秋の感謝祭2026(11月15日まで)

現在、下記のプロジェクト等が進行中です。

・えひめ麻再興プロジェクトpart2

愛媛県内で自然栽培、自然農法で麻栽培、精麻加工をし神事用に普及させるプロジェクトです。いま、愛媛県庁への許可申請に先立ち、事業計画書を作成中です。

・日本の精麻応援プロジェクト

日本の精麻生産者数の減少を受け、日本の精麻を応援中です。2023年の大麻取締法の改正後、各地で第一種大麻草採取栽培者の取得がつづいています。今後、精麻の生産者が増え、活性化しますように。
※大麻(アサ)専門神具店さぬきいんべでは、国産精麻の製品を取りそろえるとともに、「えひめ麻再興プロジェクトpart2」のサポートをしております。

・第5回麻縄活用コンテスト(10月31日ご応募締め切り)

2021年よりはじまった麻縄(麻紐)の活用法を競う「麻縄活用コンテスト」の5回目を開催中です。審査基準は、「現代」「日常」「美」「社会性」「職人性」です。多数のご応募をお待ちしております。

 

秋の感謝祭ということで、合計1万円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをお1つプレゼント中です。(2026年11月15日まで)

国産精麻アクセサリー(京都・山川製)非売品「あわじ結びのアレンジ」
国産精麻アクセサリー(京都・山川製)非売品「あわじ結びのアレンジ」

ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれました。貴重な余材、極上の精麻を使用し、きなりと濃紺のツートンが特徴の「あわじ結びのアレンジ」をお分けさせていただきます。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

阿波踊り用の締め太鼓に国産精麻の調べ緒で

先般、国産精麻の調べ緒のご依頼があり納品させていただきました。

調べ緒とは能楽や歌舞伎、祭礼などでつかわれる小鼓、大鼓、締め太鼓の表革と裏革を締め合わせる麻紐のことで、今回は阿波踊り用の締め太鼓のためのものです。

お客様は、輸入の精麻製のものをつかっていましたが、それ以前につかっていた国産精麻(本麻)でとのこと。

太さ11ミリ×長さ10メートルで仕上げたものに対し、下記のご感想をいただきました。

先程到着し、懐かしい手触りに感極まっております。
2年前にちぎれてしまってから輸入麻で運用しておりましたが、値上がってからでも本麻を選んで正解でした。
また、少し短めの10メートルでの製作や、シーズン後のお届けなど、細かい要望にお応えいただき感謝しております。

さらにこんなご感想も。

この度は様々な要望にお答えいただき、ありがとうございました。
数年ぶりに本麻の調べ緒を手に取った瞬間、手触りや滑らかさといった質感が輸入麻とは全く異なるんだと再認識いたしました。
大変柔らかくしなやかで、しかし締めあげる度により固く、ガッチリとホールドしてくれます。「固くやわらかく綯う」製法だからこそ、輸入麻との大きな違いや、道具としての機能性を十二分に感じることができました。
実際の演奏を通して、この調べ緒の良さをさらに感じていけることを楽しみにしています。

締め太鼓の調べ緒(調べ紐)
締め太鼓の調べ緒(調べ紐)

これが、絹紐では締めがもどって、本当の音色が出ないです。

締め太鼓の調べ緒は非常に固く締め上げますが、来シーズンに向けて、じっくり締め上げていきたいそうです。

日本人の原点、祭りに込められた意味を知る

秋祭りの時期です。

小さいときから地元には西条まつり(愛媛県西条市内にある4つの神社、嘉母神社・石岡神社・伊曽乃神社・飯積神社の祭礼の総称)があり、身近に神様を感じてきました。西条まつりは、それぞれの神社が創祀してから祭祀はあったと思いますが、だんじり、みこし、太鼓台などが登場した江戸時代からつづく伝統的な祭りで、それらが町中を練り歩きます。

毎年、祭りの日は学校は休みとなり祭りへの参加が奨励されました(伊曽乃神社と飯積神社の祭礼がある校区でした)。それが社会人になり、県外に行くことで地元の祭りがいかに盛大かを知ることになりました。

