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大麻(精麻)の注連縄をさがして

大麻(精麻)の注連縄をさがして【File005】~徳島・上一宮大粟神社編~

阿波(徳島県)の国魂・大宜都比売命を祀る上一宮大粟神社

徳島・上一宮大粟神社

上一宮大粟神社は、徳島県神山町に形造られる大粟山(標高255m)の中腹に鎮座する神社です。

ここへ来るのは3回目くらい。最初訪れたときは神山という町名や神社が鎮座する地名が神領(じんりょう)なのですごい!と思いました。

古事記によると、祭神の大宜都比売命(おおげつひめのみこと)とは、国生み神話で伊予の二名島(四国)を生んだ際、「粟国を大宜都比売という」とあります。

大宜都比売命はイザナギ・イザナミの二神から生み出された粟国(阿波国=現在の徳島県)の国魂です。(オオゲツヒメは表記が少しずつ違いますが古事記に4回登場します。詳細は古事記参照ください)

徳島・上一宮大粟神社(鈴緒)
鈴緒には奉納した日本麻振興会の名が刻まれている。


麻文化の継承を目指す、日本麻振興会「全国の神社仏閣に神麻の注連縄・鈴の緒を奉納する有志の会」(栃木県鹿沼市)が2016年から国産精麻を使った注連縄、鈴緒を奉納し始めましたが、その第1弾の奉納先に選んだのは、この上一宮大粟神社。

天皇に麻織物を献上するなど麻と縁の深い徳島で奉納先をさがしていたところ、神社関係者からこの神社を紹介されたのがきっかけだそうです。

同年10月、神社の秋の例大祭に合わせて注連縄3本と鈴緒1本が奉納されました。

奉納された注連縄のうち一番太いものは太さ15cm、長さ5.5mで、製作を担当した株式会社山川(京都市)によると、同じ品質のものは国内にほとんどなく、ずっしり重いといいます。立派な注連縄です。

徳島・上一宮大粟神社(大粟山山頂)
もともと大粟山の頂上に社地があった。現在は祠が祀られる。


神社にお参りした後、大粟山に登ってみました。

「大粟神社」の社伝によれば、大宜都比売神が当地にはじめて粟を栽培したゆえに大粟山と呼ばれ、国名も「粟国」(阿波国)というようになったとされています。

なお、神社は創建時より現在地に鎮座していたわけではなく、最初は大粟山の頂上〔天辺(てんぺ)の丸〕に鎮座していましたが、いつの頃からか現在の大鳥居が立つ古祀場(ふるしば)に移され、後に改めて現在地に遷座されたようです(「神領村誌」)。

現在、大粟山の頂上には祠が祀られています。

徳島・上一宮大粟神社(大粟山からの眺め)
大粟山から西方を望む。高根山や東宮山、焼山寺山といった山々が見える。


古事記において、「国生み」条で生み出された淡路島・四国・隠岐島・九州・壱岐島・対馬・佐渡島・畿内の大八島国のうち、国魂が女神であるのは、粟国の大宜都比売、伊予国(愛媛県)の愛比売(えひめ)、そして対馬の天之狭手依比売(あめのさでよりひめ)の3カ国。そのうち、2つが四国なんですね。

大宜都比売が鎮まる「神山」、大粟山。そして四国は“始国(しこく)”。上一宮大粟神社が日本麻振興会の注連縄・鈴緒の最初の奉納先になったのは神意を感じてしまいます。


(文責・加藤義行)



参考文献:
オオゲツヒメと倭国創生~日本の穀物起源神の原像~」林博章著
「麻100%しめ縄、神山の神社に奉納 日本麻振興会」2016年10月14日付、徳島新聞(徳島新聞社)
日本麻振興会「全国の神社仏閣に神麻の注連縄・鈴の緒を奉納する有志の会」webサイト

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