祝・15周年、さぬきいんべ年末感謝祭(本年も1年誠にありがとうございました)

毎年開催させていただいております年末感謝祭。

今年は15周年を祝い、16周年を予祝して、開催させていただきます。(2025年12月31日まで。2026年1月4日に、さぬきいんべは16周年を迎えます)

感謝をこめて、計1万円以上お求めの方に、しめ縄や鈴緒など、神社仏閣用の麻製品を調製している京都・山川製のオリジナル国産精麻アクセサリー《2トーン》をお1つプレゼントさせていただきます。これは、神道関連物の製作の余材が偶然できたそうで、それを生かすべく手仕事によって1つひとつ生まれた他にないものです。(年末のしめ縄ご予約の方には別の特別特典をお付けいたします)

京都・山川製の国産精麻アクセサリー《2トーン》(非売品)
京都・山川製の国産精麻アクセサリー《2トーン》(非売品)

今年は、大阪・関西万博において、国産大麻(精麻)・しめ縄【神居 和かざり】展示されました。(高野山金剛峯寺の別殿でも8月24日~9月21日まで同様の展示があり、特別展示されました)

3月には愛媛県西条市にて自然農法のイベントがあり、330人ほどの来場者があった由。昨年、今年と伊予市の後援で日本麻文化フォーラムが開催され盛況でしたが、やはり慣行農法ではなく、自然農法で栽培された精麻が求められていると思います。(10月にも同様のイベントが香川県観音寺市で開催され、200人以上の人が集まったと聞きました)

また、昨年につづいて今年も大麻の麻縄活用コンテスト(第4回)を開催させていただきました。今回から一次審査ののち、応募者に投票いただくようにいたしました。

モノ作りにおいて、思うことは、その作者の人格によって懸かる神霊仏霊に高い低いがあり、作者の人格が高い場合、それに相応する高級神霊が降臨され、形は同一であっても作者の人格が低い場合は、それに相応した代理神霊、または分神霊が懸かられると思います。

今年も通常通り、地元「西条まつり」〔伊曽乃神社、嘉母神社、石岡神社、飯積神社の4つの神社の例祭(秋祭り)の総称〕が盛大におこなわれました。

一般の方や神社仏閣向けに国産の麻製品がさらに普及しますように、四国の麻栽培が再生、後世にすばらしいこの麻文化が継承されますように祈念いたします。

webページからだけでなく、お電話、FAX、メールでのご注文も承っております。

旧暦10月は神在月。八百万の神が訪れるとき、出雲では何が行われるか

出雲地方では、旧暦10月は神在月(かみありづき)。

出雲大社から約1キロ離れた稲佐の浜。波の音が響く中、かがり火がたかれ、神迎祭の祝詞が奏上されるのが旧暦10月10日の夜です。(2025年は11月29日で土曜日となっており、より多くの参列者が予想されると思われます)

日本全国の八百万(やおよろず)の神は、稲佐の浜に参集します。

そして、稲佐の浜へ訪れた神様たちは神籬(ひもろぎ)に遷され、絹垣を取り囲む神職や氏子などとともに出雲大社へ向かいます。

その後、神楽殿にて宮司はじめ、多くの神職らが神在祭をおこないます。

神在祭では朝から夜まで神事がおこなわれ、その後神様が宿る神籬は境内にある十九社(いわば宿泊施設)へと遷されます。そして、翌日の旧暦11日から17日までの7日間、神様はそこを宿とし滞在されるのです。

 

そこで、神様は何をされるか。さまざまな取り決め、日本や私たちの繁栄や安泰、それに縁結びや五穀豊穣などについて話し合う、神はかり(=会議)がおこなわれます。

その会場は稲佐の浜にほど近い上宮(かみのみや)といわれており、上宮と十九社では毎朝お供えし、祝詞を奏上します。

本社では旧暦11日と15日、17日にお供え物をし、祝詞を奏上します。夜は神楽殿で夜神楽祈祷などがあり、多くの参拝者が訪れます。

旧暦17日の最終日には夕方、十九社に帰路につく神様をお迎えに行きます。(その際もこられたときと同じように絹垣で覆われて遷されていきます)その後、拝殿において神等去出祭(からさでさい)がおこなわれ、神様は出雲大社をお立ちになられます。

