年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2022-2023年)

2022年もラストを飾る月になりました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方は12月10日までにお問合せ、ご注文いただければ年内お届けが可能です。(ただし、やむをえない理由によりご希望に添えない場合もございます)

※毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設していました。(現在、ご予約受付は終了しておりますが、次の年もしめ縄をと思う方は毎年秋に超早期ご予約ページを開設しますのでそちらをご検討ください。特別の特典付きです)

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきている気がします〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

それから先日、香川・誉田八幡宮の創始者、忌部正國がご先祖様という松坂ミキさんのご著書、「ROOTS」(文芸社)を読み、先祖供養の大切さ(どんな人にも必ず”ルーツ”がある)を思いました。今日自分が生きていられるのは、ご先祖様が生き抜いて命をつなげてくれてのことです。ご先祖様への感謝、思いも忘れないようにしましょう。(神職から「先祖供養の元は神道」とうかがいました)

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈りいたします。

敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟(福井県)で京都・山川さんが自社製のしめ縄を発見

こちらの京都・山川(創業明治19年、神社仏閣用麻製品の調製)のInstagram投稿で国産精麻のしめ縄が紹介されていました。

 
 
 
 
 
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福井県にある三国サンセットビーチにて毎年8月11日に開催される三国花火大会に3年ぶりに訪れた山川さん。

ランチにと敦賀魚河岸 海鮮丼うお吟に入って海鮮丼を。お店の雰囲気、見映え、お味、ボリューム。どれも最高だったとのこと。

そこで偶然、自社製のしめ縄を発見したそうです。(Instagram投稿の3枚目、神棚の写真)

ひょっとしてと思い履歴を調べると、ありました。お店がオープンする際にお求めいただいたようで、大根型しめ縄の太さ1寸(約3センチ)×長さ2.5尺(約75センチ)でした。

こんなことがあるんですね。

山川さんいわく、「うちのしめ縄をお店に付けていただいてるなんて、とても嬉しいです!」

 

2022年も日に日に残り少なくなってまいります。

他に牛蒡型、わかざりをご用意しております。(年内お届け早期ご予約も11月18日まで延長)

祝・12周年 さぬきいんべ年末感謝祭(本年も誠にありがとうございました)

2017年から毎年開催させていただいております年末感謝祭。

本年は12周年を祝って、開催させていただきます。(2022年12月31日まで。2023年1月4日に13周年を迎えます)

四国の麻栽培再生を願うキャンペーンpart2のプレゼント、京都・山川のオリジナル国産精麻アクセサリー「あわむすび」と、別のアクセサリーをお買い上げの価格帯ごとにプレゼントさせていただくことといたします。(年末のしめ縄ご予約の方は別の特別特典をお付けいたします。こちらは11月18日ご予約注文分まで)

 

本年を振りかえりますと、昨年6月から、おお麻(ヘンプ)専門神具店に舵を切りましたが、その拡充に第一に取り組みました。まず年頭より、国産大麻(精麻)の鈴緒鰐口紐(鐘緒)の取扱いを開始。そして、昨年の11月から東京・戸越八幡神社様の月次祭と、神楽殿での浦安の舞が国産精麻・草木染め五色緒付きの鉾先鈴または神楽鈴を使って奉納されていましたが、春にはその動画をアップでき見ることができるようになりました。

また、巫女の紹介で、6月には同神社様へ国産精麻の大麻(おおぬさ)を納品させていただきました。一方、買う人ばかりではなく作る人を増やしたいと思い、昨年開催した大麻の麻縄活用コンテストの第2回を本年も開催させていただきました。2回目はどうなることかわかりませんでしたが、第1回より多数のご応募が寄せられ、うれしかったのと、1人の方が複数ご応募いただくなど力作が多かったと思います。ご紹介くださった方、ご応募いただいた方々ありがとうございます。

11月には思わぬところから情報が寄せられ、讃岐忌部氏の系譜が現代までつづいていることがわかりました。これまでは文献で調べ江戸時代までぐらいしかわかりませんでしたので、命の連鎖と、神代からのつながりにただただ驚くとともに当初は讃岐忌部氏の復活も思っていましたので、これまでやってきてよかったという思いです。

来年2023年は、いよいよ大麻取締法の大幅改正が通常国会で審議され、法改正があるとみられます。今後、これまでしてきたこと、目に見えないものを大切にする人が増えるように、そして神社仏閣向けに麻製品を普及させていくこと、また個人様においてはますます手仕事が盛んになりますようにと願うとともに国産の精麻製品が発展、後世に麻文化が継承されますように祈念いたします。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

※webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

「竈神(かまどがみ)」「荒神(こうじん)」とはどのような神様か?