いまは、地元に帰り、祭りに関しては子どものときとほぼ同じ気持ちで接していると思います。

祭祀というと、厳粛な宗教的な儀式を思い浮かべますが、お祭りというと、だんじりや太鼓台、太鼓や笛の音、勇ましい掛け声や人のにぎわいが頭に浮かびます。

ただ、子どものときは後者が「主」でしたが、神道を学んだことで、いまは前者が「主」で後者が「従」、大事なものは見えざるものということがわかっています。そこが大きなちがいです。

 

日本の祭りは、農耕社会の共同体祭祀を基盤としています。

そのため毎年の収穫に感謝するために神様を迎え、供物を捧げ、祝詞をあげて謝意を表すとともに宴をひらいて歌舞などでもてなします。

一説に祭りの語源は「奉(たてまつ)る」とされていますが、そうだとすると、神様に供物を献上することが祭りであり、つまりは祭りは神様への感謝の行為そのものです。

神殿でおこなわれる厳粛な儀式も、たとえば山車や屋台の運行やその見物人、境内の露店でひしめく人たちも同じ祭りの構成要素で、聖俗ひっくるめて進行していくのが祭りだと思います。

西条まつりにおける神楽場での祭祀の様子(西条市の御殿前)
西条まつりにおける神楽場での祭祀の様子(西条市の御殿前)

 

日本の祭りには様々なものがありますが、神様に幸福を祈願する領域の大きさによって、下記の4つに分類できるのではないでしょうか。

・宮中祭祀・・・宮中でおこなわれる祭祀。天皇陛下が国家や国民の平安を祈る。即位にともなう大嘗祭のほか、神嘗祭や新嘗祭など。

・神宮祭祀・・・伊勢神宮でおこなわれる祭祀。皇室や国家の平安を祈る。平成25年には20年の一度の式年遷宮がおこなわれた。

・神社祭祀・・・全国の神社でおこなわれる祭祀。明治時代以降に大祭、中祭、小祭に区分され、年に一度の例大祭などがある。

・民間祭祀・・・各家庭や会社などで家内安全や繁栄を祈る祭祀。家庭内、社内の神棚や祖霊舎を中心におこなわれる。

一般に私たちが「お祭り」として慣れ親しんでいるのは、この中の神社祭祀でしょう。全国的に有名な京都の祇園祭や東京の神田祭、西条まつりのようなムラの鎮守様の秋祭りも神社祭祀に分類され、それらの祭りは地域の共同体(氏子)によって運営されます。

神社祭祀の区分

大祭

神社本庁によって定められた、もっとも重要な祭祀。
例祭、祈年祭、新嘗祭、式年祭、鎮座祭、遷座祭、合祀祭、分祀祭など
例祭・・・年に一度の代表的大祭。祭神や神社に由緒のある日におこなわれる
式年祭・・・神社で決められた数年に一度おこなわれる祭祀。例祭より大規模なものとなる

中祭 大祭に次ぐ規模をもつ祭祀。歳旦祭、元始祭、紀元祭、神嘗祭当日祭、明治祭、天長祭など
小祭 大祭・中祭以外の祭祀。神社の本殿のお扉の開閉をおこなわない
雑祭 神社祭祀以外の祭祀。人生儀礼にかかわる七五三や結婚式など

なお、祭祀に不可欠の麻は、この中の祭祀すべてで活用されています。それについてはここで述べませんが、祭りのもつ重要性が伝わりましたら幸いです。

 

 

・参考文献

「日本の神様と祭り」(洋泉社)

「神道いろは」神社本庁教学研究所監修(神社新報社)

国産精麻のしめ縄で清々しい2027年を!