 

以前は地元の人や出雲大社の崇敬者だけが訪れるだけでしたが近年、神在祭期間中の一般の観光客が増えているようです。

 

 

 

・参考文献

「伊勢神宮と出雲大社」(エイ出版社)

日本の大切な伝統文化、おお麻と足袋にみられる”清浄”という共通点

日本の伝統的な衣類である足袋(たび)。

国立民族学博物館の上羽陽子准教授によると、いつあらわれたのか詳しくわかりませんが、5世紀頃に貴族や役人の装束や沓(くつ)とともに、襪(しとうず)という指又の分かれていない靴下のようなはきものが、中国大陸から日本に伝わったのが起源だそうです。

足袋のつま先は、足の親指と他の4本の指に分かれていて、下駄・草履・わらじなどの鼻緒の履き物が履けるようになっています。

うち、白足袋は神職、僧侶、能楽師、歌舞伎役者はほとんどの場合着用、茶道や弓道、大相撲の土俵上などで着用され、清浄の象徴として扱われています。

 

一方、おお麻(精麻)は、神の依り代、神様が宿る神聖な繊維とされます。

その用途は神事、神主がお祓いの際に使用する大麻(おおぬさ)はじめ、神社のしめ縄鈴緒、木綿葛(ゆうかづら)や巫女の髪結いなど、清浄であることが重要であるところに使用されます。

白木が清浄をあらわす場でつかわれるのと同じように、(白)足袋も、麻も、同じ意味をもっているものと思います。

 

5本指ソックスを手がける杉山ニット工業(奈良県香芝市、杉山浩之代表)は今年、創業60周年。その技術力により、足袋のよさとヘンプソックスが組み合わさった「タビソックス」が誕生しました。

履き心地がよく、5本指より履きやすい。11月3日より、取扱い開始いたしました。

 

 

・参考文献

「日本と世界のくらし どこが同じ?どこがちがう? (衣)」上羽陽子監修(汐文社)

「日本の建国と阿波忌部」林博章著

11月23日は、宮中にて1年中で一番大事な夜のみ祭り、新嘗祭

その年の新穀でつくったご飯やお神酒(白酒黒酒)はじめ昔ながらのご神饌を天皇自ら天照大神や天神地祇に奉り、天皇自身も同じものを親しく食される、「神人共食の祭儀」が新嘗祭です。

宮中祭祀の中で、1年中で一番大事な夜のみ祭りです。

古くは旧暦11月下(2番目)の卯の日に斎行されました。

天皇の即位後にはじめておこなわれるこの祭儀を践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい)といいます。2019(令和元)年に、今上陛下のこの大嘗祭が植物繊維の代表の麻織物・麁服(あらたえ)、動物繊維の代表の絹織物・繪服(にぎたえ)が調進され、斎行されたのは記憶に新しいと思います。

新嘗祭がおこなわれる11月23日は祝日ですが、そうなったのは1873(明治6)年以降のこと、1948(昭和23)年以降は勤労感謝の日となり現在に至っています。

 

なお、新嘗祭の前日、綾綺殿にて11月22日夕、鎮魂祭(ちんこんさい)がおこなわれます。天鈿女命(あめのうずめのみこと)が天の岩戸の前で、宇気槽(うけぶね=中が空洞の大きな器)を伏せてその上で矛を持って踊り、天照大神が天の岩戸から再びお出ましになった神話にもとづく神事です。

11月23日、全国の神社でも新嘗祭がとりおこなわれますが、宮中にならってのことなのです。

新嘗祭での浦安の舞奉納の様子(愛媛県内の神社)
新嘗祭での浦安の舞奉納の様子(愛媛県内の神社)

 

 

・参考文献

「皇室の祭祀と生きて」髙谷朝子著(河出書房新社)

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

大相撲のロンドン公演で横綱が土俵入り(国産精麻でできた”横綱”を使用)

