京都・神泉苑の「神泉苑祭」にて、みろく涼香舞を奉納(5月3日予定)。謡曲仕舞奉納家・一扇様

平安京造営から1200年の歴史をもつ京都・神泉苑で5月2~4日「神泉苑祭」がおこなわれます。

江戸時代より前から行われている行事ですが、3日夕刻に、謡曲仕舞奉納家・一扇(いちせん)様がみろく涼香舞「草子洗(そうしあらい)」を法成橋(朱塗りの橋)で奉納されます。

後半は「天花燦燦」という曲を3人で舞うそうです。

 

神泉苑は丹後七姫の1人、小野小町(おののこまち)ゆかりの場所でもあります。小野小町は、古今和歌集の六歌仙としても著名です。

お能には小町にまつわる曲が7曲あります。ほとんどが晩年の小町が主人公ですが、1曲だけ若き日の小町が主人公として扱われている曲があり、それが「草子洗」です。

舞台は平安時代の話です。宮中では、「歌合」という貴族の遊びがあり、2人ずつが選ばれ、それぞれの歌を詠み、優劣を競い合っていました。

小町の対戦相手は大伴黒主(おおとものくろぬし)。彼は才媛の小町に勝ちたいがために策を練りました。事前に小町の私宅に忍び込み、小町の歌を盗み聞きし、万葉集の草紙(草子)に書き入れたのです。

歌会当日、小町が歌を披露すると、黒主は「その歌は古歌を盗作したものだ」と言いがかりをつけてきました。そしてあらかじめ書き込んだ草子を差し出して「小町が盗作をした」と言い、自分を勝利に導こうと謀りました。

疑いをかけられた小町は「そのようなことはない」と申し開き、泣きながら帝に「草子を洗わせてください」と懇願します。

帝は小町の願いを聞き入れ、小町が草子を洗うと、書き足された歌だけが水に流れて消えてしまい、小町が盗作したのではないことが立証され、疑いが晴れました。

一方、黒主は嘘をついたことがばれてしまい、面目をなくし、自害しようと席を立ちましたが、小町は、自分を陥れようとした黒主を許し、「道を志すものは思い詰めてしまうこともある」と言って、慰めました。

ここで黒主の罪は許され、小町は舞を奏し、御代の長久を寿ぎ和歌の徳を称えて、和やかな雰囲気となったという、明るく気持ちの良い展開のストーリーであり、人気の高い舞と謡です。(『謡曲仕舞奉納家・一扇』宮西ナオ子著(シンシキ出版)P76~77より)

曲の最後の詞章は、以下のようになっています。

「大和歌の起こりは 荒金の土にして 素戔嗚尊(すさのおのみこと)の 守り給へる神国なれば 花の都の 春も長閑(のどか)に 花の都の 春も長閑に 和歌の道こそめでたけれ」。

日本は、はじめて和歌を詠んだ素戔嗚尊が守ってくださる神の国。小町の寛容で争わない心、見習いたいものです。この曲は一扇様にとって、謡曲仕舞(※)を2010年にはじめて奉納した思い出深い曲でもあるそう。

※一般の能楽では仕舞と謡の役は分かれており、発表会などでも自分で謡いながら舞うという方法はとられていません。

「神泉苑祭」、出店もあり楽しそうです。

当日の奉納の様子はこちら(5月5日更新の一扇様ブログへ)。

※一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付きをご利用いただいておりますが、今回の神泉苑祭では髪に4つの鈴と麻をつけ、指定の前天冠と神楽鈴を使用しての奉納です。〔5月14日に能楽師・井上和幸先生が主宰する「緑幸会」主催の春の謡曲・仕舞大会(京都・福知山)で、上記の前天冠・国産精麻五色房付きを使用し出演されるそうです〕


次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納。謡曲仕舞奉納家・一扇様

1月にご紹介した謡曲仕舞奉納家・一扇様

次々、京都の神社で「みろく涼香舞」を奉納されていらっしゃいます。

4月2日は、京都市の水火天満宮様の櫻花祭にて、みろく涼香舞「草子洗」を奉納。仕舞と独吟の奉納があり、能楽師・ 井上貴美子先生、井上須美子先生も仕舞を奉納されたそうです。

境内はしだれ桜が見頃を迎えており、桜の花びらが舞うすばらしい舞台で奉納された由。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

 