本年も、来年用しめ縄のご注文を受付中です。

好評の美しいしめ縄(大根型、牛蒡型)、神居和かざり《きなり》のいずれも紙垂付き(紙垂をご自分でつけられる方は説明を作成しております。こちらを参考にしてください)は、しめ縄は1つひとつ縄目がちがいますが、職人がバランスをみて紙垂を取り付けさせていただきます。紙垂のないものもお選びいただけます。

ご要望により前垂れのない、紙垂付きのしめ縄も製作できます。

本年は、素材の精麻は野州麻(栃木県産)、もしくは伊勢麻(三重県産)を採用させていただきます。国内の麻農家さんの発展、国産の精麻のさらなる普及につながれば幸いです。

国産大麻(精麻)しめ縄【大根型】(紙垂付き)
国産大麻(精麻)しめ縄【大根型】(紙垂付き)
国産精麻・しめ縄【大根型】前垂れなし(紙垂付き)
国産精麻・しめ縄【大根型】前垂れなし(紙垂付き)
しめ縄の取り付け例(写真は、牛蒡型太さ6分×長さ1.5尺)
しめ縄の取り付け例(写真は、牛蒡型太さ6分×長さ1.5尺(紙垂付き))

その他、現代風のものをご希望の方には、神居和かざり、朱色版や藍染め、茜染め、ざくろ染め版もございます。

国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】(ざくろ染め版)
国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】(ざくろ染め版)

しめ縄【神居 和かざり】の取り付け例(写真は、きなり、紙垂付きAタイプ)
しめ縄【神居 和かざり】の取り付け例(写真は、きなり紙垂付きAタイプ)

ご注文の特典として、本体価格を「早割」、ならびに1886(明治19)年創業、神社仏閣用麻製品を調整しつづけている京都・山川製のオリジナル国産精麻叶結びアクセサリー《リボン風》藍染め、茜染め、ざくろ染め、藍+ざくろ染め&藍+茜染め版の5つの中からいずれかお1つをプレゼントさせていただきます。これまでの3色に加え、緑色(藍+ざくろ染め)、紫色(藍+茜染め)が加わっております。(精麻は極上国産、藍染め、草木染めは徳島でおこなっております)※染め(色)のご希望を承ります。ご注文時に「備考欄」へご記入する等お申し出ください。本特典は2027年年頭にお届け予定。(特典のプレゼントを何らかの理由で辞退される方も遠慮なくおっしゃってください)

※上記の特典付きは、恐れいりますが紙垂付きは期間延長、紙垂無しは10月31日ご注文までとさせていただきます。

京都・山川製オリジナル国産精麻アクセサリー《リボン風》
京都・山川製オリジナル国産精麻叶結びアクセサリー《リボン風》


新色の緑(藍+ざくろ染め)と、紫(藍+茜染め)版
新色の緑(藍+ざくろ染め)と、紫(藍+茜染め)版


12月中に発送予定です。日時指定も承ります。(自然のリズムを意識し冬至、または旧暦の新年に合わせるのもおすすめです)

また、こんなしめ縄はできませんか?というご要望も歓迎です。

 

オフィスのしめ縄設置例(写真は牛蒡型太さ8分×長さ2尺(紙垂付き))
オフィスのしめ縄設置例(写真は牛蒡型太さ8分×長さ2尺(紙垂付き))

 

オフィスのしめ縄例(写真は大根型、太さ1寸5分×長さ4尺、紙垂はご自分で取り付け)
オフィスのしめ縄設置例(写真は大根型太さ1寸5分×長さ4尺、紙垂はご自分で取り付け)

2027年用しめ縄のご注文専用ページ

※お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。しめ縄をこのくらいの時期にという「仮注文」も受付させていただいております。なお、手仕事ゆえ製作できる数に限りがあるため、予告なくご注文受付を終了する場合がございます。ご了承ください。

毎年替えられる方、何年かに一度の方、そのまま長くお使いになる方、さまざまな方がいらっしゃいます。

ご注文誠にありがとうございます。

 

日本の文化として昔から大切につかわれてきた麻。国産大麻(精麻)のしめ縄で清々しい新年を迎えませんか。

神社やお寺で麻は「神聖なもの」、「穢れを祓う」、「神の依り代となる」などとされています。例えば、お供物を麻で結んだり、神職の方々の冠に麻を巻いたり、お祓いの際の道具(祓串)に麻が使われていたりと、現在でも様々なところで大変重用されています。
そういった理由から神社仏閣の鈴緒・鰐口紐や注連縄には麻が使われており、別の素材ではその意義や効果が失われてしまうのです。(明治19年創業 神社仏閣用麻製品調整株式会社山川パンフレットより)

