奈良・天川村の古社、天河大弁財天社の国産精麻の鈴緒で鳴らす「五十鈴」

天河大弁財天社(天河神社)は、吉野国立公園山岳地帯の中央、大峰山系を源流とする天の川のほとりに鎮座します。

天武天皇のころに開山、日本三弁天の1つに数えられる古社です。

ご神殿の中央に取り付けられた「五十鈴(いすず)」は、天照大神(あまてらすおおかみ)がお隠れになった岩戸の前で天宇受売命(あめのうずめのみこと)が舞を舞う際に振った矛についたお鈴とされています。

その中央から6メートルあまりの七宝編みの網がついた国産精麻の鈴緒がつり下がっています。(鈴緒を持ち上げ、円を描くように回転させると「五十鈴」が美しく響き渡るそう)

「五十鈴」と、国産精麻の鈴緒
「五十鈴」と、国産精麻の鈴緒

 

天河大弁財天社といえば、龍村仁監督のドキュメンタリー映画、「地球交響曲 第八番」のはじめに紹介されていた同社で600年間眠り続けてきた能面「阿古父尉(あこぶじょう)」を復元させるお話を思い出す人も多いのではないでしょうか。

樹に宿る精霊と向き合いながら能面をよみがえらせていく過程や、代々受け継がれてきた自然をおそれ敬うご神事を通して日本人が古来、目に見えない大切なものと、どのように対話を重ねてきたかが描かれていました。