4月18日は、亀岡市の出雲大神宮様の鎮花祭にて、みろく涼香舞「杜若(かきつばた)」のクセとキリ(※)をつづけて奉納。

※仕舞には大概、クセとキリがあり、クセは能の中で一番見せ所があるところで大体は弱い感じの舞 で、キリは能の最後の部分で強い感じの舞が多い。(南山大学観世会「能楽用語いろいろ」より)

旧暦3月は、花が舞い散るのに合わせて災いも飛散すると言い伝えがあり、疫病や厄災の終息を祈るこの祭りは平安時代の1025年からつづくとされているそうです。地元住民による京都府登録無形民俗文化財「出雲風流花踊り」のほか、巫女2人による浦安の舞も奉納された由。

一扇様はこの日、奉納する曲に合わせて前天冠に桜の花と杜若を飾っていらっしゃいました。(一扇様のブログ「和み文化の風の声」に写真あり)

一扇様には、前天冠・国産大麻(精麻)五色房付き神楽鈴・国産精麻五色緒付き(草木染め版)をご活用いただいております。

いつか、みろく涼香舞を生で見たいと思っております。

「本物の音」で鈴祓え。癒しに。手打ち本坪鈴に麻縄職人が国産精麻を取り付け

鈴緒や神楽鈴などでつかわれる本坪鈴は機械成型(プレス)のものと、手打ちのものがあるのはご存じでしょうか?

前者は機械成型でつくられる汎用品ですが、後者は錺(※)金具師(職人)が工具をつかって文字通り手打ちでつくられます。※錺(かざり)とは、金属をたたき、曲げ、彫刻し、鍍金(メッキ)を施して仕上げる伝統技法です。

手打ちのものは、表面に手打ちした跡(ツチ目の跡)があったり、菊花紋があったり、地金(原材料)が機械成型のものより厚く、一般に音がいいのが特徴です。機械成型のものも最初は音がいいと思いましたが、手打ちのものの音を聞くとやはり手打ちに軍配が上がります。

表面に手打ち(ツチ)の跡(凹凸が肉眼ではよくわかります)、菊花紋が。
表面に手打ち(ツチ目)の跡(凹凸が肉眼ではよくわかります)と、菊花紋。

私の感覚では、本坪鈴の音は機械成型のものは体に響く感じ、手打ちのものは心に響く感じがします。

先人は、神霊に呼びかける鈴の音色を「さやさや」と表現したようですが、これは手打ち本坪鈴のことを言ったのではないでしょうか。

手打ち本坪鈴8分と1寸に麻縄職人が極上国産精麻(きなり、藍染め、草木染め含む全6色)を取り付け使いやすくした形で2020年より取扱いさせていただいております。細かいところですが緒(国産精麻)の長さは本坪鈴の径により変え、長すぎず短すぎず結び目等も美しいです。

いわゆる神道の五色の国産精麻を取り付けた手打ち本坪鈴(いずれも1寸径)
いわゆる神道の五色の国産精麻を取り付けた手打ち本坪鈴(いずれも1寸径)

京都の伝統技術を受け継ぐ「本物の音」で鈴祓え。癒しに。

2023年4月20日まで価格5%OFFでご提供中です。期間延長です。本物の音を感じていただきたいと思っていたところお客様よりご注文いただき、国産大麻(精麻)・ミニ鈴緒の手打ち本坪鈴付きができました。ただいまミニ鈴緒の手打ち本坪鈴仕様も5%OFFとさせていただいております。

なお、機械成型の本坪鈴も“いい音”と思いますので用途などに応じて使い分けていただければと思います。本坪鈴1寸の機械成型で、麻縄職人が極上国産精麻(きなり)を取り付けたものもございます。手打ち、機械成型とも本金メッキ仕上げで長持ちします。

京都・神泉苑にて3月4日奉納(予定)、謡曲仕舞奉納家・一扇様〔国産大麻(精麻)製品とともに〕

一月にご紹介させていただいた謡曲仕舞奉納家・一扇様が3月4日、京都・神泉苑にて奉納されます。

弘法大師のご請雨千二百年を記念して増運弁財天様、宇賀弁財天様(秘仏)のご開帳があり、その法要後に舞楽の奉納が予定されており、一扇様にもお声がかかった由。

今回はお能の曲以外も予定され、稽古に励んでいるそうです。

詳しくは、神泉苑の弁財天様特別ご開帳(3月3~5日)についてこちらをご覧ください。

なお、どちらの弁財天様もはじめてのご開帳となるとのこと。この機会に弁財天様にご参詣しませんか?