 

『豊年だとか凶作だとかになるのは、みんな人間がそうするんです。日本中の人間が立派な心を持ち、農作物に対して感謝の気持ちで有り難くちょうだいし、物を粗末にせず、ずるい心を起こさず正しい行いをすれば、とても豊作になって到底食べきれない位出来ますよ。ところが今の人間はそれとは丸っきり反対の間違った了簡を持っていますからね。ですから不作になるんです。今言った事は絶対で、これは真理ですよ。いかなる天災でも天候の不順でもみんな人間が造るんですよ。』(御光話録 第十七号 昭和二十五年二月二十八日発行)

 

さぬきいんべでは、すべて切り火をしてお送りさせていただきます。

「火は日であり、さらに霊(ひ)であって誠に尊い霊妙(人間では計りしれませぬ不思議なこと)なものでございますと教わりました。」(元内掌典・髙谷朝子)

祭祀をおこなう祭場における上位と下位

祭祀をおこなう祭場(斎場)の上位と下位についてです。

神事等の際、参列することがあるのではないでしょうか。以下は基本ですので、参考になれば幸いです。

 

神座(神社などで、神体を安置する所)を中心にして、つまり、神座から見てが基準となります。(人が神前に向かってではないことに注意)

まず、神座の中心から、まっすぐ前に延長したところを正中(せいちゅう)といいます。

正中の幅は、およそ1メートル(3尺)ほどとします。

上位と下位については、神座が最上位であることは言うまでもありません。

次に原則として、上位より正中・左・右の順とします。さらに、神座の近くを上位とし、遠くを下位とします。

また、着席する場合には、上位より、左側・右側~の順とします。

 

なお、一般には部屋の入り口に近いところを下座とし、入り口から離れているほど上座とします。

和室の場合は、床の間の前を上座にすることは誰もが知るところですので、床の間と入り口の関係をよく見て、常識的に判断すればいいと思います。

精麻にもアタマとシッポがあるのと同じように、上位と下位の「順序」があることがおわかりいただけたでしょうか。

わがくには 神のすゑなり神まつる 昔のてぶり わすれるなよゆめ(明治天皇御製)

 

・参考文献

「神道祭式の基礎作法」沼部春友著(みそぎ文化会)

マンガ京・妖怪絵巻「赤い単衣」より

マンガ京・妖怪絵巻、読んだことありますか?

京都・滋賀に数多く残る妖怪伝説を紹介しているマンガで、京都新聞の本紙に折りこまれている月2回(第1、第3日曜)の発行の子ども向け新聞、「ジュニアタイムズ」で連載されています。(連載をまとめた単行本も出版されています)

第215話では、「赤い単衣(ひとえ)」と題し、こんな話がありました。

都のあるところに僧都殿(そうずでん)といういわくつきの屋敷がありました。人々は皆ここを恐れ住むこともありませんでした。

僧都殿の前の屋敷には讃岐守(さぬきのかみ)・源是輔(みなもとのこれすけ)が住んでいました。この屋敷から僧都殿の北西隅に生える大きな榎(えのき、アサ科の落葉高木)が見えるのですが、夕暮れ時になると・・・

僧都殿の奥から赤い単衣が飛んできて、榎の梢(こずえ)を登るのでした。

ある日、その讃岐守の屋敷で宿直して警護にあたっていた武士の1人がこの単衣が飛んでいくところを見て、「ようし、俺が単衣を射落としてやる。」と、言いはり夕方に僧都殿に向かいました。

武士が縁側で 待っていると、庭の竹林から赤い単衣が飛び出してきました。

武士は狙いを定め見事、単衣の中ほどを射抜きました。

しかし単衣は矢が刺さったまま、いつもと同じように榎の梢を登りました。

単衣が通ったところの土には、おびただしい血が流れていたのです。

その後、男は讃岐守の屋敷に戻り、同僚たちに会うと、「はっはっはっは!見ていたか!?見事に射抜いてやったわ。」

その夜、武士は寝入ると、そのまま死んでしまいました。

「やはり・・・あの単衣が何者か誰にもわからないが、だからといって勇猛さをひけらかすのに単衣を射るなど、愚か者のすることだ。悪霊に弓引けば逆に殺されるのは当然だからな。」

