鎮魂八神と、切り火について

鎮魂八神、伯家神道で教わっている神様を下記に列挙します。

高皇産霊神(たかみむすびのかみ)

神産霊神(かみむすびのかみ)

生産霊神(いくむすびのかみ)

足産霊神(たるむすびのかみ)

魂積産霊神(たまつめむすびのかみ)

大宮比女神(おおみやひめのかみ)

御饌津神(みけつかみ)

事代主神(ことしろぬしのかみ)

 

大直日神(おおなほひのかみ)

※霊の字は旧漢字です。

上記のご神名を唱えながらする行法があります。

 

一方、日本においては古来、火を重大視し、神聖視してきました。

たとえば、火継神事、火鑽(切)神事、火焚神事など、また神前のお供え物も「忌火」によって調理される例が少なくないです。

このことは、火の神の霊異(神秘な力)によるものですが、やがて神々へのお供え物ばかりでなく、神前をはじめ場所・もの・人などのあらゆる忌み清めの際に「切り火」による浄めをおこなうことも多くなりました。

切り火をおこなう「火打ち石」は石英の類いの堅い石で、これを鋼の板金に打ち当てて火花を出しますが、その板金を「火打ち鎌」といいます。

火打ち石(右)と火打ち鎌の例
火打ち石(右)と火打ち鎌の例

かつて、ヒノキの木口にヒノキの棒を当てて、力を入れてもんで火を採りましたが、そのヒノキの字を「火の木」と書くことがあるのもそこからきています。

 

 

・参考文献

「家庭の祭祀事典」西牟田崇生著(国書刊行会)