年末年始に、神社の社頭や神職・氏子総代により新年に家庭でお祀りするお神札を頒布しますが、この中に竈神(かまどがみ)のお神札が含まれていることがあります。

竈神は、「荒神(こうじん)」「三宝(方)荒神」「釜神(かまがみ)」「火の神」などさまざまな呼称があります。

主に竈を中心とした各家の火を扱う場所にお祀りされる神様です。

一昔前は食物の煮炊きに竈が用いられ、その守りとして祀られる竈神は、単に火伏せ(火災を防ぐ)の神としてのご神格だけではなく、農作の神やその家の富や生命など生活全般をつかさどる神として広く信仰されるようになりました。

屋内の場合、竈の近く(現在では台所など)に神棚を設けて、お神札や幣串(へいぐし)を納めて祀るのが一般的です。(地域によって、例えば宮城県から岩手県南部にかけて竈神の形相を表した面を祀ったり、松や榊などを竈神の依り代とする事例あり)

竈神の具体的なご神名は、古事記に大年神(おおとしのかみ)の子として、「奥津日子神(おきつひこのかみ)、つぎに奥津比売命(おきつひめのみこと)、またの名は大戸比売命(おおべひめのかみ)。此は諸人もち拝(いつ)く竈神なり」とあるように、奥津日子神・奥津比売命の二柱の神、もしくは大年神を合わせた三神が竈神とされています。

各家庭だけでなく、焼き物など手仕事で窯で火を扱われる方、国産精麻のしめ縄を用いて竈神、荒神さままたは手仕事の神様をお祀りしませんか?

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

「現代語古事記」竹田恒泰著(学研)

神社の拝殿に吊されている精麻の鈴緒(鈴を鳴らす綱)のいろいろ

たいてい、神社の拝殿正面には「鈴」が取り付けられています。

それは巫女が神楽鈴を振るのと同じように、参拝者自らが鈴の音で祓い清めるためのものです。

その鈴を鳴らす綱を鈴緒(すずお)といいます。

鈴緒は神聖な鈴を鳴らすものであるため、古来神聖な植物とされている麻でつくられてきました。

一口に鈴緒といっても、いろいろなのがあります。少しご紹介させていただきます。

例えば、こんな鈴緒。

 
 
 
 
 
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このタイプは一番よく見るでしょうか。(きなりの精麻でできており、房は「切房」です)

 
 
 
 
 
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こちらは保護編み(七宝編み)付きです。

 
 
 
 
 
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こんな鈴で、五色の縄も。

 
 
 
 
 
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他にも上の写真とはちがう配色のものがあったり、布巻きのものがあったりします。

京丹後の地にて糸魚川翡翠で玉造り、「布留玉の社(ふるたまのやしろ)」

10月1日、京都最北端、京丹後の地にて糸魚川翡翠を用いて勾玉や大珠(たいしゅ)をつくっている「布留玉の社(ふるたまのやしろ)」のwebサイトが再公開されました。(しばらくお休みしておりました)

作り手は青舟(せいしゅう)さんで、2011年からご縁をいただき、さぬきいんべで勾玉や大珠のペンダントをプロデュースし、お分けさせていただいております。ただいま、勾玉「磯砂」、「宇良」、「奈具」、大珠「熊振(よしふる)」がございます。