神泉苑は、平安京造営の際につくられ、千二百年の歴史をもつ史跡です。弘法大師・空海が祈雨の際、ご勧請された善女龍王社をまつり、祇園祭の発祥の地でもあります。

神泉苑の境内の池畔にまつられる水神様、増運弁財天様
境内の池畔にまつられる水神様、増運弁財天様の弁天堂

私事ですが、さぬきいんべ創業前、弘法大師のご足跡をたずねて歩いていたことがあります(高野山、御厨人窟、焼山寺山、出釈迦寺奥の院など)。8年前、神社仏閣用麻製品を調製する京都・山川をはじめて訪問した際、直前に知人から神泉苑の話があり、ご縁を感じまず神泉苑へ足を運んでから、山川さんをたずねたことを思い出します。

一扇様には前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きと、神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付きをご活用いただいております。(※当日は屋外で2名で舞う曲もあり、お借りした前天冠と、上記の神楽鈴をご使用されたそうです。当日の詳しい様子は、一扇様のブログをご覧ください。動画もあります)

うれしいご報告、誠にありがとうございます。

 

国産大麻(精麻)草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴で「浦安の舞」を奉納

一昨年8月に国産大麻(精麻)草木染め五色緒付きの鉾先鈴での浦安の舞奉奏が実現したことをご紹介させていただきました。

その後、鉾先鈴あるいは神楽鈴が東京・戸越八幡神社様の月次祭等にて精麻の草木染め五色緒付きで奉奏されております。

なお、浦安の舞は前半が祝いの象徴である檜扇を持って舞う「扇の舞」。後半が鈴を手に舞う「鈴の舞」です。

事後報告になりますが、檜扇の紐も国産精麻の草木染めでとご提案したところ、2022年5月に完成しました。そして、同年7月同神社の月次祭にて国産精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴で浦安の舞が奉納されました。

 
 
 
 
 
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国産精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴(上の投稿写真)で舞われているのは大谷由紀様で、同神社の巫女舞のご指導もされている由。(本務は書かれているとおり埼玉県飯能市に鎮座する平松天神社様の宮司です)

大谷様は檜扇の紐(精麻の草木染め)について、次のようなご感想をお寄せくださいました。

予想とイメージを遥かに超える出来上がりで感動しました!!
なんだろう、コアとか魂の座からドキドキする高揚感のようなものと
崇高なものを目の前にしたときの有難さと感動、大事なものを大切にしたいという気持ちと、少しの畏怖をMIXしたような、今までに感じたことがない気持になりました。

なぜ、さぬきいんべで精麻の草木染めをと思ったのか、、もう8年前のことになりますが現在、神社仏閣用麻製品の染めは99%が化学染料と聞き、神様にお捧げするものは自然由来が一番と思ったからです。職人とたまたま話が進み最初は藍染めからはじまり、2020年に五行の五色(緑・黄・赤・きなり・紫)ができるようになりました。(いま、きなりを含め六色が可能です)

上の大谷様のご感想がその重要さを物語っているのではないかと思います。

巫女神楽は、シャーマニックな憑依降神のための祈念の舞と、神を喜ばせる祈願奉納の毎に大別できます。前者の憑依降神の舞は、神がかりを得るためにゆったりとした回転の舞からはじまり、回転によって巫女の心身を浄化した後、順回り、逆回りを繰り返し、神を降ろします。

その手に持つ採り物は鈴、扇、笹、竹、紙垂鉾、榊、幣など神の宿る依代です。この舞は託宣巫女の存在が男性支配者に疎まれ、古代神道が国家神道化するにつれて、廃れていきましたが、今でも巫女舞の中にその要素が残っています。

精麻草木染めの紐付き檜扇、五色緒付き神楽鈴を手にした浦安の舞はこの憑依降神のための祈念の舞をどこか彷彿とさせます。

 

 

・参考文献

「図解巫女」朱鷺田祐介著(新紀元社)

 

令和の新しい「能」としての「みろく涼香舞」が誕生、謡曲仕舞奉納家・一扇様

先日、うれしいご感想とお便りをお客様からいただきました。

この方は、観世流シテ方(梅若実玄祥家)緑幸会主宰 能楽師 井上和幸先生に師事、お能の曲を謡いながら舞う「みろく涼香舞(すずかまい)」を京都の神社やお寺などで奉納されていらっしゃいます。

