巫女舞用、祓具として☆
清らかな鈴の音。国産大麻(精麻)の五色緒が付いた神楽鈴
神社仏閣をはじめ日本古来の伝統的で高度な芸術文化が日常のなかで今も息づいている古都・京都。
その奥深い伝統と美しさを多くの名も無き職人たちが支えているのをご存じでしょうか?
装飾具、本坪鈴をつくる錺(かざり)金具師と、しめ縄や鈴緒をつくる麻縄職人により国産大麻(精麻)の五色緒が付いた神楽鈴ができました。
神楽鈴は神社の拝殿の鈴と同じように神霊を招き邪悪を祓うものとされ、人々と神仏を結ぶ役割を担うものといわれています。
おお麻(ヘンプ)は霊気を持つものとして古来祭祀神儀に用いられてきた神聖な植物です。
いわゆる祓い、癒し、身のお守りなどにつながっています。
巫女舞用に、神事芸能に、お祓いの道具としてお使いいただければ幸いです。
朝な朝な神の御前にひく鈴の おのずから澄むこころをぞ思う(百十二代霊元天皇御製)
《鈴の音で清める》
縄文時代には土で鈴を作り、古墳時代の埴輪が鈴をつけていることからわかるように、古から日本人はその音に神聖な力を見いだし、その音の力を感じてきました。 脈々とした歴史のつながりの中、消えていくものも多い一方で、今も尚、その働きを自然なかたちで現代の生活に息づかせているのが鈴のすごいところ。たとえば幼子のサンダルや、何気なくつけるキーホルダー、お守りなどなど。思いがけないところで鈴の音は私達を清め続けています。 |
『福を呼び込む和のならわし』広田千悦子著(メディアファクトリー)P.116より引用、一部編集
みこ【巫女・神子】・・・神に仕えて神楽・祈祷を行い、または神意をうかがって神託を告げる者。(『広辞苑』より)
・京都/株式会社山川について
明治19年創業。現在、代表は山川正彦氏(5代目)。伝統的な技法と材料を守りつつ、神社仏閣用の麻製品を手がけて120年以上。つくられているものに、その仕事に携わった職人の名前が入ることはありません。
今日の技術に満足することなく、日々精進。手仕事による伝統工芸は一級品です。
京都府指定「京の神祇装束調度品 伝統工芸品」認定。
※明治維新まで皇室のあった京都では、各種の式典や行事が多く、また神社の神事も盛んであるため、それらの道具や衣装をつくる専門工芸が古くから発達してきました。神祇調度とはいわゆる神具と呼ばれるもので、三宝や神殿などの木製の道具類のほか、鏡、御簾、几帳、旗、幕、雅楽器などがあります。神祇装束は、宮中の装束や神主の衣服、各種の伝統的な式典や行事などに用いられる衣装とその付属品をさします。いずれも多品種少量生産で、手づくりが大部分を占めます。街ぐるみの分業パワーに加え、産地と消費地が一体になっている京都ならではの伝統工芸です。
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シャンシャンと鳴る清らかな鈴の音に心が洗われます。(写真は草木染め版) |
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鈴の下方に法相華の文様が施されています。 |
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持ち手の部分はカシュー漆塗り仕上げ。錺金具は法相華文様。 |
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細部に麻縄職人の技が光ります。(写真は草木染め版) |
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極上の国産精麻を用い、草木染め版は「五色」を自然からいただいた色で再現しております。 |
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ご予算等に応じて従来版もお選びいただけます。(写真は従来版の五色緒) |
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信頼と安心。京都府指定「京の神祇装束調度品 伝統工芸品」です。 |
《五色緒の草木染めの染料》
色 |
青(緑) |
黄 |
赤 |
白 |
黒(紫) |
染 料 |
本藍+ざくろ染め |
