していたそうです。

藍染め版は2015年に誕生した国産精麻・ブレスレット【麻の輪】の文字通り、藍染め版です。先にできていたしめ縄【神居 和かざり】藍染め版と同じ配色でつくっていただきたいと、別のお客様からご要望いただいて2020年にできました。

国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版
国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版

職人のこだわりが凝縮されているのがおわかりになるでしょうか?(藍染めは染め職人による先染め)

葬祭業のお客様へお送り後、制服にしっくり調和しているということで写真を送ってくださいました。好きな色の藍染めときなりのコンビ、つけていないくらい軽いのにしっかりした質感で手首に自然になじみ毎日つけるのが楽しみだそうです。

制服と国産大麻(精麻)・ブレスレット【麻の輪】藍染め版
お客様の制服にブレスレット【麻の輪】藍染め版を合わせて

先日、別のお客様から本ブレスレットのご注文があり、上の写真をいただいていたことを思い出し、記事にいたしました。(他の草木染めでもできます。お問合せください)

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納。謡曲仕舞奉納家・一扇様

1月にご紹介した謡曲仕舞奉納家・一扇様

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納されていらっしゃいます。

4月2日は、京都市の水火天満宮様の櫻花祭にて、みろく涼香舞「草子洗」を奉納。仕舞と独吟の奉納があり、能楽師・ 井上貴美子先生、井上須美子先生も仕舞を奉納されたそうです。

境内はしだれ桜が見頃を迎えており、桜の花びらが舞うすばらしい舞台で奉納された由。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

 

4月18日は、亀岡市の出雲大神宮様の鎮花祭にて、みろく涼香舞「杜若(かきつばた)」のクセとキリ(※)をつづけて奉納。

※仕舞には大概、クセとキリがあり、クセは能の中で一番見せ所があるところで大体は弱い感じの舞 で、キリは能の最後の部分で強い感じの舞が多い。(南山大学観世会「能楽用語いろいろ」より)

旧暦3月は、花が舞い散るのに合わせて災いも飛散すると言い伝えがあり、疫病や厄災の終息を祈るこの祭りは平安時代の1025年からつづくとされているそうです。地元住民による京都府登録無形民俗文化財「出雲風流花踊り」のほか、巫女2人による浦安の舞も奉納された由。

一扇様はこの日、奉納する曲に合わせて前天冠に桜の花と杜若を飾っていらっしゃいました。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付き【玉翠】(草木染め版)をご活用いただいております。

いつか、みろく涼香舞を生で見たいと思っております。

手打ち本坪鈴付きの国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が完成いたしました

お客様よりご注文いただき、このほど手打ち本坪鈴付き国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒が完成いたしました。

ミニ鈴緒は2015年1月から取り扱わせていただいております。

2020年に手打ち本坪鈴8分と1寸に国産精麻を取り付けた製品を取扱い開始させていただき、いつかこの本坪鈴付きのミニ鈴緒、ミドル鈴緒ができたらと思っていました。

手打ち本坪鈴とは錺金具師が工具を用い、文字通り手打ちで手間をかけつくった本坪鈴で、音がいいのが最大の特長です。

機械成型(プレス)のものも音はいいと思いますが、比較すると手打ち本坪鈴に軍配が上がります。価格も上がりますが文章で表現すると、機械成型は体に響く感じ、手打ちのものはハートに響く感じが私はします。

願いは忘れたころに叶うのでしょうか?

左から機械成型8分、手打ち8分、同1寸の本坪鈴。
左から機械成型8分、手打ち8分、同1寸の本坪鈴。

なお、機械成型と手打ちのものは、音の他に見た目、重さがちがいます。上の写真で、手打ちの方にツチ目の跡があるのと上部に菊花紋があるのがおわかりいただけるでしょうか。また、手打ちは地金が厚いため、その分重いです。

完成した手打ち本坪鈴付き国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒。
完成した手打ち本坪鈴付き国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒。

「本物の音」で鈴祓え。新しいものができるのはうれしいです。機械成型、手打ちの本坪鈴付きミニ鈴緒もどちらもすばらしい製品です。自分に合うものをお選びいただき、どうぞご活用くださいませ。

千葉・館山市に鎮座する安房神社のお守りを東京・瓊奈川神社宮司からいただく

4月はじめ、安房神社(千葉県館山市)のお守りを東京・瓊奈川(ぬなかわ)神社宮司・松井久子先生から封書でいただきました。

一筆せんに先日、ご縁があり安房神社を参拝し、同神社は阿波地方(四国)から渡ってきた忌部氏による創建で、ご神縁を感じたため、お守りを同封させていただいたことが書かれていました。

