神棚のお供え物(神饌)について

神棚の設備ができて、各種の調度品が整えられると、次にはご神前へのお供え物(神饌)の献進となります。

神棚のお供え物は特別の品物が存在するわけではなく、神社のご神前に通常お供えしているような品々が目安になります。

神社の祭祀にあっては、「如在の礼」、「居ますがごとく仕える」といわれるように現実に目の前に神々が存在しておられることを前提として、その神にむかって誠心誠意奉仕することが肝要です。

神饌(しんせん)とは、神々に奉る飲食物の総称で、「御食(みけ)」・「御饌(みけ)」などともいい、俗に「お供え物」ともいわれます。

今日、神社において奉られる一般的な神饌は下記のとおりです。

和稲(にぎしね)・・・もみ殻を取り去り精米した米(玄米も含む)や洗米、飯、粥など。

荒稲(あらしね)・・・もみ殻を取り去らない稲実、もみ。(稲穂のまま献ずることもある)

酒・・・主として清酒。醴酒(れいしゅ)(あまざけ・ひとよざけ)などもある。

餅・・・鏡餅(お供え)や小判型の伸し餅、伸し餅を小切りにして数枚を重ねたものなど。

海魚・・・鯛・カツオ・スズキ・ブリなどや、エビやアワビなどの貝類。

川魚・・・コイ・アユなど。

野鳥・・・キジ・山鳥など。

水鳥・・・カモ・雁など。

海菜・・・昆布・荒布(あらめ)・ワカメ・海苔などで、多くは乾燥させたもの。

野菜・・・甘菜(ゴボウ・ニンジン・かぶら・白菜・きゅうり・ナス・かぼちゃ・芋類など)と辛菜(大根・ワサビ・ショウガなど)や百合根・キノコ類など。

果物・・・干果物(勝ち栗・干し柿など)や生果実(ナシ・ミカン・ビワ・リンゴ・ブドウ・ザクロ・ナツメ・各種木の実など)。

菓子・・・古来の唐菓子などをはじめ、落雁などの打ち菓子類など。

 

神棚に奉斎された神々に対する神饌も、基本的にはこれらの神饌に準じ、神社のご神前ほど広くない神棚の場合、これらの品目のなかから適宜の品々を奉献すればよいと思います。

三方や高坏(たかつき)などに盛り付け(必要に応じて精麻でしばることがあります)、神社ではご神前に献ずる前に神饌にケガレのあることを恐れて必ず祓いを修していることから、神棚の神饌の取扱いもできる限り「清浄」を心がけたいものです。

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

身内に不幸があったときの神棚(お神札、しめ縄)はどうすればよい?

今年もあと2週間を切りました。

先月の話ですが毎年この時期に、国産大麻(精麻)・しめ縄をお求めになっているお客様からこんな質問をいただきました。

今年の4月に実父が亡くなり喪中期間中になります。
やはりお正月飾りとして変えるのは控えようと思いますが、喪中明けの5月に交換して飾るのは良いでしょうか?

以下のように回答させていただきました。

喪中明けにお神札を交換する方もいらっしゃいますので大丈夫だと思います。お神札は喪中明けに受けるのが一般的のようです。(毎年新たなお神札に交換するのが本義のため)

そういうことですので、いま注文して喪中明けに交換か、喪中明けに注文して交換かということになるでしょうか。
○○様はどちらの方が心が軽くなります?それがお答えと思います。

この結果、神棚のしめ縄は喪中明けに改めて注文させていただくことにします、ということになりました。

 

ちなみに、お客様はどうしようか思いネット検索していたら私から今年のしめ縄はどうされますか?とメールが入りタイミングにびっくりしたそうです。

お問合せ誠にありがとうございます。

ご参考になりましたら幸いです。

 

 

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2023-2024年)

2023年も残り50日を切りました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型のしめ縄、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方はできる限り早い日にお問合せ、ご注文いただければ年内お届けが可能です。(ただし、やむをえない理由によりご希望に添えない場合もございます)