みろく涼香舞」を検索しますと、謡曲仕舞奉納家・一扇(いちせん)様のブログに行きつき、その誕生の経緯を知ることになりました。それは“天からの授かりもの”とのこと。

なんと、2022年3月7日の「みろく涼香舞命名披露会」から前天冠・国産大麻(精麻)五色房付きをお使いいただいている由。この前天冠は一昨年、こちらの記事に書いたように自分で作ろうとしたわけでなく、できあがってきたものですので、「みろく涼香舞」の誕生とシンクロしています。

誕生おめでとうございます。

また同年11月7日にプロフィール本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」宮西ナオ子著(シンシキ出版)が出版されていることを知り、その表紙にもこの前天冠をつけた写真が。

2022年11月に出版の本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」
2022年11月に出版の本、「謡曲仕舞奉納家 一扇」

著者の宮西ナオ子氏は女流能の研究家で能楽博士です。(2013年に東久邇宮文化褒章受章)

現代を躍進する謡曲仕舞奉納家 一扇

2009年より、能の仕舞を謡いながら舞う

「謡曲仕舞」という新しい舞を始めた一扇。

 

彼女が生み出した

令和の新しい『能』としての「みろく涼香舞」

伝統常識を超えた先に目指す未来とは・・・

 

祝福、人類の幸福、世界平和、

和の精神の継承を祈る想いが

今ここに綴られる。

 

もともと能は、神を招き、神にみていただく素朴な舞がその源流の1つになっています。

直近のイベントで「みろく涼香舞」の奉納前に神楽鈴・国産精麻五色緒付きを振る写真を送ってくださいました。前天冠の五色房と五色緒(どちらも草木染め)が合い、美しいです。

イベントで神楽鈴・国産精麻五色緒付きを振る一扇様
イベントで神楽鈴・国産精麻五色緒付きを振る一扇様

なお、一扇(いちせん)という名前はご本名だそうです。

ご縁をありがとうございます。今後のご活躍をお祈りいたします。一扇様の舞を見たり本を読んだりして、世界無形文化遺産である能楽という世界を垣間見る方も増えるといいなと思います。

※2023年1月15日更新の謡曲仕舞奉納家・一扇様のブログ「和み文化の風の声」で当記事をご紹介いただきました。

職人による国産精麻の撚り紐でどこにもない作品づくり(リース飾り編)

お客様が、職人による国産精麻撚り紐をつかった3つの作品(リース飾り)の写真を送ってくださいました。

サツマスギのリース(国産精麻草木染め撚り紐を使用)
サツマスギのリース(国産精麻草木染め撚り紐を使用)

草木染め(きなり・茜染め・藍+茜染め)5ミリ径三本撚りの撚り紐で二重叶結びと、ご自身がつくった神楽鈴をモチーフにした小さいオブジェの下に8分径の本坪鈴を3つあしらっています。作品名は「神楽」。

 

クジャクヒバとブルーアイスのリース(国産精麻撚り紐を使用)
クジャクヒバとブルーアイスのリース(国産精麻撚り紐を使用)

2ミリ径のきなりの撚り紐で飾り結びをあしらい、その下にご自身がつくった小さいオブジェを。作品名は「聖なる樹と水の精霊」。

 

濃い紫のスターチスとサツマスギのリース(国産精麻撚り紐を使用)
濃い紫のスターチスとサツマスギのリース(国産精麻撚り紐を使用)

2ミリ径のきなりの撚り紐で二重叶結び、その下にご自身がつくった小さいオブジェ。作品名は、「光と闇~闇は光を知るための扉~/闇を知ると光は自ずと大きくなる。陰と陽でひとつ。すべてはひとつ」。

 

このお客様はドライフラワーでリースなどを作り、ガラスなどのパーツを組み合わせてご自身が作った小さなオブジェをコラボさせて作品を作っておられます。

リースをつくるにあたり、一般的なものはグルーガンでとめたり、ワイヤーでくくったりするようですが、自然由来のもので固定したり、リースをつるすための紐を使いたいと思われ、精麻の撚り紐に行きついたそうです。

麻は「神の宿る繊維」「神の依り代」、これらの作品を“聖なるリース”と呼んでもいいでしょうか?

