日本の伝統的な衣類である足袋(たび)。
国立民族学博物館の上羽陽子准教授によると、いつあらわれたのか詳しくわかりませんが、5世紀頃に貴族や役人の装束や沓(くつ)とともに、襪(しとうず)という指又の分かれていない靴下のようなはきものが、中国大陸から日本に伝わったのが起源だそうです。
足袋のつま先は、足の親指と他の4本の指に分かれていて、下駄・草履・わらじなどの鼻緒の履き物が履けるようになっています。
うち、白足袋は神職、僧侶、能楽師、歌舞伎役者はほとんどの場合着用、茶道や弓道、大相撲の土俵上などで着用され、清浄の象徴として扱われています。
一方、おお麻(精麻)は、神の依り代、神様が宿る神聖な繊維とされます。
その用途は神事、神主がお祓いの際に使用する大麻(おおぬさ)はじめ、神社のしめ縄や鈴緒、木綿葛(ゆうかづら)や巫女の髪結いなど、清浄であることが重要であるところに使用されます。
白木が清浄をあらわす場でつかわれるのと同じように、(白)足袋も、麻も、同じ意味をもっているものと思います。
5本指ソックスを手がける杉山ニット工業(奈良県香芝市、杉山浩之代表)は今年、創業60周年。その技術力により、足袋のよさとヘンプソックスが組み合わさった「タビソックス」が誕生しました。
履き心地がよく、5本指より履きやすい。11月3日より、取扱い開始いたしました。
・参考文献
「日本と世界のくらし どこが同じ?どこがちがう? (衣)」上羽陽子監修(汐文社)
「日本の建国と阿波忌部」林博章著