忌部氏とは、ケガレを忌み嫌い神聖な仕事に従事する集団で、上代から宮廷祭祀具の製造や神殿・宮殿造営に従事してきました。

安房神社(千葉県館山市)の拝殿(写真も後ほど松井先生からいただきました)
安房神社(千葉県館山市)の拝殿(写真も後ほど松井先生からいただきました)

また、つづけて「精麻にかかわる方が絶えず霊的に守られ、喜びと幸せに包まれながらますますご発展されますように」との文言をいただき、お心遣いに恐縮いたしました。(私がいただいたのは紺色のお守りで、もう一方へは色違いのお守りを贈ったそうです。神紋の菊花紋入りです)

すぐお礼のメッセージと電話をさせていただき、お礼をお伝えいたしました。松井先生、お心遣い誠にありがとうございます。

昔は、麻を「総(ふさ)」と呼びました。よって、千葉県は総国(ふさのくに)、上総(かずさ)、下総(しもふさ)と呼ばれ、阿波忌部がいるところは故郷の阿波をしのんで安房国(あわのくに)と名付け、館山市に安房神社が建てられたのです。

なお、瓊奈川神社のご祭神は瓊奈川姫大神様で、国つ神です。同神社とはこちらの記事にある経緯で2020年にご縁をいただきました。さぬきいんべの名前は讃岐国(現在の香川県)を開拓した讃岐忌部氏に由来しますが、創業後、出会う人や場所のご縁は出雲、国つ神系が多いと思って今日にいたっております。

 

先月、同じ忌部氏創建の安房神社(栃木県小山市)にお客様が拙記事をきっかけに「生家のすぐ近くで氏神様では?」と思い参拝されたことを報告いただいたばかりです。

同神社のご祭神は千葉・館山市の安房神社と同じ忌部氏の祖神(日本産業の総祖神)、天太玉命。ちなみに天つ神です。こちらの安房神社は千葉県館山市の安房神社を守る人たちの一部が良い土地をもとめてこの地に永住し、神を祀り、粟の栽培をしたようです。

麻を扱う阿波忌部はじめ、諸忌部が活躍、各地でいま天太玉命、諸神がお働きになっているのを感じませんか?

※2023年4月12日更新の瓊奈川神社宮司、松井先生のブログ巫女体質™️のためのお清め教室 ~にほんの暮らしを愉しむ~で「おお麻が繋ぐご神縁」のタイトルにて当記事をご紹介いただきました。

 

 

・参考文献

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「徳島と日本各地を拓いた阿波忌部」(一般社団法人忌部文化研究所)

巫女が舞や祭祀の際、手に持つ「採り物」とは。神楽鈴や鉾先鈴、檜扇など

お客様がある霊的な方から「何か道具を使って各地を祈る活動をされるだろう。鈴と出会うのでは?」と言われ、鈴を探しているとメッセージをくださいました。

そこで、採(と)り物についてまとめます。

巫女が舞や祭祀の際に持つものを採り物といいます。鈴もその1つです。

採り物は神楽における依り代としての役割があり、しばしば神の分身そのものとして扱われます。

宮廷での御神楽では、榊・幣(みてぐら)・杖・篠(ささ)・弓・剣・鉾・杓(ひさご)・葛の9種類を指します。

民間の神楽でもこれに準じ、鈴、扇、盆などを持つ場合もあります。

採り物は神楽の題材でもあり、採り物をはやすことで神霊の力を盛り立てます。

採り物として用いられるは柄のついた鈴で、形により神楽鈴、鉾先鈴などにわかれます。

神楽鈴はその名の通り、神楽を行う場合に楽器として用いつつ、五色の布(緒)が踊って視覚的にも鮮やかなものとなります。鉾先鈴は剣先舞鈴ともいわれ、神楽鈴に似たもので使い方も似ていますが、剣の先のような部分があります。

国産大麻(精麻)五色緒付きの神楽鈴【玉翠】(TM)
国産大麻(精麻)五色緒付きの神楽鈴【玉翠】(TM)

ちなみに今回のお客様いわく「これまでは心理士として心の浄化に意識がありましたが、楽器などを使い音からも整えることができるので、まずは自分自身を清め、場や周りの人たちを浄化することに使えたらいいかなぁと思います。」とのこと。

幣は「へい」「ぬさ」ともいわれ、神の依り代として多くの神社でお祓いの際に用いられます。

扇は、風を送って涼を得る道具ですが、ひらひらとした動きの美しさから「浦安の舞」など、舞の採り物として多用されます。公家風の檜扇が用いられます。

篠は、葉のついた笹や竹で、幣のように神霊を宿らせる他に、湯立神楽で熱湯を振りまくのにも用いられます。

 

 

・参考文献

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)