大相撲のロンドン公演が10月15日に開幕しました。(19日まで5日間おこなわれ、チケットはほぼ完売)

34年ぶりだそうで、会場は前回と同じ、イギリスの音楽の殿堂といわれるロイヤル・アルバート・ホール

大の里と豊昇龍、両横綱の土俵入りがおこなわれ、四股を踏む際、「YOISHO(ヨイショ)」とかけ声が響いたとのことで、「SUMO(相撲)」とともに世界語になったと思いました。

国産大麻(精麻)・ミニチュア横綱の記事で、お伝えしているように、横綱が土俵入りの際に締める綱は、”横綱”といい、精麻がつかわれています。土俵入りの型に合わせて雲竜型と不知火型の2種類があり、大の里と豊昇龍は雲竜型です。

 

今回のロンドン公演での大の里の土俵入りがこちらのYouTube動画で見ることができます。

 

外国からの招待で実施される海外公演は、2005年のアメリカ・ラスベガス以来20年ぶりで、来年2026年にはフランス、パリ公演が予定されているそうです。

 

 

・参考文献

大相撲ロンドン公演開幕 大の里、豊昇龍の両横綱が土俵入り 「よいしょ」のかけ声響く(産経新聞)2025年10月16日

鎮魂八神と、切り火について

鎮魂八神、伯家神道で教わっている神様を下記に列挙します。

高皇産霊神(たかみむすびのかみ)

神産霊神(かみむすびのかみ)

生産霊神(いくむすびのかみ)

足産霊神(たるむすびのかみ)

魂積産霊神(たまつめむすびのかみ)

大宮比女神(おおみやひめのかみ)

御饌津神(みけつかみ)

事代主神(ことしろぬしのかみ)

 

大直日神(おおなほひのかみ)

※霊の字は旧漢字です。

上記のご神名を唱えながらする行法があります。

 

一方、日本においては古来、火を重大視し、神聖視してきました。

たとえば、火継神事、火鑽(切)神事、火焚神事など、また神前のお供え物も「忌火」によって調理される例が少なくないです。

このことは、火の神の霊異(神秘な力)によるものですが、やがて神々へのお供え物ばかりでなく、神前をはじめ場所・もの・人などのあらゆる忌み清めの際に「切り火」による浄めをおこなうことも多くなりました。

切り火をおこなう「火打ち石」は石英の類いの堅い石で、これを鋼の板金に打ち当てて火花を出しますが、その板金を「火打ち鎌」といいます。

火打ち石(右)と火打ち鎌の例
火打ち石(右)と火打ち鎌の例

かつて、ヒノキの木口にヒノキの棒を当てて、力を入れてもんで火を採りましたが、そのヒノキの字を「火の木」と書くことがあるのもそこからきています。

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)

アラソと精麻のちがいについて。同じ植物から生まれる2つの繊維

アラソ(皮麻)と精麻のちがいについて書いてみます。

アラソ精麻は、同じ植物が元でありながら、不思議なくらいその見た目や感じるものがちがい、加工の段階と用途が異なります。

アラソは、大麻のエネルギーそのもの、人の手がはいりすぎていない分、自然の根源的な力を感じる方が多いのではないでしょうか。(感じ方に個人差があると思います)

古い時代や地域によっては、「麻そのものの霊力」を重んじ、祓いや結界につかわれたようです。現代ではタタミの縦糸、久留米絣(国指定無形文化財)の糸を防染のため手くくりする際などにつかわれています。

精製される前の繊維、アラソ
精製される前の繊維、アラソ

対して精麻は、神様の宿る神聖な繊維、神の依り代といわれ、現在の神社祭式では祓い清めに用いられます。(お客様の1人は、アラソは原石や隕石のような麻そのもの、生命そのもののパワフルな感じ、精麻は磨かれたクリスタルのような曇りのない純粋なエネルギーと表現されています)

 

「JOMON(縄文)」を世界語にした縄文研究の第一人者で、國學院大學名誉教授だった故・小林達雄先生(1937~2025年)は、王冠型土器と火焔型土器(これらの土器は2つで1つ)のように、縄文人には「2つで1つ」という哲学があり、その哲学思想が縄文以降もつづいているとおっしゃっています。