下記の写真は長さ9センチ弱の大珠「熊振」を草木染めヘンプ糸でマクラメ編みした紐にて現代風に首から下げられるよう仕上げたものです。その他、上記の勾玉も取扱い中。

個人的にはwebサイトで紹介されている勾玉「出雲三作」(八雲・神魂・佐太)がいいと思います。

さて、2016年に日本鉱物科学会により国石に選定されたヒスイ。その後、雑誌「目の眼」で特集が組まれたり、NHK「美の壺」で放送されたり、最近では東京の大田区立郷土博物館で「大勾玉展」が8月2日から10月16日まで開催されていて、じりじり、ジリジリ、脚光を浴びているように思います。

糸魚川産ヒスイ製大珠ペンダント「熊振(よしふる)」
糸魚川産ヒスイ製大珠ペンダント「熊振(よしふる)」

青舟さんのその製作工程は原則、非公開とのことですが、こちらのYouTube動画が公開されていますので、ご興味のある方はご覧ください。

 

 

※2022年10月23日、日本舞踏家の花柳凛、第一回京丹後舞踏公演にて青舟さんの出雲三作の1つ、勾玉「神魂」が公演を通じて主役が首に下げる形で使用されました。(もちろん首に下げる紐は、京都・山川製の国産精麻ヒモです)

公演は2部構成で、第1部が新作舞踊「有涯~丹後七姫より 覚悟の三姫」。静御前、細川ガラシャ、羽衣天女を題材に、2部は太古の祈りを復活させる新作舞踊「祈日月物語」。1部と2部の間には、谷崎テトラさん(構成作家)のトークショーがあった由。

 
 
 
 
 
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3年ぶり通常通り斎行。地元「西条まつり」における祈りと祭りの継承を思う

3年ぶりに地元、西条まつりが通常通り開催されることに。

「西条まつり」とは、五穀豊穣を神に感謝する神事で、愛媛県西条市内に鎮座する伊曽乃神社、嘉母神社、石岡(いわおか)神社、飯積(いいづみ)神社の4つの神社の例祭(秋祭り)の総称です。

祭りの期間中は、学校が休みになり、学校も参加を奨励していましたので、だんじりや太鼓台についてロープを引っ張ったり、太鼓をたたいたり、楽しい思い出しか残っていません。

そのためだと思います。地域に根付いて、会社やお店が休みになったり、お盆や正月に帰省しない人でも祭りには帰ってくるといわれています。

私は2010年まで香川県に住んでいました。(やはり、祭り期間には)毎年帰りたいと思ったものです。

2007(平成19)年に香川県立ミュージアムで「讃岐の祭り展」を開催の折、中四国の自治体を対象に祭りのポスターを募集したところ、1番に届いたのは西条市(西条まつり)で、2番目は新居浜市(新居浜太鼓祭り)だったそうです。新居浜市はポスターを持参してきたと聞きました。

それぐらい祭りにかける思いが熱いのが西条市と新居浜市だと思います。

この話は以前、前職が同ミュージアムの学芸員だった愛媛大学法文学部の胡(えべす)光先生の講演で聞き覚えています。

お祭りの高揚感、躍動感は何とも言えません。日本人のDNAに組み込まれているかのような祭囃子のメロディや掛け声は切っても切れないものだと思います。

西条まつりで麻(精麻)がつかわれているか調べたところ、神社や各神楽所での神事の際の大幣でつかわれています。(巫女による浦安の舞の奉納もあります)

伊曽乃神社の堀川修巧宮司は今年6月発行の社報のなかで、下記のように述べておられます。

ご先祖様たちが千年二千年と護り伝えてきた大切な「祈り」と「祭り」を後世へつなげていかなければなりません。1日も早く日常が戻り、いつも通りの祭りが斎行できることを切に祈っています。

神事の作法、屋台の組み立て、囃子、提灯の制作など祭りにかかわる伝統文化は幅広いです。ここに精麻をふくむ、麻の文化も入ります。祭りの中断はこの伝統文化継承に非常に大きな影響を及ぼすことがこの2年でおわかりになった人も多いのではないでしょうか。

無事に祭りが実施され、町に祭り囃子が戻りますように。

 

 

・参考文献

「礒野」伊曽乃神社社報(2022年6月発行)

 

 

国産大麻(精麻)のしめ縄で清々しい2023年を!超早期ご予約のご案内

本年も、2023年用しめ縄の超早期ご予約の受付を開始いたしました。

※超早期ご予約の受付を終了いたしました。多数ご予約ありがとうございます。2022年11月22日追記

好評の美しいしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》のいずれも紙垂付き(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)は、しめ縄は1つひとつ縄目がちがいますが、職人がバランスをみて紙垂を取り付けさせていただきます。また、本年は世界の安寧を願って神居 和かざりのざくろ版が加わりました。(さらに神社の拝殿用の鈴緒寺社仏閣用の鰐口紐もできるようになっております。神社やお寺の用途はもちろん、ディスプレイ用等にいかがでしょうか?)