※今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設しておりましたが、現在ご予約受付は終了しております。

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきております〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

 

大年神(おおとしのかみ)は、民間信仰から歳徳神(正月に家に迎えまつる神)と考えられています。

家のしめ縄を新しく掛け替えたり、年神様の依り代(神様の憑依物)としての門松を作ったり、穀物神である年神様に穀物の代表として鏡餅などを供えたりして、新年を迎えます。

・大みそかの来客

ある地方には、「大年(大みそか)の客」という昔話が伝えられています。

昔々あるところに、とても貧しい家がありました。大みそかの夜、その家にたいへんみすぼらしい格好をしたおじいさんが訪ねてきて、一夜の宿を願い出ました。

すると貧しい家の人は、土間にむしろ(ゴザのような敷物)を敷いて、客人をやさしくあたたかく迎え入れ休ませました。翌朝目覚めると、おじいさんの姿は見えず、代わりにむしろの上にはたくさんのお金が置いてありました。

その話は村人に伝わり、神界から年神様が来訪して裕福になったという信仰が広がりました。それ以来、村人たちは毎年、大年神をお迎えするようになったというものです。

毎年お正月を迎えると、ときを司る大年神が来訪することによって人々の命もよみがえり、新たなエネルギーに満ちあふれ清々しく新年をスタートできるのです。『図解 身近にあふれる「神社と神様」が3時間でわかる本』後藤泰弘著(明日香出版社)PP59~60

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈り申し上げます。

清い気の国産大麻(精麻)しめ縄で、2023年迎える準備着々と

今年も超早期ご予約をいただいた国産大麻(精麻)しめ縄を順次お届けしていっております。(超早期ご予約受付はすでに終了しております)ご予約以外のご注文もありがとうございます。

ちょこちょこ、お客様より到着のご連絡をいただいております。

しめ縄お飾り、本日、届きました!
ありがとうございます。

持つだけで 聖性を感じます。
素敵な神居(和かざり)に ときめきます。

こちらのお客様はしめ縄【神居 和かざり】(ざくろ染め)版をご注文いただきました。昨年からこれをイメージしていましたが、今年はウクライナ(国旗の色が青と黄)のことがあり、また別のお客様からどういうわけか藍染めとざくろ染め(黄色)2色の麻紐のご注文をいただいていたことで、この染めの神居 和かざりを世に出すことを決めました。(6月に誕生。もちろん、世界の安寧を願ってです)※すでに藍染め版、茜染め版はできています。

 

先ほど、美しい〆縄受け取りいたしました。

〆縄と書いて「しめ縄」と読む。他に注連縄、標縄、七五三縄も「しめ縄」と読みます。(PCやスマートフォンの辞書で出てきますのでお試しを)この方に限らずどの方も美しさを感じていただき、職人の技、伝統、型の大切さを思います。なお、このお客様は別のご注文をいただいており、年明けにお送りさせていただきます。

 

家系が神道なので、毎年、色々なしめ縄を求めてますが、やはり、さぬきいんべ様のが、最も美しく清い気に溢れており、今年も求めました。ありがとうございます

これまたお世辞にしてもうれしいご感想です。それも、いろいろなしめ縄と比較してのお言葉で、他の製品にも、さぬきいんべを感じていただければ幸いです。

 

この時期にさぬきいんべさんに注文するのが恒例になりました。
届いたしめ縄も、とてもきれいで清々しく、また力強さも感じられるいいしめ縄ですね。

毎年ありがとうございます。力強さも感じていただき、うれしく思います。このお客様からも別にご注文いただいておりますので、年明けにお送りさせていただきます。

 

お客様の声」も次々いただいております。

しめ縄予定通りに届きました。
細部にまでこだわりしっかりと作られていました。
こんなに美しいしめ縄を見たことはありません。
きっと心を込めて作られているのでしょう。
国産清麻が神棚で輝いています。
また、丁寧なお手紙に心を打たれました。
本当に良い出会いとなりました事お礼申し上げます。
(小崎朗様)