これは、「陰陽」は大陸から渡ってきたといわれていますが、陰陽道自体、日本が起源ということです。

たとえば、伊勢神宮であれば、内宮と外宮、あるいは正宮と荒祭宮(あらまつりのみや)というように。狛犬もそうですし、風神雷神などもそうです。

同じように、アラソと精麻は、同じ大麻という植物のなかで、別の側面をもつ「2つで1つ」の繊維ではないでしょうか。

目的に合わせて使い分けるといいと思います。

 

 

・参考文献

「地域資源を活かす 生活工芸双書 大麻あさ」倉井耕一・赤星栄志・篠﨑茂雄・平野哲也・大森芳紀・橋本智著(農山漁村文化協会)

「元気アップ通信」2025年9月号(トータルヘルスデザイン)

 

 

 

 

11/1~2、第11回 日本麻フェスティバルin中能登町~能登半島復興祈願~のご案内

イベントのご案内がつづきます。

徳島での開催から2年ぶり、「第11回 日本麻フェスティバルin中能登町」〔主催:(社)日本麻振興会〕が11月1日(土)、2日(日)、石川県鹿島郡中能登町にて開催されます。

第11回 日本麻フェスティバルin中能登町

 

2024年に開催予定だった今回の第11回 日本麻フェスティバルは、元日の能登半島地震の影響により、開催が延期された由。まだ復興がつづく中、北陸3県(石川県・富山県・新潟県)の方々のご尽力により、本年開催できることになったそうです。

※詳しくは、見開き4ページのチラシがございます。さぬきいんべでご注文いただいた方に同封、または差し上げています。

能登半島の復興祈願を込めて、麻炭の花火の打ち上げもあるとのことです。

10/16香川・観音寺で、自然栽培、自然農法のイベントが開催

10月16日、観音寺ハイスタッフホール小ホール(香川県観音寺市)で下記の自然栽培、自然農法のイベントが開催されます。

当日は、自然農法歴23年の農業系YouTuber・今橋伸也さんのラーニングプログラム(講演)と、種のアクセサリー、カイロプラクティック、無添加ホットドッグ、ビーガンキーマカレー(限定50食)、自然農法加工品の販売、菌ちゃん薬膳師による食育の話などを含む「こころリセットマルシェ」が同時開催されるそうです。(対象は、食に関心のある人、自然農法・自然栽培に興味ある人、これから自然農法を始めてみようという人、農業初心者の人でも大歓迎とのこと)

10/16自然農法ラーニングプログラム(香川県観音寺市)

10/16自然農法ラーニングプログラム、同時開催こころリセットマルシェ

 

今橋さんは20年以上、自然農法で各種野菜を栽培され、多くの新聞や雑誌で取り上げられるなどイギリスで活躍、昨年日本へ帰って活動されている方です。YouTuberとしても活躍中です。(2025年9月現在チャンネル登録者数54,100人、投稿動画516本)

このイベントは麻に直接関係したものではありませんが、伊予市中山町での自然マルシェや昨秋に日本麻文化フォーラムに参加した方々も参加されるようですのでご紹介させていただきます。(香川・琴平のカフェ、「麻心」にチラシを置いております)

次は、年越しの大祓までに授与。神職が1つひとつ手作りした「大麻(おおぬさ)御守」

6月15日、香川県高松市宮脇町に鎮座する岩清尾八幡宮において、国産精麻を用いて神職が1つひとつ手作りした「大麻(おおぬさ)御守」が授与されました。

同宮は、西暦918年に現在の岩清尾山の山上に八幡大神様が現れたため、当時の国司が祠を建ててお祀りしたのが起源とされ、その後、社殿が山裾に建立、高松総鎮守・高松の護り神として現在に至ります。

 

「大麻御守」の大きさは通常のお守りより少し大きい程度で、複数の神職が手作りしているため、大きさや形がそれぞれ異なるとのこと。

予想に反し、用意していたものが授与当日、午前中ですべてなくなった由。

1体が1500円。次回は、年越しの大祓までに12月に授与されるそうです。