超早期ご予約の特典として、本体価格5%OFF、ならびに1886(明治19)年創業、神社仏閣用麻製品を調整しつづけている京都・山川製のオリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》藍染め、茜染め&ざくろ染め版のいずれかお1つをプレゼントさせていただきます。(精麻は極上国産、藍染め、草木染めは徳島でおこなっております)※染め(色)のご希望を承ります。ご予約注文時に「備考欄」へご記入する等お申し出ください。本特典は2023年年頭、立春までにお届け予定。(特典のプレゼントを何らかの理由で辞退される方も遠慮なくおっしゃってください)本特典は、2022年11月18日ご予約分まで。

京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》
京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》

 

お届けは2022年12月15日頃から順次発送予定です。日時指定も承ります。(自然のリズムを意識し冬至、旧暦の新年に合わせるのもおすすめです)

また、こんなしめ縄または鈴緒ができませんか?というご要望も歓迎です。

《現在のご予約状況》

しめ縄太さ6ミリ×長さ19センチ(紙垂付き)、太さ15ミリ×長さ145センチ(紙垂付き)、太さ5ミリ×長さ5メートル(紙垂付き)、大根型太さ1寸×2.5尺(紙垂付き)、同太さ8分×長さ2尺(紙垂付き)、同太さ6分×長さ1.5尺(紙垂付き)、牛蒡型8分×2尺(紙垂付き)、同太さ6分×1.5尺、神居 和かざり(紙垂付き)など。2022年10月19日現在。

ご予約誠にありがとうございます。

しめ縄の超早期ご予約専用ページ

神社の拝殿用の鈴緒ご注文ページ

寺社仏閣用の鰐口紐(鐘緒)ご注文ページ

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。これだけのしめ縄、鈴緒(数量)をこのくらいの時期にという「仮予約」も受付させていただいております。

日本の文化として昔から大切につかわれてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄、鈴緒で清々しい新年を迎えませんか。

神社やお寺で麻は「神聖なもの」、「穢れを祓う」、「神の依り代となる」などとされています。例えば、お供物を麻で結んだり、神職の方々の冠に麻を巻いたり、お祓いの際の道具(祓串)に麻が使われていたりと、現在でも様々なところで大変重用されています。

そういった理由から神社仏閣の鈴緒・鰐口紐や注連縄には麻が使われており、別の素材ではその意義や効果が失われてしまうのです。(明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整 株式会社山川パンフレットより)

 

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

第2回大麻の麻縄活用コンテスト【優秀賞】【特別賞】の結果発表

2年連続の開催、第2回大麻の麻縄活用コンテストにご応募いただいた皆さま誠にありがとうございます。年々、精麻でもの作りされる方が増えていると思いますが、昨年より多く、予想以上のご応募をいただき、うれしく思いました。

さて結果の発表です。

【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様、ランジェリーチャーム

【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品
【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品
【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品
【優秀賞】LuckyCharms yoriyori(AKO)様の作品

(評)女性のブラジャーやキャミソールにつけるランジェリーチャームです。取りはずし可能で、毎日お守りのように身につけることができます。形は、立体的な仕上がりになるような編み目に、その星形を囲むように周りは鎖編みになっております。「丸くなるな、星になれ」そんな想いも込め、身に付けた人が、元気に夢に向かって進んでいく姿を想像しながら作ったとのこと。そのとおりに、身につけるだけで特別な一着(見えないところに、おしゃれ)になるとともに、子どもの伝統的な背守りのように精麻でできたチャームが魔よけ、お守りになり、元気に夢に向かって進んでいけるのではないでしょうか。