 

時代は平安時代、「今昔物語集」に書かれている話で、出没場所は今の京都市中京区・夷川通、東洞院通あたりだそうです。

このようなとき、精麻(あるいは麻製品)が活躍するのではないでしょうか。私はそう思います。

神道のミソギとハラエのちがい、麻の役割

禊祓(みそぎはらい)という言葉があります。

同じ「キヨメ(清め)」の儀礼で、混同されることがあるミソギ(禊ぎ)とハライ(祓い)のちがいについて。

 

ミソギの原型は、神話の伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎです。

黄泉の国のケガレ(穢れ)に触れてケガレ(気枯れ)の状態に陥った伊邪那岐命は、水辺の阿波岐原(あはぎはら)でミソギをおこないます。

その結果、天照大御神(あまてらすおおみかみ)・月読命(つくよみのみこと)・須佐之男命(すさのおのみこと)をはじめ多くの神々が生まれました。

つまり、ミソギは水の霊力によってケガレを洗い流すとともに、水を通して霊力を取り込むことで、カミやヒトのケガレ状態からの回復をうながすことです。

一方、ハラエの語源は「はらう」であり、その儀礼は形代や斎串(いぐし)などの呪具にケガレをうつし、それを水に流すことでおこなわれました。

この修法は陰陽師が得意とし、宮中では毎月および臨時に天皇や公家らの身体についたケガレを形代にうつして7ヵ所の瀬にながす、七瀬祓の儀礼がおこなわれました。

このハラエの観念を壮大に物語るのが「大祓詞」です。ここでは、あらゆる罪とケガレが、水に関係する神々によって川から海へと次々に受け渡されて、最終的には異界の根の国・底の国に送られて、そこで完全に消滅するとあります。

つまりは、ケガレ(気枯れ)の原因となるケガレ(穢れ)が取り除かれることによって、結果的に人々の霊力の自然な回復がうながされるということです。

精麻は神の依り代、神様の宿る繊維といわれますが、このもっとも代表的な麻の神具は、神事の際に神主さんがお祓いにつかう祓串〔大麻(おおぬさ)ともいう〕です。

精麻だけが付いた祓串(大麻、高さ約75センチ)の上部
精麻だけが付いた祓串(大麻、高さ約75センチ)の上部

ミソギでは人が必ず直接水に触れますが、ハラエではその必要がないともいえるでしょう。

 

 

・参考文献

「神輿と祭の民俗学」森田玲著(平凡社)

「現代語古事記」竹田恒泰著(学研)

生産・普及・活用・活性化へ~日本の精麻応援プロジェクト

国内の麻農家さん、精麻の生産者数が減少しております。

栃木県の特産である、野州麻はご存じと思います。2018年に三重県の農家さんが大麻栽培免許を取得、2023年の大麻取締法の法改正後、2024年に三重県でもう1件、2025年には青森県と熊本県で、今年2026年に山梨県にて栽培免許(第一種大麻草採取栽培者免許)が県内ではじめて交付されています。

年々、精麻が手に入りにくくなっている声を聞くとともに、精麻の需要が増えていることを感じます。しかし、野州麻の特等級と、伊勢麻の並のグレードが同じ価格で売買されていることも聞いております。(特等級の野州麻を使用した神具が一部で相場より高く販売されているのも危惧しております)

一方で、中国産(輸入)の精麻の品質が上がってきており、国内産の精麻との差が以前より縮まっているように思います。

かつて広島県では、アラソ(皮麻)を地元や島根県、熊本県、栃木県などから仕入れてコギソ(精麻)に加工し出荷していたそうで、私は2023年に徳島県吉野川市にて開催された第十回日本麻フェスティバルin吉野川~麻植と麁服~の展示でその説明を受けたことがあります。

今後も麻農家さんおよび、精麻を生産する方が増え、活性化することを願って、日本の精麻を応援したい思いで「日本の精麻応援プロジェクト」を開始させていただきます。

 