「日本の伝統でもあります精麻(麻の撚り紐)にふれることができ、日本人としてとてもうれしく思います。職人さん達が丁寧に丁寧に仕上げてくださった撚紐は、こちらでも大切に仕上げたくて、飾り結び練習しました!」とお客様はおっしゃっています。なお、つくったリース飾りの販売もされているそうです。

 

祝・12周年 さぬきいんべ年末感謝祭(本年も誠にありがとうございました)

2017年から毎年開催させていただいております年末感謝祭。

本年は12周年を祝って、開催させていただきます。(2022年12月31日まで。2023年1月4日に13周年を迎えます)

四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart2のプレゼント、京都・山川のオリジナル国産精麻アクセサリー「あわむすび」と、別のアクセサリーをお買い上げの価格帯ごとにプレゼントさせていただくことといたします。(年末のしめ縄ご予約の方は別の特別特典をお付けいたします。こちらは11月18日ご予約注文分まで)

 

本年を振りかえりますと、昨年6月から、おお麻(ヘンプ)専門神具店に舵を切りましたが、その拡充に第一に取り組みました。まず年頭より、国産大麻(精麻)の鈴緒鰐口紐(鐘緒)の取扱いを開始。そして、昨年の11月から東京・戸越八幡神社様の月次祭と、神楽殿での浦安の舞が国産精麻・草木染め五色緒付きの鉾先鈴または神楽鈴を使って奉納されていましたが、春にはその動画をアップでき見ることができるようになりました。

また、巫女の紹介で、6月には同神社様へ国産精麻の大麻(おおぬさ)を納品させていただきました。一方、買う人ばかりではなく作る人を増やしたいと思い、昨年開催した大麻の麻縄活用コンテストの第2回を本年も開催させていただきました。2回目はどうなることかわかりませんでしたが、第1回より多数のご応募が寄せられ、うれしかったのと、1人の方が複数ご応募いただくなど力作が多かったと思います。ご紹介くださった方、ご応募いただいた方々ありがとうございます。

11月には思わぬところから情報が寄せられ、讃岐忌部氏の系譜が現代までつづいていることがわかりました。これまでは文献で調べ江戸時代までぐらいしかわかりませんでしたので、命の連鎖と、神代からのつながりにただただ驚くとともに当初は讃岐忌部氏の復活も思っていましたので、これまでやってきてよかったという思いです。

来年2023年は、いよいよ大麻取締法の大幅改正が通常国会で審議され、法改正があるとみられます。今後、これまでしてきたこと、目に見えないものを大切にする人が増えるように、そして神社仏閣向けに麻製品を普及させていくこと、また個人様においてはますます手仕事が盛んになりますようにと願うとともに国産の精麻製品が発展、後世に麻文化が継承されますように祈念いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

※webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

国産大麻(精麻)のしめ縄で清々しい2023年を!超早期ご予約のご案内

本年も、2023年用しめ縄の超早期ご予約の受付を開始いたしました。

※超早期ご予約の受付を終了いたしました。多数ご予約ありがとうございます。2022年11月22日追記

好評の美しいしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》のいずれも紙垂付き(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)は、しめ縄は1つひとつ縄目がちがいますが、職人がバランスをみて紙垂を取り付けさせていただきます。また、本年は世界の安寧を願って神居 和かざりのざくろ版が加わりました。(さらに神社の拝殿用の鈴緒寺社仏閣用の鰐口紐もできるようになっております。神社やお寺の用途はもちろん、ディスプレイ用等にいかがでしょうか?)

超早期ご予約の特典として、本体価格5%OFF、ならびに1886(明治19)年創業、神社仏閣用麻製品を調整しつづけている京都・山川製のオリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》藍染め、茜染め&ざくろ染め版のいずれかお1つをプレゼントさせていただきます。(精麻は極上国産、藍染め、草木染めは徳島でおこなっております)※染め(色)のご希望を承ります。ご予約注文時に「備考欄」へご記入する等お申し出ください。本特典は2023年年頭、立春までにお届け予定。(特典のプレゼントを何らかの理由で辞退される方も遠慮なくおっしゃってください)本特典は、2022年11月18日ご予約分まで。

京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》
京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》

 

お届けは2022年12月15日頃から順次発送予定です。日時指定も承ります。(自然のリズムを意識し冬至、旧暦の新年に合わせるのもおすすめです)

また、こんなしめ縄または鈴緒ができませんか?というご要望も歓迎です。

《現在のご予約状況》

しめ縄太さ6ミリ×長さ19センチ(紙垂付き)、太さ15ミリ×長さ145センチ(紙垂付き)、太さ5ミリ×長さ5メートル(紙垂付き)、大根型太さ1寸×2.5尺(紙垂付き)、同太さ8分×長さ2尺(紙垂付き)、同太さ6分×長さ1.5尺(紙垂付き)、牛蒡型8分×2尺(紙垂付き)、同太さ6分×1.5尺、神居 和かざり(紙垂付き)など。2022年10月19日現在。

ご予約誠にありがとうございます。

しめ縄の超早期ご予約専用ページ

神社の拝殿用の鈴緒ご注文ページ

寺社仏閣用の鰐口紐(鐘緒)ご注文ページ

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。これだけのしめ縄、鈴緒(数量)をこのくらいの時期にという「仮予約」も受付させていただいております。

日本の文化として昔から大切につかわれてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄、鈴緒で清々しい新年を迎えませんか。

神社やお寺で麻は「神聖なもの」、「穢れを祓う」、「神の依り代となる」などとされています。例えば、お供物を麻で結んだり、神職の方々の冠に麻を巻いたり、お祓いの際の道具(祓串)に麻が使われていたりと、現在でも様々なところで大変重用されています。

そういった理由から神社仏閣の鈴緒・鰐口紐や注連縄には麻が使われており、別の素材ではその意義や効果が失われてしまうのです。(明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整 株式会社山川パンフレットより)

 

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

精麻における草木染めと化学染料染め、いずれ草木染め精麻を主体へ

草木染めとは植物染料で染める方法、化学染料染めは石油由来の合成染料で染める方法です。

志村ふくみさんの「色を奏でる」(ちくま文庫)の一節「色をいただく」のなかにこんなことが書いてあります。

ある人が、こういう色を染めたいと思って、この草木とこの草木をかけ合わせてみたが、その色にはならなかった、本のとおりにしたのに、という。

私は順序が逆だと思う。草木がすでに抱いている色を私たちはいただくのであるから。どんな色が出るか、それは草木まかせである。ただ、私たちは草木のもっている色をできるだけ損なわずにこちら側に宿すのである。

草木染めは、化学染料とちがい、光の反射がやわらかいため色が目にやさしいです。また、色の深み、素朴さ、渋さ、質感があります。バイブレーションがそれぞれの染めによりちがうと思います。

一方、化学染料染めの場合は、色と色を交ぜ合わせることによって新しい自分の色をつくります。単一の色では色に底がありません。また、化学染料は脱色ができますが、植物染料は脱色することができません。自然が主か、人間が主かのちがいだと思われます。

 

何度もお伝えしていますが現在、神社仏閣用の麻製品の染色は99%が化学染料です。

なぜなら、安価に早く染めることができるからです。さぬきいんべの製品の化学染料染めは麻縄職人が、草木染めは染め職人がおこなっております。

化学染料染めの五色緒。
化学染料染めの五色緒。

 

しかし、神社仏閣用に化学染料染めは主体なのはどうかと(それまで草木染めのヘンプ衣料を扱っていたこともあり)違和感を覚え、2015年から徐々に藍染めからはじまって草木染めした精麻の普及に取り組んでおります。

先の記事でご紹介したように、先人が藍染めの薬効に着目したと思われる京都・祇園祭での精麻使用の事例を最初に知ったことで俄然やっていこうと思いました。

2017年には四国霊場22番札所・平等寺の山門に草木染め5色(緑・黄・赤・きなり・紫色)の前垂れのついた国産精麻のしめ縄がかけられました。

このことを知ってなんとかと、さらに精麻の草木染めをと思い取り組み、2020年にようやく、国産精麻・草木染め五色緒付きが誕生しました。

草木染めの五色緒。(2020年以降)
草木染めの五色緒。(2020年以降)

 

写真ではなく、実物を見て確認したいというお客様へ、極上国産精麻(野州麻)の化学染料染めのものと、草木染め5色のサンプルもございます。五色緒のように長さ5尺(約150センチ)に麻縄職人が加工したものです。ちがいを見比べてみたい方はお気軽にお問合せください。きていただいてもいいですし、宅配便で貸し出しもさせていただきます(送料のみご負担ください)。