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大麻(精麻)の注連縄をさがして

大麻(精麻)の注連縄をさがして【File003】~徳島・平等寺編~

弘法大師が開基、万病に効く「霊水」が今につたわる平等寺

徳島・平等寺(山門)

平等寺は、徳島県阿南市の桑野川を見下ろす小山のふもとにある四国霊場第22番札所。

814(弘仁5)年、弘法大師・空海が41歳のときに開基したお寺で、大師の御作と伝えられる薬師如来がご本尊です。

朱塗りの仁王像が建つ山門を抜け、山側にむけて少し歩くと、正面に本堂へ向かう厄除け男坂、左方に厄除け女坂(いずれも石段)があります。

この日は気持ちのいい風が吹いており、本堂の五色の幕をゆらしていました。

徳島・平等寺(ご本尊薬師如来)
ご本尊の薬師如来(秘仏)。この日は公開中だった。



お参りをすませて、万病に効くという「弘法の霊水」をいただきます。これは大師が掘ったとされる井戸の水のことで、ヒシャクをつかって飲んだり、容器に入れ持ち帰ることができるそう。※容器のない方はお持ち帰り用の容器(200円)が用意されています。

この井戸は「白水の井戸」とも呼ばれる名前の通り、掘られた当時は乳白色の水だったようですが、現在は無色透明。飲んでみると飲みやすい水だと思いました。

徳島・平等寺(弘法の霊水と本堂への階段)
本堂へ続く石段下にある「弘法の霊水」(写真左)。まろやかな味という人が多いという。



その後、寺の見どころを納経所で尋ねるといくつか教えていただけました。

そのうちの1つが、本堂の前からの眺めです。

山の形が頭を左側、足を右側にして弘法大師があおむけに寝ているように見えます。この光景に気づいたのは、2015年半ばのこと。

近隣住民がお寺の裏山の伐採整備をした後、本堂近くで雑談をしていた1人が見つけたといいます。

徳島・平等寺(本堂前からのぞむ風景)
本堂前からみた風景。寝ているお大師さん、見えますか?(よく見てみてください)
 徳島・平等寺(お守り)
 藍染めの袋に国産精麻のヒモがついた特別授与品「あいのたね空海おまもり」



「平等不偏に衆生の苦を医(い)やし去る」という弘法大師の願いにより建立されたという平等寺。

また大師は、動物も草木も人も、天と地と神仏も、みな等しく大日如来のあらわれの1つ、すべてのものは存在としての価値に違いがなく平等であると言ったようです。

境内の隅々に寺を守る人たちの御心が表れていて、それに共鳴した人やモノを呼び寄せているように思えました。


(文責・加藤義行)



参考文献:
「四国お遍路88ヶ所歴史読本」歴史読本編集部編(KADOKAWA)
「四国八十八所遍路 徳島・高知編」宮崎忍勝・原田是宏著(朱鷺書房)
「あったか!こんな風景 平等寺から眺める『お大師さん』」徳島新聞2015年11月3日付(徳島新聞社)


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