弥勒思想について、梅原猛さんの講演録から

4月18日に誕生した国産大麻(精麻)・みろく叶結び飾り

この「みろく」について少し説明させていただきます。

手元に哲学者・梅原猛さんの講演録がありますので、その中から一部分を紹介します。

神道の「共生と循環」、それに仏教の「菩薩行」。私は神道や仏教は素晴らしいと思うのですが、やはり神道や仏教で弱いところがあります。弱いところは何かというと、神道でも仏教でも現状肯定。現状肯定の精神が強すぎる。そして大きな理想に向かって世の中を指導していくという点が大変乏しいのです。

仏教の中でそういう大きな理想に向かって人間を引っ張って行くという宗教もあります。それは「弥勒(みろく)信仰」でございます。この「弥勒信仰」は日本に仏教が入ってきた聖徳太子のときに大変盛んでした。その信仰は平安時代の初めまでありました。あの広隆寺の弥勒菩薩像。あれは素晴らしいでしょう。

弥勒は56億7000万年さきにこの世に現れる。その56億7000万年さきのどういう理想の世の中になるかを弥勒さんが思索している、考えている姿があの広隆寺の弥勒菩薩像のお姿です。
あるいは中空寺の弥勒菩薩像。これも素晴らしいですね。素晴らしい中宮寺の弥勒菩薩像はどこか女性的ですが、これまた素晴らしい。聖徳太子は未来の理想の世を考えた。そしてその理想の世をこの日本に実現しようと思って、あの弥勒を崇拝されたのです。

ところが日本の仏教では弥勒崇拝はだんだん釈迦崇拝や薬師崇拝や阿弥陀崇拝に圧倒され、弥勒の思想はあまり日本の仏教では問題になりませんでした。

しかし新しい宗教は、仏教の流派であると言いましても、「弥勒の世直し」と言います。その世直しがキリストのメシア思想。メシアというのは、神に選ばれた人が世直しをするために、神によってこの世の中に遣わされた方ですが、その忠誠するメシア、(中略)それは神道と仏教の大きな欠陥を補う思想です。(「これからの大きな課題」平成6年10月2日、梅原猛さん講演より)

みろくの世とは、理想的な地上天国のことです。その実現が近づいているのではないでしょうか。

さぬきいんべは弥勒思想も大切にそれに向かって歩んで参りたいと思います。

Clubhouseにて「教えて!麻のこと」Vol.2~日本人なら知っておきたい、暮らしの中の麻~

4月3日(土)20時より、Clubhouseで「教えて!麻のこと」Vol.2~日本人なら知っておきたい、暮らしの中の麻~をテーマに、大麻糸績み職人としてご活躍中の棚橋祐美さんのお話があります。

3月4日にお話させていただいたのが好評だったようで、2回目を企画しました。

当日の流れで変わるかもしれませんが、次のようなお話をされるそうです。

・麻の分類(広義の意味での麻と、狭義の意味での麻)

・古来日本の繊維といえば、木綿以前は「アサとカラムシだった」

・大麻が各地で栽培されていた頃、日本人にとって麻は身近なものだった

・日常の中での麻仕事、素材を大切に扱う心について

棚橋さんは、福島県昭和村からむし織体験生第21期を修了されています。棚橋さんしかできないお話が聞けるものと、楽しみにしています。

麻に関心がある方、手仕事に携わっている方、興味のあるその他の皆さま、どうぞお聞きくださればと思います。

私はゲストで参加させていただきます。専門家としてご紹介くださり恐縮ですが、知っていることをお話させていただこうと思います。

よろしくお願いいたします。

※お聴きくださった方、ありがとうございます。棚橋さんのお話は、初心者にもわかりやすいようにと配慮、また実体験をまじえ思いの伝わるいいお話ではなかったかと思います。(4月6日追記)

神楽鈴(巫女鈴)・国産精麻五色緒付きの名前公募の結果

神楽鈴(巫女鈴)国産精麻五色緒付きの名前募集、ご応募ありがとうございました。考えていただいた方、応募に至らなかった方にも感謝いたします。

選考の結果、「玉翠(ぎょくすい)(TM)」に決定いたしました。

「貴重な国産麻を使い、すべてを清め祓うような格調高い音色、
宝石のように玉なり鈴なりに連なる鈴の高貴さと巫女舞を舞う巫女の美しさ、
それにともない流れる神楽鈴の美しい緒をイメージした造語」とのことです。

たまみどり等ほかの読み方も考えた結果、邪を祓い氣が引き締まるような鈴の音をイメージしこの名前を選んだそうで、高貴な感じと、巫女と緒の美しさが目に浮かんでくるような気がします。

今後、神具名として使わせていただきます。古事記では、天鈿女命(あめのうずめのみこと)の舞で世界が再び陽の光に包まれ、人々が安寧に暮らせるようになったと記されています。

今後とも「玉翠」をよろしくお願い申し上げます。

 

※6月23日追記

玉翠が6月吉日、東京で巫女教室等をされています「翡翠の巫女」様にご奉納されました。経緯、その意味合いなどを丁寧にご紹介くださっております。→神楽鈴「玉翠(ぎょくすい)」をご奉納いただきました。(「翡翠の巫女」様ブログ)

※7月3日追記

神社仏閣用の麻製品の染色は99%以上が化学染料によると聞いております。今回、国産精麻の草木染めによる染色の製品ができ、しかもご奉納されたことはとてもうれしいことです。翡翠の巫女様の松井久子神職は“鈴祓い”に使わせていただくと言われていました。

2年前、BS11で放送された「フランス人がときめいた日本の美術館」、第2回MIHO MUSEUM(滋賀県)の回で案内をしていた学芸員が「古代の美術品が繊細で美しいのは神に願いをお聞き届けするにはとそれだけの思い、手間をかけてつくっているから」というようなことを仰っていました。要は、思いがちがうと。

高価なものを、そういうことではなく誠(真心)が神様に通じるのではないでしょうか?

神様にお捧げする神具類(麻製品)がこの方向に行く試金石になりましたら幸いです。