 

妻入型の神棚を特注で製作して頂き、棚台も樹齢150年の木曽檜の一枚板で作って下さいました。それに相応しい注連縄を探しておりましたら、こちらに辿り着き(引き寄せられ)ました。やはり国産大麻は違いますね!大変満足しております。ありがとうございました。(ゆの様)

 

毎年年末年始だけ実家にもしめ縄をしていますが、大麻のしめ縄は丈夫で形崩れもしにくいので、通年で玄関に設置させていただきます。予想以上に立派なしめ縄飾りが届きました。素敵な物をありがとうございます。(どらちゃん様)

 

娘宅用に購入させていただきました。
本物の精麻に触れてほしい、日本の伝統を大事にしてほしい、手仕事の素晴らしさを知ってほしい、などなど、たくさんの想いを受け取ってもらえたらうれしく思います。聖なる依り代のご縁をいただき、いつもありがとうございます。(Suzuki様)

 

古くからの日本の神道では「祓(はらえ)のない祭式は存在しない」といわれていたようです。

また、暮らしのなかでついてしまった罪やケガレは災厄を引き起こすと考え、それらの不浄を心身から取り除くためにも祓をとても大切にしてきました。なかでも規模の大きな「大祓」は年に2度おこなわれ、6月の「夏越の祓」と12月の「年越の祓」でケガレを落とし、清めていたのです。

その神道において最重要視されている大麻は、“神の宿る神聖な繊維”とされています。これは神話の時代からつづく日本文化の1つです。

しめ縄の素材は、ワラや麻、マコモ、い草等、地域によってさまざまですが、中でも、もっとも神聖であり清浄な結界縄が、麻製のしめ縄とされています。今年も鼓胴型など今までなかったしめ縄をお作りさせていただくことができました。しめ縄も奥が深いです。

 

 

・参考文献

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

「明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整 株式会社山川パンフレット」など

 

 

 

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2022-2023年)

2022年もラストを飾る月になりました。

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。

まず1つ目。大根型、牛蒡型、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方は12月10日までにお問合せ、ご注文いただければ年内お届けが可能です。(ただし、やむをえない理由によりご希望に添えない場合もございます)

※毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設していました。(現在、ご予約受付は終了しておりますが、次の年もしめ縄をと思う方は毎年秋に超早期ご予約ページを開設しますのでそちらをご検討ください。特別の特典付きです)

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきている気がします〕。

※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

それから先日、香川・誉田八幡宮の創始者、忌部正國がご先祖様という松坂ミキさんのご著書、「ROOTS」(文芸社)を読み、先祖供養の大切さ(どんな人にも必ず”ルーツ”がある)を思いました。今日自分が生きていられるのは、ご先祖様が生き抜いて命をつなげてくれてのことです。ご先祖様への感謝、思いも忘れないようにしましょう。(神職から「先祖供養の元は神道」とうかがいました)

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈りいたします。

「竈神(かまどがみ)」「荒神(こうじん)」とはどのような神様か?

年末年始に、神社の社頭や神職・氏子総代により新年に家庭でお祀りするお神札を頒布しますが、この中に竈神(かまどがみ)のお神札が含まれていることがあります。

竈神は、「荒神(こうじん)」「三宝(方)荒神」「釜神(かまがみ)」「火の神」などさまざまな呼称があります。

主に竈を中心とした各家の火を扱う場所にお祀りされる神様です。

一昔前は食物の煮炊きに竈が用いられ、その守りとして祀られる竈神は、単に火伏せ(火災を防ぐ)の神としてのご神格だけではなく、農作の神やその家の富や生命など生活全般をつかさどる神として広く信仰されるようになりました。

