有職故実、古来の習わしに則した神棚を探していて国産大麻(精麻)の製品を

有職故実(ゆうそくこじつ)、古来の習わしに則した神棚を探している過程で、さぬきいんべへたどり着いたというお客様から国産大麻(精麻)製品のご依頼をいただきました。(祓串が大麻比古神社と同じものであることにピンと来てお譲りいただければとのこと)

有職故実とは、古来の朝廷や武家の礼式・典故・官職・法令・装束・武具などのことで、またそれらを研究する学問をいいます。

一般に耳慣れない言葉だと思いますが、さまざまな形でそれは現代に息づいております。

 

「日々多くの方が手を合わせる神前や仏前で用いられる、いわゆる神具、仏具の麻製品は、有職故実にのっとった技法を受け継いだ職人の手でかたちにすべきだ」とは、創業120年以上、しめ縄鈴緒など神社仏閣用麻製品を手がける京都・山川の弁です。

古来の習わしが今につづいていることがたいへんすばらしいことであり、日本の伝統文化を語る上で欠かせないことだと思います。

古くて新しい伝統。すなわち、いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものも取り入れていくことも大事だと思っております。

けれども注意せねばならないのは「有職故実は生き物である」ということである。私たち現代日本人の衣食住について見ても、各人の趣味・嗜好、年齢、経済力、社会的立場などによって千変万化である。過去の時代においてもそうした例外は数多く存在したのであるから、有職故実の世界に「絶対」はない。千年の歴史の中から、ある1つの事象だけ切り取って、それを金科玉条にすることは、有職故実の本義にもとっている。〔「有職装束大全」八條忠基著(平凡社)序より引用〕

伝統と革新は表裏一体ではないでしょうか?

これからも、おお麻(ヘンプ)専門神具店さぬきいんべをよろしくお願いいたします。

 

 

月次祭にて国産大麻(精麻)草木染め紐付きの檜扇で浦安の舞奉奏・埼玉県の飯能平松天神社

飯能平松天神社(埼玉県)にて9月2日に月次祭があり、白衣白袴の大谷由紀宮司により浦安の舞が奉奏されました。

浦安の舞は前半の「扇の舞」と、後半の「鈴の舞」からなりますが、手にした檜扇には草木染めの国産大麻(精麻)紐がついていました。

この檜扇の草木染め麻紐はこちらにご紹介しておりますように昨年5月に完成しました。(下記の投稿で五色紐とありますが、実際は六色紐です)

 

この浦安の舞は、8月26~30日に明治神宮において同宮司が受講した(一社)神社音楽協会主催の「浦安の舞講習会」の修了報告として奉奏された由。

後半の鈴の舞は、同宮司は神楽鈴、または鉾先鈴に取り付けできる草木染めの国産大麻(精麻)五色緒もお持ちですが、この日は正絹の五色布で奉奏されました。

 

檜扇の紐について、「有職装束大全」八條忠基著(平凡社)P150によれば下記のようにあります。

有職の世界では、陰陽五行説からきた「五色」(青・赤・黄・白・黒)がさまざまな形で用いられるが、檜扇の紐だけは一色加えた六色である。その理由には諸説あるが、檜扇に巻きつけた際、隣り合う紐と撚りの方向が互い違いになる「左右縒(そうより)」にするため偶数にしたと考えられる。