合計1万円以上お求めの方に神社仏閣用の麻製品を調製する創業120年以上、京都・山川製の下記のオリジナル国産精麻アクセサリーをお1つプレゼント中です。(2026年12月31日まで)※本プレゼントは、「えひめ麻再興プロジェクト~自然農法と精麻づくり~」のもの同じです。

国産精麻アクセサリー(京都・山川製)非売品「あわじ結びのアレンジ」
国産精麻アクセサリー(京都・山川製)非売品「あわじ結びのアレンジ」

本アクセサリーは、ある神道関連物の製作の余材がたまたまでき、それを生かすべく1つひとつ手仕事により生まれたもので、余材のきなりと濃紺のツートンを活かしつつ、丸みを帯びた形状に仕上げております。

身につけたりバッグにつけたり、神具として使用したりいただければと存じます。

福島・会津地方の麻の生産の様子を伝える江戸時代の「会津農書」より

江戸時代における福島県の会津地方の麻(大麻)の生産の様子が、1684(貞享元)年に幕内村(現在の会津若松市)の庄屋(当時の世話役)、佐瀬与次右衛門によって「会津農書」に書かれています。

※「会津農書」は、国内最古の農書の1つで、会津地方の農業の様子や農具の発達過程などが記されています。

上巻・中巻・下巻の3巻からなり、このうちの中巻には藍・麻・小麦・たばこなど36種類の畑作物の栽培方法が紹介されています。

なかでも、麻は、藍、紅花とならんで「三草」の1つに位置づけられていたことから、詳細な記述が見られます。

以下、要点をまとめると、

・麻の栽培は里畑より山畑の方が適している。

・二毛作とする。

・収穫までの日数は播種後、90日前後である。

・野州麻の生産地(栃木県)と比較すると、播種の時期や収穫期は早生麻の場合でも1ヶ月程度遅い。(気温や積雪の影響を受けるからと思われる)

・「会津農書」の下巻には、麻に限らず種は梅の花のふくらみ具合を見てまくことをすすめている。(自然の移ろいをつぶさに観察し、農作業や生活に生かすことが重要)

・夜に気温が下がる山間部の方が麻の栽培に適している。

 

なお、奥会津地方のなかでも昭和村は江戸時代より苧麻(からむし)の生産地としても知られており、「会津農書」には苧麻に関する記述もあります。

機械引きの導入や毒性を取り除く品質改良によって麻(精麻)の質も、一昔前とは変わっている昨今。精麻の質が麻製品に反映されるのは自明の理です。

ご参考になれば幸いです。

 

 

・参考文献

地域資源を活かす 生活工芸双書「大麻(あさ)」(農山漁村文化協会)

 

茶道の名水点、濃茶点前の際、水指に付ける麻のしめ縄(神様に関係)

茶道で重視される抹茶は「濃茶(こいちゃ)」といいます。

ひとつの茶碗に数人分の抹茶を入れて、湯で練り上げられたものです。

和菓子店などでよく提供されている抹茶、いわゆる薄茶(うすちゃ)にくらべると、茶の味が濃く、食感もややとろみがあります。

茶道では、その一椀の濃茶を同席した複数人でまわし飲みしていただきます。

 

さて、今回お客様より教えていただいたことは、茶道の名水点(めいすいだて)という名水(御神水や清水)を使った濃茶点前のときに、木地釣瓶形の水指にしめ縄・御幣を付けるのだそうです。

そして、一般に市販されているしめ縄はワラ縄製がほとんどですが、本来は神様に関係するものですので麻縄であると聞いていたとのこと。

麻縄のふさわしい径のものがなかなか見当たらないで、ようやくさがし当ててこの度ご注文いただいた由。


お客様はさっそく、釣瓶に男結びで付けてみられ、しっかりとして寸法もちょうどよく、とてもいい感じですとのご感想をいただきました。


霊験あらたかに感じられ、週末の点前が楽しみです、とのことでした。

 

 

・参考文献

「茶の湯入門」筒井紘一監修(洋泉社)