屋内の場合、竈の近く(現在では台所など)に神棚を設けて、お神札や幣串(へいぐし)を納めて祀るのが一般的です。(地域によって、例えば宮城県から岩手県南部にかけて竈神の形相を表した面を祀ったり、松や榊などを竈神の依り代とする事例あり)

竈神の具体的なご神名は、古事記に大年神(おおとしのかみ)の子として、「奥津日子神(おきつひこのかみ)、つぎに奥津比売命(おきつひめのみこと)、またの名は大戸比売命(おおべひめのかみ)。此は諸人もち拝(いつ)く竈神なり」とあるように、奥津日子神・奥津比売命の二柱の神、もしくは大年神を合わせた三神が竈神とされています。

各家庭だけでなく、焼き物など手仕事で窯で火を扱われる方、国産精麻のしめ縄を用いて竈神、荒神さままたは手仕事の神様をお祀りしませんか?

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

「現代語古事記」竹田恒泰著(学研)

神様を大切にする生活を。神棚に毎日お供えする神饌は米・塩・水

神棚をお祀りし、神々のお守りをいただき明るい健全な生活をしませんか。下記に一般的なことを挙げますので参考にしてください。

神棚には毎朝、米・塩・水をお供えします。米と塩はお皿に盛り、水はその日の初水を水玉という器に入れお供えします。(三方や折敷に載せてお供えする場合は、三方や折敷の縁にとじ目がある方を手前にしてお供えします)

氏神様のお祭りや家庭内のお祝いごとなどの時には、お酒や尾頭付きの魚、野菜、果物、また四季の初ものやいただきものなどをお供えします。神社と同じように毎月、月次祭をするといいでしょう。

 

神前の飾り物の1つが、しめ縄です。しめ縄は一番手前の上方に設置します。しめ縄は太い方が向かって右側になります。(しめ縄は神棚と外を隔てて、不浄に触れさせないために設置)

神拝は朝拝と夕拝があります。朝拝は朝早く起きて、顔を洗い、朝拝、夕拝も口をすすいで心身を清めてから神棚に向かいます。今日までの無事を感謝して、また今日一日の無事をお祈りします。

 

お神札の神座の順位は、横に並べておまつりする場合には神棚の中央を最上位とし、次に向かって右側、その次が左側となります。したがって、中央に神宮大麻をまつり、向かって右側に氏神様、左側にその他の崇敬する神社のお札をおまつりします。

重ねておまつりする場合には、一番手前を最上位としますので、神宮大麻を一番手前におまつりし、そのうしろに氏神様、次にその他の崇敬する神社のお札を重ねておまつりします。

古いお札や神棚は、年が明けておこなわれるどんど焼き(左義長)の神事のときに感謝とともに焼納していただきます。

 

ぜったいにこうでなければならないというものではありません。常に清らかに保ち、おまつりすることが大切と思います。

新年(2022年)のしめ縄の準備があちこちで進行しております

新年2022年まであとわずか。

しめ縄のご感想を次々いただいております。

お客様が「お陰様で綺麗にお飾りできました。」と神棚に飾ったしめ縄の写真を送ってくださいました。

お客様からお送りいただいた写真(会社と思われます)
お客様からお送りいただいた写真(会社と思われます)

工夫してきれいに飾られていますね!この方は会社のご住所へお送りさせていただきましたので、会社の神棚と思われます。

国産精麻、牛蒡型の紙垂付きです。紙垂が付くとあらたまった感じになります。

メールでいただきました別のお客様のご感想では、「箱を開けた瞬間に、場が浄められたような感じがしました。」というのもあります。しめ縄が数本まとまって入った大きな箱です。

他にも、「初めて手に取る精麻の品々は大変神々しく日本古来の慎しやかな美しさを感じました。(中略)新しい年を気持ちよく迎えられそうです。」

「しめ縄は一年間玄関外に飾らせていただくつもりです。この日のために一生懸命玄関を掃除しました。」、「いつも最高のしめ縄ありがとうございます」などメール、SMSでお言葉をいただいております。

