神事、月次祭のお供え(伊勢エビとアワビ、鯛)をしばる麻紐づくりから気づくこと

公の神事、主に月次祭の伊勢エビとアワビ、鯛のお供えをしばる麻紐をつくってまもなく1年になります。(ちなみに他のお供え、乾物や野菜などは精麻でしばります)

お供えをしばる麻紐(練習)
お供えをしばる麻紐(練習)

2022年5月から麻紐でしばるお供えに伊勢エビとアワビが加わり(それまでは鯛のみを麻紐でしばっていた)、それを期に麻紐をつくらせていただいております。

精麻を裂いて2本撚りの撚り紐をつくりますが、つくりはじめる前年にたまたま愛媛・西條神社でのはぐくみの木様ワークショップでつくり方を教わり、つくった麻紐を何回か試作、その道10年以上の先輩方から指導をいただいて使っていただけることになりました。(それまで先輩がつくっていたつくり方は撚るということはいっしょですが撚り方が異なります)

長さが伊勢エビとアワビは1メートル、鯛は60センチぐらい要します。

とにかく神様へのお供えですので、誠をこめできるだけ美しくとか、床下に置かないとかつくる際の意識がちがいます。月次祭は月に1度の大きなお祭りで、毎月作りつづけることと使っていただくことができているのは感謝しかありません。

麻紐をつくりはじめて自分のルーツが職人(父は建具職人)であることと、さぬきいんべで取り扱わせていただいている麻製品、京都・山川の職人の手仕事のすばらしさがさらにさらにわかるようになりました。

麻紐をつくる貴重な時間。誠をこめ作りつづけたいと思っています。

 

 

神様へお供え用お餅の籾まき。自然農法、乾田苗代の援農奉仕に参加

4月9日、神様へのお供え用お餅の籾まきがあり、援農奉仕へ参加してまいりました。

こちらに記載してあるとおり、2年前から公で神事行事のご用をいただき、毎月の月次祭などにおいてお供え物の盛り付けをしたり、献せんさせていただいたりしております。

もち米の籾まき(自然農法)
もち米の籾まき(自然農法)

この日は快晴で、気持ちのいい風が吹いておりました。

全体の工程は次のとおり。

苗床に自家採種のもち米の籾まきをしていきます。籾まき後、水をまいて、真砂土をふるいで薄くかけ、シートをかぶせて終了です。もち米だけでなく、うるち米(コシヒカリ、こちらはお供え用ではない)も籾まきしました。

乾田苗代(作業中)全景。
乾田苗代(作業中)全景。

作業自体は休憩を入れて2時間半ちょっと。いい汗をかきました。

苗取りは5月半ば過ぎの予定だそうです。

また参加させていただきます。

神具(祭器具)は一般の“モノ”とは異なることに留意、取り扱い方の一例

2年前より、公で神事行事のご用をいただき、毎月の月次祭などにおいてお供え物をならべたり、献せんさせていただいたりしております。(2021年4月から献せん専用の部屋があるところでさせていただくようになっています)

このなかでも麻、すなわち精麻が使われており、仕事(さぬきいんべ)とつながっていると感じます。

さて、献せんでは八足、籠(こも)、モチ箱、三方、水玉(水器)、瓶子、かわらけ(皿)など、もちろん精麻も使用しており、そこで先輩(その道20年以上、一番長い人で40年)から教わっていることはおそらく皆さんにも参考になると思いますので、少しずつシェアさせていただきます(いっぺんにではなく、少しずつ)。

神様には最高のものをおささげする(誰が見ても美しいように)ことを目標に、御饌神酒(みけみき)やお米、お供えはすべて自然農法のもの、水は井戸水、塩は自然塩を使用しております。

・事前にまず手を石けんで洗い、専用の布で手を拭く。

・神具は下(床)に置かない。また、保管は専用の場所に模造紙など白い紙を敷いて置く。

・神具は神具ごと、三方なら三方用の専用の布を用意し、白手袋をして掃除する。(洗ったあとも、専用の場所、専用の洗濯ばさみで乾燥)

まだわからないことがたくさんありますが、種々教わっていますなかで、基本は(形よりも)心なんだと感じます。

また、お供えの前に火打ち石と火打ち鎌で切り火を必ずするよう言われております。(規模はグンと小さいですが、家でもこれに準じさせていただいております)

そういうこともあって、さぬきいんべでは発送前に切り火をしてお送りさせていただいております。その心が神様に通じると思っています。

 

一般のご家庭においては、「神道いろは」(神社新報社)にありますように、

祭器具は、神棚に用いるものであることに留意し、清掃や洗浄といった取扱いも一般の物と分けるようにします。

ということでいいと思います。神棚の掃除についてはこちらを参考にしてください。

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

「家庭の祭祀辞典」西牟田崇生編著(国書刊行会)