2023年も残り50日を切りました。
年末年始を迎えるにあたって、3つお伝えさせていただきます。
まず1つ目。大根型、牛蒡型のしめ縄、各種和かざりをお求めの方はさぬきいんべwebショップよりご注文ください。(お電話、メール、FAXでのご注文も承ります)在庫のあるものはもちろん、在庫切れになっている場合や、既製ではない「こんなしめ縄を」という方はできる限り早い日にお問合せ、ご注文いただければ年内お届けが可能です。(ただし、やむをえない理由によりご希望に添えない場合もございます)
※今年もご希望の方に年内にきちんと届くようにと、国産大麻(精麻)しめ縄年内お届け超早期ご予約ページを開設しておりましたが、現在ご予約受付は終了しております。
2つ目。「しめ縄は毎年変えた方がいいですか?」とお問合せいただくこともあります。
答えは否。ご予算などに応じて新しくしたらと思います。スーパーで売られているような市販のしめ縄、しめ飾りなら躊躇ないとは思いますが、国産精麻、あるいは稲わら製の職人が手仕事でつくったしめ縄は大切に使いたくなる人も多いのではないでしょうか。
氏子からしめ縄や鈴緒が奉納されている神社では毎年変えてないところも多いです〔それでもすす払い(家庭でいう大掃除)をし紙垂を新しくしたりして新年を迎えているところが多数ですが、神職がしめ縄を手づくりし新しくする様子を伝えるニュースや新聞記事を近年、年末に頻繁に見るようになってきております〕。
※本年もそういった方のために、紙垂の取扱いを開始しております。もし、自分でしめ縄をつくることができるなら、それが一番と思います。
3つ目はその根本にある理由です。
日本の神道は黄泉(よみ)の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊ぎにみられるように「きれいになる」、また「再生」を尊ぶという、言わば「新生」する精神があります。これに付随し、黄泉の国から帰ることを意味するよみがえり(黄泉がえり)という言葉もあります。
また常若(とこわか)といういつも若々しいさまをいう言葉もあります。前述のすす払いや大掃除、お神札、しめ縄などを1年毎に納めて新しくする背後にはこういう意味合いがあります。
なお、使い終わったものは、社寺の境内等で家庭の門松やしめ飾りなどを一緒にはやす(燃やす)正月の伝統行事、どんど焼き(左義長、とうどうさん、地域によって呼び名がちがう)へ。そこで1年の無病息災を祈りましょう。
年越しの大祓も忘れずに。日々の生活の中で気づかないうちに生み出した目に見えない罪穢れをすべて祓い清めて新しい年を迎えます。
新年は1年で一番神様を感じる時ではないでしょうか。その新年を迎える前と、迎えた後。伝統行事は1年を健やかに過ごす先人の知恵です。
大年神(おおとしのかみ)は、民間信仰から歳徳神(正月に家に迎えまつる神)と考えられています。
家のしめ縄を新しく掛け替えたり、年神様の依り代(神様の憑依物)としての門松を作ったり、穀物神である年神様に穀物の代表として鏡餅などを供えたりして、新年を迎えます。
・大みそかの来客
ある地方には、「大年(大みそか)の客」という昔話が伝えられています。
昔々あるところに、とても貧しい家がありました。大みそかの夜、その家にたいへんみすぼらしい格好をしたおじいさんが訪ねてきて、一夜の宿を願い出ました。
すると貧しい家の人は、土間にむしろ(ゴザのような敷物)を敷いて、客人をやさしくあたたかく迎え入れ休ませました。翌朝目覚めると、おじいさんの姿は見えず、代わりにむしろの上にはたくさんのお金が置いてありました。
その話は村人に伝わり、神界から年神様が来訪して裕福になったという信仰が広がりました。それ以来、村人たちは毎年、大年神をお迎えするようになったというものです。
毎年お正月を迎えると、ときを司る大年神が来訪することによって人々の命もよみがえり、新たなエネルギーに満ちあふれ清々しく新年をスタートできるのです。『図解 身近にあふれる「神社と神様」が3時間でわかる本』後藤泰弘著(明日香出版社)PP59~60
皆様がいい年末年始をお迎えいただけますようにお祈り申し上げます。