神具(祭器具)は一般の“モノ”とは異なることに留意、取り扱い方の一例

2年前より、公で神事行事のご用をいただき、毎月の月次祭などにおいてお供え物をならべたり、献せんさせていただいたりしております。(2021年4月から献せん専用の部屋があるところでさせていただくようになっています)

このなかでも麻、すなわち精麻が使われており、仕事(さぬきいんべ)とつながっていると感じます。

さて、献せんでは八足、籠(こも)、モチ箱、三方、水玉(水器)、瓶子、かわらけ(皿)など、もちろん精麻も使用しており、そこで先輩(その道20年以上、一番長い人で40年)から教わっていることはおそらく皆さんにも参考になると思いますので、少しずつシェアさせていただきます(いっぺんにではなく、少しずつ)。

神様には最高のものをおささげする(誰が見ても美しいように)ことを目標に、御饌神酒(みけみき)やお米、お供えはすべて自然農法のもの、水は井戸水、塩は自然塩を使用しております。

・事前にまず手を石けんで洗い、専用の布で手を拭く。

・神具は下(床)に置かない。また、保管は専用の場所に模造紙など白い紙を敷いて置く。

・神具は神具ごと、三方なら三方用の専用の布を用意し、白手袋をして掃除する。(洗ったあとも、専用の場所、専用の洗濯ばさみで乾燥)

まだわからないことがたくさんありますが、種々教わっていますなかで、基本は(形よりも)心なんだと感じます。

また、お供えの前に火打ち石と火打ち鎌で切り火を必ずするよう言われております。(規模はグンと小さいですが、家でもこれに準じさせていただいております)

そういうこともあって、さぬきいんべでは発送前に切り火をしてお送りさせていただいております。その心が神様に通じると思っています。

 

一般のご家庭においては、「神道いろは」(神社新報社)にありますように、

祭器具は、神棚に用いるものであることに留意し、清掃や洗浄といった取扱いも一般の物と分けるようにします。

ということでいいと思います。神棚の掃除についてはこちらを参考にしてください。

 

 

・参考文献

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

「家庭の祭祀辞典」西牟田崇生編著(国書刊行会)

年末年始を迎えるにあたり心得ておきたいこと(2021-2022年)

年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。(年々状況が変わっていっていますので、例年と特にちがう点にはアンダーラインを入れました)

まず1つ目。毎年しめ縄の注文をいただく方がいらっしゃいます。今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄&鈴緒 年内お届け超早期ご予約ページを開設しております。

例年ですと12月初旬までにご予約いただければ年内のお届けが可能です。しかし、製作が12月に集中しすぎるため職人の負担軽減にと、上記の超早期ご予約の受付締め切りを今年は11月15日に早めております。ご了承くださいませ。

※ご予約は終了しました。多数のご予約ありがとうございました。

大根型、牛蒡型、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方は12月10日頃までにご注文いただければ年内お届けが可能です。2021年11月27日追記

 

2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。

答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人の手仕事でできたしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。

氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきている気がします〕。

本年はそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄、鈴緒をつくることができるなら、それが一番です。(自分の誠をお捧げする意味で)

ちなみにしめ縄、鈴緒を民芸とみるなら、使っていく中での素材の変化にも目を向けて楽しんで、あるいは使用後はお焚き上げせずに大切にしまっておくのもありかもしれません。濱田庄司氏(1894~1978年)はよく「作ったところで半分だ。そこから先は使い手が作る。だから、使うことも創作だ。」と話しておられたようです。例えば新しい青い竹かごが使っているうちにアメ色になるとかありますが、そのへんの判断は各自にお任せいたします。

もし、迷うようなことがありましたら、心の声を聞いてみるといいと思います。心がイエスと言った方、心が明るくなった方、心が軽くなった方を選ぶのをおすすめします。

 

3つ目はその根本にある理由です。

日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。

また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。

なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。

年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。

新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。

皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈りいたします。