さぬきいんべでは神社仏閣用の麻製品を調製する京都・山川の神具を取扱いはじめた7年前から、麻の葉模様のマスキングテープを包装につかっております。
製品や季節、人に合わせたりして使用するテープの色を細かくかえようと、見つけるたびに色の種類を増やしていっていましたが、先月気がついたら、8つの色がそろっていました。
八は末広がりとされ、八咫鏡、八百万の神、八咫烏、八岐大蛇、八柱御子神、八幡神社、八足など、8という数字をこよなく大切にする日本人です。山梨・身曾岐神社の火祥殿の中央の壇は八角形、秘仏・救世観音様がお祀りされている奈良・法隆寺の夢殿が八角形ですね。
一方、日本人は古来、目にふれるものをみて図案化する能力にたけていました。その根底にあるのは自然から与えられるエネルギーに感謝するという心です。一例を挙げれば、きものの稲妻柄は豊作の象徴。「稲と雷が結ばれ、実を結ぶ」と信じられていたからです。さらに雷は雨を呼びます。
麻の葉模様はご存知のとおり、魔よけの効果があるとされ、麻の神聖さや霊力を熟知し神事につかってきた日本人ならではの伝統的な模様です。建築、ファッションなどさまざまな分野で世界中に浸透しています。
もともと、赤ちゃんの着物である産着に麻の葉模様が用いられるのは、麻のようにまっすぐ育つことを赤ちゃんに願ったものでした。植物の霊気を身にまとうと言うとわかりやすいのではないでしょうか。
最近では、麻の葉模様入りの折敷(おしき)が登場しています。市松模様入りも。ちなみに素材は吉野桧です。
折敷とはヒノキなどの白木に縁をつけ、四角形の角の先を落としたお盆のことです。下に胴がつくと三方になります。
神様にお供えする神饌、神具(水玉、瓶子、平瓮)、鏡餅をのせるために用います。サイズが2.5寸と3寸があり、小物を置く台座としても使えるのではないでしょうか。
縁起のいい、麻の葉模様と市松模様の2種類、どちらを選びます?
・参考文献
「日本の建国と阿波忌部」林博章著
「神饌」写真・野本暉房、文・倉橋みどり(淡交社)
「きものという農業」中谷比佐子著(三五館)