LuckyCharms yoriyori(AKO)様は2022年秋からランジェリースタイリスト(つくるのでも販売するのでもない下着の専門家)として活動(活動名:湘南ランジェリー)していくためご準備をされておられる最中で、ランジェリーは身体だけではなく、心にも作用することをご自身が実感、ランジェリーから毎日パワーをもらってきたことを後で知りました。

ランジェリーについて、いろいろな声を耳にする中で、これまでの下着を変えることに少なからず抵抗がある方もいることから、それならば、まずはランジェリーチャームをプラスしてみませんか?という発想から、この作品は生まれたとおっしゃっています。

 

【特別賞】はぐくみの木様、精麻のモビール

【特別賞】はぐくみの木様の作品
【特別賞】はぐくみの木様の作品
【特別賞】はぐくみの木様の作品。
【特別賞】はぐくみの木様の作品。

(評)この精麻のモビール、宇宙を感じませんか?モチーフとして上から太陽(日)、月、星、トーラス体(芯はしめ縄結びの縄)、御魂(モンキーフィストノット、水晶)だそうで、つないでいる紐も精麻の撚り紐です。

モビールにしようと思った理由は、「目に見えない空気の動きを目で感じられる」からだそうで、このモビールは風が吹くとゆらぎます。静けさと動き、影などを同時に感じられ、精麻の美しさと清浄さをもっとさりげなく、現代の日常空間で感じることができるもの、見ていて心地よいものをということでこの形になったそうです。(麻縄の太さを使い分けながら、それぞれ印象が異なるモチーフに統一感)

1つひとつの形も丁寧につくられております。

 

【特別賞】earth venus様、精麻敷

【特別賞】earth venus様の作品
【特別賞】earth venus様の作品
【特別賞】earth venus様の作品
【特別賞】earth venus様の作品

(評)精麻の敷布(布ではない)です。美しい精麻の輝きをそのまま「見せる、味わう」ために考え、つくったそうです。(大きさは19センチ×21センチで、接着剤などは不使用)

天然石やブレスレットを休ませる場所として、ご自分で日常使われているとのこと。

ありそうでないものではないでしょうか。これを見ると精麻の編みカゴなどもできるのではないかと想像がふくらみます。(いぐさかごの作り手に精麻でカゴが編めるか以前たずねたことがあります)

 

麻縄活用コンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございます。

お1人で複数のご応募をいただいた方、また力作が多かったように思います。皆さまの作品を公に見ていただけるよう展示したいくらいです。日本古来の大切な文化である麻縄(精麻)に触れていく人がますます増えていきますように。本コンテスト開催にあたりご協力いただいた方々、ご応募いただきました皆さまに感謝申し上げます。

国産大麻(精麻)が日本の馬具に用いられているのはご存じですか

国産大麻(精麻)の撚り紐をお求めになったお客様が1枚の写真を送ってくださいました。

馬具(鞍)の結束用に用いられた国産大麻(精麻)撚り紐(鞍の裏側から)
馬具の結束用に用いられた国産大麻(精麻)撚り紐(鞍の裏側から)

人や荷をのせるため馬の背に置く鞍の部分です。撚り紐は、いずれご自分で撚ったものを使いたいそうですが、その前に完成品をということでご縁をいただきました。(※写真の掲載許可を得ております)

その他、馬具で国産精麻が使われている例として、京都・葵祭でつかわれる馬の腹帯(鞍を固定するための帯)があります。

精麻が使われるのは馬は古来、神の乗り物とされていたからでしょうか。精麻は「神の宿る神聖な繊維」です。邪気、悪霊、災厄をはらうとされました。

 

ちなみに、牛の追い縄も国産精麻でできたものがあります。牛は天神信仰において神様の使い(神使)とされるからだと思われます。

ねずみや鹿、狐なども神様の使いとされていますので、神社やお寺などでそれらに関係した精麻でできたものを見ることがあるかもしれません。

 

 

・参考文献

「図説 日本合戦武具辞典」笹間良彦著(柏書房)

古代の人々の祈願と馬の奉納(三重県ホームページ)

「日本の建国と阿波忌部」林博章著