ざくろ染め |
茜染め |
きなり |
本藍+茜染め |
※「五色」にならい便宜上、白色にきなりを当てはめております。
《神楽鈴の起源》
神楽(かぐら)とは神に奉納する神事芸能で、天細女命(あめのうずめのみこと)が天の岩屋戸の前で神がかりをおこなったことが起源とされます。 平安時代にまとめられた「古語拾遺」という書物には、天の岩屋戸にお隠れになった天照大御神の心をひくために天鈿女命が鈴を付けた矛を持って舞ったことが記されています。 古代においては、巫女は祭祀や儀礼の中で、神様のお告げを聞き神意を伝える重要な存在でした。中世以降、神社で神事の奉仕をしたり、神職を補佐する役割へと変化していったようです。現在の巫女舞(巫女神楽)はこの天の岩屋戸神話の天細女命の神がかりの舞を起源とし、それが洗練され様式化されたものといわれています。ただ人前で踊るとか見せるだけでなく、観ている人が一緒に高揚し心が洗われ空気が神聖になる神事です。 |
《なぜ五色?陰陽五行思想とは》
青(緑)、赤、黄、白、黒(紫)の五色は、古代中国で成立した陰陽五行思想に基づくものとされています。日本もこの考え方の影響を受け、宮中の儀式などに取り入れられ、神社でもご神前の真榊(まさかき)、神輿渡御の行列の五色旗などさまざまなものに用いられています。 陰陽五行思想とは、すべてのものは、陰と陽から成立し、天地を循環する木・火・土・金・水の元素は、万物の組織をつくるものという考え方です。 また五行には東西南北・天という五方向、春夏秋冬・土用という五季、東(青)、西(白)、南(赤)、北(黒)、天(黄)という五色も定められていて、祭祀などに意味深く使われています。 この神楽鈴・国産精麻五色緒付きは、“神道の五色”を草木染め版において自然からいただいた色で再現しております。 |
神楽鈴・国産大麻(精麻)五色緒付きは、京都の伝統が息づく清らかな鈴の音が特徴の古くて新しい特別な神具です。 ※手打ち本坪鈴仕様、ならびに五色緒従来版、また五色緒のみはお作りしてお届けさせていただきます。 ・本体は、幅約11センチ×長さ約30センチです(「西型」)。下(持ち手側)から上に向かって七・五・三個(計15個)の本坪鈴(1寸径)が付いており、シャンシャンと清らかな鈴の音色がします。 ・五色緒の長さは2尺5寸(約75センチ)。国産極上質の精麻(大麻の茎の皮を乾燥させたもので、精麻を裂いてできた繊維をより集めると麻糸になります)でできており、美しい五色にもこだわっています。(職人の素材を見る目、技が随所に施されています。それらも併せて感じていただければ幸いです)草木染めは染め職人による手染めです(ロットにより色合いが若干ちがう場合がございます)。従来版(化学染料による染色)もできます。※従来版は段階的に廃番の予定です。 ・五色緒の長さを長くしたり、五色緒のみのご注文も対応可能です。五色緒のみを製作の場合は、神楽鈴などへ取付する用に精麻そのままをおつけさせていただきます。また、お買い上げ後、精麻部分(五色緒)の交換もお請けいたします(有償)。お問合せくださいませ。 ・神楽鈴は神社の拝殿の鈴と同じように神霊を招き邪悪を祓うものとされ、人々と神仏を結ぶ役割を担うものといわれています。巫女舞用、神事芸能に、また邪悪を祓い乱れた心を整える祓具(お祓いの道具)としてお使いください。神楽鈴本体のみのご注文もお請けいたします。 ・『取扱説明書』をお付けします。古神道(伯家神道)の作法により潔斎してお送りさせていただきます。(火打ち石を使います。古墳時代にはすでに使われていたことが知られており、切り火は不浄を断ち邪をはらう日本古来の風習です) ・鉾先鈴の他、総手打ち・手彫りの神楽鈴を用いたものもできます(お作りしてお届けさせていただきます)。本物をより求める方へ。また、神楽鈴を立てて置く台(鈴掛け台)もございます。お問合せください。 ・参考文献 『古語拾遺』斎部広成撰・西宮一民校注(岩波書店)、神社検定公式テキスト1『神社のいろは』監修・神社本庁(扶桑社)、『決定版 知れば知るほど面白い!神道の本』三橋健著(西東社)、「きものという農業」中谷比佐子著(三五館)、特集 京都の職人技『美術手帖』2015年11月号(美術出版社)、『野村万蔵の狂言へござれ』野村万蔵著(淡交社)など |